元地方公務員は無難を選択しました。【ひっそりのっそり更新】 作:airel
第一歩
貴陽にて官吏として働いていた祖父からの突然の打診。いきなりな事と将来への展望が見えず塞ぎがちだった為、受け止めきれず少し呆然としてしまう。
「まぁ急げとは言わないよ、一度アレとも話すのも手だ」
そう祖母から提案されるがいまいち意味が分からない。祖父は沛封へは入れない。詳しくは知らないが何でも古い戒律があるらしく、霍家当主に連なる者の配偶者は沛封で暮らす事を全面的に許されない、というもの。
理解出来ていない私の顔を見て気付いたのか、叔母が補足説明をしてくれる。
「桐莉、貴方は18才になったの、だから沛封を出られるわ」
それはそうだけど、その言葉をグッと堪えた。
遺言はそうだったが、別の制約が私にはあった。
―――数年前、霍家私兵団【宰豹騎】の一部士官達が謀反を企てた。私を旗頭として。勿論、それを決めたのは彼らで私とは殆ど面識がなかった。しかし犠牲者が出た事で事態は誹議を生んだ。犠牲になったのは丙先生の父親【丙 泰単(へいたいぜん)】 ―私兵団前副長― 謀反人達の弓矢から妹を守って死んだ。その後、謀反人達は1人残らず死に絶えて、残った私が槍玉に上がった。私のような男児が本家に産まれたからだと、殺すか、若しくは死ぬまで遺言を履行し沛封にて軟禁し続けるべきだ、と。絶えず続いた抗議に母は遺言の確実な履行と私を監視を付ける事、私の家督相続権の放棄を約束した―――。
「監視は付けるわ、入りなさい」
母の呼び掛けに、外から1人の侍女が入ってくる。先ほど妹の入室を拒もうとした侍女だ。彼女は部屋に入ると、私に向かって拝礼する。
「桐莉様、お初にお目に掛かります」
「彼女の名前は【貂茜(ちょうせん)】、アナタの傍付きの侍女として働いて貰うわ」
母曰く、彼女には私の暮らしぶりを私を殺すべきだと糾弾した長老格の人達へと流すパイプ役をして貰うらしい。そして彼女らの動きを母達に回すという、まさに二重スパイを任せるとか。
危なくないのかと問えば、叔母から、長老格は私を土蔵か何かに監禁すべしと訴えかけ始めているとか、兎に角今沛封にいる事は得策ではないとの事。彼女という監視を付ける事が貴陽行容認の一助になった事も考慮して、とりあえず私の貴陽行きが決定した。
付き添いは祖母と茗茜、丙家の双子と数名の侍従と侍女。それから霍家の領地を出るまでは宰彪騎から護衛も付くらしい。
分かりました、と伝え旅支度があるので部屋を出ようとした時、後ろから母に抱き締められた。
「息災であって、必ず、アナタの帰る場所を作るから」
涙しながらも決意する母の声と私を抱き締める手の暖かさが、あの事件以来得られなかった暖かさが、私の心に安らぎを与えてくれた事はいつまでも忘れないだろう。
本編よりもお喋りなあとがき!
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ありがとうございます!
あー暗い、面白くない、ごめんね!
『骸骨を乞う』を読みながら書いていると、ドンドン構想が闇に包まれていく。困ったな。帰ってこーい。…ネタバレとかはしたくないけど、後半になると三人のヘッポコっぷりが強調されていくから悲しいよね…有能な筈なのに(´・ω・`)
霍家もやっぱり御貴族様な家アピール。補足すると初代去韶は後に4人の子供を産んだとか、長子を本家として残りを傍流として支えにしました。傍流は霍家を支えるために内向きな思考をより尖鋭化していき、自由奔放な本家を快く思ってない感じですね。十二代目は流石大業年間を生きた傑物、超内向き傍流もしっかり纏めあげていましたが、次が幼少期領地で暴れまくった悪ガキ、しかも家督を継ぐまで殆ど沛封にいなかった事から、抑えつけられていたそこそこの化け物傍流達が爆発している!みたいな感じです。謀反騒ぎもそれを助長している上に、十二代目を支えた丙泰単が亡くなった事で超強気で当たってきているみたいです。
さぁ次は貴陽です。どうしようかな~(・ω・)
それでは、また次話でお会い出来る事を
楽しみにしております!
ありがとうございました!( ̄∇ ̄)