WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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題名は小説・映画「日本のいちばん長い日」からです。

3期、もうラストまで来たのにまだ案が完成してないとは如何に
最悪少し時間が空くか間章として「ヨーロッパおよびリベリオンにおけるある軍事勢力の行動1944-45冬」とか書こうかね?(なお後者の場合ウィッチの出番ゼロな上に血の量がやたら多いし虐殺・ジェノサイド上等)


第33話:ペテルブルクのいちばん長い日

 翌日、ペテルブルクの海軍省にはペテルブルク作戦軍、さらにスオムス作戦軍、オラーシャ軍の2個戦線、スオムス・オラーシャ空軍の主だった指揮官たちが集まっていた。

 彼らはザリャー・ヴォストーカ作戦の作戦前の打ち合わせのため集まっていた。

 

トレスコウ「各指揮官の皆様、確実指定の席にお座りください。

      これより作戦の最終ブリーフィングを行います。」

 

 トレスコウが集められた指揮官たちに向かって大声で着席を促す。

 それを聞いて指揮官たちはそれぞれ指定されていた席に着席した。

 全員が着席したのを確認するとヴァトーチンが真ん中の台の上に上がって作戦の説明を開始した。

 

ニコライ「同志諸君!本日、作戦開始前の忙しい中きてくれたことに感謝する。

     では早速だが作戦の説明について始めよう。

     まず作戦の目的についてだ。」

 

 ヴァトゥーチンは手に棒を持って作戦の説明を始めた。

 最初に説明するのは作戦の戦略的戦術的意味であった。

 

ニコライ「この作戦の基本的なものはフレイア作戦の予備作戦であると言うことだ。

     フレイア作戦がもし失敗した場合この作戦でネウロイにとどめを刺す、それがこの作戦の意味だ。

     これはあくまで戦術的な意味であるが、戦略的な意味としてはグリゴーリの排除による東部戦線北端の安全の確保、ペテルブルクの後方の安全確保の二点にある。

     この作戦後1〜2ヶ月後を持って我々はナルヴァ方面への大攻勢とヴァルダイ突出部への攻撃を再開、5月をめどに我々はナルヴァ川を渡河、ペイプス湖を抑え、ヴァルダイ突出部を排除する。

     このためにはグリゴーリの排除は絶対に欠かせないのである。」

 

 戦術的にはザリャー・ヴォストーカ作戦はフレイア作戦の予備プランであるが戦略的には東部戦線北翼の後方の安全確保という重大な目的があった。

 グリゴーリを排除することでこの地域の安全を確保しなければ彼らはこれ以上西にも南にも進めなかった。

 

ニコライ「ここまでで分からないことがあるなら後でシベリアでじっくり聞こう。

     では次だ、使用兵力。

     使用兵力はまずペテルブルク作戦軍、スオムス作戦軍、コラ軍団、そしてオラーシャ軍のカレリア戦線とヴォルホフ戦線の合計200万人、戦車6000台、各種火砲25000門だ。」

 

 作戦に投入するのは総兵力200万、戦車6000台、各種火砲25000門という膨大な数であった。

 これを二重三重に配してグリゴーリを包囲、殲滅するというものであった。

 そのため実際の兵力密度というのは攻勢重点を除いて大したことないがそれでも後方部隊も含めれば動員兵力が200万にもなった。

 

ニコライ「作戦については基本は通常の縦深突破であるがフレイア作戦の要素として列車砲旅団カレリア及び列車砲連隊スオムスの列車砲合計50門を投入しこれを破城槌として使う。

     なので作戦の基本手順としてはまず全火砲による事前砲撃で敵の抵抗力・戦闘力を全て破壊、そこに戦車部隊からなる第一波機動梯団を投入、無人の野とかした土地を前進する。

     さらに巣に対しては砲兵部隊の魔導徹甲弾による直接攻撃を行う。

     これにより巣そのものを破壊する、以上だ。

     何か質問は?」

 

 ヴァトゥーチンは作戦を説明し質問がないか聞いた。

 すると一人の若い将軍が質問した。

 

「同志ヴァトゥーチン、よろしいですか?」

 

ニコライ「うむ、イワン・ダニロヴィチ・チェルニャホフスキー中将。」

 

 質問したのは第33軍団司令官でヴァトゥーチンとは旧知の間柄のイワン・ダニロヴィチ・チェルニャホフスキー中将、若干39歳というこのクラスの中では最年少という優秀な男であった。

 

チェルニャホフスキー「は、この作戦を実行する際の指揮権はどうなりますか?

           マンシュタインが閣下に移譲するのですか?」

 

ニコライ「それについてだが作戦時に私が直接指揮権を移譲するよう迫る。

     もし拒否したら我々の忠実なる同志(チェキスト)が幕僚ごと処理してくれる」

 

チェルニャホフスキー「そうですか」

 

 ヴァトゥーチンがチェルニャホフスキーの質問に答えると続いてフーベが質問した。

 

フーベ「閣下、この作戦の指揮系統は?」

 

ニコライ「指揮系統は私がすべての指揮を執りスオムス作戦軍、ペテルブルク作戦軍、コラ軍団は私の直接指揮としオラーシャ軍の2個戦線と共に私が指揮する。

     砲兵部隊はチャタイ中将が全部隊を指揮しろ」

 

フーベ「なるほど」

 

ニコライ「分かったな。もう質問はないか?

     ならこれで終了する。」

 

----------

 

 同時刻502ではマンシュタインがウィッチたちに作戦の説明をしていた。

 昨日の勝負でひかりは負けたがペテルブルクから出られないため一応作戦会議に参加していた。

 ウィッチたちの前には映写機でグリゴーリの姿が映し出されていた。

 

マンシュタイン「周知の通り、グリゴーリは現在時速5キロで南西に移動している。

        目標はペテルブルグ。この502で間違いない。

        従来の出現した敵に応戦する策を捨て我々から打って出る反攻。

        それがフレイアー作戦である」

 

 フレイア作戦は反攻作戦だったが規模としては小さいものであった。

 なにせこの前年にはベラルーシと左岸ウクライナ全域で大規模な反攻作戦が行われている上に現在進行形で右岸ウクライナ解放作戦と西部ウクライナ解放作戦が実行中であり既にドニエプル川を渡河、キエフを解放しモルドバに向け前進していた。

 さらにはそれに呼応してバルカンではモエシア方向とヴォイヴォディナからダキアに向け攻勢が開始されドナウ川を渡河しムンテニアとオルテニアに侵入していた。

 またバルカンではスロベニアとクロアチア方面よりハンガリーとオストマルク南部に対して攻撃を行い牽制、ロマーニャではヘルウェティアの共同で南チロルに侵攻していた。

 次にマンシュタインは写真を変えボビンのような形をした謎の物体を見せる。

 

マンシュタイン「北方軍がグリゴーリ内部の観測に成功した結果、雲状の巣の中心には巨大な本体がありそれがネウロイの発生源であることが判明した」

 

ラル「ネウロイの生産工場」

 

 それは巣の本体だった。

 そしてまた次の写真に変わる。

 

マンシュタイン「我々の作戦目的はその本体の破壊。そのための切り札が…これだ

        超巨大列車砲、グスタフとドーラだ」

 

二パ「これが…」

 

菅野「でけえ…」

 

マンシュタイン「カールスラント技術省の力を集結した、口径800ミリ。

        史上最大最強の火砲だ」

 

下原「800ミリ…そんなの作れるんだ…」

 

 写したのは現代でも史上最大のカノン砲(すべての火砲の場合31インチのリトル・デーヴィッドという迫撃砲が世界最大、又榴弾砲だとロシアのツァーリ・プーシュカが890ミリで最大)クルップ製80センチ列車砲(E)通称グスタフ、ドーラだった。

 この史上最大にして謎に包まれた巨砲は史実ではセヴァストポリ攻防戦やスターリングラード攻防戦、レニングラード包囲戦に投入されその後は戦場に出ることなくそれぞれケムニッツとニュルンベルクで破壊され米軍とソ連軍に残骸を回収されたと言われている。

 その常識外れの巨大さにウィッチたちは驚いていた。

 

マンシュタイン「まずグスタフがグリゴーリに向かって撃ち込むのは新たに開発した超爆風弾だ。

        子の弾丸を使って本体を隠しているこの雲を消滅させる。

        その後、露出した本体を破壊するのがドーラだ。

        ドーラには対ネウロイ用魔導徹甲弾が装填されている」

 

孝美「魔導徹甲弾…?」

 

マンシュタイン「陸上ウィッチのべ数百名の魔法力を充填した、この魔導徹甲弾。

        これを本体コアに叩き込み決着をつける。」

 

 作戦の切り札となるのが新規開発された80センチ砲用魔導徹甲弾だった。

 それよりも小さい16インチや28センチといったものは既に開発され大量に配備されていたが80センチともなれば開発するだけでも多くの困難があった。

 

マンシュタイン「だが、上空1100メートルに位置するグリゴーリを撃ち抜くには最低でも10キロ圏内に近づかなければならない」

 

クルピンスキー「そこって敵の攻撃範囲じゃないか」

 

 列車砲が近づく10キロ圏内というのは陸戦では至近距離である。

 この距離では戦車砲は届かないにしても榴弾砲やカノン砲どころか重臼砲さえ届いてしまうのだ。

 そしてマンシュタインは502の役割を伝えた。

 

マンシュタイン「502統合戦闘航空団、諸君らの任務は列車砲を護衛し、射程内に到達させることだ。

        そして、雁淵中尉はコアの位置を特定せよ」

 

---------

 

 作戦開始日、司令部には多くの将官が詰めていた。

 すると隣接する飛行場に数機のC-47とLi-2が着陸し中からヴァトゥーチンたちと武装した青い兵科色をつけたオラーシャ軍兵士たちが降り立った。

 

マンシュタイン「ヴァトゥーチン大将、その兵士たちは?」

 

ヴァトゥーチン「私の護衛です。いつ何時何が起きるから分かりませんからな」

 

 その様子にマンシュタインはヴァトゥーチンに嫌味を言うがヴァトゥーチンは全く気にしなかった。

 司令部に入ると部屋の一角に座りトレスコウに聞いた。

 

ヴァトゥーチン「作戦の最終準備は?」

 

トレスコウ「は、準備できてます。

      フレイア作戦に関してはある程度適当にやるように指示してます。」

 

ヴァトゥーチン「よろしい。フレイア作戦で戦力を失うな、ここを耐えろ。

        耐えれば我々の勝ちだ」

 

トレスコウ「分かっております」

 

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 同時刻、502ではウィッチたちが出撃を準備していた。

 ひかりはスオムスに行けないため待機となっていた。

 パットはふと出撃準備をするウィッチたちを見ているひかりに声をかける。

 

パット「ひかりは基地にいろよ。

    ユニットと武器があっても出てくるなよ、まあ“非常事態”になれば呼ぶからその時は頼むぞ」

 

ひかり「はい!」

 

ラル「いいか!グリゴーリを倒すまで帰れると思うなよ!502統合戦闘航空団、出撃!」

 

「「了解!」」

 

 ラルの掛け声に返事すると502は出撃した。

 

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 離陸後502は素晴らしい編隊飛行で作戦空域に向かっていた。

 すると菅野が隣を飛んでいた孝美に声をかける。

 

菅野「孝美お前はひかりに勝って俺の相棒になったんだ。

   俺たちは絶対に勝たなくちゃいけねえ、絶対にだ」

 

孝美「ええ。もちろんよ、管野さん」

 

 菅野の話孝美は頷いて答えた。

 すると前方に二門の巨大な列車砲を確認した。

 

サーシャ「グスタフとドーラを確認しました」

 

クルピンスキー「あれを僕たちが守るのか」

 

マントイフェル「それにしてもなんで偽装をしていないんだ?

        あれじゃあ座り込んだアヒルだ」

 

 その巨大さに驚くがマントイフェルはなぜか適当な冬季迷彩さえ施されていないことに疑問を持っていた。

 マントイフェルやポー、パット、バーティ、リョーニャはこの作戦のために通常の冬季用の軍服の上からシーツを改造した偽装をつけ、ユニットも上面に白の塗料を塗って偽装していた。

 さらにはマントイフェルはヘルメットまで被りそれもまた白で塗られていた。

 

ラル「10時の方向、グリゴーリを視認した」

 

 右方向、10時の位置にグリゴーリのまがまがしい雲をラルが確認する。

 眼下には大規模な砲兵陣地、戦車部隊、塹壕、カチューシャ、榴弾砲、カノン砲、対戦車砲、高射砲、迫撃砲、歩兵砲、野砲、重臼砲、そして大規模な列車砲陣地が構築され配備されていた。

 その兵器はカールスラント製が多かった。

 

二パ「大部隊だな」

 

菅野「そりゃそうだ。この作戦に全部かかってるんだ」

 

バーティ「こんな作戦プランダー作戦以来だ」

 

ポー「俺は海軍だからこんな大舞台なんてほとんど見たことないな。」

 

リョーニャ「それにしてもファシスト共の兵器ばかりだな…

      ん?どうやら同志たちの兵器もあるようだ」

 

 その兵器がカールスラント製ばかりだとリョーニャは嘆くがそれとは別のところにロシアングリーンに塗られた車両や火砲が多数いるのを見つけた。

 これはマンシュタインではなくヴァトゥーチンの持ち駒の部隊だった。

 

---------

 

ヘプナー「作戦開始1時間前…チャタイ君は?」

 

トレスコウ「砲兵指揮所で指揮してます。」

 

 司令部では艦載機の発進要請などが出され作戦準備の最終段階に来ていた。

 

マンシュタイン「これより、フレイア作戦を開始する」

 

 するとマンシュタインが作戦開始を宣言した。

 

ヘプナー「ルビコン川を渡る…」

 

ニコライ「賽は投げられた」

 

 それにヘプナーとヴァトゥーチンが呟いた。

 その命令が各部隊に届くとグリゴーリに集中砲火が浴びせられた。

 フレイア作戦の開始である。




ザリャー・ヴォストーカ作戦の参加兵力はヴィスワ=オーデル攻勢の参加兵力がモデルです。
前より10倍近く増えてるのは作戦の途中でオラーシャ軍の2個戦線(戦線は他国でいうところの軍集団)を確保できたって事情がある。
あと迫撃砲とか高射砲とか対戦車砲の合計っていう数字のマジックも。


どーでもいい話ですがこのSS、章ごとにイメージソングってのあって一章はなぜか遠すぎた橋のテーマ、二章はミハイル・グリンカ作曲オペラ「皇帝に捧げた命」より「栄光あれ」なんです。

この先の案二つあって一つは原作通りに502がグリゴーリ破壊、もう一つが列車砲部隊がコアを破壊、その加害半径内に真コアがたまたまあって撃破の二つ。
個人的には後者の方が楽です。
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