WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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題名は伝説のコント番組「空飛ぶモンティパイソン」からです。
BW最終回。糖分注意


And now for something completely different.
(それでは、今までとは全く違ったものをお見せしましょう)



It's…


第37話:空飛ぶブレイブウィッチーズ

ニコライ「分かった、5分後に砲撃を中止する。

     そのタイミングで突入しろ、いいな?」

 

パット『は、了解しました』

 

ヘプナー「本当に彼女たちにやらせるのかね?」

 

 502の攻撃開始直前、ヴァトゥーチンは502と最終打ち合わせをしていた。

 そして終わると横からヘプナーが聞いた。

 

ニコライ「ああ、とりあえずやらせるだけやってみよう。

     失敗しても壊滅しなければそれでいい」

 

ヘプナー「なるほど、まあ選択肢は多いに限る。

     ただ全力で支援するんだろ?」

 

ニコライ「形だけでもな。

     ウィッチを見殺しにしてみろ、我々の支持を失いかねない。

     そうなればあのファシスト共に対して政治的に不味すぎる。」

 

 ヴァトゥーチンはこの作戦が成功するとは思ってはいないが形だけでも支援しなければウィッチ、それも最も戦略的に重要な部隊を見殺しにしたという汚名を被り政治的な支持を失いかねなかった。

 

---------

 

パット「隊長、5分後に砲撃中止、それから10分間砲撃を一時中止します。」

 

ラル「分かった。

 

 パットはヴァトゥーチンとの打ち合わせの内容をラルに伝えた。

 すでにウィッチたちはグリゴーリに向け飛んでいた。

 ラルは飛びながら先日の戦闘の勝負を思い出す。

 

ラル「この前の戦闘の時、先に真コアを特定したのは確かに孝美だった。

   だが、よりピンポイントに真コアの位置を特定できたのはひかりだった。

   一度きりの勝負だ。

   私はひかりに全部のチップを掛けよう。

   こいつはバカしか賭けないギャンブルだがな」

 

クルピンスキー「いいねそれ。僕も乗ったよ」

 

 この作戦は極めてリスクの高い無茶苦茶な作戦だが彼女らにはその作戦をやるだけの度胸があった。

 

ロスマン「ひかりさん。

     あなたは決して優れた教え子では無かった。

     でも努力は誰よりもしてきたわ。

     費やした努力の価値がどれほどかをここで証明して見せなさい」

 

ひかり「はい、ロスマン先生」

 

バーティ「自分自身を最大限に利用しなさい。あなたにとって、あるのはそれだけなのですから。

     エマーソンの言葉だ、自分自身の能力を最大限に使え」

 

 振り向いたロスマンがひかりに言い、バーティもアドバイスする。

 そして時計を確認したパットが伝える。

 

パット「砲撃中止まで1分、距離は?」

 

下原「グリゴーリまでの距離、12000!」

 

パット「了解、猶予は離脱時間も考えて8分だ!」

 

 パットが作戦ができる時間を伝える。

 安全空域への離脱時間も考えればできるのは僅か8分だった。

 

ラル「5分で片を付ける、行くぞ!」

 

「「了解」」

 

 それに5分で行けるとラルが答えると全員が返事する。

 

---------

 

チャタイ「そろそろだ。全軍砲撃中止!

     10分間砲撃を中止する、この間に弾薬補充、休養、陣地転換をやれ!」

 

砲兵将校「は!」

 

 時計を確認したチャタイが砲撃中止を命じる。

 その連絡を受け1分ほどしてすべての砲撃がやんだ。

 砲撃がやんで現れたのは穴だらけの無残な姿になったグリゴーリだった。

 

パット「よし!突撃!」

 

「「フラーーー!!」」

 

 すぐにそれを見たパットが突撃を号令する。

 それにマントイフェルとバーティ、ポーは鬨の声を上げて突進する。

 グリゴーリは砲撃がやんだことで少しずつ損害を回復しようとしていた。

 そしてある程度までウィッチたちが接近すると回復させた触手で攻撃し始めた。

 

サーシャ「ブレイク!」

 

 すぐにサーシャが散開を命じウィッチたちは分散する。

 

マントイフェル「トゥルト!ワルツとタンゴ、どっち踊りたい?」

 

クルピンスキー「君がエスコートするならどちらでも!」

 

マントイフェル「ならタンゴでどうだ!スペインで習ったよ!」

 

 マントイフェルとクルピンスキーは二人で連携して先頭に立って触手たちを攻撃していた。

 グリゴーリは回復しつつあるなかで触手で絶え間なく攻撃してきた。

 だが余りの数にPTRSのリロードが間に合わない上に触手で叩きつけようとする。

 そこでマントイフェルはサーベルを抜くと触手をぶった切った。

 

クルピンスキー「ヴァルト、やるね」

 

マントイフェル「プロイセン軍人を舐めるな!」

 

 次の瞬間、今度は後ろで爆発が起き触手が吹き飛ばされた。

 

バーティ「プロイセン軍人は後ろを見ないのか?」

 

マントイフェル「ドイツ人は頭の後ろに目はないぞ!」

 

バーティ「そうだな、それより右上、敵の攻撃が薄いぞ」

 

 攻撃したのはバーティだった。

 またバーティは攻撃の薄い地点を見極めて指示する。

 

クルピンスキー「マジックブースト!」

 

 それを聞いたクルピンスキーがマジックブーストを使って突破しその後ろをパットと菅野、ひかりが付いて行く。

 

パット「それじゃああれ使うぞ。

    舌噛まなように気をつけろ!」

 

 突破したパットは注意を菅野とひかりに言うと二人の手を掴んで誤認を使ってグリゴーリに近づく。

 グリゴーリは二人に待った気が付かずあっという間にグリゴーリまで到達する。

 

パット「よし、ひかり!いけ!」

 

 パットは近づくといつものようにひかりを放す。

 

ひかり「やあああああ!!」

 

 放されたひかりはグリゴーリを触れコアを見つける。

 だが誤認が切れたためグリゴーリがひかりを攻撃しようとする。

 次の瞬間、攻撃される前にパットが急降下してひかりを回収する。

 

パット「ひかり!どこだ!コアは!」

 

ひかり「あっちです!」

 

 パットが聞くとひかりが答える。

 そこでパットはひかりを放してひかりを先導にコアのある場所に向かう。

 一行はグリゴーリを躱しながらコアに向かうが途中触手が襲おうとするがすぐにパットとひかりが銃撃して破壊する。

 

菅野「やりやがるぜ。まさかこいつのケツに付く日が来るとはな」

 

パット「全くだ!」

 

 菅野が言うとパットも同意する。

 

ひかり「うおおおお!!ここだああああ!!」

 

 そしてコアのある場所につくとひかりは叫びながら機関銃を突き立てる。

 

菅野「うおおおおおおお!!剣!いっせ―――ん!!」

 

 そして菅野がその場所を全力で殴る。

 

菅野「砕けろおおおおおお!!!」

 

 その攻撃でネウロイは砕け始め大きなクレーターを作る。

 

ひかり「あとちょっと!管野さん、もう一発!」

 

菅野「もう、鼻血も出ねえ…」

 

 だがコアまでは少し届かなかった。

 

ひかり「管野さん!!」

 

パット「菅野!」

 

 菅野はすべてを出し切り墜落しそうになる。

 すぐにパットが菅野の手を取ろうとすると腰に差したダークイエローの吸着地雷に気が付いた。

 

パット「ひかり!離れろ!」

 

ひかり「はい!」

 

 すぐにパットはそれを取るとコアの場所に突き立ててねじを回し中の紐を取り出して思いっきり引く。

 その数秒後吸着地雷の成形炸薬がモンロー/ノイマン効果で中の金属板を溶かして超高速のメタルジェットを放ち真コアに穴をあけ破壊した。

 

 

---------

 

 数秒後グリゴーリは崩壊した。

 

リョーニャ「Ураааааа!!」

 

ジョゼ「終わったみたいですね…」

 

孝美「ん…ん…あれ?ここは…」

 

 それを見てリョーニャは歓声を上げジョゼも喜んでいた。

 すると孝美が気が付いた。

 

ジョゼ「孝美さん、気が付きましたか?」

 

孝美「え、ええ。」

 

リョーニャ「戦闘は終わったぞ!День Победы!

      酒を持ってこい!Ураааааааа!!」

 

 リョーニャは喜んで拳銃を取り出すと空に向かって撃ち始めた。

 

下原「リョーニャさん!危険ですからやめて下さい!」

 

 すると上から下原が降りてきて注意する。

 

リョーニャ「じゃあどうしろと?酒もないだぞ」

 

下原「こうするんですよ!」

 

 そういうと下原はリョーニャに抱き着く。

 さらにそのまま地面に押し倒されたリョーニャにキスする。

 

リョーニャ「え?何が起きてるんだ?」

 

下原「ふふ、ファーストキス、あげちゃいました。

   リョーニャさんが悪いんですよ、鈍感で私の気持ちに全然気が付かないんですから」

 

 混乱するリョーニャに下原は妖艶な笑みでリョーニャに言う。

 それに続いてパットに首根っこ掴まれた菅野とひかりもやってきた。

 そしてパットは二人をゆっくり降ろすとタバコを吸い始めた。

 

孝美「ひかり!」

 

ひかり「お姉ちゃん!」

 

 孝美は立ち上がるとひかりに近づき抱きしめる。

 

孝美「やったね、ひかり!ホントに強くなったね。すごいね、ホントにすごい。えらいね…」

 

ひかり「ううん、私じゃない。皆のおかげ」

 

 孝美はひかりを褒めるがひかりは否定する。

 その横で菅野はジョゼに支えられて立ち上がっていた。

 

二パ「管野おおおおお!!」

 

菅野「うばっ!?」

 

 すると二パが突進してきて菅野に抱き着く。

 菅野は吹き飛ばされる。

 

二パ「良かったよおお!!怪我してない!?」

 

菅野「むぐ…ぶはっ!い、今のが一番効いた…ジョゼ」

 

ジョゼ「もう魔力切れです」

 

菅野「リョーニャ!」

 

下原「リョーニャさんはしばらく借りますね」

 

 菅野はジョゼとリョーニャを呼ぶがジョゼは魔力切れ、リョーニャは下原に抱き着かれていた。

 その上では

 

クルピンスキー「ふぁーーー、終わった終わった…」

 

マントイフェル「トゥルト」

 

クルピンスキー「なにヴァ…」

 

 マントイフェルに呼ばれてクルピンスキーは振り向くとマントイフェルはクルピンスキーに抱き着いてキスする。

 たっぷり数秒キスするとクルピンスキーはマントイフェルに抗議する。

 

クルピンスキー「ヴァルト!何するのさー!不意打ちは無しだよ!」

 

マントイフェル「トゥルト、やりたかったんだ!」

 

クルピンスキー「まあ、その僕もさ、したかったんだけど、せめて人のいないところでやってよ…

        恥ずかしいよ…」

 

 クルピンスキーは顔を真っ赤にしながらもマントイフェルに言う。

 二人のいちゃつきにロスマンはその横で不機嫌になる。

 

ロスマン「カップルのいちゃつきはよそでやってくれないかしら?」

 

ラル「なんだ嫉妬か?」

 

ロスマン「違います、そんなんじゃありません」

 

 ラルが聞くがロスマンは否定する。

 だが見ていたバーティはポーと小声で話す。

 

バーティ「表情に出てるんだがな」

 

ポー「ああ、それと後ろ見ろ」

 

バーティ「え?」

 

ロスマン「バーティさん?」

 

 ポーと話していたバーティは後ろを見るよう促され振り返るとロスマンがいた。

 この後バーティの叫び声が雄大なるカレリアの地に響いた。

 

---------

 

 司令部では兵士たちが書類を投げたり銃を掲げて喜んでいた。

 

ニコライ「Урааааа!!!」

 

ヘプナー「やったぞ!我々の勝ちだ!」

 

ニコライ「同志諸君!兵士諸君!我々は今日、国家と革命を守った!

     偉大なる国家に栄光あれ!」

 

 作戦が終わりヴァトゥーチンが演説する、するとそれを聞いていた兵士たちが銃を上げて歓声を上げる。

 

「「Урааааааааа!!!!!!!!!」」

 

---------

 

 戦闘も何もかもが終わりウィッチたちは飛べないジョゼ、菅野、孝美を抱えたり背負いながらペテルブルクに向かう。

 

孝美「綺麗ね」

 

ひかり「うん」

 

 ふと孝美は眼下に広がる美しい雄大なる自然に言葉を漏らす。

 

サーシャ「もうすぐここにも春が来るわ」

 

二パ「平和な春だね」

 

リョーニャ「春は一番好きだ。

      耐乏の時期が過ぎ平和と繁栄の季節だからな」

 

 すると突然誰かのお腹が鳴った。

 音源となったジョゼは顔を赤くする。

 

下原「フフフ、お腹減りましたね」

 

菅野「はあ…腹と背中がくっつきそうだぜ」

 

ひかり「私もです」

 

 それに下原は微笑み、菅野とひかりもジョゼに同意する。

 

二パ「う、うわっ!マズイ!」

 

サーシャ「ニパさん?また壊したんですか?」

 

 すると今度は二パのユニットから変な音がし始めた。

 そしてサーシャもいつものように二パに聞く。

 だが次の瞬間、今度はサーシャのユニットから煙を吐く。

 

サーシャ「キャー!」

 

ポー「おっと!大丈夫か?」

 

サーシャ「ええ…」

 

 すぐにポーがサーシャの手を取る。

 その様子を見てクルピンスキーが言う。

 

クルピンスキー「アハハ!あの戦闘の後で、まともなユニットなんてないよ」

 

ひかり「じゃあ、全員正座ですね」

 

バーティ「なに終わり良ければすべて良しだ」

 

「「アハハハハハハ!」」

 

 それにひかりが返すとバーティも言う。

 そして全員で笑う。

 その様子を見てラルが微笑みながら言う。

 

ラル「フッ。全く…帰るぞ、ブレイクウィッチーズ」

 

「「了解!」」

 

 

---------

 

「Славься, славься, ты Русь моя!

 (栄光あれ、栄光あれ、我がルーシよ!)

 Славься, ты русская наша земля!

 (栄光あれ、我らがロシアの大地よ!)

 Слава, слава, хвала бойцам!

 (栄光あれ、栄光あれ、戦士に称賛あれ!)」

 

  ――M・グリンカ作曲オペラ「皇帝に捧げた命」より「栄光あれ」の一節

 

 

 




題名繋がりでイッツマンを忘れてはいけない。

真面目に吸着地雷を使う貴重すぎる作品。
信管を抜く描写は同じ信管が使われていた球形手榴弾を抜くヒトラー最後の12日間のエルンスト=ロベルト・グラヴィッツが家族と一緒に自殺するシーンを見たらだいたいどんな感じか分かる。(なおこのシーン滅茶苦茶重いシーン)

最後は大好きなクラシックM・グリンカ作曲オペラ「皇帝に捧げた命」より「栄光あれ」の一節。

なお次の章、実は後半の計画が立ってないのでプロローグと本編に入る前の話になる第1話以外暫く書けない予定。
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