押し花、懐かしみは   作:石文雷蓬

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押し花、懐かしみは

 

 ある日散歩をしておりましたところ前から歩いてくる贅肉で身を包んだ女性が連れて歩いている汚い犬が尻尾を振りつつ近寄ってきたかと思いきや急に現れたスポーツカーにひき殺された犬の姿を見た女性は「まあ おいしそう。」と涎を垂れ流しながらべちゃべちゃと死骸を啜り始めたのを見た通りすがりのおじいさんが激しい嘔吐と共に目玉も飛び出して叫び声を上げるものですから堪らずに「おい 打ち殺すぞ」と怒鳴りつける間もなく大量のカラスが犬の死骸を貪る女性に大量の排泄物を浴びせかけて飛び去る姿を眺めながらこんなに清清しい日はそうあるものでもないと感慨に耽っている足元では一匹のモグラが太陽の光を求めて穴を掘り進めていたら半身のちぎれたミミズが尻の穴から入り込み腸を食い破りながら自慰をする女子大生がむしゃぶりついている浮浪者のペニスを噛み切りましたら男は快感に震えながら電車に飛び込んで四肢断裂の有様が脳裏から離れないと自分のイチモツを握り締めた父上様が言うものですからなんだかスパゲティが食べたくなってお湯を沸かしている最中に見ていたテレビが壊れていることが信じられず夜な夜な徘徊を繰り返していた母が亡くなった祖母のために編んだ手袋を質屋に持参し二束三文で売り払って食べたすき焼きの味が忘れられずに泣いた夜はとても寒いと聞いていたのでダウンジャケットを買おうとしたら財布が無いことに気が付いたときには性欲に駆られた娼婦が片方の乳房をまだうまれて間もない赤子に吸われておりましたから綺麗な夕日に涙を浮かべて血走った眼で掻き毟ったその首筋には鮮やかな黄色い脂肪が溢れ出したのをいいことに余所で女を作り孕ませ逃げた男に刺される幼子がかわいそうでかわいそうで見ていられないと言っていた恩師は今はもう見る影もないと嘆くことをやめなかったときにはもう金輪際こいつの顔を見るのはやめようと誓ったことを昨日思い出したので厚かましいとはおもいつつも金盥いっぱいに溜めた金魚の糞からは新しい芽が生えてきてとても愛おしいと感じる最中でも排泄音が大好きな隣家の主婦が研ぐ包丁には蛆はうごめいていたのではないかと疑わない警察官も先生も政治家も母上も父上も大好きな大好きな大好きな大好きな大好きな大好きな恵ちゃんも真っ赤な液体を垂れ流しながら首をもたげている光景に一層興奮を覚えておりますのでこの幸福に浸りながら一心不乱に自分の肛門へいきり立つイチモツを入れて欲しいと懇願しながらあの木の元へ参ります。

このことを教訓としておもったことは

 

狂えば患え、君子切なく塗れ日和

 

です。

 

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