インフィニット・ストラトス 夜天の弟の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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第4話『現れる異端物(イレギュラー)

 

 

銃声と共に放たれた弾丸

 

その直前に優希は動いた、持ち前の力を使い弾丸の軌道を見切り、発射直前に軌道から体を反らして弾丸を回避、そして回避して直ぐにテロリストに向けて踏み込み、次の動きをされる前に優希はテロリストの溝おちに一撃を入れる。

 

「………っ!!!!!」

 

「終わり……!」

 

声にならない悲鳴を上げる中、トドメといわんばかりに首に裏拳を放ちそのまま気絶させる。

 

「す、すごい」

 

突然の離れ業に驚きを隠せない簪、しかしそんな感傷を慕っているのも束の間、テロリストが倒れたときに銃器を落としてしまって物音が響き、その音はもう一人いたテロリストにも届くことになる。

 

「何の音だ!?」

 

直ぐさま異変を察したテロリストが軽快した足取りで優希達のいる場所へ近づいてくる。

 

「ちっ!」

 

次が来ることを察した優希は少し舌打ちをしながら、今度は打って出る。

 

角を曲がった優希に気づいたテロリストは直ぐさま優希に照準を合わせて発砲するが優希の動きに付いてこれず全弾外れ、全弾撃ち終えた直後、優希の回し蹴りがテロリストに炸裂し横に吹き飛ばされたテロリストはそのまま気絶する。

 

「これで大丈夫だな……」

 

しっかりと気絶していることを確認すると優希の元に簪と子供が寄ってくる。

 

「取りあえず、これで外に出られるだろう」

 

優希達がいる近くの出口に配置されていたテロリストは倒したことで悠々と出られると外を指さしながら簪達にいう優希

 

それに簪は頷き子供と一緒に脱出しようと一歩一歩出口に近づいていくが、優希の耳に異様な音が聞こえてくる。

 

人の足音ではなくスラスターの噴出する音……しかも低空でこちらに近づいているのが優希の耳でわかる。

 

そして優希の第六感が危険だと示唆し思わず大声を上げる。

 

「っ!危ない!!」

 

声を上げる優希であったが突然のことで反応できない簪を見て、大急ぎで近寄り、押し倒すように二人を抱いて移動すると、先程までいた場所は響き渡る銃声と共に銃痕で穴だらけになる

 

「…ちっ!最悪だ」

 

思わず舌打ちをするほど優希は苦しそうな心境で新たな敵を見る。

 

水着のようなスーツに機械の外装、低空で宙に浮き、持ち手には先程のテロリスト達と同じであるがサイズが段違いにでかいライフル、その銃口が優希達を捉えていた。

 

「センサーで奇妙な音を拾って来てみれば…しぶといゴミがいたもんだ」

 

舐めた態度で優希達を見下ろすテロリストに優希は最大限に警戒して相手の動きを注視する。

 

相手は気分1つで引き金を引ける状況なのだ…下手な刺激は与えないほうがいい

 

そう思って優希は相手の出方を見ながら脱出路を目だけ動かして探す

 

《距離的に階段を上がって行くべきか…だけど二人を抱えるとなると》

 

きついかと内心で苦い顔を滲ませるが時間が無いかと事態は急を要すると思い最悪はあれを使うしかと考えていると事態は動き出した。

 

突如として鳴り響く爆発音と地響き、そして天井を突き破り落下してきた菱形の物体

 

その物体は菱形から変形し4本の足が現れて立ち上がり、目と思われるモノアイが光る。

 

突然のことでその場にいる全員が完全に呆けるが、すぐに正気に戻ったのは優希だった。

 

「今だ!走れ!」

 

予想外のことではあったがテロリストの気を逸らすことが出来たために簪達に声を上げて走るように指示しその言葉に我を返した簪も子供を連れて走りだした優希の後を追いかける。

 

「なっ!?くそ!」

 

最後まで呆けていたテロリストが優希達に気づいたが慌てて照準を合わせようと銃口を向けたが合わせる前に優希達が階段を上りきり、射線から完全に外れた。

 

 


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