テレビを見ながらコーヒーをすする。
今日は土曜日。学校に行く必要もない。宿題もすでに終わらせたので二日間ゆっくりできる。
いつも通りの日常。平和な一日が始まる。ただひとつを除いては…
「ご主人!朝ごはんができたのだな!食べろ!」
時は数時間さかのぼる…
目が覚める。とりあえずスマホの電源を入れ、起動するまでの時間を潰すために顔を洗う。
戻ると見慣れたホーム画面が。お気に入りのゲームを起動する。
そのゲームとは…Fate/Grand Order 通称『FGO』
リリースされた当初からやっているゲームだ。
ちなみにEXTRAやEXTELLAなどFate関連のゲームもいくつかやっている。
お気に入りのキャラは玉藻の前。しかしFGOではなかなか引くことができない。
自己紹介が遅れたね。俺は竹田翔夜。15歳。
どこにでもいる高校一年生だ。
高校ではヲタクのグループに属しているが、クラスからハブられているということはない。
むしろ「昨日のアニメ見た?」とか「あのキャラ可愛いよな!」とか話を振られることも多く楽しい高校生活を送っている。
本題に戻ろう。
FGOを起動してまずはマイルームへ。待っていたのはタマモキャット。玉藻の前から分かれた御霊だ。
「む?そなたがご主人か。待っていろご主人!」
「え?」
こんなボイスあったっけ?新しく追加されたのだろうか。ということはそろそろ新しいタマモがくるのか…!
そのとき突然画面が輝き始めた。
「は?え?なに?」
輝きがおさまる。改めて画面を見ると…そこにタマモの姿はなかった。
「あ…あれ?いなくなった…?どこかボタン押しちゃった?」
一度戻ってから再びマイルームへ。しかしそこにタマモの姿はない。
「あれ?あれ?どうしたんだろ…」
ついにバグった…!?なんて考えていると…
ヴィン!
目の前に大きな魔法陣が出現した。
画面の中ではない。現実世界に、だ。
「はい!?え?なに?なんなの?俺まだ夢見てるのかな?」
視界が真っ白になる。なにも見えなくなる。なんだ…なんなんだ…
だんだん色が戻ってくる。うん。もう見える。
状況を確認しよう。
大きな本棚。並んだ参考書や教科書。ライトノベルや漫画。
座っているのは青色のベッド。部屋の中心には小さな机。そのうえには裸エプロンの女の子…
「うわぁ!!!」
「おお。リアルご主人なのだ。我はキャット!よろしくだな!」
………夢だな。うん。
せっかくなら楽しもう。目の前には本物のキャットがいるのだ。
「ねぇねぇ。キャット。」
「なんだ?ご主人よ。さてはキャットの魅力にメロメロか?」
「お腹空いたんだけどさ。」
「む。料理か。任せろ!全力で行くぞ…!これが手加減だ!」
どっちだよ。と突っ込みたいのをおさえる。キャットはときどきよくわからないことを言い出すからね。
「あ、冷蔵庫の中はなに使っても良いからね!」
どうせ夢だ。何を使っても減らない。安心安全。
「ニンジン!ニンジンがあるのだな!」
尻尾がブンブン振られている。うーん。可愛いね。
あまりじっと見てはいけないと思いながらもつい見てしまう。
後ろからは…その…色々ともろ見えな訳で…我慢ができない。
しかし襲わない。キャットなら許してくれそうだが…いや、むしろ喜びそうだが…童貞を捨てるならやっぱり現実が良い。ここは見るだけにしておこう。
「できたのだ!くらえ!ご主人!」
キャットが皿を持って戻ってくる。上にはオムライスが乗っていた。
朝からオムライス…まぁ夢だし!
「いただきます。…ん!?うまい!なにこれ!すごいね!」
「そうであろう!褒めてもよいのだぞ!撫でてもよいのだぞ!!」
「うん!すごいよ!」
頭をナデナデ…キャットは目を細めて気持ちよさそう。
あー…楽しい。ずっと続けば良いのにな…
「ご主人!食べたら散歩に行くのだ!首輪…ないのか。では作ろう。」
後ろを向いて何かを始めた。
せっかくの夢だ。全力で楽しまなくっちゃね!
「よし!行こうか!」
「ご主人が元気なのだ!行くのだな!」
今日は最高だな!こんな夢が見れるなんて…!