元地方公務員は無難を選択しました。【ひっそりのっそり更新】 作:airel
霍家領街、沛封にて
茶店での、時の霍家当主の終わらない武勇伝はまた今度にして、また白瑛に乗って街道を進む。
休憩を挟んだお陰か白瑛の脚は更に軽やかでまるで空を翔けているかのようです。グングンと進み、その速度に比例して流れていく景色が変わっていきます。
深く薄暗い並木道の街道が、爽やかな風が吹き抜ける鮮やかな青々とした広大な田園風景へ。そしてその奥に見えるのは、石垣…???
どこか物々しく外からやってくるモノから街を守る石垣と漆喰で白く塗り固められた塀、田園全体を見渡せる物見櫓、さながら前世の記憶から戦国時代の城郭を思わせる。
貴陽でさえ見れなかった建造物に目を疑う。
私の戸惑いなど関係なく、白瑛は街道から田園の畦道に入ると、その脚をゆっくりとした歩に変えて優雅さを醸し出して進む。
すると田園で働く人達がそれに気付き、皆一様に屈託のない笑顔でこちらへとやってくる。
「御隠居様、お早いお帰りで!」
「こちら朝一で採りましたナスです、皆様で頂いて下さい!」
「御隠居様、これ、今年の春先に生まれたウチのガキでさぁ、撫でてやってくだせえ!」
などなど、寄せくる波のように皆口々に話をする。それを祖母は何の苦も反応し対処していく。素早くしかし優雅にしっかりと、凄いです。
若干唖然としてしまったが、自分だって霍家の男です、祖母を見習って皆さんに笑顔を振りまきます。
そんな田園地帯を抜ければ、石垣と白漆喰の塀によって作られた市街地と田園を隔てる大造りの見るからに強固な城門です。
これまた唖然と見つめる自分の意思とはいえ別に白瑛は何の戸惑いもなく城門を越えて中へと進んでいきます。
中に入ると、地面に砂利を敷き詰めたちょっとした広場があり、そこで祖母共々白瑛から降ります。どこか白瑛は物寂しそうな眼で見つめてきて、私も寂しさを感じたので抱き締め感謝を伝えます。
「終生の別れでもあるまいし、いつまでやってんだい…」
祖母に呆れられてしまいました。それでも白瑛はまだ寂しそうにしていて後ろ髪を惹かれる思いでしたが、祖母が置いて行くよ?と言うので白瑛を離して祖母について行きます。
白瑛は専属の厩番に手綱を引いていった。
兎にも角にも、予定よりもかなり早くこの旅行の目的地、霍家領街【沛封】に到着する事が出来ました。
「アンタは初めての乗馬だったろうに」
祖母は自分の隣りで普通に歩く私を見て言う。アタシだって久しぶりに疲れたってのに、全く白瑛の奴は…、桐莉は大丈夫だったかい?と聞かれて気が付く。古今東西、初めての乗馬の後は腰やら脚やらがガクガクになるとか。なのに今の自分は何一つ身体に不調がない。
「いえ、私はどこもいたくありません…」
と答えた私に祖母の驚いた顔は印象的でした。
前々回以上にギリギリ!です。
今度こそもう無理かと思いました(汗)
沛封という名前は、中国の沛と開封という都市の名前から付けました。結構安易に名付けたのでもしかしたら実在する名前かも?
まぁこの物語はフィクションですからね。
沛封のモデルは関ヶ原戦後に築城された彦根城とその城下を、そして街を守る城郭は小田原城のようにぐるりと石垣作りの白漆喰な城壁で囲んでいる感じ。これも、とある時の霍家当主さまのお仕事です。
桐莉君のお尻と腰が無事なのは白瑛のお陰っていうか白瑛の所為、全部白瑛がやったんです!私は悪くないもん!!
さて、お気に入り登録が40人超えました!
感想も頂きました!評価も頂きました!
月並みの言葉しか思い付かないですが!
めちゃくちゃ嬉しいです!!
ありがとうございます!
一瞬だけ夢かと思いました(笑)
次回も沛封にて色々お話がありますが、この沛封での話が終われば一章は終わりです。何気に私の頭の中には裏話を創ろうぜ的なノリが手ぐすねを引いて待ってますが、取り敢えず一章をしっかりと終わらせる事にしゅーちゅーしたいと思ってます!
それではまた次回お逢い出来ることを楽しみにしております!
ありがとうございました!