なお前半でも「ウィッチの目の前で虐殺」、「ウィッチの目の前で連行」、「ウィッチの目の前で摘発」、「ウィッチを捕まえかける(ただ容疑は公女の誘拐)」がある(血の気が増えると言ってもやめろ)
なおこの回も冒頭からニコが宮藤たちを殺しかける。
あと燃える展開とかそういう浪漫節が理解できず「火力こそ至上、戦艦は正義」論者なのでイタリア海軍が大活躍する代わり名シーンが消えます。
だいたいブレパンで艦艇用魔導徹甲弾出しちゃったのが悪い。アレのお陰で「でっかいネウロイも巣も艦砲でぶっ潰す」作戦できるようになっちゃった。
アドリア海上空、そこを一機のボロボロになったJu88Rが飛んでいた。
ニコ「ん…ここは?ベック!レック!いるか?」
その機内でニコは不時着の衝撃から気が付きすぐにレーダー手と機上整備員を呼ぶが反応がない。
すぐに振り返るがそこには誰もいなかった。
だがすぐに何かがおかしいことに気が付いた。
二人がいないだけでなく周りが明るいのだ。
上を見ると太陽が出ていた。
ニコ「は?そんな馬鹿な。今は真夜中だろ」
彼の最後の記憶では彼は真夜中のドイツ上空を飛んでいたはずであった。
だが気が付いた時には真昼間の海の上を飛んでいた。
ニコ「いったい何が起きてるんだ…機体の方は…」
それに疑問を持ちながらも機体の方を点検する。
ニコ「右エンジン、油温油圧正常、ラジエター正常、プロペラ角正常、混合比は少し高いな。
燃料流量正常、燃料ポンプ正常、出力75%、異常なし。
左は、は?油温油圧は少し高いが正常、ラジエター異常なし、プロペラフェザー、混合比低めだが異常なし。燃料流量シャットダウン中、燃料ポンプ正常、出力なし、スロットルはカットオフ。」
おかしなことに機体は被弾こそしてるが弾を食らったはずの左エンジンは正常そのものだった。
ニコ「左が問題ないように見えるな。
左を再点火しよう。」
すぐにニコは問題ないと判断、エンジンを再点火する。
すると左エンジンは何の異常もなく周り始めた。
ニコ「よしこれで問題なし。
次は場所だな。」
するとニコの目の片隅に前方に小型機が飛んでいるのに気が付く。
ニコは機体をゆっくりと旋回させながら近づく。
ニコ「あれは…Bf109か?」
その機影はBf109に見えた。
ニコは友軍機だと思いある程度まで接近するがすぐにそのBf109を照準する。
その機には青と白のラウンデルが描かれていた。
それは敵機、即ちフィンランド空軍機であった。
この時フィンランドとドイツは既に戦争状態であった、
互いに気乗りしない戦争であったが一応は見つけた以上攻撃しなければならない。
だがしかし互いに気乗りしないためニコは一応無線で呼びかけた。
ニコ「そこのフィンランド機、応答しろ」
『グーテンターク、ドイツの誰かさん。
丁度よかったここはどこだ?』(ドイツ語)
フィンランド機から帰ってきたのは少し訛りのあるドイツ語の返事だった。
ニコは驚き聞き返す。
ニコ「ドイツ語ができるのか?」
『まあな、一応ベルリン生まれだ』(ドイツ語)
ニコ「そうか、ところでここはどこだ?」
『それはこっちのセリフだよ。
こっちだって気がついたら海の上だからな』
互いにここがどこかよくわかっていなかった。
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ニコと交信していたのはフィンランド空軍のヤン・オーラ・ハンマルフェルド中尉だった。
ニコ『そうか、ところでここはどこだ?』
ヤン「それはこっちのセリフだよ。
こっちだって気がついたら海の上だからな」
彼もまた気がついたら海の上を飛んでいて混乱していた。
彼はBf109をJu88の横に並べて飛び始めた。
すると彼が眼下に何かを見つけた。
ヤン「なんかいるぞ?前方2時の方向。
大型機だ」
ニコ『本当だ。あれは…4発飛行艇!
サンダーランドだ。』
それは大型の4発飛行艇だった。
ヤンは分からなかったがニコはすぐにそれをイギリスのショートサンダーランドと判断する。
ショートサンダーランドは大戦中のイギリス軍の4発飛行艇である。
大西洋の戦いではUボートを多数撃沈、Uボートからは「指輪の幽鬼」と、航空機からは「フライング・ポーキュパイン(空飛ぶヤマアラシ)」と恐れられた。
ニコはかつてはビスケー湾上空でイギリス空軍との間でUボートを狩ろうとするハンターのサンダーランドやボーファイター、ハリファックスなどの英軍機と死闘を繰り広げていた、そのため彼の中では4発飛行艇とはサンダーランドであった。
ヤン「サンダーランド?サンダーランドって確かイギリスのか?」
ニコ『トミーの飛行艇だ。
撃ち落とすぞ』
そういうとニコは本来なら3人乗りのJu88を器用に旋回させて飛行艇の背後に回り込んだ。
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シュピッツ作戦が発動され約一週間後、アドリア海上空を一機の飛行艇、扶桑の二式大艇が飛んでいた。
この機は飛行艇という枠の中では飛び抜けた機であった。
なにせ性能では当時世界最高性能を誇り単純なスペックだけならば戦後のジェット飛行艇やターボプロップ飛行艇以外では当時の全ての飛行艇の性能を凌駕する空飛ぶ戦艦であった。
8000キロを越す航続性能、最高速度470キロ、5門の20ミリ機関砲と4丁の7.7ミリ機銃を有する強力な火力を誇る。
史実では日本海軍によって偵察や哨戒、輸送などの任務に使用されていたがその火力と防御力の高さから連合軍からも「フォーミダブル」と呼ばれて恐れられた。
それどころかこの機には明らかに格上のはずのB-25ミッチェルやB-17の撃墜記録があるなど非常に優れた機であった。
飛行艇という機種は第二次世界大戦後航空技術の発達により急激に衰退したがこの機の技術とノウハウは川西重工業の後継たる新明和工業に受け継がれ現代でもこの機の子孫たる新明和US-2は今日でもなお日本の空を飛び回り遭難者たちの救いの翼として活躍している。
その機は扶桑海軍の機でありニコがサンダーランドと誤認して撃墜しようとしている機だった。
乗っていたのは坂本美緒少佐と宮藤芳佳の二人に従兵の土方などであった。
土方「現在アドリア海上空。
間もなく目的のロマーニャ軍北部方面基地に到着します」
坂本「うむ」
従兵の土方が坂本達に基地が報告する。
宮藤「う~、やっと降りられる」
坂本「なまったな、宮藤。
この程度の飛行でもう弱音か」
坂本の隣で疲れ切っていた宮藤が漏らす。
1週間近くかけてユーラシアを横断しているのであり宮藤の反応はもっともだった。
だが坂本が言うと宮藤は姿勢を正した。
すると宮藤は何かを思い出したかのように坂本に聞く。
宮藤「すいません…
あ、そうだ。
お父さんからの手紙ってなんだかわかりましたか?」
宮藤は出発する直前に貰った父親からの手紙のことを聞いた。
坂本「いや…だが、宮藤博士の研究に関するものかもしれない。
技術班に渡して置いた。
遅れて付いたのは検閲によるトラブルだろう」
宮藤「またか…」
その返事に宮藤は落胆する。
だが突然パイロットから報告が入った。
パイロット「電探に反応あり、急速接近中」
坂本「なに?」
パイロット「前と後ろに二つです。」
坂本「後ろ?」
飛行艇に未確認機が複数接近していた。
だが坂本が疑問を持ったのは後ろ、即ちバルカン半島のクロアチアやダルマチアの方からくる飛行物体であった。
宮藤「坂本さん!あれ!」
すると窓の外を見た宮藤が坂本を呼んだ。
坂本は宮藤に言われるままに窓から外を見る。
そこには鉄十字の国籍章をつけたグレーと黒のJu88、そしてその後ろ上方に迷彩が施され青と白のラウンデルが書かれたBf109が飛んでいた。
坂本「Ju88とBf109?いや、あの国籍章は!」
宮藤「ドイツ…フィンランド…じゃあハインツさんたちの…」
宮藤はその国籍章からハインツ達から教えられた国籍章を思い出した。
宮藤が話していた瞬間、突然機体が大きく揺れる。
宮藤「きゃああああ!」
突如前方から何本もの赤い光線が飛んできて機体はゆすぶられ、さらにはエンジンも損傷させた。
坂本「くっ、どうした!」
パイロット「未確認機からの攻撃です!
第一エンジン被弾!
未確認機なおも接近中!」
土方「まさか…!」
宮藤「ネウロイ…」
すぐに一同は攻撃してきたものの正体を理解した。
ネウロイだ。
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ネウロイの攻撃は二式大艇を攻撃しようと攻撃位置につこうとしていたニコを掠めた。
幸い彼の天才的な勘により機体を宙返りさせそのまま急降下することで攻撃を回避した。
ニコ「シャイセ!一体何なんだ!あれは!」
ヤン『知るかよ!オーディンが怒り狂ってるのか?!』
ニコは無線で悪態をつくが上空で傍観していたヤンは北欧神話を引き合いに出した。
ニコは急降下をやめると前方に攻撃してきたものの正体、黒い常識外れのサイズの飛行物体を発見する。
ニコ「見つけた!12時方向大型飛行物体!
こちらに気が付いてない!いける!」
するとニコは一旦その物体から離れて大きく旋回すると雲に隠れながら後方から近づく。
ニコ「よし、行けるぞ…」
そして全く気が付かず飛行艇の攻撃に集中している物体に忍び寄ると至近距離から夜戦型Ju88の独特の装備、上向きのシュレーゲムジークのMG151/20を使ってネウロイの表面を掃射する。
ニコ「これでどうだ!」
だが次の瞬間、ネウロイは離脱するJu88を攻撃する。
ニコは間一髪攻撃を避けた。
ニコ「なんなんだあいつは!ランカスターだってあれだけ食らえば撃墜できるぞ!」
ニコは機体を急降下させ海面ギリギリを飛んで攻撃を回避しながら悪態をついた。
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坂本「ネウロイ確認!距離約12000!
奴らめ、もうこんなところまで来ていたのか…!」
機銃座から前方のネウロイを確認した坂本が言う。
すると機体は突然旋回、急降下する。
宮藤「きゃあああ!」
坂本「くっ…!」
この急な機動により身構えていなかった宮藤と土方は機内で跳ねまわり宮藤は何とか坂本に支えられていた。
土方「うぐっ…!」
坂本「土方!」
だが捕まる物がなかった土方は機内で体をうち怪我をしてしまった。
宮藤「土方さん!」
すぐに宮藤は土方に治癒魔法をかける。
その手際は数か月前とは見違えるほどにまで成長していた。
坂本(魔法力が安定している…成長したな、宮藤!)
その手際の良さに坂本は感心するとある程度まで土方が回復したのを見てコックピットに指示を出す。
坂本「今は退避だ!急降下してやり過ごす!」
機長「了解!」
すると後ろで機銃の音がし急いで坂本が後ろを見る。
坂本「なんだ?」
後ろを覗き込むとJu88がネウロイの下に回り込んでネウロイを掃射していた。
だが攻撃は全く聞かずネウロイは二式大艇への攻撃をやめJu88を攻撃したが見事に回避され本来鈍重なJu88を使って遠目からも腕のいいパイロットが乗っていることが分かるような回避を行っていた。
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坂本達が攻撃を受けた空域の近くは丁度フィウメ~リミニ間の航路の近くであった。
そしてこの日、この海域には輸送船団FR293船団が存在した。
その護衛部隊の第一部隊はネウロイをレーダーで確認すると即座に船団を離脱、艦隊を急行させた。
通信兵「提督、ネウロイは現在本艦隊の北西19カイリ。
そろそろ目視可能です。」
「そうか、船団は?」
通信兵の報告に旗艦ヴェネチア海軍戦艦インペロ座上のカルロ・ベルガミーニ提督が答えた。
通信兵「既に離脱、現在巡洋艦バルトロメオ・コレオーニを旗艦とする第二部隊が護衛中です。」
ベルガミーニ「そうか、総員戦闘配置、主砲装填、弾種魔導徹甲」
副長「総員戦闘配置!」
ベルガミーニが戦闘配置を指示すると副長が復唱する。
その連絡を受けると即座に彼の隷下の戦艦2隻、旗艦インペロとフィウメに退避していたためそのまま指揮下にいれたヴェネチア海軍第1戦隊の戦艦ヴィットリオ・ヴェネト、重巡洋艦トレント、トリエステ、軽巡洋艦アルベルト・ディ・ジュッサーノ、アルマンド・ディアス、ムツィオ・アッテンドーロ、駆逐艦8隻、水雷艇9隻、コルベット4隻の大艦隊が戦闘配置を取っていた。
そして全艦ベルガミーニの指示を受け魔道徹甲弾を装填するとネウロイに向け全力で突進する。
そして全艦射程に捉えるとベルガミーニが命じる。
ベルガミーニ「よし、撃て!」
数十秒後ネウロイは爆散した。
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宮藤「すごい…」
坂本「ネウロイを一撃…だと…」
たった一撃、艦砲の一斉射で巨大なネウロイを粉砕したその威力に宮藤と坂本は驚いていた。
ふと宮藤はここで思い出した。
宮藤「坂本さん、あの飛行機たちは?」
坂本「うむ…いたぞ!あそこだ!」
坂本が魔眼を使って探すとJu88は海面すれすれを、Bf109は二式大艇の上を旋回していた。
宮藤「どうしましょう、坂本さん」
坂本「そうだな、とりあえず呼びかけてみよう。
土方、無線機を」
宮藤が聞くと坂本は土方から無線機を受け取り無線で呼びかけた。
坂本「こちら扶桑海軍坂本美緒少佐だ。
当機の周囲を飛行しているJu88とBf109は所属を答えよ」
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ベルガミーニ艦隊がネウロイを一撃で吹き飛ばしたのは海面すれすれを飛んでいたニコ、二式大艇の上を旋回して攻撃するチャンスを伺っていたヤンの両方に見えていた。
ヤン『なんだ!?戦艦か?!』
ニコ「ああ、戦艦だ!前方にヴィットリオ・ヴェネト級戦艦二隻とアルベルト・ディ・ジュッサーノ級巡洋艦、トレント級に似た未確認の巡洋艦を確認した!
イタリア共同交戦海軍だ!」
ニコは前方に艦隊を発見していた。
そしてその艦影をかつてはマルタやクレタに向かっていたイギリス艦隊も攻撃していたニコが即座にイタリア海軍のヴィットリオ・ヴェネト級戦艦とアルベルト・ディ・ジュッサーノ級軽巡洋艦、そしてトレント級重巡洋艦に似た巡洋艦と識別した。
そしてこれらの艦艇を持っていたのは枢軸軍ではない、連合軍側についたイタリア軍、イタリア共同交戦海軍である。
即ち敵であった。
すぐにニコは機体を180度旋回させて艦隊から離れた。
ニコ「にしても一体何なんだ…気がついたらベックとレックが消えて、真昼間でその上巨大な黒い飛行物体が光線を放つし沈んだはずのトレント級重巡洋艦が浮いているって…」
艦隊から離れたところでニコは状況を整理し始めた。
状況は訳の分からない常識では考えられないことの連続であり理解不能だった。
同じようにヤンも状況を整理していたが全くもって理解不能だった。
すると無線が響いて若干の訛りのある流暢な英語が聞こえてきた。
坂本『こちら扶桑海軍坂本美緒少佐だ。
当機の周囲を飛行しているJu88とBf109は所属を答えよ』
ニコ「こちらドイツ空軍第1夜間戦闘航空団所属ニコルッシ・フェリックス=アレクサンダー・ハルトマン=ファルケンホルスト中尉。」
ヤン『フィンランド空軍第33戦隊ヤン・オーラ・ハンマルフェルド中尉、どうぞ』
二人は答えるが警戒を緩めるどころかさらに警戒しヤンは二式大艇の後ろについていつでも撃墜できる態勢を整え、ニコも二式大艇の下に回り込みシュレーゲムジークを照準する。
だが続いて来たのは意外な言葉だった。
坂本『了解した。当方に攻撃の意思はない。
最寄りの基地へ誘導する。』
ニコ「了解した」
ヤン『了解』
その言葉に二人は安心する。
自機の位置が分からない上にBf109は航続距離が短く、Ju88は燃料タンクに穴が開いたままであり現在進行形で機体の後ろには燃料の尾を引いていた。
両機は飛行艇の後ろについて飛び始めるが突如、前方から飛行機よりもずっと小さい飛行物体が二つ飛んできてすれ違う。
そしてその正体を見て二人は愕然とする。
ニコ「人…だと…」
すれ違い、戻ってきて機体の外に並んで飛ぶ二人の少女を見てありえないように呟いた。
とりあえず戦果排水量反比例の法則とか弱いとか言われてるイタリア海軍の名誉挽回のためイタリア海軍を大活躍させた。
後悔は無いしそもそもイタリア海軍が活躍できなかったのは100%ドイツが悪い。奴らが油くれたらもっと活躍できた(マジ)
イタリア共同交戦軍、RSIは資料とか戦記がいくつかあるのにこっちはほとんどないのが辛い。