興味深い試みを提案されたのでさっそく実行に移すことにする。
このカルデアに滞留している数多のサーヴァントたち。彼らをクラス名で呼んだなら、いったい誰が私のもとへ一番に来てくれるのか、というちょっとした戯れである。
サーヴァントたちを試すような感じになってしまうけれど、まあ、どうか勘弁してほしい。
だって、ほら、気になるしね?
「んっ、んんっ……」
喉の調子を整えて、では、七クラス目である。
「バーサーカー!」
はてさて、いったい誰が来てくれるのやら。
ていうか、いくらサーヴァントとはいえ、ただ呼んだだけで来てくれるものだろうか。
*
「呼ばれて、飛び出て、キャットだワン!」
意味不明な掛け声とともに現れたのは、メイド服に身を包んだ自称キツネなバーサーカー、タマモキャットである。
「ご主人。アタシになにか用か?」
忙しなく部屋の中を動き回りながら、最終的に私の隣へやってきて、ちょこんと腰をおろすキャット。
「しまった。ご主人、ここはベッドじゃないか。これはいけない。眠くなる。ふあーぁ」
用向きを尋ねておきながら、欠伸をしてのける彼女に、思わず苦笑が漏れる。
「キャット。久々に一緒に寝ようか」
「やや、それは朗報。ご主人は最近忙しかったので、アタシは少し不満を溜め込んでいたのだワン。しかし、許そう! アタシはべつに一緒に寝られるからとコロっといっちゃうチョロインではないけども!」
半人半獣の彼女の尻尾がふわふわと左右に揺れる。
その様子に、私も笑みを浮かべた。
相手が嬉しいと、自分にもその気持ちが伝わるものだ。
「キャットは寂しすぎると死んでしまうのだ。ご主人、十分留意してくれ」
「そうなんだ」
「うむ。それはもう。
「それは、いいことじゃないの?」
「む、まさか、まさかである。アタシが理性を取り戻した暁には、アレだよ、チミ。傾国の魔性と化してチミを食ってしまうのだワン」
「えぇ、私、食べられちゃうの?」
「うむ。だって、ご主人、おいしそうだワン。いや、でもほら、ご主人を食べるとかやっぱりよくないし?」
「まあ、私もそれは困るかなぁ」
「であろう。ゆえ、ご主人は程ほどにアタシに構う義務があるのだワン」
「なるほど」
「さ、というわけでご主人。キャットと過ごす今夜は、それこそぐっすり眠れぬ夜になるであろう! 存分にアタシに構うがいい!」
「ふふ、了解」
「わはははっ」
それからは、二人でベッドに並んで、いろいろなことを話し合った。
キャットは聞き上手で、いくらでも私の話を引き出してくれるし。彼女の話は私にはわからないことも多いけど、楽しそうに話す彼女を見ていると、私も楽しくなってくる。
話し疲れて眠ってしまうと、キャットはいつも私に毛布をかけてくれる。
そして、彼女も私の隣で丸くなるのだ。
朝、起きると、キャットは厨房で作った朝餉を部屋まで持ってきてくれていて、二人でそれに舌鼓を打つ。
自称キツネで、名前はキャット、語尾がワンで、好物はニンジン。少しだけわからないところもあるけれど、彼女が私を好いてくれるように、私もまた彼女のことが好きなのだ。うん。