WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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題名は空飛ぶモンティパイソンシーズン1第3話「遠くから異なる種類の木を見分ける方法」からです。

今更だけどこのシリーズモンティパイソンのパロ多いな…


第36話:遠くから異なるコアを見分ける方法

ニコライ『502、今すぐコアの位置を報告しろ。

     大まかな位置でいい。

     これ以上時間がかかるとだいぶ不味いぞ』

 

孝美「分かりました」

 

 ひかりがグリゴーリに向かった頃、改めてヴァトゥーチンは502にコアの位置の報告を命じる。

 グリゴーリは相変わらず砲撃の爆発に包まれ反撃すらしてこないがコアを、正確にはコアはすでに何回も破壊しているが真コアが加害半径に入っていないため破壊できていなかった。

 ヴァトゥーチンからの無線を聞いていた菅野がふと質問する。

 

菅野「さっき見えた位置じゃダメなのか?」

 

孝美「真コアは移動している。もう同じ位置にはないわ」

 

ニパ「じゃあ、どこに撃っていいかわかんないの?」

 

 二パは困ったように言う。

 コアの位置がわからないため砲兵部隊はとにかくグリゴーリに反撃の隙を与えず、さらに徹底して攻撃能力を破壊しつつコアを破壊しようとしていた。

 すると孝美は突然グリゴーリのほうに向かった。

 

サーシャ「雁淵中尉が本体に向かっていきます!」

 

ラル「待て!孝美!」

 

菅野「おい!孝美!」

 

パット「バカ!戻れ!」

 

 すぐにラルと菅野、パットが止めようとするが孝美は無視する。

 

ラル「はやまるな、孝美!」

 

孝美「隊長!他に方法がないんです!」

 

ラル「バカ野郎!」

 

 ラルが説得するが孝美は拒否した。

 そして爆炎に包まれるグリゴーリの手間で止まる。

 

孝美「発動…絶対魔眼!」

 

 砲撃でグリゴーリには反撃の隙は無いと判断して孝美は絶対魔眼を発動する。

 その光はその数十キロ後ろで全力で向かっていたひかりにも見えた。

 

ひかり「赤い光…ダメ!お姉ちゃん!」

 

 光はそれを見るとユニットを全開にして向かった。

 そして孝美は絶対魔眼を使ってコアを探し始めた。

 

孝美「コア補足、目標、最終補正!

   完全捕捉!

   真コア、グリットH58954…」

 

 特定し、位置を報告するが次の瞬間、装填間隔の関係上一瞬薄くなった弾幕の隙間からネウロイがビームを発し孝美を攻撃した。

 この砲撃で反撃はないと思っていたウィッチたちは驚いてすぐに向かった。

 孝美は持てる魔力を振り絞ってシールドを張り防ぐが突き破って負傷させた。

 顔を歪めながらも報告を続ける。

 

孝美「T87449…」

 

ニコライ『ハウ58954、テーレ87449、了解。

     おい!これを今すぐチャタイに伝えろ!』

 

 位置を報告し終わった孝美は糸が切れたように落下する。

 すぐにジョゼとリョーニャが向かい孝美をキャッチする。

 

リョーニャ「右腹部に裂傷、出血あり、ジョゼ、応急処置だ!」

 

ジョゼ「はい!」

 

 すぐにリョーニャはポッケから包帯を取り出すと手際よく患部に巻き、さらに痛み止めにモルヒネを取り出す。

 

リョーニャ「モルヒネだ、効くぞ」

 

孝美「うっ…」

 

 モルヒネを打たれ一瞬苦しそうな声を出すがすぐにモルヒネが効いて気を失った。

 

 

---------

 

チャタイ「新座標ハウ58954、テーレ87449に効力射!急げ!」

 

 新座標の情報を入手した砲兵司令部では即座に砲兵部隊に対して即座に砲撃を命じる。

 砲兵部隊はその連絡を受けるとすぐに目標を変更してそのグリッドに破壊的な砲撃を与える。

 だがすぐにチャタイは違和感を感じた。

 

チャタイ「おかしい…座標の通り撃っていて、確実に制圧しているはずなのにコアを破壊できていない…

     何かがおかしいぞ。」

 

 なぜか確実に制圧しているにもかかわらずコアが破壊できていないのだ。

 砲兵部隊の火力集中により巣の撃破というのはすでに他の地域、バルカンやウクライナ、白ロシア、コーカサス、北カールスラント、南チロルなどでは何度も行われて確実に破壊してきたがこのようなことは初めてであった。

 そしてチャタイはある仮説を立てる。

 

チャタイ「まさかとは思うが着弾するたびにコアが移動している?」

 

砲兵将校「そんな馬鹿なことが…」

 

 チャタイは着弾するたびにコアが移動することで弾を回避している可能性に気が付いた。

 そしておそらくそれがあるのは一度弾が着弾した場所、理論上砲撃や爆撃に対して最も安全な場所というのは一度砲弾や爆弾が落ちた場所である。

 この時代の砲撃の精度というのは現代と比べ物にならないほど低い、特に長距離射撃となれば精度は精々10メートルか5メートル単位である、だがこの場合求められるのは最大で1メートル単位、より正確を期すなら30センチ単位の精度が求められた。

 そんなことは不可能である。

 

チャタイ「ありえないと思うかもしれないが現実的に考えればそうだ。

     そうなればネウロイ全体を一撃で制圧するか、コアの周辺だけをピンポイントで破壊するかのどちらかだ。

     神に祈って気まぐれな一発がコアを破壊するのを祈るしかない」

 

砲兵将校「神に祈って大砲を撃つだけですか…」

 

 その運任せな現実に二人は気が付いた。

 

チャタイ「ああ、502に連絡、砲撃している間中真コアの位置を報告し続けろ」

 

 チャタイは502にコアの位置を報告し続けるよう要請する。

 それが最良の選択と言えた、だがその選択はすぐに潰えた。

 

通信兵「502より連絡、雁淵中尉の負傷により要請は不可能、とのことです」

 

チャタイ「なに!」

 

 孝美が負傷したため彼の要請は実行不能だった。

 

---------

 

 その頃502はグリゴーリから少し離れた場所で負傷した孝美を囲むように立っていた。

 

ラル「孝美はどうだ?」

 

リョーニャ「出血は抑えた。心拍も血圧も安定、呼吸もある。

      体温が少し低いがこの外気温じゃそうなるだろう。

      後はモルヒネの効果が切れて起きるのを待つだけだ」

 

 ラルが応急処置を終えたリョーニャに孝美の容態を聞いた。

 リョーニャとジョゼの迅速な処置により孝美は無事であった。

 すると彼らの耳にエンジン音が聞こえてきた。

 すぐに周りを見渡すと上空から誰かが降りてきた。

 

菅野「ひかり!?」

 

クルピンスキー「ひかりちゃん?」

 

ロスマン「ひかりさん…」

 

パット「やっと来たか」

 

 来たのはひかりだった。

 ひかりは降りるとすぐに地面に寝かされた孝美に駆け寄る。

 

ひかり「お姉ちゃん!お姉ちゃん、しっかりして!死んじゃ駄目っ!」

 

 ひかりは泣きながら孝美に言う、するとリョーニャが肩をさする。

 

リョーニャ「大丈夫だ、今は鎮静剤の効果で寝ているだけだ。

      傷も塞いだし、あとで詳細な検査をする必要はあるが無事だ」

 

ひかり「え…よかったぁ…」

 

 リョーニャからの詳細な状態を聞いてひかりは泣き止んで安心する。

 するとパットがひかりに近づくと頭を下げた。

 

パット「ひかり、油断していて君の姉を怪我させてしまった。

    済まない。」

 

ひかり「パットさん…」

 

パット「あの砲撃で反撃はできないと踏んでいたんだ。

    だが奴は反撃して君の姉に怪我をさせてしまった。

    このことの責任は自分にある。許してもらおうとは思ってない。

    だが謝らせてくれ」

 

 パットは孝美に怪我させたことを謝った。

 もしあの時自分がついていれば怪我をさせなかった、それだけは彼は確信していた、そして何より筋を通すために謝った。

 それにひかりはパットの手を取ると言った。

 

ひかり「パットさん、そんなこと言わないでください!

    皆さんでお姉ちゃんを助けようとしたんですからお礼を言わなきゃいけないのはこっちの方です!」

 

パット「ひかり…」

 

 するとパットは安心したのか顔を上げて微笑みながらひかりの頭をなでる。

 

パット「ひかり、お前は本当にいい子だよな。」

 

ひかり「ありがとうございます」

 

ポー「おーい、あんたらがいい感じになっているところ悪いがさ、あれなんだ?」

 

 ひかりとパットが話していると周りを見ていたポーが森の方に何かがあるの気が付いた。

 その手間にはタイヤの跡とスリップ痕があった。

 

ラル「なんだ?」

 

バーティ「トラックか?」

 

ロスマン「行ってみましょう」

 

 ポーが見つけたものの方にウィッチたちが向かう。

 そこにあったのはスリップして雪だまりに頭から突っ込んでスタックしたメルセデスベンツL1500Sトラックだった。

 L1500Sトラックの荷台には何やら巨大な箱が積まれていた。

 

ポー「トラックだ、何かを運んでいたんだな」

 

バーティ「こりゃあ魔導徹甲弾だ。

     方向からしてどうやらドーラに砲弾を運んでる最中にスリップして雪だまりに突っ込んだんだろう。

     重すぎて回収できなかったんだろうな」

 

 バーティが箱の表示を見て魔導徹甲弾と判断する。

 魔導徹甲弾は1t近いため通常のトラックや砲兵部隊にあてがわれている装備では雪だまりに突っ込み、さらに不安定な場所では回収するのは困難だったのでそのまま放置されていた。

 するとポーがサーシャに聞いた。

 

ポー「サーシャ、一つ聞きたいんだが仮に魔力を有した物体Aを魔力を持っていない物体Bに魔力を移すことってできるか?」

 

サーシャ「え?ええ、まあできますよ」

 

ポー「そうか、ならいけるな。

   なあ、俺に言い考えがある。

   乗るか?」

 

 サーシャの話を聞いてポーは名案が浮かんだ。

 そしてその内容をバーティ、リョーニャ、パット、マントイフェルに一通り説明した。

 

バーティ「成功は大胆不敵の子供、その言葉通りだな。」

 

マントイフェル「面白いな」

 

パット「Impossible, n'est pas français.」

 

リョーニャ「成功するか?なんて言ったら多分下原にまた言われるな」

 

 その内容に驚くが同時に面白いと評価する。

 そしてさっそく5人は行動を開始する。

 まず荷台から無理矢理魔導徹甲弾を引っ張り出すとポーは側面を銃で撃って一部を壊す、そしてその中にトラックの装備品のバールを取り出すと5人でバールを動かして中から弾芯を無理捻じ曲げて出した。

 その様子にウィッチたちは何をする気なのか全く分からなかった。

 

ロスマン「えっと、何をする気?」

 

ポー「簡単だ、こいつの魔力を菅野の手袋に移す、そしてひかりがコアを見つけて菅野がそれを殴る。

   簡単な賭けだ。さあどうする?」

 

 ポーが乗るか聞く、するとラルが答える。

 

ラル「その賭け、乗った。」

 

クルピンスキー「いいね、面白そうじゃん」

 

サーシャ「ポーさん、バカですね。

     やりましょう」

 

菅野「ああ!巣を殴るなんて最高じゃねえか」

 

 ポーがやるか聞くと口々に賛成する。

 

ポー「よし、ならやろうじゃねえか。

   時にはアリだって猛毒で襲い掛かるってな!」

 

 ポーがそういうと早速ウィッチたちも動き始める。

 まずリョーニャは連れてきた孝美をトラックの陰に移す。

 ポーたちは菅野の手袋に魔導徹甲弾の弾芯から魔力を移した。

 そしてパットは無線で司令部に掛け合う。

 

パット「こちら502、ヴァトゥーチン大将、一つお願いがあります」

 

ニコライ『ジャベール大尉、なんだ?』

 

パット「こちらに策があります。

    10分時間をください」

 

ニコライ『策?何をする気だ?』

 

 パットはヴァトゥーチンに作戦を説明する。

 説明し終わるとヴァトゥーチンは少し考える、そして少しすると答えた。

 

ニコライ『いいだろう、ただし10分だけだ。

     もし10分以内にできなかったら君らごと巣を吹き飛ばす、いいな?』

 

パット「はい!ありがとうございます!

    それと、できれば弾薬の補充を要請します。」

 

 パットは作戦の許可をもぎ取ると今度は心もとない弾薬の補充を要請した。

 既に彼がもっていた弾は弾倉一個分、せいぜい250発だけだった。

 

ニコライ『いいだろう、そこからならオーボエ1098地点の塹壕に向かってそこから補充を受けろ。

     歩兵部隊にはこちらから要請する』

 

パット「は、分かりました。

    隊長、許可と補給要請、何とかできました」

 

 作戦の許可と弾薬の補充をもぎ取ったパットはラルに伝える。

 だが作戦はともかくパットの独断で弾薬補充を要請していたためラルは驚いた。

 

ラル「弾薬補充?そんなこと頼んでないぞ」

 

マントイフェル「弾薬補充か、有難い。もう残り25発しかない」

 

 ただマントイフェルなどはもう弾薬がほとんど残っていないためこの判断は有難かった。

 その後ろでは菅野の右手に魔導徹甲弾から魔力を移していて手袋は少しずつ青く光っていっていた。

 

菅野「うおぉ…!」

 

ひかり「すごい!」

 

ポー「これで菅野の右手は魔導徹甲弾とほとんど同じだ。

   パット!こっちの準備はできたぞ!」

 

 ポーが準備が終わったことをパットに伝える。

 

パット「そうか、ならまずはオーボエ1098地点に移動して弾薬補充を受けてから行くぞ。」

 

 そういうとウィッチーズたちは孝美とジョゼ、リョーニャを置いて離陸した。

 

---------

 

 数分後、ウィッチたちは指定された塹壕のある場所にやってきた。

 

クルピンスキー「ねえ、ここに本当に塹壕があるの?」

 

パット「そのはずなんだがな…」

 

 だが眼下に広がるのは雪原だけだった。

 するとポーが雪原の一角から何かが光っていることに気が付いた。

 

ポー「ん?向こうになんかあるぞ。

   下原、見えるか?」

 

下原「えーと、塹壕です。

   かなり巧妙に隠されてます」

 

 下原が遠距離視を使って確認するとそれは巧妙に隠蔽された塹壕だった。

 ウィッチたちはそこに近づいて呼びかけた。

 

ラル「502統合戦闘航空団の者だ!誰かいるか!」

 

 すると塹壕の中から空軍の規格帽を被ったヴィンターヤッケを着たカールスラント兵が出てきた。

 

兵士「あああんたらか!おい!持ってこい!」

 

 出てきたカールスラント兵は合図すると中から別の兵士が大量の弾薬と地雷やパンツァーファウスト、吸着地雷などを持ってきた。

 

兵士「へい、これが全部だ。

   DP28の弾倉4つ、MG42の50発弾倉5つ、Stg44の弾倉10個、14.5ミリ弾100発、12.7ミリ弾500発、吸着地雷5個、パンツァーファウスト5つ、火炎瓶4本、工兵用爆薬20キロ、手榴弾30個にPPSH412丁だ」

 

マントイフェル「こんなにくれるのか?」

 

兵士「ああ、同じ空軍だからな!」

 

 マントイフェルが聞くと答えた。

 そしてその言葉にマントイフェルはピンときた。

 

マントイフェル「あんたら空軍野戦部隊か?」

 

兵士「俺たちは第21猟兵師団だ。

   もとはと言えば空軍部隊さ」

 

 彼らは空軍兵士からなる第21猟兵師団の兵士だった。

 だからこそ彼らは装備品を大盤振る舞いしていた。

 ウィッチたちは自分の使う武器を取っていく。

 するとパットが横に置かれた変な形のものを取る。

 

パット「なんだこれ?」

 

兵士「そいつは吸着地雷だ。

   そいつをネウロイの体に張り付けて中の紐を引っ張る、そうしたら成形炸薬でぶち抜ける」

 

 パットが取ったのは吸着地雷、戦車の車体に張り付けて使う成形炸薬である。

 戦車に近づかなければ使えない極めて危険な対戦車兵器だがその貫通能力は140ミリもあった。

 だが極めて危険で扱いずらい兵器であり同様の兵器と言えばせいぜいソ連のRPG-43ぐらいしかないようなものであったため44年の5月には生産中止されてしまった兵器である。

 ちなみに大戦中の43年の後半から44年の7月頃までのドイツ戦車に施されていたツィメリットコーティングは元々この兵器のコピー品が連合軍で使われることを危惧して行われた。

 だが実際は連合軍はもっと使い勝手のいいバズーカやPIATを使ったためコピー品が生まれることは無かった。

 

パット「そんな危険なものなのか?」

 

兵士「ああ、だからそいつは去年には生産中止されたよ。

   ここにあるのは残り物だ。

   あ、取ったんだから持っていけよ」

 

 兵士たちはウィッチにあげることでこの面倒くさい上に厄介で扱いずらい兵器を厄介払いしようとしていた。

 そして全員が武器と弾薬を持ったことを確認したラルは掛け声をかける。

 

ラル「さあ、奴をぶっ飛ばしにいくぞ!」

 

「「了解!」」




第21猟兵師団のモデルはドイツ軍最弱部隊の一つ空軍地上師団の中でも最強の第21空軍地上師団(前マインドル師団、のちの第21猟兵師団(L))です。
空軍地上師団実は大好きで軍装やるなら空軍野戦部隊の兵士やりたいぐらいですが何か?

なんかこの調子だと最終回が微妙に短いぞ…
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