WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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題名はあの映画からです。

このクソ暑い時期にクソ寒いロシアのクリスマスの話を書いてるのに全然冷えない。
あとちょっと短いです。


第20話:戦場のメリークリスマス

下原「わぁ!ハムです!」

 

ジョゼ「こっちはりんごジャムだ!」

 

 サーニャとエイラが来た直後、502にはスオムスからの物資が到着した。

 物資を開けて中に食料を確認してジョゼと下原は喜んでいた。

 

リョーニャ「えっと、物資はこれだけか?

      せいぜい一週間程度だな」

 

パット「食料は一部を検査に回せ、弾薬は開けて種類ごとに分別後倉庫に、残りは種類ごとだ。

    嗜好品は置いておけ。」

 

 そしてその物資をリョーニャとパットは書類で確認しつつ各種指示を出していた。

 スオムスからの救援物資の量は焼け石に水程度だったがそれだけでも十分だった。

 二パがある荷物を開ける、その中身を見てひかりに声をかける。

 

二パ「ひかり、見て」

 

ひかり「わぁ」

 

 中身は小さなツリーだった。

 そして荷物を確認しつつサトゥルヌスの準備も開始されろうそくが格納庫内に並べられた。

 二パがひかりに感想を聞く。

 

二パ「どう?ひかり」

 

ひかり「すごくきれいです…」

 

ポー「クリスマスにしてはしょぼいなぁ…

   もうちょっとパーっと祝いたいんだけどな」

 

 ひかりはきれいだというが派手に祝いたいポーには不満だった。

 それはともかく他のウィッチ、毒キノコを持ってきて危うく全滅させかけたクルピンスキー以外はそれに見とれていた。

 

クルピンスキー「先生もキノコ採ったのにさ…なんで僕だけ…」

 

 クルピンスキーは首から「私は破壊活動をしました」と書かれた看板を下げられて放置されていたがその光景にマントイフェルやバーティ、パット、リョーニャは東部戦線での捕らえられたパルチザンや大戦末期にドイツ軍であった逃走したり脱走、後退した兵士を首から看板を吊り下げられた状態で処刑、放置されていた悲惨な末期的な嫌な思い出を思い出していた。

 

サーニャ「スオムス軍より502基地への補給任務、完了しました」

 

ラル「確かに受領した」

 

ロスマン「向こうも苦しいと聞いたけど…」

 

 サーニャがラルに書類を渡しラルは受け取る。

 するとロスマンがスオムスの状況を聞いていたためサーニャに聞いた。

 

サーニャ「エイラ達スオムスのウィッチがニパさんを助けるんだってかき集めたんです」

 

 サーニャがスオムス軍のウィッチによって物資がかき集められたと答えた。

 

サーシャ「助かりました。リトヴャク中尉、ユーティライネン少尉」

 

エイラ「いやーそんな大したことはー」

 

 サーシャが代表してお礼を言うとエイラが答える。

 そして続いてパーティーの準備が始まった。

 ポーと下原の手によって豪勢な料理とケーキやクリスマスプディングなどイギリスやドイツ、フランスのクリスマス料理などが並べられていた。

 さらには大量のビール、コニャック、ワイン、ウィスキー、ウォッカ、クワス、ラム、リキュール、ジンなどの酒も出されていた。

 

ポー「それじゃ飲むぞー!」

 

 ポーは持ってきたウィスキーを飲み始めた。

 

リョーニャ「おい、酒を全部飲むなよ」

 

 さらにリョーニャもウォッカをボトルごとラッパ飲みし始める。

 

バーティ「全く下品だ。もう少し上品に飲めないものかね?」

 

マントイフェル「そうか?酒なんてそんなもんだ。

        うん、クリスマスはグリューワインに限る」

 

パット「はぁ…シャンパンがない…」

 

 バーティはビール瓶を持って、マントイフェルはグリューワインが入ったマグカップを持ちながら浴びるように酒を飲んでいる二人を見ていた。

 ただパットは大好きなシャンパンがないことに落ち込んでいた。

 その横で菅野がひかりに声をかける。

 

菅野「おい、雁淵」

 

ひかり「はい」

 

 すると人形が差し出された。

 

ひかり「わぁ…可愛い」

 

サーシャ「マトリョーシカっていうオラーシャの人形よ」

 

菅野「お前にやる」

 

 渡されたのはマトリョーシカ、ロシアとオラーシャの伝統的な工芸品である。

 

ひかり「ありがとうございます!」

 

サーシャ「それ真ん中から開くのよ」

 

 ひかりが喜ぶとサーシャが補足して説明する。

 言われた通り開くと一回り小さな人形が出てきた。

 

ひかり「わぁ!」

 

二パ「まだ開くんだよ」

 

 それを見て喜ぶがさらに二パが説明する。

 そしてまた開けると中から小さな人形が出てきた。

 

ひかり「わぁ!可愛いブタ!」

 

菅野「犬だ…」

 

 ひかりはそれを見てブタだというが菅野が犬だという。

 その下ではクルピンスキーが四つん這いで歩いていた。

 

クルピンスキー「匂う…匂うぞ…」

 

 そして物資の中でも嗜好品が入れられて木箱のところについた。

 

クルピンスキー「僕を呼んでるこの香り…おっ!」

 

 そして手を突っ込んで中を漁ると何かを見つける。

 

クルピンスキー「君かー!シャンパン君!」

 

 引っ張り出したのはシャンパンのボトルだった。

 だが別の手がそのシャンパンを奪い取る

 

クルピンスキー「あぁ、隊長!?」

 

ラル「これを振ったら楽しくなる…

 

 奪い取ったのはラルだったがさらにそれを別の手が奪う。

 

パット「ほぉ、こいつはいい奴じゃないか。

    ペリエ・ジュエのベル・エポックじゃないか。

    振るなんて言ったバカには勿体ない」

 

 奪ったのはパットだった。

 シャンパンが好きであり半分マニアの域に達しているシャンパンの知識からそれがとんでもない上物だと確認した。

 パットはシャンパンをラルから奪うとキッチンにシャンパングラスを取りに行った。

 そこから少し離れたところではエイラとサーニャがその様子を見ていた。

 

エイラ「ちょっと心配してたんだけどなー」

 

サーニャ「ニパさんのこと?」

 

エイラ「うん。あいつ502で浮いてんじゃないかって…」

 

 エイラは二パのことを心配していた、だが二パの方を見ると笑顔で会話していた。

 

サーニャ「心配ないみたいね」

 

エイラ「うん。心配して損した」

 

 二パの笑顔を見てエイラは安心した。

 すると宴会の中でマントイフェルがエイラたちに近づいてきた。

 

マントイフェル「レディー、パーティー楽しんでいただけてますかな?」

 

 マントイフェルは紳士的に声をかけた。

 マントイフェルはエイラたちがパーティーから少し離れたところにいたので気を使って話しかけた。

 

エイラ「まあな。ところで誰だ?」

 

マントイフェル「おっと、自己紹介がまだだったな。

        俺はヴァルター・ハインリヒ・フリードリヒ・ゲルト・フォン・ツェレウスキー・グラーフ・フォン・マントイフェル予備役中尉だ。

        よろしく、ミスユーティライネン。」

 

 エイラに自己紹介をしていなかったためマントイフェルは簡単に自己紹介して手を差し出す。

 

エイラ「よろしくなマントイフェル。」

 

 エイラは差し出された手に握手するがふとマントイフェルの首元にかけられた騎士鉄十字章に目が行った。

 

エイラ「なあ、その勲章さ」

 

マントイフェル「ん?騎士鉄十字章がどうかしたか?ミスユーティライネン」

 

エイラ「もしかしてドイツ軍人か?」

 

 エイラがドイツ軍人と言った次の瞬間、エイラとサーニャにマントイフェル、バーティ、ポー、パット、リョーニャが拳銃を向けた。

 

マントイフェル「なぜ知っている?答えによっては眉間に風穴があくぞ」

 

ポー「正直に答えた方が身のためだぞ。こっちだってガキじゃない。

   軍人だ」

 

 マントイフェルとポーがなぜ知っているかを聞く。

 それに周りのウィッチたちはその冷静で冷酷な口調に驚いていた。

 エイラとサーニャは銃を突きつけられて答える。

 

エイラ「501にいたんだ。ドイツ空軍の奴とポーランドだかどっかの奴が。」

 

バーティ「なに?501にも?」

 

サーニャ「ええ。

     ハインツ・ヴァレンシュタイン少佐とアドルフ・ミラー少尉、アレクサンデル・ノヴァク中尉っていう三人がいました。

 

 エイラとサーニャは正直に答えるが501にも同じような者がいたことに驚いていた。

 

エイラ「知ってるのか?」

 

マントイフェル「いや全く。ハインツ・ヴァレンシュタイン少佐なんて知らんぞ」

 

 エイラは知っているかと聞くが全員面識はなかった。

 そもそもマントイフェルとハインツは作戦地域も所属部隊、さらには軍管区、マントイフェルは東プロイセンの第Ⅰ軍管区だがハインツはニーダードナウ大管区なので軍管区は全く違うので基本的に知るわけがないのだ。

 ミラーも同じく所属も作戦地域も軍管区も全く違うので知るわけがなかった。

 

バーティ「俺も知らんぞ。そもそもポーランド人部隊と作戦行動をしたことなんて殆どないぞ」

 

 バーティもポーランド人部隊とはあまり一緒に行動しなかった、それどころかフランス人部隊となら一緒に作戦を行った経験が多いのでポーランド人の知り合いなどいなかった。

 パットなどはそもそも戦域が違ったり敵としていたため知るわけがなかった。

 

マントイフェル「だから知っていたのか。」

 

エイラ「まさかお前らもなのか?」

 

 エイラの話を聞いてマントイフェルたちは銃を下ろす。

 そしてエイラがマントイフェルがハインツ達と同類と勘付き聞く。

 それにバーティ達が答える。

 

バーティ「ああそうだ。俺は王立空軍だ。」

 

パット「自由フランス空軍所属だが」

 

ポー「我らがU.Sネイビーだ。」

 

リョーニャ「偉大なる労農民赤色空軍軍人であり我らがソビエト共産党党員だ。」

 

 それぞれ自分の所属している軍を言う。

 それに対してハインツ達から最低限の向こうの知識を知っていたエイラたちは疑問を持たなかった。

 

マントイフェル「まあ色々あったんだこっちも。

        それと、もうこの話は終わりにしよう。さあパーティーの続きをやろうじゃないか」

 

 するとマントイフェルがこの話を無理矢理終わらせた。

 その後パーティーは夜明けまで続いた。

 

 

 

---------

 

 

 ガリア、パリ。

 ガリアの首都にして花の都、この街の一角モンマルトル、この地区はパリに中でも繁華街・風俗街として知られる地区である。

 そしてこの地区にあるキャバレーの中に少佐の階級章と少尉の階級章をつけたカールスラント空軍の軍人がいた。

 

「ハハハハハ!酒もってこい!

 ミラー!今日は貯蓄を全部使うぞ!」

 

ミラー「少佐、いくらこの後参謀教育でノイエカールスラントに戻るといってもここで全部使うのは不味いですよ。」

 

ハインツ「何しけた事言ってんだよ!今日はクリスマスだぜ?

     それに軍隊は衣食住全部出るから問題ない!」

 

 それはノイエカールスラントに参謀教育のため戻るハインツと休みでパリに来たミラーだった。

 二人とも本来ならサン・トロンにいるミーナたちと一緒なのだが移動のためパリに来ていた。

 そしてクリスマスということで普段はミーナの厳しい監視に耐えていたハインツが給料全部つぎ込んでパリ一番のキャバレーで遊んでいた。

 

ミラー「いやそうですけどねえ…それに飲みすぎたら大変ですよ?」

 

ハインツ「大丈夫だって!そんなしけたこと言ってないでパーっとやろうぜ!」

 

ミラー「いや、僕明日の早朝の列車でパ・ド・カレーに行かないとだめなんで遠慮しておきます。」

 

 ミラーはハインツからの酒の誘いを断った。

 明日の早朝の列車でリーネに会いに行かなければならないからだった。

 翌日、ミラーは目当ての列車に乗ってパ・ド・カレーに行きリーネと久方振りの再開を喜んだ。

 ハインツは二日酔いで一日中寝込んでいた。




久しぶりに登場ハインツ&ミラー。
別に出さなくても良かったけどクリスマスにパリのキャバレーで遊ぶハインツを書きたかった。

さてと、13話どうしよう…(この回の記憶が恐ろしく薄い。エイラがサーニャとデートしようとして失敗する話と夜間戦闘とカウントダウンの花火だよな?)
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