魔法少女リリカルなのは ~魔法は物理で殴れます~   作:七色

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くっそ、なんか考えてたネタが他の作品にあって使えなくなって……
なんか……くっそ!


サッカー少年

 

 

グラウンドに風一つ、まるで映画のように砂埃をさらう。

鋭く突き刺さる視線、応援してくれる声、全てを受け止めて双誌は思う。

 

 

……なんでこんな事してるんだろう。

 

 

 

舞台はグラウンド、演目はサッカー。

 

題名、応援しに来たグループの敵になってしまった件。

 

 

 

「……おっかしいなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事は休憩10分始め、呑気にお菓子を摘んでいた時まで遡る。

 

 

「……なぁ、双誌だよな?」

「……へ?」

 

机に持たえるようにだらけお菓子を頬張る双誌に掛かる声。

誰だと思って振り返れば、あまり見覚えのない顔つきの少年がいた。

誰だろうと三人娘を見てみるが、三人とも覚えがないらしい。

この三人が覚えていない知り合いというのも珍しい、記憶力は桁違いなのに。

しかし誰だろう、同じ学校ではないようだけれど……そもそも学校以外に友達がそんなに居ない。

 

「……誰?」

「……ああいや、そういやお前そういう奴だったよな」

 

俺だよ俺、元田元太だよ。

そう名乗られてもあまり分からない。モトダゲンタなんて知り合いがいただろうか?

考えに考えて、じっくりと考えて。彼の顔をよく見て考えた。

よく見ればどことなく雰囲気に見覚えがある、何処で見たのだろうか。

学校ではない、というかこの辺りでは無かった気がする。

思い出す雰囲気は、そう、まさに森の中……。

 

「……ゲンちゃん?」

「懐かしいなその呼び方、でもお前に呼ばれた覚えはないけど」

「……え、ゲンちゃん?あのいじめっこの?」

「ああそうだよ確かにお前苛めてたよ!10倍で返されたけどな!」

「あの『都会に住む』って言ってたゲンちゃん?」

「お前に言った覚えはねぇよ!やっぱりお前何処かで会話聞いてたろ!」

「えっと、双誌君……?」

 

そこまで話して漸く誰か思い出した双誌。

そしてちょっと後悔したような顔をしている少年元田元太。

それを置いてきぼりになっている三人娘。

中々悲惨な状況が出来てきていた。

 

「ちょっと双誌、彼誰よ」

「んーと、名前が確か元田元太で、アダ名がゲンちゃん。昔の知り合い。んでこっちの三人が高町、月村、アリサ。今同じ学校通ってる」

 

なんとも簡単な紹介だ、それにくわえてお互いに礼をすればあいさつは終了。

3人からすればさっきの会話で『双誌を苛めた子』として認識されており、その彼からすると『何故か双誌と一緒にいる可愛い三人組から変な目で見られている』という分かっていない状況だ。

そんな微妙な空気の中、双誌は特に考えずに元太へと話しかける。

 

「ゲンちゃん今何処に住んでるの?森林学園って潰れたんでしょ?」

「おう、だから皆バラバラになっちゃったよ。俺は他の孤児院に送られて直ぐに親が出来たから2つ隣の町に住んでる。というか、お前引き取られてから結構後だったけどよく知ってるな」

「爺ちゃんが教えてくれた。残念だとか言ってたよ」

 

……………………んんん?

三人娘の頭に浮かぶハテナマーク。

いや分からない訳ではない、言葉もわかるし、言っていることも完全に理解できる。

ただ……。

 

「双誌君って……その……孤児だったの」

「……あれ、言ってなかったっけ?」

 

一度も聞いてない。というかそんな話したこともない。

いやまぁ、別に知らなくても良いことだし、そんな話をする空気作ったこと無いし、別に教えてくれなくても何も変わらないし……!

 

「聞いた覚えはないけれど、けど別に言わなくても良いことよね……!」

 

自分でも良く分からないけどムカついたアリサであった。

残る二人はといえば。

 

「……え~っと」

「…………」

 

一人は気まずい顔をして、もう一人は止まっていた。

この場合動いていたのがなのはだったのは彼女の心が強いからか、それともすずかに強すぎたからか。

少なくともこの中ではアリサが一番心が強かったようだ。外国によく行く分こういった事にも耐性があるのだろう。

まぁ、こんな軽く言う奴は初めてだろうが。

 

「それでさ木山、お前運動得意だったろ?サッカーも勿論出来るよな」

「……あー、そりゃ出来るけど得意なわけでは……」

 

大体分かった、何が言いたいのか凄く分かった。

ただ出来ればやりたくないので双誌は言葉を濁す。

間違ったことは言ってない、出来るけど得意なわけじゃない。

サッカーは好きだけどからだを動かすのが好きなだけかもしれない。

そんな考えで言葉を濁せば、したりとアリさが口を挟む。

 

「あら、あんたこっちのエースとタメ張れるじゃない。得意じゃなくても上手よね?」

 

謀ったなアリサァ……!

あんた面白くしてくなさいよ……!

視線だけの戦場、誰も知らない所で激しい戦闘が起きていた。しかも味方同士で。

そんな事は露知らず、元太は助かったと言わんばかりの笑みを浮かべる。

 

「こっちのチームの補欠が間に合いそうにないんだよ。でも休憩明けたら終了なんて言えないだろ?だからさ」

 

代わりに出てくれないか?

言葉にされなくても凄く分かっていたのに言葉にされると重たすぎる。

断りにくい雰囲気、三人娘は頑張ってと言わんばかりにこちらに笑い、何故か遠くで士郎が微笑む。

あなたのチームの敵になるんですけど……!

そんな思いを知ってか知らずか、恐らく知ってだが親指を立ててくる敵チームコーチ。

一体なんでこうなってしまったのだろう……。

俺が言うのも何だけど、これチーム応援しに来たんだよね……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「双誌くん、良く分からないけどそっちにいるなら敵だね」

「今回は応援しに来たはずだったんだけどね……」

 

本校のエースである賀川弘大はとても楽しそうに言う。もしかすると今までの試合以上に楽しそうに。

元太に言われ三人娘の強制とも言える言葉を後にコーチのところへ向かえば悩みもせずに採用。

チーム紹介を受けてポジションは何処かと思えば一番先頭という、まさにリーダーの立ち位置に何故か立つ助っ人双誌。

ボールを中心に向かい合う二人、その横に立つサポート二人、計四人の中で一人だけテンションが違う気がして仕方ない。

そもそもサッカーの腕は鍛えてないし、訓練もしていない。

それでも賀川渡り合ってきたのは持ち前の運動センスと瞬発力、そして反射神経による恩恵が全てに等しい。

しかも小学校の簡単なサッカーだ、細かい制限はないしルールも緩いから……。

 

「ファール!」

「まじでか……」

 

赤14番木山双誌、開始後分でファールをしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってんのよあいつ……!」

「にゃはは……双誌君、孤児だったんだね」

 

全然そうには見えなかったの、そう呟くなのはに頷く二人。

本人は軽く言っているが中々に重たい事だ、特に聞いた側からすれば。

だから別に何かが変わるわけではないが、人の心の踏み込んでいけない所に入ってしまった感覚、嫌なことを言わせてしまった後悔。ただそれが心に残る。

親がいないというのはどういう気持ちなんだろう、そんなのは持っている人には分からない。

分からないが、なのはは親を失う悲しみを知っている。彼女の父士郎も意識不明で亡くなる寸前までいった事があるのだから。

二度と味わいたくない気持ち、傷だらけの父を見た時の絶望感、家族が苛立ち暗くなる嫌な世界。

まるで世界が白黒になったかのように何も感じなくなってしまったあの時の気持ちは、今も彼女の心の根本に深く根付いている。

しかし、彼はそれを知らない、血の繋がった家族による温もりを知らないのだ。

血縁関係が有る無いで家族が判断されるわけではないが、堂々と出来るかと言われたら難しい。

ましてや孤児院から引き取られたのだ、物心ついた時に親がいないのは一体どんな感じなのだろう。

泣いた時に手を差し伸べてくれた親がいない、怖い夜を一緒に寝てくれた親がいない、毎日笑顔でおはようと言ってくれる親がいない。

……なんか、嫌だな。

想像できない彼女でもそれが嫌な事は分かる。

彼が何とも思っていないのだから氣にしなければいいものを、それでも氣にしてしまうのは彼女たちが優しいからだろう。

 

「……ああもう、余計に変な気分になっちゃたじゃない。負けたら罰ゲームやってやる」

「……ふふっ、そうだね」

「二人共、木山くんは何もしてないんだから……程々にね?」

 

三人顔を合わせ笑い合う、双誌には悪いがこれで良いのだ。

本人が気にしてないのだから彼女たちが気にしても仕方がない。

余計な事を深く考える必要はない、ただ彼がそれで困ったら支えてあげればいいのだから。

だから今は笑い話、彼の空気の読まなさを、彼が私達に隠していたということを笑い話にするだけ。

凄く嫌な罰ゲームにしてあげるんだから、息巻くアリさを筆頭に彼女たちは笑顔になる。

これで負けたら大変な事になるだろうことは、双誌本人の知り得ない所で決められたのだった。

 

―――オオオォォォォオォォ。

 

突然聞こえた雄叫びにグラウンドへと目を向ければ、そんな双誌は一点取っていたりするのだが……。

 

「……アリサちゃん」

「言いたいことは凄くわかるけど……何よなのは」

「これ……罰ゲーム出来ないかもしれないんじゃ……」

 

思いの外、双誌のサッカー技術は高かったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合終了のホイッスルが鳴った時、丁度双誌がボールを相手のゴールへシュートしていた。

これだけ聞けばギリギリ一点を取っての勝利を想像出来るかもしれないが現実は厳しい。

7対5で二点差の負けである。これでも相手には一点しか取らせなかったり6点差を埋めたりと凄い事ではあるのだが。しかし負けは負けである

ただまぁ、負けたわけだがプレイヤーの顔は晴れ晴れとしていたというのを追記しておこう。

 

「双誌くん、やっぱり強いね」

 

息を乱しながらも楽しそうな顔を浮かべ彼、賀川弘大は双誌に話しかける。

そんな双誌も同じく呼吸が速いが、しかし彼ほどでは無く軽いもの

 

「ファール3回も貰っちゃったけどね。弘大君こそ上手だよね。ドリブル奪える気がしないし」

「一応チームでやってるからね。簡単に取られるわけにはいかないよ。まぁボールが来なければ役に立たないけどね」

「驚いた。あんた思った以上にサッカー上手いじゃない」

 

気づけば近くまで歩いてきていた三人娘。

予想よりもいい試合になったのが楽しかったのか、上機嫌でアリサが言う。

お疲れ様とすずかに差し出されたコップを貰い一気に飲み干す。

熱過ぎず冷た過ぎず、調度良い温めのスポーツ飲料に喉が潤されるのが分かる。

はぁ、と大きく一息付けば、合わせるように注がれるもう一杯。

気が利いてるなぁ、ともう一杯飲めばコップを片付けられた。思っていたよりもずっと家庭的だったようで。

 

「あんたホントにサッカーやってないの?」

「やってないよ。シュートも3回しか出来てないし、皆が上手かっただけだって」

「それにしては双誌君が入った途端に勝ちだしたよね。なにかやったの?」

「いや、ただボール回したりしただけ。後はエース止めてたからかな」

 

言い方は悪いが所詮総学生同士だ、平均的な技術はどちらも似たり寄ったり。

そこにエースの存在がある事で一気に点差を作られてしまった、だからそのエースを封じてしまえば力は五分五分。

しかし相手は点差から大きく油断していた。そこで双誌が簡単に一点を奪い取ることで味方を鼓舞し敵に緊張感を与えたのだ。

そこで敵の目がこちらに向いたのを確認してボールを仲間にパス、双誌に注目していた敵が反応するよりも早くゴールを決めさせればこちらのポテンシャルは一気に上る。

敵が攻勢に出ようとすればエースをガード、エースが居ることを前提とした戦いをしてきた敵にとって動きにくい環境を作れば後はなし崩しで点が取れる。

 

「要は視線誘導と敵の陣形を崩す事だって。爺ちゃんから教わった戦い方の一つだよ」

「あんたのお爺さん、軍人か何か?完全に兵法とかじゃないの}

「ヘイホー……?」

「兵法よ……ったく馬鹿のくせに頭が回るというか」

 

呆れるべきか褒めるべきか。

しかしやっていることはまさに作戦勝ち、小学生だからといって普通は考えないだろう。

アリサ、すずか、なのはの三人も中々に変わった家系で育っているが、双誌も中々に変わっている。

 

「……今思ったけど、アタシ達双誌の家を見たことって無いのよね」

「………そう言われてみると」

「一度もない、かな……」

 

じーっ。

擬音が聞こえてきそうな程に見つめられる双誌。

今の会話から期待している事が分からない様な馬鹿はここには居ない。

特になにもないけど、と前振りを一つ。

 

「来たいんだったら今度来る?」

「そうね、一人だけ知らないっていうのも気になっちゃうし」

「男の子の家がどうなっているのか、ちょっと興味はあるかな」

 

三人娘は仲が良い、そして中々見栄えもする。

そんな三人に簡単に話せる男子はごく少数であり、手軽に遊べるのはおそらく双誌くらいだろう。

恋愛的な物を一切抱かない為楽な関係でいられるといった考えもなきにしもあらずだが。

最近の小学生はマセているものである。男子にしろ女子にしろ。

そんなこんなで試合の余韻も消え、皆バラバラに帰っていく。じゃあなー、と元太のチームも貸切バスで帰っていった。

グラウンドに残っている人ももう僅か、士郎もチームを連れて食事へと行くらしくなのはと話をした後去っていった。

今日の目的であればこれで終了なのだが、だからといって解散にするにはまだ早い。

 

「良かったらお家来ない?ユーノ君もいるし」

「ユーノ君……ああ、この間のフェレットね」

「元気になったみたいだし、見に行こうかな」

「双誌くんは?」

「もうすぐ時間だから帰るー」

 

まだ夕方とは言えないが何分休日だ、そろそろ帰って準備をしなければ訓練に間に合わない。

というわけでここで解散、三人は喫茶翠屋へ、双誌は自宅へと向かうのだった。

ちなみにノエルは『ファリンが心配なので』と言葉を残し先に帰ったとか。

 

「それじゃ、また明日」

「うん、また明日」

 

双誌は右に、三人は左へと道を別れる、グラウンドが広いのは良いが家から遠いのは難点だ。

まぁコーチがコーチなだけに家に近い場所を選んだのだろう。

まぁ行き来するだけでも運動になるし、双誌の体力を考えれば苦ではない。時間は掛かるが。

そんな道も休日は何処かのどかに見えて、急ぐ気も起きず歩いて帰ることにした。

訓練の時間は正確に決まってはいないし、双誌が帰って頼めば始まるのだ。すこしゆっくりしながら帰っても問題はあるまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――っ!」

「惜しいな、戦闘中に驚いてはいけない」

 

止められてからの動きを考えろ、そう言われるのを聞きながら双誌は壁まで吹き飛ばされた。

最近実力が伸びてきていると思っていたのだが、実際は今まで以上によく飛ばされる。

ひょっとして弱くなってたりするのかな……?

魔法に頼っていた所があるのかもしれない、気をつけよう。

そう考えながら急いで立ち上がり拳を握る。訓練だからこそすぐに立たなくては意味が無い。

訓練で出来なければ本番で出来るはずがない、それが木山家の考えであり教えである。

だからこそ、止め、という言葉が発されるまでは常に戦闘中であり、追い打ちを受ける事だってある。

現に顔を上げれば、そこには既にこちらへと向かって来ている祖父の姿。

歩いている辺り訓練だと感じさせるが、その力は訓練であっても圧倒的だ。

打ち出した拳を片手で受け止める、なんて事をされれば実力差は愕然だろう。

握ったのではなく拳を合わせて止める、そんな芸当は正確に位置が分からなければ出来るわけがないのだから。

魔力を使いそうになるのを押しとどめ、生身の力だけで立ち向かう。

自然体でこちらへと歩いてくる祖父、何処にでも打ち込めそうだが、今までの経験が違うと教えてくれている。

逆だ、どこに打ち込んでも防がれる。その全てが自身の頭でも理解が出来る。

今まで見てきた動きだけでも防がれてしまうのだ。全てを見せてくれた訳でもないのだから防げぬ筈がない。

ではどうするか、双誌は考える。

一歩、祖父の足取りは緩やかであるが早い。独特の歩法でも使っているのだろうか。

動き自体は遅く見えるのに距離はどんどん詰められてゆく。

上がる息、焦る気持ち、その全てを抑えこみ考え、考え、考え……。

 

「ふむ、止めだ」

 

あと一歩で手が届く、そんな距離になった時に祖父が言った。

止め、訓練終了である。それを理解すれば急に体が重くなる。

疲れた体のままに道場へ倒れこむ双誌、そんな双誌を感慨深げに、そして慈しむように祖父は見る。

 

「成長したな。何があったのかは知らんが、技のキレが上がっている。動きもスムーズになり、何より躊躇がなくなった」

 

後は確信を持たぬことだな、決定打を決めてしまえば防がれた時に隙が出来る。

そう言って祖父は道場を出る、そんな祖父に礼をする余裕も今ではない。

どうにも成長している気がしない、どれだけ褒められても自分ではそう思えないのだ。

 

「………………」

 

悩んでいて仕方がない、弱いのなら強くなればいいだけだ。

そう自分に言い含め大きく呼吸をする。

そして一旦息を止め心臓の脈を抑える、それを繰り返すこと三回。

気づけば息苦しさは消え脈拍だって戻っている、後は何度か大きく息を吸い込み酸素を含めば疲れた跡は残っていない。

特殊な呼吸法、練丹と教わったそれは呼吸の乱れを治すだけでなく体に氣を取り込む方法だとか。

それによって体力を回復するらしいが難しい話はわからない。とりあえず疲労が軽く取れる程度の考えだ。

それでも体の痛みが少し減る気がするのは便利な所、疲労困憊の体もこれで歩くくらいには回復するのだから。

 

「……ん?」

 

ふと、心の奥が揺れた気がした。

魔力の源、リンカーコアがあると思われるそこ、もしかしたらと再び練丹を行えば確かに感じる温かい感覚。

 

―――魔力も回復してる?

 

自身の魔力の量がどれくらいかというのは未だ掴めていないが、魔力と氣が似て非なるものであるからにはもしかするかもしれない。

ただ使い所があるかと聞かれれば難しいところだが。練丹を行うには最低でも1分は必要なのだから。

戦闘中にそんな余裕があるとは思えない、間に挟むことならあるかもしれないが。

そんな連続で戦うことはあってほしくないなぁ、と気楽に考える。

とりあえず今度魔力が減っている時に試してみよう、もしかしたら気のせいかもしれないし。魔力が減っていない時の感覚なんて当てにならない。。

ユーノに見てもらえば分かるだろう、と考えて気づいた。

 

「……念話ってどうやるんだろ」

 

そういえば、と双誌は思う。

魔法に関わる事になった原因、口に出さずに言葉を伝えられるテレパシーとも呼べるそれ。

受け取った事はあれど使ったことはない、二人は授業中にやっていたらしいが……。

 

その時寝てたからなぁ……。

 

窓の外を見れば夕日が出ている、しかし位置は高く落ちるまでにはまだ時間がある。

そうと思えば行動は早いもの、急いで道場の掃除を終わらせる。そして軽く体を水で流して家を出た。

 

 

 

 

 

 

「今日の晩飯は鯖の味噌煮だ」

 

 

 

 

 

姿を見てもいないのに出かけるタイミングで伝えてくる祖父はやはり凄かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次の話が一番不安。
今回も中々になっとく出来なかった気もするけど超不安。
町どうしよう、ユーノ自宅待機な一日でした。

双誌が孤児院育ちなのはどうしても入れたかった。
だけど別に向こう生まれとかじゃないです、地球育ちです。
そこに意味があるかと言われれば分かりません

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