WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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2話目なのにまだドッグファイトやってる件。


第2話:出会い

 

ハインツ「な、なんだありゃあ…」

 

 雲を抜けたMe410、その先にあったのは巨大な真っ黒な飛行物体であった。

 

ハインツ「気をつけろ!舌噛むぞ!」

 

 Me410は上昇しながら機首の20ミリ機関砲4門と7.92ミリ機銃2門を撃つが全く効果はないように見えた。

 機体はその飛行物体の上を掠めながら飛び、後部機銃をさらに撃ちこんでいった。

 

ミラー「少佐!あれなんなんですか!」

 

ハインツ「とにかくあのデカブツに撃ちまくれ!うわ!」

 

 すると今度はそのデカブツから赤いビームが飛んできたのである。

 咄嗟に右にロールして躱したところでヴァレンシュタインはあるものを目にする。

 

ハインツ「え…今度はなんなんだよ…」

 

ミラー「しょ、少佐、今度は人が空飛んでますよ!」

 

 足に円筒形の物をつけた人が空を飛んでいるのだ。

 

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ノヴァク「そろそろ雲からで…うわ!」

 

 スピットファイアが雲から出た先にあったのは黒い巨大なものがこちらに突進してくるさまであった。

 咄嗟に機体を左にロールさせ機関砲と機銃を撃ちまくって離脱しようとした。だが黒い物体はこちらにビームを撃ちまくって来る。

 

ノヴァク「クルヴァ!なんなんだよ!」

 

 左にロールさせ急降下する中、彼の目に飛び込んできたのは、

 

ノヴァク「人…か?」

 

 人が空を飛んでいる光景であった。

 

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ハインツ「ありゃあ一体なんなんだ?」

 

ミラー「噂に聞く幽霊戦闘機って奴じゃないですかね?」

 

ハインツ「バカ言え、あんなデカブツが戦闘機な訳ねえだろ。

     それになんで人が空飛んでるんだ?」

 

 デカブツの攻撃が後ろから来たスピットファイアに集中しているので一旦離脱して遠巻きに戦闘を観察していたハインツとミラーだが、あれが噂に聞く幽霊戦闘機、世間一般で言うところのフーファイターではないか?とか言っていたが

 

ミラー「まさか別の世界に来た、とか?」

 

ハインツ「小説の読みすぎだろ、とは言えそうにないな。

     あながちそういう事かもしれない。」

 

 もしかしたら別の世界に来たのかもしれない。そう結論した2人であった。

 次の瞬間、そのデカブツは突然白い破片となって消えた。

 

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ノヴァク「クルヴァ!なんでこっちばかり撃ってくるんだ!」

 

 必死で黒い物体の攻撃を躱そうとロールや急降下を繰り返すスピットファイアであったが前から来た何やら変なものを足につけた女の子が黒い物体を攻撃し始めるとこちらへの攻撃はやみ、少し離れたところで機体を立て直しMe410を探し始めた。

 

ノヴァク「何処にいるんだあの戦闘機は…まさか上か!」

 

 経験と勘から咄嗟に機体を旋回させた瞬間後方から撃たれた。Me410だ!

 スピットファイアが下に行ったため上昇していたMe410は背後上方を取り一撃離脱を仕掛けた。

 だが咄嗟に機体を旋回させたので幸い回避できた。

 

ノヴァク「クルヴァ!なんだあのニエムツィ!」

 

 旋回後機体を急上昇させMe410を追撃、いくらMe410の上昇力が良くても単発機のスピットファイアにはかなわなかった。

 たとえもし一撃離脱後急降下して離脱したとしてもかつてのスピットファイアのようにマイナスGでマーリンが咳き込むことは無い、それどころかMkⅨeは低空域で最も高性能を発揮するE翼である。

 ついでに言えばこの機のエンジンマーリン66は低空域で最もパワーを発揮できるように調整されていた。

 そのためMe410の急上昇は決して悪手ではなかった。むしろ性能を十分に発揮できない高高度で勝負をつけることもできた。

 

 Me410は急上昇で逃げながら後方機銃のMG131を撃ちまくるがしばらくすると撃ってこなくなった。弾切れだ。

 その瞬間を待っていたかのようにエンジン全開でMe410に肉薄する、次の瞬間、Me410が失速、機体を急降下させ始めた。

 チャンスだ!自機も失速して急降下するがそれを待っていたかのようにMe410に照準、トリガーを引くが…

 

ノヴァク「クルヴァ!弾切れだ!」

 

 この前にMe410を追撃しながら大量の弾を消費した上、巨大な黒いものにも多数の弾を打ち込んだため弾切れを起こしてしまった。

 

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ミラー「少佐!弾切れです!」

 

ハインツ「はぁ!」

 

 ミラーの弾切れという報告に驚いたハインツだったが、次の瞬間機体が急激に速度を落とし始めた。

 失速だ。低速で機体を急上昇させることで主翼に気流が流れず揚力を失う状態が失速である。

 失速の回復は非常に難しいことで知られている上に並みのパイロットならパニック状態に陥り墜落してしまう危険な状況である。

 現代でもたまに旅客機が失速状態に陥りパイロットがパニックを起こして墜落する事故も起きている非常に危険な状態である。

 

 だが少なくともハインツはこの手の状況に慣れていた。だが今回少し違った。

 いつもなら自機より先に敵機が失速状態に陥っていることが多く、失速して急降下しているところを狙い撃ちにするのがいつもの戦術であった。

 だが今回はスピットファイアが上手いこと失速状態に陥らないギリギリの状態で急上昇していたため自機の方が先に失速してしまったのだ。

 そのため気が付いた時にはスピットファイアは自機の後ろで至近距離から肉薄しようとしていた。

 

ハインツ「クソ!」

 

 次の瞬間、スピットファイアから機関砲の弾が…飛んでこなかった。

 

ミラー「少佐、スピットファイアも弾切れですよ!」

 

ハインツ「よし、いけるぞ。」

 

 そういうと高度5000フィート付近で機体を立て直しまた上昇を始めた。

 するとスピットファイアは追撃せず諦めたかのように離脱し始めた。

 無論このチャンスを逃さなかった。

 スピットファイアは不規則に旋回しながら離脱しようとするがMe410はスピットファイアの後方上空1000フィートを抑えチャンスを狙っていた。

 

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 スピットファイアは弾切れを起こした以上空中戦をする意味がなかった。

 なにせ撃つ弾がないのだ。体当たりすればいけるかもしれないがドイツ上空でそんなことをすれば捕虜になるか死ぬだけだ。それもほとんど自殺に近い死に方だ。キリスト教では自殺はタブーなのは有名な話である。

 それを敬虔なカトリックの彼がやるわけなかった。

 だから空中戦を離脱して逃げようとした。

 無論逃げながら不規則な旋回をしながら。

 

 だがスピットファイアMkⅨはバブルキャノピーではない。

 なので後方視界は差していいわけではない。むしろ最悪と言えた。

 見えるのはコックピットの上にある小さなミラーのみ。ほとんど後ろが見えない以上振り切ったかどうかは全くわからない。

 

 敵機がいつまで追撃してくるか。それが問題であった。さらに燃料計が故障してあとどれだけ燃料が持つか分からない。そもそもここがどこかすらわからない。不安要素だらけであった。

 

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 スピットファイアを追跡すること20分、スピットファイアは速度を緩め水平飛行に移り始めた。

 後方視界が悪い上に丁度このときMe410は太陽に隠れる形になっていた。

 無論このチャンスを逃さない手はない。

 一気に急降下して撃墜しようとした。

 急降下を開始し、距離が20メートルほどの所に来たときトリガーを引こうとしたその瞬間

 

『そこの戦闘機、所属を答えなさい!』

 

 突如壊れていたと思っていた無線から女性の声が響いた。

 これに驚き、弾はスピットファイアの後方を掠めて行った。

 機体はスピットファイアの後ろを通過してスピットファイアの後方左下についた。

 

---------

 

『そこの戦闘機、所属を答えなさい!』

 

 壊れていたと思っていた無線機から突然響いた女性の声に驚いた次の瞬間、銃声が後ろから聞こえ真後ろをMe410が通過した。

 この無線にMe410は驚いて外したようだ。

 この呼びかけは彼にとっては吉報であった。これで増援を呼んであのニエムツィを叩き落とすか基地に戻れるからだ。

 

ノヴァク「こちら英国空軍義勇第317スコードロンシティ・オブ・ヴィリュニス所属アレクサンデル・ノヴァク中尉。

     コールサインはビショップ3。現在ドイツ軍のメッサーシュミットの双発戦闘機と交戦中。救援を求む。」

 

 簡潔な救援要請であった。

 

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 突然無線から響いた綺麗な、若干ドイツ訛りがあるように感じた女性の声にハインツは戸惑った。

 これは連合軍のなのかドイツ軍の物なのか?ドイツ訛りがあるということはドイツ人?じゃあなんで英語で呼びかける?

 そうこうしていると無線から

 

『こちら英国空軍第317スコードロンシティ・オブ・ヴィリュニス所属アレクサンデル・ノヴァク中尉。

 コールサインはビショップ3。現在ドイツ空軍のメッサーシュミットの双発戦闘機と交戦中。救援を求む。』

 

 英空軍機が答えるということはこの無線は連合軍か?連合軍が近くにいるということか?

 少なくとも近くに連合軍の基地がある。その情報が分かった時点で十分であった。つまり英本土に近い空域を飛んでいるということだ。

 

 そう仮定すると燃料の量がヤバい。Me410の航続距離は大体2300キロ。

 彼らの基地はドイツ北東部のメクレンベルク=フォアポンメルン州からザクセン=アンハルト州に至る地域だ。

 そうしたらこの辺りは燃料がギリギリのところになる。むしろなんで今まで燃料切れにならなかったかが不思議なぐらいだ。

 即座にヤバいどころの問題ではないと判断した彼らすぐに無線に応じた。

 

ハインツ「こちらドイツ空軍第26駆逐戦闘航空団ホルスト・ヴェッセル所属ハインツ・ヴァレンシュタイン少佐。

     コールサインはゲルプ1。燃料がない。至急緊急着陸を求む。武装解除は下でやる。」

 

 即座に降伏することにした。

 

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 ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケは戸惑っていた。

 ネウロイと交戦中に突然雲の中から現れたのは見たことない国籍章をつけたMe410とスピットファイア。

 しかもネウロイに機関砲を撃ちこみ離脱したと思ったらドックファイトをしているではないか。

 ネウロイを撃墜した彼女は即座に戦闘機を探し無線で叫んでいた。

 

 だが帰ってきた答えは何か?聞いたことのない国の聞いたことのない部隊名であった。

 少なくとも第317スコードロンと第26駆逐戦闘航空団自体は聞いたことがある。それぞれブリタニア軍とカールスラント軍の部隊だ。

 だがこの両方の部隊の名誉称号が違う。ホルスト・ヴェッセル?一体誰だ?シティ・オブ・ヴィリュニス?一体どこだ?

 その上第317の方がMe410と交戦中だというなぜ交戦している?その上増援をよこせと、訳が分からない。

 ZG26の方もだ、なぜ武装解除する必要がある?別にこちらはただ所属を聞いただけだ、捕虜に取るわけでもないのに。

 

ミーナ「こちらは連合軍第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズです。

    私はストライクウィッチーズ隊長のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。

    我々の基地に誘導します。ついてきてください。」

 

ノヴァク『ビショップ3、了解。』

 

ハインツ『ゲルプ1、了解。』

 

 とりあえず自分たちの基地に誘導して下で話を聞くことにしたのだった。

 これがどのような波乱を巻き起こすかまだ知らない…




ウィッチが出て来たけどさらっと流した件。
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