大掃除、我が家では寒い冬ではなく暖かくなった春にやってます。
だって年末年始って忙しいもん。
よく考えたら冬場バルト海、凍結するんだよな…しかもフィンランド湾って結構狭いし
エイラ「ふぁぁ…ん?…うわ!
サーニャ?」
サーニャ「zzzz」
エイラ「サーニャ、なんで私のベットに?
また寝ぼけたのか?」
サトゥルヌスの翌日、エイラは起きるとベットにサーニャがいることに驚いていた。
そしてエイラはいつものように対応していた。
エイラ「今日だけだかんなー。
ホントに今度こそ絶対今日だけだかんなー…」
エイラが寝ているサーニャを見ていると突然後ろのドアが開いた。
エイラ「うわっ!」
ジョゼ「サトゥルヌス祭の次は年末大掃除!
年越しまであと1週間!
基地中ピカピカにしちゃんだから!」
入ってきたのはモップを持ったジョゼだった。
ジョゼは二人を部屋から追い出すと大掃除を始めた。
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ポー「うう…寒い…その上朝から部屋追い出されるとは…」
パット「昨日の酒がまだ残ってる気がする…その上全面禁煙はキツイ。」
ジョゼに朝から部屋を追い出された被害者はほかにもいた。
ポーとパットは朝から部屋を追い出された上パットはパーティーで上物のシャンパンを丸々一本と安物のワイン3本を開けたため二日酔い、ポーは朝から寒い思いをしていた。
さらにはヘビースモーカーでありニコチン依存症のパットにとっては禁煙は苦行だった。
パットは二日酔いから頭を抱えて、ポーは米海軍の将校用冬季制服のズボンのポッケに両手を突っ込みながら廊下を歩いているとサーニャとエイラと二パが会話しているのを見つけた。
ポー「よ、サーニャ、エイラ。
何してたんだ?」
サーニャ「ポーさん、パットさん、おはようございます。
街を見てたんです。」
パット「街か。行きたいのか?」
ポーは話しかけるとサーニャが答えパットが街に行きたいか聞く。
するとエイラが何か思いついた。
エイラ「そうだ!サーニャ、街を散策しようぜ。
二人っきりで…」
エイラはサーニャと二人で街を散策したいという。
それにポーとパットは
ポー「まあいいんじゃないか。せっかくの休暇だ好きなことやりな」
パット「車ぐらいなら貸すぞ。馬もいるしな、貸してくれるかは別だが」
二人とも賛同していた。
すると後ろから声をかけられた。
ロスマン「リトヴャク中尉、ユーティライネン少尉、ここに居ましたか」
ラル「すまんが、少し時間をもらえるか?」
振り返るとロスマンとラルがいた。
サーニャ「はい。何でしょうか?」
ラル「スオムス方面の戦況について聞かせて欲しくてな」
ロスマン「現場の生の声が知りたいの」
二人はサーニャたちにスオムス方面の戦況を聞いていた。
502には他戦線の情報は届きにくかった。
エイラはそれに考えると答えた。
エイラ「あー…えっとだな…その…なんか色々大変…?」
ロスマン「それはわかるけど…」
ポー「士官としてその報告はない」
パット「要点を簡潔明瞭に説明しろ」
エイラの答えにポーとパットはいらいらしていた。
そのあまりにざっくりとした説明は酷すぎた。
サーニャ「正直、あまり余裕はありません。
この時期周辺の湖も凍り付くため陸戦ウィッチの稼働率も損耗率も通常より高いです。」
ラル「なるほど。ラドガ湖が凍結したうちとしても他人事ではないか」
サーニャが再度詳しく説明した。
スオムスでは精鋭たるスオムス作戦軍がカレリア方面の守りの要であり凍り付いたバルト海方面はスオムスがオラーシャから旧式艦砲を改造した沿岸砲や列車砲、重砲で守りを固めていた。
その状況をラルは自分たちの状況と照し合わせた。
続けてサーニャは空の情勢について説明した。
サーニャ「その分、空はハンナ大尉が中心になって凌いでくれています。おかげで、私やエイラもここに来られました」
ロスマン「流石はハンナ・ウィンド大尉ね。噂は聞いてるわ」
ニパ「そっか!やっぱりハッセはすごいなー
ねえイッル。ハッセ、私になんか言ってなかった?」
スオムス方面の空はハッセことハンナ・ウィンド大尉率いる507などの活躍で制空権を確保していた。
なのでウィッチの中でも最優秀の部類に入る二人が休暇で抜けても問題なかった。
ラル「中尉、立ち話もなんだ。続きは隊長室で」
サーニャ「わかりました」
エイラ「えっ!?ちょ…サーニャ!」
するとラルはサーニャから続きの話を聞こうと隊長室に連れて行く。
それにサーニャも同意してエイラに謝る。
サーニャ「ちょっと行ってくるね。街にはエイラだけで行ってきていいから」
サーニャは謝ってからラルたちと共に隊長室に行った。
エイラ「いや、一人じゃ意味ないだろ…」
ニパ「じゃあ私が付き合ってあげるよ。
けど一人で行くのが寂しいなんていつまでたってもイッルは子供だな」
ポー「お嬢さん、ここに世界一いい男がいるぜ?
レディーのエスコートぐらいはお任せあれ。」
置いてかれたエイラをニパが茶化しポーは早速口説き始めた。
パットは横で傍観していた。他人の不幸はなんとやらのようだ。
エイラ「サーニャ〜」
エイラは一人、悲しい声で言うのだった。
だがポーは御構い無しにエイラを口説こうとする。
ポー「そんな悲しい声を出すなんてよほど辛いんだな、俺が慰めてやるさ。
近所にいいカフェがあるから一緒に…」
するとポーの背中に寒いものを感じて振り返る。
そこには
サーシャ「ポーさん?」
スパナを持った
サーシャ「ポーさん、恋人の前で他の女の子を口説こうなんていい度胸してますね」
ポー「か、かわいい女の子は口説かなきゃ失礼だろ?
俺のひいじいちゃんの一人はイタリア人だからな」
怒り狂い恐ろしい表情をした白熊が後ろに見えるオーラを纏ったサーシャにポーは震え声で弁解する。
だがその様は恐妻家が妻に浮気がバレた光景そのものだった。
サーシャ「そうですか、でもここはオラーシャです。
オラーシャ女がどれだけ怖いか教えてあげますね。」
ポー「ひっ…」
サーシャは怖い笑顔で言うとポーの腕をがっしり掴んでポーをどこかへ連れて行った。
この後ボコボコにされたポーが格納庫で正座しているのが目撃されたのは言うまでもない。
その光景にパットは
パット「ロシア女は怒らせるべきではないな…」
震える手でタバコを取り出しながら呟いた。
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エイラ「だーかーらー、こうビュンって飛んでスルっと躱して、シュパってまくればネウロイの攻撃なんか当たんないって!」
翌日、エイラはなぜか502のウィッチの前で回避を教えていたがその内容はかつてハインツが「ガーってしてビューしたら簡単」と言ったレベルから変わらない酷いものだった。
無論こんなものを理解できるわけがなく全員首を傾げていた。
一番分かりそうなひかりでさえ最近は暇を見つけては本に齧り付くようになったため理解不能だった。
マントイフェル「あー、ユーティライネン少尉、もうちょっと分かりやすい言葉で説明してくれないか?」
バーティ「ウィッチとしては良いかもしれんが教師としては試験で落ちるぞ」
リョーニャ「もうちょっと論理的に説明してくれないか?同志」
パット「売れない小説家のゴミにもならん小説の方が分かりやすいぞ」
ポー「だったら俺がサッチウィーブを教えた方が百倍マシじゃないか。
あれなら最小限の損害で最大の被害を数的不利な状況で出せれるぞ」
その説明の酷さにそれぞれ厳しい評価をする。
5人とも言葉を選んでいたがそれでも酷いものだった。
サーシャ「ポーさん、そのサッチウィーブって何ですか?」
するとサーシャがポーの言ったサッチウィーブに興味を持ち聞いた。
ポー「サッチウィーブってのは俺が米海軍時代に上官のジョン・サッチ少佐、まあ階級は当時で今は大佐で我らはボスのミッチャー提督の幕僚まで出世してビッグ・ブルー・ブランケットも考案したんだが、彼がゼロ対策に考案した戦術だよ。
今から教えようか?」
サーシャ「ええ、お願いします」
急遽、ポーは成り行きでサッチウィーブを教えることになった。
ポーはエイラを退け黒板の地図を外すと説明を始めた。
ポー「まず大前提となるのが、ゼロ、ジャップはレイシキカンジョウセントウキなんて言ってる戦闘機のことだが、こいつは42年当時我々アメリカ海軍などが使っていたワイルドキャットと比べると機動性と上昇性能に優れていた。
なのでもしこいつにワイルドキャットでドッグファイトを挑めば、ドカン、終わりだ。」
ポーはジェスチャーを交えながら説明する。
ポー「そこでこのゼロを徹底的に研究した上は三つのネヴァーを出した。
即ちゼロとドッグファイトをするな
ゼロの背後を取れない状態で時速300マイル以下で空中戦をするな
上昇するゼロを追うなの三つだ。
もし守らなければそいつは終わりだ。」
三つのネヴァーはかの有名なアクタン・ゼロや各種報告を元に米軍が出した零戦対策の一つだ。
これは零戦の低い急降下性能と高速域での機動性を突いたものであった。
ポー「そしてこいつとともにゼロ対策に使ったのがこのサッチウィーブだ。
基本となるのはエシュロン編隊を組んだ2機のワイルドキャット、もしこの片方にゼロが食いつくとこうやって飛行する。」
するとポーは黒板に2機のワイルドキャットと零戦を書き機織り機の動きのような線を描いた。
ポー「こういう風に交差するように旋回する。
すると交差するところでゼロが射線上に出てくるわけだ。
ここで撃って、ゼロを落とす。
もしここで失敗してもまた同じ機動を繰り返せばまた狙える。
これがサッチウィーブ、サッチの機織り機ってマニューバだ。
質問はあるか?」
ポーがサッチウィーブの説明を終えた。
その説明は簡潔明瞭かつ分かりやすいものだった。
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翌日、エイラはサーニャと共に何故か廊下を警戒しながらこそこそと歩いていた。
エイラ「今だ。さあ今日こそ一緒に街に行くぞサーニャ」
サーニャ「あ…」
サーニャと共になにがなんでも街に行きたいエイラは誰にも知られずに基地から出ようとしていた。
するとエイラは使い魔の耳を出すと廊下の角を曲がった。
エイラ「こっちだ」
サーニャ「え…」
するとその先からサーシャとラルが歩いてきた。
ラル「リトヴャク中尉…うちにも夜間戦闘に長けたウィッチが居ればな…」
サーシャ「ですね。そうすれば、専門外の下原さんにかかる負担も減りますし…」
二人はエイラたちに気が付かず通り過ぎた。
二人が去ってエイラは動こうとする。
エイラ「よし行ったな、今のうちに…
伏せろサーニャ!」
すると何かを察知してエイラはサーニャと共に伏せさせる。
クルピンスキー「サーニャちゃん、どこかなー?
今日こそもっとお近づきになりたいのにー」
花束を持ったクルピンスキーが近づいてきたため伏せたのだった。
クルピンスキーもまた二人に気が付かず通り過ぎた。
エイラ「はぁ…
まったく、皆サーニャ、サーニャと。未来予知による絶対回避が無ければ捕まってたぞ…
気を引き締めなきゃな。」
サーニャ「エイラはさっきから誰と戦っているの?」
エイラは困り顔で立ち上がりながら愚痴る、それにサーニャが不思議に思った。
エイラ「安心しろ。サーニャは私が守る!」
サーニャ「?う、うん…」
エイラの謎の決意にサーニャは首を傾げるが頷く。
エイラはサーニャを連れて移動を開始する。
サーニャ「エイラ、そんなに街に行きたかったの?」
エイラ「ま、まあな」
歩きながら話していると二人は誰かとぶつかってしまった。
エイラ「うわっ!?」
下原「あっ!?」
ぶつかったのは下原だった。
下原はぶつかったエイラに聞いた。
下原「あ…お出かけですか?」
エイラ(こいつは大丈夫そうだな)
エイラ「ああ、ちょっとな」
下原「そうですか。いってらっしゃい」
下原の態度から大丈夫だと思ったエイラは挨拶をすると足早に去ろうとする。
エイラ「もうすぐだぞ、サー…にゃうぅっ!?」
すると突然何かに引っ張られる。
振り返ると手をつないでいたはずのサーニャが下原に抱き着かれていた。
下原「はあああ~…幸せ~!」
サーニャ「あ、あうぅ…」
エイラ「わあああっ!?なにしてんだよお前!?」
下原「ああもうサーニャさんかわいいです小さいです私もう我慢できませーん!」
サーニャ「あ、あぅぅ…」
下原「ごめんなさい、本当は最初見た時からずっとこうしたかったんです!」
エイラは下原にサーニャを離させようとするが暴走している下原は抱き着いて離さない。
エイラ「こ、こらー!サーニャから離れろー!」
下原「後生です。もう少し、もう少しだけこの小さ可愛さを堪能させてくださーい!」
エイラ「はーなーせー!」
サーニャ「あぅ…うぅ…」
必死で離させようとするが下原は離さずサーニャはされるがまま何もできなかった。
リョーニャ「同志下原?何やってるんだ?」
すると突然エイラの前に書類を持ったリョーニャが現れた。
その声を聞いた下原は冷静になって振り向く。
下原「へ?リョ、リョーニャさん!
その、違うんですこれは、その、私、可愛いものに目がなくて…」
目の前にリョーニャがいることに気が付いた下原はサーニャを離して弁明する。
下原はリョーニャに恋しているため嫌われたくなかった。
リョーニャ「そうなのか?まあいい、でリトヴャク中尉達は出かけるのか?」
エイラ「ま、まあな。」
リョーニャ「ならよかった、この書類をメンシコフ宮殿のペテルブルク都市司令部に届けてくれないか?
雁淵の疾病に関する報告書と医薬品補充の書類だ。」
エイラたちが出かけると知るとリョーニャはひかりの疾病に関する報告書とそれに使った医薬品の補充を求める書類を渡した。
エイラ「えーと、これを届ければいいんだな?」
リョーニャ「ああ。それに出かけるんだったらそれなりの理由が必要だろ?
それに俺はさっさと酒を飲みたいからな」
エイラに書類を渡したリョーニャはそのまま部屋に戻った。
エイラは書類を貰うとこれを理由に街へと向かった。
13話は次で終わらせて北極海航路の戦いに行きたい。
サッチウィーブは対ネウロイでも十分使えると思うの。
感想増えろ。なんか急激に減ったんだよな