元地方公務員は無難を選択しました。【ひっそりのっそり更新】 作:airel
霍家領街、沛封にて 四
【霍 去韶(かくきょしょう)】
これまでの霍家当主の1人で、霍家中興の祖と崇められ、歴代最強の女当主と言われている。
剣を振るえば、当代一といわれた剣豪にだって打ち勝ち、槍を握ればあらゆる敵を打ち倒し、馬に乗ればあらゆる山野を踏破してみせた伝説の女傑。
彼女は混迷する彩雲国の中で、零落しかけていた霍家を生き残らせる為、自ら当主となってあらゆる政策を用いて家を存続させた。
中央と完全なる別離を図る事で家を権力争いから遠ざけ、領地領民を守るため街道を整備して物流の安定に努めると共に、旧領街を取り壊して沛封新設して領街と定め、農地の区画と用水路を整備して生産性の向上と効率化にも力を入れた。
また干害に見舞われやすい紫州の土地柄を考慮して、溜め池の増設と汲み上げ為の踏車を開発、山よりの雪解け水を生活用水とする治水事業を行い生産力の向上にも努めた。
また識字率を上げるため寺子屋を制度化、及び領民への義務と定めた。また近隣の孤児達を集めて孤児院を作り、彼らに衣食住を与えその見返りに各分野の人員に充ててその給与の一割を孤児院の維持に充てた。自ら大学を作りどの様な身分でも能力と志を持つ者には奨学金を与えて、各分野の研究・専門性を高める事で、新技術の開発を促した。
一方で、各部族に沛封への転居を厳命し従わない部族は悉く集落を焼き払ったり、中央権力や他州の家と結び付こうとする者を一切の例外なく殺害、排除した事から【血韶】とも渾名される。
彼女は多くを知り、それを民に授けながら革新を望み、権力よりも家の存続と領地領民の繁栄に心を砕いた。しかし一度でも、その思いを踏みにじる行いをする者があれば、自ら剣を以てそれを討った。どれだけ血に塗れようとも、その中に自らの生みの親がいたとしても。
苛烈に、果断に、しかし慈悲深く。
肉親を斬り捨てて尚、壊れず己の信じた未来を現実とした。
故に、彼女の下に集った臣下領民は彼女へ絶対の信頼と忠誠を捧げ、今日の霍家を支えている。
また彼女は、四つの掟を作った。
・血を外に流してはいけない
・治を外に流してはいけない
・智を外に流してはいけない
・その一切を許さず、斬り捨てよ
家と領民を守り抜く為に、自らが残した遺業を守り抜く為に。
彼女は77才、自らが守り抜いた者達に囲まれてこの世を去った。
しかし、彼女が守り抜く為に斬り捨ててきたしがらみは深く重く、呪いとして霍家へと降り注いだ。
彼女の血を引く男児は悉く病死し果て、それ以後男子が一切産まれなくなってしまったのだ。
幸いにして、彼女の血を引く女児達は彼女の武才を引き継ぐ者が多かった為、霍家は存続する事が出来たと言える。
彼女を神格化し、霍家では当主となった者にこれまでの生名を捨てさせて、【霍 去韶】の名を受け継がせたのであった。
これが霍家が抱える闇的な何か。
そして神様転生チート持ちだったある時の当主の話。
呪いっぽくなってるかな?普通は当人に来るんじゃない?と思われるかもですが、彼女が望んだのは存続する事だったので、それに対する、ということでこんな感じにしました。
まぁ彼女の血がその呪いを少しだけ上回ってしまったのは、呪いの方も予想外だったのでしょう。やっぱ戦闘民族すげえ、的な?
彼女の名前のモデルは前漢時代の猛将【霍 去病】です。北方民族討伐に活躍した人で、叔父さんは大将軍。勇猛っぷりから飛将軍なんて呼ばれたりしてたけど、24才で亡くなったらしい。
やっぱり気付いてました?
今話は、桐莉君は一切知らない事です。
霍家戦闘民族化構想からどこかで入れよう、どこかで入れよう、と画策していて今回入れてみました。如何だったでしょうか?
楽しんで頂ければ幸いです。
さて次回は、前話の続きからになる予定!
それではまた次話でお逢い出来ることを楽しみにしております。