WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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やっとこさまともな会話シーンに。


第3話:違う世界

ハインツ「で、誘導してくれるのはあのレディーたちかい?」

 

ミラー「そうだと思いますよ少佐。」

 

ハインツ「やっぱり別の世界だろうなぁ…この世界にもカナダってあるのかな?」

 

ミラー「さあ?まああるなら過ごしやすいところがいいですね。」

 

 ウィッチ達と合流したハインツとミラーだがすでにここ別の世界ではないかなどと考えながらどうせ降伏するからと雑談に興じていた。

 ソ連軍ならともかく少なくとも英軍なら雑に扱わないはずなので割と呑気に考えていたのである。

 

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ノヴァク「神よ、一体ここはどこなのでしょうか?彼女らは一体なんなのでしょうか?主が遣わした天使でしょうか?」

 

 ノヴァクの方は大混乱に陥っていた。なにせ死んだと思ったら空を飛んでいた、よく分からない黒いものが飛んでいた、人が空を飛んでいる、常識的に考えておかしなことばかりであった。

 

ノヴァク「はは、怒りの日でも来たのか?それともあの天使達は主の御許にまで連れて行くのか?」

 

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バルクホルン「一体あいつらはなんなんだ?鉄十字に鉤十字。あんな国籍章見たことないぞミーナ。」

 

ミーナ「ええ、それになんでドックファイトしていたのかしら?」

 

シャーリー「まさか別の世界から来たりして?」

 

バルクホルン「そんなことがあり得るかリベリアン。」

 

 その頃ウィッチ達は基地に帰投しながら戦闘機を取り囲んでいた。もし何かしたら撃墜できるような体制をとっていた。

 しばらく飛んでいると基地が見えてきた。ドーバーの鼻先に浮かぶ小島を丸ごと一つ基地化したものだ。

 彼女たちが着陸すると続いてMe410、スピットファイアが着陸した。

 

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ハインツ「はいはい降伏しますよ。なあミラー。」

 

ミラー「ええ」

 

 基地に着陸し後続機に迷惑のかからないところでエンジンを止め機体から降りた二人は両手を上げて降伏する。

 

ノヴァク「おい、クソッタレのニエムツィ!ブチ殺してやる!」

 

 そう言うとスピットファイアから降りてきた英国空軍軍人は拳銃を持ち駆け下りてきた。

 だが…

 

ノヴァク「おい、放せ!俺は友軍だ!なんで拘束される!憲兵呼んでこい!」

 

 すぐに取り囲んでいた兵士に拘束された。

 

 

 

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 それからしばらくして3人は兵士に連行され基地内の部屋まで連れてこられた。

 割と行儀よく指示に従っていたハインツとミラーは特に何もされずなぜか持っていた拳銃まで返された。

 それに二人は(俺たち本当に捕虜なのか?)などと訝しんだ。

 それに対してノヴァクの方は暴れたせいで銃を奪われ両手に手錠をかけられ拘束されたまま連れてこられた。

 

ミラー「あのトミーはいったい何やってんでしょうかねぇ少佐。」

 

ハインツ「さあ?バカなんじゃねえのか?」

 

 そんなことを愚痴りながら指令室と思しき部屋で待っていると現れたのは赤毛の美しいドイツ人らしき女性と眼帯をつけた日本人と思われる女性であった。

 

ミーナ「初めまして。私は連合軍第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズ隊長のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ。階級は中佐」

 

坂本「私は坂本美緒。階級は少佐。501の戦闘隊長だ。君たちについていくつか質問したいがいいか?」

 

 そう名乗ると質問が始まった。

 

ミーナ「まずあなた方の氏名、階級、所属を答えてください。」

 

ハインツ「俺はハインツ・ヴァレンシュタイン。階級は少佐。

     所属はドイツ空軍第26駆逐戦闘航空団ホルスト・ヴェッセル。」

 

ミラー「自分はアドルフ・ミラー。階級は少尉。

    所属はドイツ空軍第26駆逐戦闘航空団ホルスト・ヴェッセルです。」

 

ノヴァク「アレクサンデル・ノヴァク中尉。

     英国空軍義勇第317スコードロンシティ・オブ・ヴィリニュス所属。

     一応自由ポーランド軍軍人だ。」

 

 各自自己紹介と所属を答えた。すると

 

坂本「ドイツ空軍?英国空軍?自由ポーランド軍?どこの部隊だ。」

 

ミラー「どこって…ドイツの空軍。名前の通りですよ。」

 

ノヴァク「ロイヤルエアフォースの方が有名かな?

     自由ポーランド軍は名前の通り亡命ポーランド政府の軍隊だ。」

 

ミーナ「この世界にドイツやポーランド、英国なる国は存在しません。

    あなた方はいったい何者ですか?」

 

 一気に物事の核心を突く質問を投げかけた。

 

ハインツ「おそらく気が狂ったか頭がいかれていると思われるだろうがおそらく別の世界の人間だ。

     少なくとも俺が知っている限りではさっきであったあのデカブツは存在しないし人間は空を飛ばない。

     その上今現在世界は真っ二つに分かれて戦争中。ドイツ人と日本人が英軍基地にいるわけない。」

 

 真実を答えるが、

 

坂本「真っ二つに分かれて戦争?それはどういう意味だ。」

 

ノヴァク「そのまんまだよ。世界は真っ二つ。

     俺たちの祖国ポーランドにお前らクソッタレのニエムツィとボルシェビキ共がなだれ込んで始めて戦争の真っ最中。

     太平洋じゃあ日本人がヤンキー共と戦争してるらしいし俺達の祖国はあのクソッタレなボルシェビキ共に“解放”され俺たち英国に逃げたポーランド人はあの共産主義の元暮らしていかなきゃいけないんだよ。」

 

 自嘲気味に答えるがそれにハインツが食って掛かる

 

ハインツ「は?まだソ連軍はポーランドになだれ込んでないぞ。

     この間ルーマニアでイワンの戦車部隊を食い止めたってニュースやってたが。」

 

ノヴァク「はぁ?なに言ってんだソ連軍はもうベルリンに入ってるだろ。

     俺たちはもうライン川を越えてドイツ上空で戦闘中だったはずだ。あと一カ月もすれば戦争は終わるよ。」

 

 ハインツの反論にノヴァクは答える。

 

ハインツ「おい待て。俺が知ってる限りではお前らトミーもヤンキーもまだ大陸には来てないぞ。」

 

ノヴァク「何言ってんだ?44年の6月にノルマンディーに上陸しただろ。」

 

ハインツ「え?今44年の5月じゃ…」

 

ノヴァク「は?45年の4月だろ。」

 

 ここでさらなる矛盾が生まれた。二組の中の時系列が違う。44年5月と45年4月。約1年の差があった。

 

ミーナ「今日は44年の3月よ。」

 

ハインツ・ミラー・ノヴァク「「えーーー!!」」

 

ノヴァク「一年前かよ…」

 

ハインツ・ミラー「「2か月前かよ…」」

 

坂本「ところでお前たちの世界の歴史はどうなんだ?ネウロイやウィッチはいるのか?」

 

 坂本が聞く。

 

ハインツ「ウィッチもネウロイ?なんてものもいませんよ。」

 

 それから自分たちの世界の歴史を詳しく語った。その大半が戦争と迫害の歴史であったため二人の顔は暗かった。

 

ノヴァク「そういやこの世界の歴史はどうなんだ?あとウィッチとネウロイってなんだ?」

 

 ノヴァクが逆に質問するとミーナはこの世界の歴史とウィッチとネウロイについて説明した後、

 

ミーナ「あなた方の出身地はどこなのかしら?」

 

 と聞いてきた。

 

ハインツ「俺はズデーテン地方のツナイム。38年にドイツに併合されたから一応ドイツ軍人やってる。」

 

ミラー「僕はオーストリアのザルツブルクです。」

 

ノヴァク「グディニャ出身だが。」

 

坂本「全部どこだ?ここに地図がある。そこを指さしてくれ。」

 

 すべて非常にマイナーな土地だったり地名自体が違うため坂本には全くわからなかった。

 

ハインツ「えーと。ズデーテン地方だからだいたいこの辺り。」

 

ミラー「ザルツブルクは名前変わってないんですね。ここですよ。」

 

ノヴァク「ダンツィヒの隣あたりだからだいたいこのあたりだな。」

 

 それぞれ指をさすとミーナはこの世界で例えた

 

ミーナ「この世界だとハインツさんとミラーさんはオストマルク出身。ノヴァクさんはカールスラント出身になるわね。」

 

 だが

 

ミラー「誰がオストマルクだ!オーストリアだオーストリア!誰があの臭い戦闘民族の名前で呼んだ!ハプスブルク家への冒涜だ!」

 

 一番おとなしいと思われたミラーが激怒した。

 

ハインツ「落ち着けアドルフ。別の世界だからいいだろ。

     すまんアドルフは筋金入りの大オーストリア主義者でハプスブルク家の支持者なんだ。だからオストマルクをと呼ばれるとキレるんだ。」

 

 実は熱烈なハプスブルク家支持者で大オーストリア主義者。ドナウ連邦を支持していたというミラーを諌める。

 ある程度落ち着いたところでミーナが聞いた。

 

ミーナ「ところであなたたち魔力もってないかしら?」

 

ハインツ・ミラー「「は?」」

 

ノヴァク「何の冗談だ?」

 

ミーナ「感じるのよ。あなたたちからものすごい魔力を。」

 

坂本「ああ。ほとんど話を聞いたことがないがこの世には男のウィッチ、ウィザードというものも存在するからな。」

 

 魔力は通常、女性しかないということはさっき聞いたがそれを持っているというのである。

 すでに彼らの脳はウィッチだのネウロイだの異世界だのでもはや処理能力がパンク寸前のところにとんでもない爆弾が投下されたのである。

 

ハインツ「えーさっき聞いたこととかを総合的に考えると俺達には魔力があると。で、魔力を持った男なんてものはほとんどいないということか?」

 

ミーナ「ええ、そういうことよ。」

 

 数分後情報を整理したハインツが口を開いた。

 

ハインツ「で、俺たちはどうすればいいんだ?」

 

ミラー「どうすればいんでしょうかね少佐?」

 

坂本「手っ取り早く言えばうちで戦ってくれないか?大丈夫だ。装備や階級などはこちらで手配するから。」

 

 この誘いに数分間3人は考え込んだ。

 彼らとしては祖国も戦う義理もないところで死ぬのは御免だがかといって明日の飯や宿、金の当てがあるはずがない。

 数分後彼らが出した決断は、

 

ハインツ「はぁ…どちみち選択肢なんてあってもないようなもんでしょ。いいですよ戦いますよ。全くどうしてこうなるんだよ。」

 

ミラー「まあ少佐が参加するなら僕も。」

 

ノヴァク「ニエムツィは気に食わないがどうしようもないから参加しよう。」

 

 結局所属する以外の選択肢なんてあってもないようなものであったため参加することになった。

 

ノヴァク「ところで君たちなんでズボンを履いてないんだ?はしたないじゃないか。」

 

 ノヴァクが思い出したかのように質問する。

 

坂本「ん?ズボンなら履いてるぞ。」

 

 坂本が答えるが、それは彼らの常識からすればどう見てもパンツであった…

 

ノヴァク「クルヴァ!」

 

ハインツ「アドルフ、あとで殴ってくれ。」

 

ミラー「少佐、あとで蹴ってください。」




Q、なんでオストマルクでキレたの?
A、調べたらオーストリアは第3帝国にアンシュルスされていた間、オストマルク州になっていた。
 それにエスターライヒに誇りを持ち熱烈なハプスブルク家支持者だったからキレた。

Q、なんでカナダ?
A、西側連合軍の捕虜収容所の代名詞がカナダ。


・用語解説
クルヴァ→ポーランド語でクソ、意味合いとしてはファックに近い
ニエムツィ→ポーランド語でドイツ。中欧の言語ではニエムツィが多い
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