WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

84 / 171
冒頭から完全ホロコースト。アカン
未回収のイタリアに礼儀正しい人ってもうね…タブー全部ぶち抜くのはどうかと思うよ。
しかも平気で戦争寸前のことやる時点で…


第4話:問題だらけの始動

 ロマーニャ、第15騎兵軍総司令部の司令官室。

 その部屋には数人の将軍がいた。

 

アイケ「どう思うかね?クリューガー中将」

 

クリューガー「そうですね、“処理”すべきかと。

       害虫、ましてや敵のネウロイを崇める連中などユダヤのペスト共よりたちが悪い。

       そんな連中など生きるに値するどころかアーリアの血を汚す汚物だ。

       早いところこの地球上から骨一つ残さず消し去ってしまうべきだ。

       フリードリヒやフェーゲライン君がポーランドやベラルーシでやったようにな!」

 

 アイケの問いに答えたのは眼鏡をかけた第15騎兵軍団司令官ヴァルター・クリューガー中将だった。

 アイケが聞いていたのはネウロイを崇める新興宗教に関する処理だった。

 彼は弟のフリードリヒ・ヴィルヘルム・クリューガー武装親衛隊大将や同じ部屋にいる一番若い将軍であるヘルマン・フェーゲラインがポーランドやベラルーシでやったようにすべきだという。

 つまるところナチス言う所の「最終的解決」であった。

 それに第600騎兵師団フロリアン・ガイエル師団長ヘルマン・フェーゲライン少将を続く。

 

フェーゲライン「私も賛成です。

        早いところこんな害虫どもを綺麗にしなければ」

 

アイケ「フェーゲラインも賛成か。

    なら特別行動部隊に処理させよう」

 

 この数時間後、その新興宗教の各施設や信者の家にカラビニエリと黒シャツ隊、そして特別行動部隊が押し入り親族諸共捕まえた。

 その大半はそれから数日から数週間かけてロマーニャ各地で“処理”された。

 

アイケ「ところで、デ・ボーノ大将が来週、ガリアに介入するそうだ」

 

クリューガー「なにをするんです?」

 

 するとアイケが話題をデ・ボーノが企んでいるガリア方面への介入に話題を変えた。

 

アイケ「未回収のイタリアを回収するそうだ」

 

クリューガー「バカかあいつは?」

 

 デ・ボーノの企み、それは未回収のイタリア、つまりニースとサヴォアを権力争いの混迷の度を深め、実質的な統治の権限の大半を連合軍ガリア軍行政司令部に奪われた結果、国内でテロと騒乱の嵐が吹きすさびロマーニャと同等かそれ以上の赤狩りの真っ只中で殆ど皮だけになっているガリアから混乱をついて占領するという外交問題確実のことをするつもりだった。

 現状を完全に無視した行動にクリューガーは思わずバカだという。

 

アイケ「表向きはニースとサヴォアのロマーニャ系住民を保護するためだそうだ。

    それに侵攻するのは「民兵」がやるそうだ」

 

クリューガー「最新のロマーニャ軍火器を持ったロマーニャ民兵か?」

 

アイケ「ああ、礼儀正しい人々、だそうだ」

 

クリューガー「礼儀正しい人々…酷いジョークだ」

 

 正規軍が出ると大問題であるためデ・ボーノは「民兵」を使う予定だった。

 この翌週、突如ガリア領のニースとサヴォアに最新のロマーニャ軍装備を付けた国籍不明の武装勢力「礼儀正しい人々」が現れ両地域を制圧、ガリア政府は碌な対処も出来ず黙認することしかできなかった。

 

---------

 

 504基地、501再結成の翌日。

 坂本と宮藤はこの基地に物資を搬入していた。

 

竹井「扶桑からの物資、助かったわ。ありがとう」

 

 504の戦闘隊長で坂本とは旧知の間柄の竹井が坂本に礼を言う。

 

坂本「報告書は読んだ。あの内容、事実なのか?」

 

竹井「ええ。あの時私達はネウロイと接触できると思ってた。

   でも結局私達は分かり合えなかった。

   ネウロイはより一層凶暴になって現れた」

 

 すると坂本は504からロマーニャ空軍経由で渡された報告書の内容を竹井に聞いた。

 その報告書はアイケやバルボが「作戦ですらない無理心中」と評したトラヤヌス作戦の顛末だった。

 トラヤヌス作戦は大失敗、504は戦闘能力を喪失した。

 竹井はその忸怩たる思いを思い出していた。

 

竹井「それだけじゃないわ。トラヤヌス作戦の直後、ロマーニャ軍の一派とカラビニエリが行動を起こしたの」

 

坂本「それは初耳だぞ」

 

 竹井はそれと同時に起きたロマーニャ軍の行動を坂本に言う。

 このことは彼女の耳には届いていなかった。

 

竹井「そうでしょうね。行動を起こしたのはカラビニエリのアーゾン中将、ロマーニャ陸軍のデ・ボーノ大将、海軍のレニャーノ中将、そして空軍のバルボ大将よ」

 

坂本「バルボ大将だと」

 

 坂本はこのクーデターに関わった人の中に501の設立に関わり、当面の物資の提供を確約したロマーニャ空軍のバルボ大将の名前があることに驚いた。

 

竹井「ええ。彼らはトラヤヌス作戦後の混乱を突いて各地で行動を開始した。

   彼らは戒厳令を敷き、報道管制と検閲を実行、各地で多くの人が拘束されて殺されたわ。

   504にいた整備士や兵士も数人カラビニエリに拘束されたわ。」

 

 竹井はクーデター後のロマーニャでの変化を語る。

 彼女らから見ればバルボやアイケの指揮するロマーニャの「清掃作業」は無作為の虐殺に見えた。

 だが実際は殺されたのは大半が共産主義者やその関係者、マフィア、反政府勢力などのゴミでありむしろ清掃されて当然といえた。

 

竹井「それだけじゃない、ここ最近カールスラント軍の一部部隊も動いているって噂があるわ。

   それも逮捕どころじゃない、彼らに捕まったら最後生きては戻れない殺戮部隊って噂よ。」

 

坂本「殺戮部隊…」

 

竹井「捕まえればあらゆる残虐非道な手段で人としての尊厳を踏み躙って殺す。

   人としてさえ扱われず殺され、死体は消え失せる。そういう噂よ」

 

坂本「そんな恐ろしいことが…」

 

 竹井は坂本にカラビニエリと黒シャツ隊以上の悪逆非道を繰り返しているという噂のカールスラント軍部隊を伝える。

 その内容に坂本は絶句した。

 もはや人間はかくもそこまで残虐になれるのか、そのレベルのほどの話であった。

 

竹井「気をつけて、美緒」

 

坂本「ああ…」

 

 坂本の返事はどこか上の空だった。

 

坂本(殺戮部隊…ノヴァクの言っていたナチス…か?)

 

 竹井の言った殺戮部隊の話を聞いて坂本はノヴァクから聞かされたナチスの虐殺を思い浮かべた。

 

 

---------

 

 

 501が再結成された日から数日後

 ニコは暗い廊下を歩いていた。

 

ニコ「はぁ…夜尿症だけはこっちに来ても収まらないか…」

 

 彼は戦場でのPTSDから夜尿症を患っていた。

 そのためいつも夜になれば頻繁にトイレに行かなければならなかった。

 この日もまた夜中に尿意を催しトイレに行っていた。

 そして薄暗い廊下を歩いていると向かいから何かがふらふらと歩いてきた。

 

ニコ「なんだ?」

 

 ニコは心配になり近寄る。

 それは夜間哨戒を終えたサーニャだった。

 

ニコ「リトヴァク中尉?大丈夫ですか?うぉ」

 

 ふらふら今にも倒れそうなサーニャを気遣い声をかける。

 するとサーニャはそのままニコに向かって倒れニコはそれを受け止めた。

 

ニコ「えっと…リトヴァク中尉?」

 

サーニャ「zzzz」

 

 サーニャはニコの胸の中で眠ってしまった。

 

ニコ「はぁ…で?リトヴァク中尉の部屋ってどこだ?」

 

 ニコはサーニャの部屋を知らないのであたりを見渡すが誰もいないため聞くことすらできなかった。

 

ニコ「はぁ…仕方ない。今日は僕の部屋で寝ていいですよ」

 

 そう言ってニコは寝ているサーニャをお姫様抱っこで抱えると自分の部屋に連れて行きベッドに寝かせ自分はそのままベッドにもたれかかり眠った。

 

 

---------

 

 翌朝

 

エイラ「サーーニャァァァァア!」

 

 突如エイラが叫んだ。その大声に寝不足のハインツはキレた。

 

ハインツ「エイラ!朝からうるせえ!こっちは3時間しか寝てねえんだ!」

 

エイラ「ハインツ!サーニャがいないんだ!」

 

ハインツ「基地のどっかにはいるから自分で探せ!俺は昼まで寝てる」

 

 サーニャがいないとエイラは訴えるが501の再編により501の主席参謀という新たな役割を与えられた結果仕事が倍増、501運営の庶務を統括することになり毎日ストレスと書類の波によって寝不足気味のハインツは無視して自分の部屋に戻りその日は昼間で寝ていた。

 だがエイラの叫びはニコの部屋にいたサーニャとニコを起こしてしまった。

 

サーニャ「ん…え?」

 

ニコ「ん…ふぁぁ…あ?起きました?リトヴァク中尉」

 

 エイラの叫びは二人を起こしたがサーニャは気がついたらニコがそばで寝ていることに驚いていた。

 

サーニャ「はい、えっとハルトマン=ファルケンホルスト中尉?」

 

ニコ「別にニコでいいですよ。」

 

サーニャ「なら私もサーニャで。えっと、ここは?」

 

ニコ「僕の部屋です。別にいやらしいことをしようといたわけではなくて、トイレに行った帰りにサーニャさんが今にも倒れそうな感じで歩いていたんで助けたらそのまま寝てしまって…

   部屋が分からず仕方ないので僕の部屋に…」

 

 ニコはサーニャに事情を説明する。

 その丁寧な説明と態度にサーニャはニコに好感を持った。

 

サーニャ「ありがとうございます。」

 

ニコ「いえいえ、まだ寝ていていいですよ」

 

 サーニャはニコに感謝の言葉を述べるがニコはサーニャに布団をかけると部屋を出て行った。

 部屋を出たニコは同じくエイラの叫びで目を覚ましたヤンと出会った。

 

ヤン「おはよう、ニコ。今のはなんだ?」

 

ニコ「さあ?」

 

 二人はそのまま廊下を歩いて食堂に向かう、すると取り乱したエイラがやってきた。

 

エイラ「おい!お前ら!サーニャ知らないか?!」

 

ヤン「サーニャってリトヴァク中尉だろ?知らんぞ」

 

ニコ「僕の部屋で寝てますけど何かあったんですか?」

 

 二人は正直に答えた。

 するとエイラがニコの返事を聞いてニコに掴みかかった。

 

エイラ「サーニャに何をした!」

 

ニコ「ちょっ!別に何もしてませんよ!僕の部屋で寝ているだけですから!」

 

エイラ「本当にそれだけなんだろうな!」

 

ニコ「なにもしてませんよ!」

 

 エイラはニコを問いつめる。

 ニコは半分慌てながらもちゃんと答えた。

 だが信用していないエイラはニコを放すと走ってニコの部屋に行った。

 そしてニコの部屋を勢いよく開ける。

 

エイラ「サーニャ!」

 

サーニャ「エイラ?」

 

 突然のエイラの乱入にベットで寝ていたサーニャは驚く。

 

エイラ「サーニャ、大丈夫だったか?あいつに変な事されなかったか?」

 

サーニャ「大丈夫よエイラ。エイラ、ニコさんを疑っちゃだめよ」

 

 サーニャに駆け寄ったエイラがサーニャに聞くがサーニャはなにもされずただ寝ていただけだった。

 

---------

 

 その後、ヤンとニコはユニットの訓練が行われていた。

 すでに数日経過し、数回二人はユニットの訓練を受けていた。

 そのためある程度はユニットの扱いに慣れ、固有魔法や使い魔まで分かっていたが実戦に出すには決定打に欠けていた。

 ヤンの使い魔はケワタガモ、固有魔法は計算、この固有魔法はあらゆるものを数学的に解析するというものでありそれによって数学的に最も当たりにくい場所をはじき出すことができたほか、数学的に最も当たる可能性の高い場所やコアのある可能性のある場所さえも弾き出せた。

 

 そしてニコは使い魔がヨーロッパミミズク、固有魔法は固有魔法コピー、つまり固有魔法を完璧にコピーしてしまうものだった。

 そのせいですでにハインツとノヴァク、ミーナ、バルクホルンの固有魔法が完全にコピーされていた。

 だがそのせいで非常にコントロールが難しく飛んでる最中に誤って固有魔法を発動してしまうことが乱発した。

 

 そしてこのほぼ新人と言っていいこの二人より問題のある人物が3人いた。

 それはリーネ、ペリーヌ、宮藤だった。

 3人は訓練を終えてミラーたちの前に倒れこんでいた。

 

ミラー「大丈夫リーネ?水持ってきたけどいる?」

 

ハインツ「こりゃ駄目だ」

 

 半袖の熱帯シャツを着て左足にポケットのある長ズボンを履いたミラーがリーネに水筒を渡す。

 その横で白いチュニックを着て左足に大きなポケットがあるズボンを履いたハインツがそう評価する。

 3人は前ならば何の問題もなかった程度の訓練で根を上げていた。

 

ミーナ「明らかに体力不足ね」

 

坂本「あの3人はブリタニアの戦いの後軍から離れていたからな。

   実質半年以上のブランクだ」

 

 3人はブリタニアの解放後軍を離れていたため体力も何もかもが衰えていた。

 1日サボればなんとやらというように半年も離れていたら当たり前だが相応に落ちてしまうものである。

 

バルクホルン「午前中の飛行訓練でもあの3人は問題が多かったぞ」

 

ハインツ「ああ、まだニコとヤンの方が空中衝突しないだけマシだぞ」

 

 午前中の飛行訓練も相当酷いものであった。

 3人はそこで空中衝突していた。

 その点だけならば最低限飛べているヤンとニコの方がマシであった。

 

バルクホルン「少佐、今のままじゃ実戦に出すのは危険だぞ。」

 

ハインツ「それはどっちの少佐に言ってるんだ?」

 

バルクホルン「両方だ」

 

ハインツ「まあ確かにな。ただでさえ新人を二人抱えてるのにさらに3人もほぼ一からとなると大変だな」

 

坂本「そうだな」

 

 現状、新人を5人も同時に教育するとなると501では手に余った。

 なにせただでさえ人員不足なのだ。

 

坂本「起きろ、二人とも。」

 

宮藤「坂本さん」

 

ペリーヌ「少佐…」

 

 すると坂本はリーネと宮藤、ペリーヌを座らせた。

 

坂本「宮藤、リーネ、ペリーヌ、お前たちは基礎からやり直しだ!」

 

「「は、はい!」」




(解説)
・ヴァルター・クリューガー
史実第6SS軍団司令官。
弟のフリードリヒ・ヴィルヘルム・クリューガー共々SS(ただし彼は武装SS一筋)で活躍した。
いくつか有名な写真もありヘプナーとのツーショットでは不機嫌そうなヘプナーの表情が印象的。
その他にも有名なダス・ライヒ師団のティーガー「TIKI」の写真の一つにTIKIに乗って演説している写真がある。
45年5月にソ連軍に捕まり自決して飛ばされる。
ちなみに検索しても日本語だとよくわからんアニメキャラしか出てこない。

・ヘルマン・フェーゲライン
史実総統付副官。
ヒトラーの義理の弟なのだが日本では完全に「はい死んだの人」のネタキャラ扱い。
なおこの人ベラルーシで数万人の虐殺に関与した。
45年4月に処刑(へーグルRSD部長の独断)されて飛ばされる。
ちなみに若いけど女好き。


未回収のイタリアのやり口は完全にクリミア危機です。
最新の装備を付けた武装組織の正体って何なんだろうねー(棒読み)
デ・ボーノは老害なのでやりそう(偏見)
クリミア危機の礼儀正しい人も何なんだろうねー(棒読み)

ニコのヒロイン?サーニャとハルトマンとペリーヌだよ。欲張り?知るかボケ

真面目にドイツ空軍の熱帯服を出してる数少ないSS。
ドイツ空軍の熱帯服って半袖半ズボンみたいなイメージありますけど実際は
・トゥーフロックに似たカーキブラウン(陸軍は本来オリーブグリーン。ダークイエローじゃない)のチュニック(襟章はない)
・その下に着るサンドイエローの半袖シャツ(肩章つけてそのまま使える)
・左足に大きなポッケの付いたカーキブラウンのズボン又は半ズボン(ただし割合的に前者の方が多い)
が正式でたまに将校とかは白色のドイツ空軍の夏季用制服を着てる(ベルンハルト・ラムケが着てる写真がある。多分洗濯で色が落ちたと紹介されてる奴も何割かこれが混ざってるはず)
ちなみにこのドイツ空軍の熱帯服のフィギュアって結構恵まれててタミヤの高射砲兵とラムケ旅団を筆頭にドラゴンの降下猟兵二つとHG師団、アルパインの降下猟兵等々結構ある(イタリアとかでも使ってたのが大きい)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。