試験も終わり数週間後にはついにあのお祭りが始まる。
そう。学生の楽しみのひとつ、文化祭だ。
「では、文化祭で何をするか決めたいと思いまーす。」
「はい!メイド喫茶がいいです!」
「「「「「意義なし!!!」」」」」
皆こちらを向いている。
そして見られている本人は…
「ご主人よ。ブンカサイとはなんだ?」
「んー?楽しいお祭りだよ。」
「楽しいのか!それは楽しみだな!」
「キャットはこき使われそうだけどね…」
「ご主人も楽しみか?」
「そだね…」
まぁメイド喫茶なら俺は裏方だろうし…
キャットも…メイドなら出来るだろう。
というかいつも通りだし。すごい人気出そうだな。
うわっ…裏も大変そうだ…
「では文化祭の出し物はメイド喫茶に決定します!」
決まってしまった…
仕方ない。やるか!
「じゃあ何出す?」
「メイドが可愛かったら飯は不味くても大丈夫だろ。」
「なわけ。私たちじゃ怒られちゃうよ。キャットちゃんならともかく…」
「そうだな。」
「否定してよ!」
着々と決まっていく。
飲食類もちゃんとお店に頼んだりしてまともなのをだすようだ。
あとは店員やキッチン担当の割り振りなのだが…
「キャットちゃんは接客ね。」
「ご主人は…」
「俺は裏だろう。接客なんてできないし。」
「では我も裏だ。」
「え?いやいや、キャットちゃんは表出ないと!」
当たり前だ。もはやお前がいるからメイド喫茶になったようなもんだし。
お前が裏方とか誰も認めるわけがない。
………そんな目で見るなよ。 くっつくなよ!
「わかった!」
突然とある女の子が叫んだ。
何を思い付いたのだろうか…
「翔夜君も接客!」
「…は?」
今なんて…
「それならキャットちゃんも納得でしょ?」
「む?ご主人が一緒なら…」
「ざけんな!俺は男だ!メイドなんかできるか!」
「まぁまぁw頑張れよw翔夜ちゃんw」
「てめぇら他人事だと思いやがって!」
「採寸しまーす。」
「脱がすな!お前らも見るな!」
「ご主人脱ぐのか?では我も…」
「脱ぐな!わかったよ!やりゃいいんだろ!やりゃ!」
なんでこうなった!?
どんどん準備が進み、ついに当日を迎える。
「www」
「くっそ…」
翔夜ちゃんここに爆誕!
めっちゃヒラヒラしてるんだけど…
屈辱だ…
「きゃー!やっぱり可愛い!」
「そうか?そうなのか?ご主人!ご主人ー!」
いいな向こうは。楽しそうで。そして俺を呼ばないでくれ。はしの方でじっとしてるから…
「おそろいだな!」
「ん…そうだね…」
「楽しみだなのだな!」
「そうだね…はは…今から皆の笑う顔が見えるよ…」
うぅ…やめられないかな…無理だよね。そうだよね。
「開店しまーす!」
「はーい!」
始まってしまった。
覚悟を決めろ…俺…!男ならやりとげろ…!
なーんて思ってた時期もありました。
「キャットちゃーん!注文いい?」
「キャット!写真いいですか!?」
「俺………いる?」
絶対俺いらなかっただろ。
お客さん皆キャットしか見てないよ。
俺裏行こ…
「ご主人?ご主人ー?」
………
「ごしゅじーん!?」
………
「ご主人!」
「裏まで来んな!接客はどうした!?」
「ご主人がいなくなったのでな!探しに来たのだ!」
「いや、戻れよ…俺は放っといてくれればいいから。」
「ふむ。では…」
ひょいっ… ん?
「何をしてらっしゃる?」
「行くのだ!」
「いやいやいやいやムリムリムリムリ!下ろせ!下ろしてください!お願いします!」
キャットは俺と一緒に接客へ戻っていった。
…お姫様だっこをされたまま…
「wwwwwwww」
「笑うなぁぁぁ!!!」
結果、文化祭は大成功。常に教室の外まで列が続く人気店となった。
一度だけ休憩をもらい他のクラスを回ったのだが(メイド服のまま)…
その時間だけ客が途切れたらしい。
即、連れ戻されました。
一日働き続けたんだぜ…残業代は出ますか?出ない?あ、そう…
「大成功!お疲れ様!!」
「「「「「おつかれー!!!」」」」」
「楽しかったね!」
「そうだね!キャットちゃんもお疲れ様。疲れたでしょ。」
「ご主人と一緒だからな!楽しいのだ!」
「ざまぁ翔夜ちゃん」
「これから覚えてろ翔夜ちゃん」
「写真はあるからな。翔夜ちゃん」
「くっ!殺せ!」
………深い傷が残りました………心にな………
帰ってからもしばらくはキャットの中でメイド喫茶ブームでした。
脱がなくはなったけど…ずっとメイド服はやめて欲しいな…
学校にメイド服で行こうとしないでください…
でもさすがはキャット。
三日で飽きましたとさ。
「翔夜ちゃん」
「くっころ!」