????年??月
ハインツ「って…て、あれ?」
ドイツ空軍第26駆逐戦闘航空団ホルスト・ヴェッセル(ZG26)所属のパイロット、ハインツ・ヴァレンシュタインはMe410の機内で目を覚ました。
ミラー「少佐、大丈夫ですか?」
すると彼は後ろから自分を呼ぶ聞きなれた声に気が付く。
ハインツ「ミラーか?」
ミラー「ええ、アドルフ・ミラー少尉です。」
声の主は長年自分の相棒として後部銃手を務めてきたオーストリア出身のアドルフ・ミラーであった。
ハインツ「そっちは大丈夫か?」
ミラー「ええ、ピンピンしてますよ。」
ハインツ「なあここどこか分かるか?」
ミラー「さあ、雲が出て地面が見えないので分かりません。」
ふと自分たちがどこを飛んでいるか分かるかとミラーに聞くが、ミラーには分からなかった。
なにせ彼は後部銃手、航法の訓練なんて受けたこともない。
ハインツ「そうか。基地からそれほど離れてなきゃいいんだが。
ゲルプ1よりゲルプ2、合流せよ。」
ハインツは無線で僚機を呼び出そうとするが応答がない。
ハインツ「ゲルプ2、応答せよ。ゲルプ2、こちらゲルプ1、応答せよ。」
ハインツ「ゲルプ3、こちらゲルプ1。ゲルプ3、こちらゲルプ1。」
ハインツ「こちらゲルプ1、誰でもいい応答せよ。
繰り返すこちらゲルプ1、誰でもいい応答せよ。」
ほかの僚機や基地にも連絡を取ろうとするが全くつながらなかった。
ハインツ「クソッ、おいミラー無線がイカレた。
もしかした近くに敵機がいるかもしれん警戒しろ。」
ミラー「了解。」
これを無線の不調と判断したハインツはミラーに敵機に警戒するよう伝えた。
するとハインツは機体の計器類に目を落とすが、
ハインツ「ん?おいアドルフ。燃料計も逝っちまったみたいだ。
何が燃料満タンだよ。こっちはもう30分は飛んでんだ。」
なぜか燃料系が満タンを差していることに気が付きミラーに伝えた瞬間、
ミラー「少佐!後方から敵機!スピットファイアです!」
ハインツ「何!」
---------
ノヴァク「ここはどこだ?」
RAF第317スコードロンシティ・オブ・ヴィリュニスのパイロットアレクサンデル・ノヴァクは気が付けば雲の上を飛行していることに気が付いた。
高度計は約1万フィートを差していた。
ノヴァク「こちらビショップ3、ビショップ2、応答せよ。」
無線で僚機を呼び出そうとするが、
ノヴァク「ビショップ2、こちらビショップ3、応答しろ!」
全く応答がなかった。
ノヴァク「こちらビショップ3、ビショップ1、ビショップ4、応答せよ。」
ノヴァク「こちらビショップ3、ビショップ1、ビショップ4、応答せよ。」
別の機を呼び出そうとするがこちらも応答がなかった。
ノヴァク「クルヴァ!なんでこういう時に無線が壊れるんだ畜生。」
ノヴァク「燃料計も逝ったか…正直不安だ…」
無線が壊れたと判断したノヴァクは計器類を確認するが燃料計がおかしいことに気がつく。
スピットファイアは足の短い戦闘機である。そのため戦闘開始の時点で1/3程度消費していたはずだが燃料計は満タンを示していた。
ノヴァク「周囲に味方機は…ん?あれは…」
周辺に味方機がいないかと思い周囲を見回した彼が見つけたのは、
ノヴァク「あれは…メッサーシュミットの重戦闘機!」
ヴァレンシュタインのMe410だった。
---------
ハインツ「とにかく撃ちまくれ!
どうせここまで来るのに燃料を使い果たしてんだ燃料切れになるまで逃げるぞ!」
ミラー「了解!」
スピットファイアと空戦をしたこともあるヴァレンシュタインはスピットファイアが足が短いことを知っていたので燃料を消費させて逃げようとする。メッサーシュミットはジグザグに旋回しながら逃走、スピットファイアはそれを追いかけながら銃撃する。
ノヴァク「くっ、上手いな。」
相手が最近では少なくなったベテランだと感じたノヴァクだったがすぐにスロットルをあげて追撃する。
ミラー「まだ追いかけてきます。」
ハインツ「見つけたぞ!左に雲がある!そこに突っ込むぞ!」
ミラー「了解!」
追跡を振り切るため、Me410は機体を左に旋回させ雲の方に向かい、突入。
スピットファイアもそれを追い追撃する。
ハインツ「クソ、雲で何も見えん。」
ノヴァク「クルヴァ、やつはどこにいるんだ!」
濃い雲の中で両者互いを見失いながら追撃する。
暫く雲の中を飛行すると周りが明るくなり始めた。
ハインツ「雲から抜けるぞ!スピットが出てきたら撃ちまくれ!」
次の瞬間、機体は雲から飛び出した。その先にあったのは
ハインツ「な、なんだありゃあ…」
雲を出た先にいたもの、それは巨大な真っ黒な飛行物体であった…
ネウロイ登場!