WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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偶然の連鎖から誘拐犯扱いされるルッキーニ…
マイナーイタリア兵器万歳


第13話:偶然の連鎖

 店に入った一行はそれぞれ買うものを選んでいた。

 

宮藤「えっと…」

 

ハインツ「ミラー達は確か自分達で買ってくるからいいって言ってたから俺の酒、そういやタバコも切れかけてるからタバコも買っとこう。」

 

 宮藤は棚の下の方の商品を選びハインツは酒とタバコを選んでいた。

 その側でシャーリーはラジオを探していた。

 

シャーリー「ラジオはこれだな」

 

ルッキーニ「これ私の!」

 

シャーリー「ニコとハルトマンの分も忘れるなよ。

      ルッキーニ、ちょっとこれ持っててくれ」

 

 ラジオを見ていたシャーリーにルッキーニは自分の分をカゴに入れて持ってきた。

 シャーリーは肩にかけていたバッグをルッキーニに渡すと棚のラジオを手に取ろうとする。

 

宮藤「あとはお洋服と…」

 

 すると宮藤は立ち上がると側の衣装ラックにかけられたフリフリのついたピンクの服を手に取った。

 

シャーリー「うーん、似合ってるじゃないか宮藤」

 

宮藤「いえ、これはバルクホルンさんとノヴァクさんに頼まれたやつです」

 

 シャーリーはその服を褒めるがこれはバルクホルンとノヴァクから頼まれた品だった。

 

シャーリー「あの二人ってことは堅物の妹用か?」

 

宮藤「ええ」

 

ハインツ「最近あいつらの仲いいとか飛び越えて夫婦だよな。」

 

 ふとハインツはバルクホルンとノヴァクの仲の良さの話を出す。

 あの二人はここ最近ではもはや夫婦であった。

 

宮藤「そういえばノヴァクさんから宝飾店のカタログとバルクホルンさんへのプレゼント頼まれてるんですよね」

 

シャーリー「プレゼントはわかるけどカタログ?」

 

ハインツ「何に使うんだ?結婚指輪か?」

 

シャーリー「あの二人が結婚…」

 

 ふとシャーリーとハインツは二人の結婚式の様子を想像する。

 

シャーリー「どうしよう、あの二人本当にやりそうだからシャレになんないって」

 

ハインツ「確かにあいつら結婚しそうだよな、まさかもうプロポーズまでしてるんじゃねえか?」

 

 二人はノヴァクたちの事を想像して色々話す。

 実際二人の想像はほぼ事実だった。

 そしてふとシャーリーは目の前の想い人のとの関係を考えた。

 

シャーリー「なあハインツ、いつになったら私のこと貰ってくれるんだ?」

 

ハインツ「ゲェ!忘れてると思ってた」

 

シャーリー「わ、忘れるわけないだろ!あんなこと…」

 

 ハインツは例の嫁にもらう常々の話を忘れてると思っていたが実際はシャーリーは忘れてなどいなかった。

 ハインツはこの件を有耶無耶にしようというクズみたいなことを考えていたが現実は甘くなかった。

 

ハインツ「あーその件はだなー」

 

シャーリー「ハインツ、今ここで決めて。有耶無耶にしたくないの。

      今ここで決めないと有耶無耶にするでしょ」

 

ハインツ「いや、そう簡単に決めれる話…」

 

シャーリー「去年そう言って有耶無耶にしたよね?

      今日という今日こそ結論出してよ」

 

ハインツ「えぇ…」

 

宮藤「え、えっと!二人ともよくわかんないですけど喧嘩はやめましょうよ!」

 

 気がつけばハインツにシャーリーは詰め寄り宮藤がそばで止めようとしていた。

 唯一蚊帳の外のルッキーニは窓のそばのソファで欠伸をして暇を持て余していた。

 ふと窓の外を見るとそこには黒づくめの服装の二人の男と赤毛の青い服を着た少女が揉み合いになっていた。

 それを見るとルッキーニは立ち上がると窓から外に出て男達の方に向かった。

 

マリア「離してください!」

 

ルッキーニ「スーパールッキーニキーック!」

 

ボディーガード「うわ!」

 

 男達の方に向かったルッキーニはまず一人を飛び蹴りで倒す。

 

ルッキーニ「もう一個!」

 

運転手「ガッ!」

 

 続いて二人目も倒す。

 その光景に少女は混乱する。

 

マリア「ああ…あ…あの!」

 

ルッキーニ「行こっ」

 

マリア「え?」

 

ルッキーニ「こっちこっち!」

 

 するとルッキーニは少女の手を取るとどこかに連れて行った。

 そしてその数分後、ここに義勇擲弾兵師団黒シャツ偵察大隊E・ムーティの車両がやって来て倒れたボディーガードと運転手を発見、周囲の捜索を開始した。

 

ハインツ「シャーリー、ところでルッキーニどこだ?」

 

シャーリー「え?そこに座って…っていない!?」

 

 ハインツはふとルッキーニの方を見るといなくなっていることに気がついた。

 ハインツに言われてシャーリーもルッキーニの方を見るといないことに気がついた。

 

宮藤「どこ行ったんでしょうか?」

 

ハインツ「宮藤知らねえか?」

 

宮藤「いえ、全く」

 

 宮藤もルッキーニがいないことに気が付き3人はどこ行ったか話していると店のドアが開いて黒い軍服と黒い帽子を被りカルカノM1891ライフルを肩にかけた兵士と同じ格好をしてベレッタM38/42を持った下士官が入ってきた。

 

兵士「すいません、ここに青い服を着た赤毛の少女が来ませんでしたか?」(イタリア語)

 

店員「いえ、来てませんが」(イタリア語)

 

下士官「そうですか、ならもし来たらすぐに連絡してください。

    ここも駄目か」(イタリア語)

 

 兵士と下士官は店員と会話すると出て行った。

 

 

---------

 

 ルッキーニが意図せず公女を連れ去ってしまいE・ムーティ偵察大隊の兵士たちが急いで周囲を捜索している頃ルッキーニとマリアは少し離れた公園で息を切らして座っていた。

 

マリア「あ…ありがとうございました。

    あの、貴方は?」

 

 マリアはルッキーニに感謝を述べると名前を聞いた。

 すると後ろから別の声が聞こえた。

 

ミラー「え?ルッキーニ?何でいるの?」

 

ルッキーニ「にゃ?ミラーとリーネ!」

 

 振り返ると仲良くジェラートを食べながらデート中だったミラーとリーネがいた。

 それにマリアは困惑する。

 

マリア「えっと…」

 

ルッキーニ「私の友達のミラーとリーネだよ。

      で私が通りすがりの正義の味方!フランチェスカ・ルッキーニ!」

 

マリア「私はマリアです」

 

 ルッキーニがミラーとリーネを紹介して自己紹介するとマリアも自己紹介した。

 ふとミラーはマリアの名前と顔、そして服を見てすぐにマリアが只者ではないと理解した。

 彼は新聞でマリア公女の顔を覚えており、そして何より着ていた服が明らかに超高級品であった。

 またリーネも着ている服や靴が高級品だとすぐに見抜いた。

 だがルッキーニは全く気が付いていなかった。

 

ルッキーニ「マリアか、よろしくね」

 

マリア「あ、あのよろしくお願いします」

 

ミラー「よろしく、ミスマリア」

 

リーネ「よろしくお願いします、マリアさん」

 

ルッキーニ「ねぇ、さっきの何?」

 

 するとルッキーニがマリアに先ほどの揉みあいのことを聞いた。

 それに事情をほとんど知らないミラーが反応した。

 

ミラー「さっきの?」

 

ルッキーニ「うん、さっきシャーリーたちのいた店の裏の通りでマリアと黒づくめの怖ーい顔した二人と揉み合いになってたの。

      そこを助けてあげたんだ」

 

ミラー「へ、へぇ…(リーネ、黒づくめの二人ってボディーガードのような気がするんだ)」

 

リーネ「(同感です…)」

 

 ルッキーニが事情を説明すると何となく状況を察したミラーとリーネはルッキーニが大変なことをやらかしたことに気が付いた。

 場合によっては誘拐とされてもおかしくないことだった。

 それに気が付いた二人は小声で話し合いを始めた。

 

ミラー「(どうする?誘拐ってされたら公女誘拐だから最悪絞首刑…)」

 

リーネ「(ひっ…そ、そうだ、本人の意思でついて行ったなら誘拐じゃないですよね?)」

 

ミラー「(そうだった)」

 

 リーネは誘拐はあくまで本人の意思に反して連れ去られる行為であって本人の意思ならば誘拐ではないことに気が付いた。

 これであくまで「本人の意思」でルッキーニに付いて行ったと言えばルッキーニは誘拐ではなくなるのだ。

 

ルッキーニ「リーネたち、何やってるの?」

 

ミラー「なんでもないよルッキーニ」

 

 ルッキーニは内緒話をする二人に話しかけるがミラーが適当に誤魔化した。

 

ルッキーニ「マリア、さっきのは何だったの?」

 

マリア「あの…えっと…」

 

ルッキーニ「あ、分かった!あいつらマフィアだ!

      だよね!だよね!」

 

マリア「あ、えっと、そのようなものです」

 

 マリアはルッキーニの追及を適当に誤魔化した。

 ルッキーニは知らなかったがハドリアヌス作戦後の治安維持作戦によりローマ市内の犯罪勢力の構図、何より規模そのものが大幅に縮小、もはや風前の灯火となっていた。

 特にマフィアはどの組織も壊滅状態、それどころかマフィアにいる方が危険だと構成員の離脱に歯止めがかからない状態になっていた。

 

ルッキーニ「やっぱり!裏通りは結構物騒だから気をつけないとダメだよ!」

 

マリア「あ…フフッ、はい分かりました。」

 

 ルッキーニの注意に答えると二人は笑い始めた。

 一通り笑うと二人はそばの噴水に腰かけた。

 その隣にミラーとリーネも腰かける。

 

ルッキーニ「あのさ、買い物だったら一緒に行くよ」

 

マリア「いえ買い物ではないのです」

 

 マリアにルッキーニが聞くと買い物ではなかった。

 

ルッキーニ「ん?じゃあ何してたの?」

 

マリア「えっと…」

 

ミラー「もしかして家出?」

 

 言葉を濁すマリアにミラーが聞いた。

 

マリア「そんなところです。

    でも、実はほとんど家から出たことがなくてローマをよく知らないんです。」

 

ルッキーニ「ふーん」

 

マリア「生まれた街なのによく知らないなんて変ですよね。」

 

 マリアの言葉に正体に勘づいていたミラーとリーネはある意味当たり前だよなと思っていた。

 王家に生まれると極めて不自由である。

 この世界ではまだマシとはいえ史実では更に不自由であった。

 ただでさえ立憲君主制となり実権を失い、第一次世界大戦後には多くの王家が崩壊していた。

 特に悲惨と言えたのがハプスブルク家、殆どの財産をオーストリア政府に没収され大西洋の孤島に幽閉され貧困の中カール1世は死去するなど悲惨だった。

 するとルッキーニがマリアに自信満々に言った。

 

ルッキーニ「ニヒーッ、このルッキーニ様にお任せあれ!」

 

マリア「え?」

 

ルッキーニ「さ、行くよ」

 

 ルッキーニはマリアに手を差し伸べる。

 差し出されたマリアはルッキーニの手を取った。

 するとミラーが割り込んだ。

 

ミラー「こらこら、君達二人だけじゃ不安だから僕達もついてくよ。

    別に良いでしょ?」

 

リーネ「え?ええ、いいですよミラーさん」

 

 そして二人もルッキーニ達に付いて行く。

 

ミラー「マリアさん、ちょっといいかな?」

 

マリア「は、はい」

 

 ミラーはマリアに声をかけると耳打ちした。

 

ミラー「もしかして君、マリア公女だよね?」

 

マリア「え!なんで!」

 

 ミラーがマリアの正体を言うとマリアは驚いた。

 

ミラー「しっ、誰にも言わないからさ、公女のお忍びを邪魔する気はないから安心して」

 

マリア「そ、そうですか」

 

 ミラーはマリアのお忍び旅を邪魔する気はなかった。

 

---------

 

 

「公女誘拐事件発生、全部隊は緊急配置、ローマを封鎖、危険人物を全て摘発せよ」

 

 ローマ都市司令部から市内の全部隊に出された命令、この命令によりローマ市内の全部隊、即ち憲兵司令部「ローマ」、ローマを管轄するカラビニエリ、第8ベルサリエリ旅団、第3竜騎兵連隊サヴォア、義勇擲弾兵師団黒シャツ、警察装甲擲弾兵師団フォン・ゴットベルクの一個戦闘団などが緊急出動、ローマ市内から外に出るすべての道路、鉄道、航空機などが止められ全員の検査を行った。

 

 同時に全部隊でもって市内各所の敵の拠点への攻撃が開始された。

 ローマ市内のある通りではマフィアの拠点を攻撃するためカラビニエリとサヴォア連隊の騎兵、そして数台の軽戦車が動員されていた。

 兵士たちが近づくとマフィアは裏通りや屋根伝いに逃げようとしたり戦おうとする。

 そして一人のマフィアがライフルを発砲すると一斉に銃撃を開始し、騎兵はサーベルを抜いて突撃を開始した。

 

騎兵「突撃!突撃!」

 

カラビニエリ「一人残らず捕まえろ!」

 

兵士「サヴォイア万歳!」

 

 騎兵は突撃すると裏通りなどを逃げるマフィアに襲いかかり次々とサーベルで斬り捨てる。

 追われたマフィアは兵士に捕まった者もいれば建物に立てこもった者、車に乗って逃げようとするのもいた。

 だが建物に立てこもった者は戦車の機銃掃射と砲撃によって建物ごと吹き飛ばされたり兵士たちが突入して手榴弾の餌食になり、運のいいものは投降してヒマシ油を大量に飲まされたりする拷問を受けた後仲間の元に旅立った。

 車で逃げたものはその全てが機銃掃射、運のいいものは通常の機関銃だが大半はL6やサハリアーナ、AB41などの装甲車に積まれたブレダ20ミリ、酷いものではランチア3Roに積まれた90ミリ高射砲や100ミリ山砲、サハリアーナやM13などの47ミリ砲、セモヴェンテの75ミリ砲などの大砲に跡形もなく吹き飛ばされた。

 

---------

 

 4人は“公女誘拐事件”が起きたことも知らずローマ観光に洒落こんでいた。

 

ルッキーニ「おっきいでしょー!」

 

マリア「素晴らしい!」

 

 コロッセオを見てマリアは感動していた。

 その横でミラーとリーネも見て回っていた。

 

ミラー「コロッセオ、写真で見るより大きいな」

 

リーネ「ですね」

 

ミラー「それにしても兵士が多いな…何かあったのかな?」

 

 ふとミラーは周りにパトロールの兵士が多いことに気が付いた。

 周りを見渡すとカラビニエリだけでなくロマーニャ軍兵士、カールスラント軍兵士、黒い軍服を着た兵士などがパトロールし傍の大通りでは軍のトラックや戦車、装甲車が走り回り兵士たちが軍歌を歌いながら行進していた。

 4人はこのことを気にせずローマ観光を続けた。

 

---------

 

 その頃ハインツ達はルッキーニを捜してローマ市内をトラックで走り回っていた。

 

ハインツ「全然見つからねえな」

 

シャーリー「だな」

 

宮藤「ですね…それにしてもなんか兵士が多くないですか?」

 

ハインツ「確かに、さっきまでこんなにいなかったぞ」

 

 突然兵士が増えたことに疑問を持ちながらある通りの角を曲がると2台のセモヴェンテda47/32と3台のL3/35、それにDa90/53高射砲とブレダ20ミリ機関砲(Da20/65)を装備したロマーニャ軍部隊に出くわした。

 

兵士A「おい!この先は今は通行禁止だ!戻れ!」

 

ハインツ「通行禁止?なんかあるのか?」

 

兵士A「この先で一斉摘発が…」

 

 次の瞬間銃声が響き全員伏せた。

 その音を聞いて兵士たちが武器を取ると撃ち返した。

 

兵士A「分かったろ!この先は危険だから戻れ!」

 

ハインツ「あいよ、シャーリー急いでバックだ!」

 

シャーリー「了解!」

 

 ハインツはすぐにシャーリーにバックを命じるとバックして安全なところまで戻った。

 

---------

 

マルセイユ「シャイセ!まだ公女は見つからんのか!」

 

副官「は、はい…

    手がかりがない上に捕まえたどのマフィアもコミュニストもアナーキストも自分たちがやっていないと…」

 

 ローマ都市司令部ではマルセイユが公女が誘拐された手がかりが見つからないことにイライラしていた。

 

マルセイユ「どんな手を使っても構わん、絶対に自白させろ。」

 

副官「は!」

 

 マルセイユはなんとしても自白を出して公女を取り返すつもりだった。

 そのためあらゆる拷問がマフィアと共産主義者、無政府主義者などに使われた。

 その残虐な手段はこの日捕まった者たち約560人はその9割が1週間後までに死亡または処刑された。




Q、ヒマシ油で拷問?
A、“英雄的詩人”でファシズムの先駆者としてムッソリーニなどに多大な影響を与え、また詩人・作家としても後世の作家に大きな影響を与えたことで知られる作家で詩人のガブリエーレ・ダンヌンツィオが生み出したとされる拷問の方法。
ヒマシ油を大量に飲ませて衰弱させて自白させたとかどうとか。

うわールッキーニのせいでローマでマフィアいっぱい死んでるー(棒読み)
いいぞもっとやれ!マフィアなんて皆殺しだ!(過激)
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