ゆるユリ   作:肝油

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《ユリ、炊き出しを手伝う》

「各員傾聴、獲物は檻に入った」

 

一人の男が厳かに告げる。

 

「汝等の信仰を神に捧げよ」

 

その声に従い、全員が黙祷を捧げる。

数にして45人から成る彼ら。その正体は、スレイン法国神官長直轄特殊工作部隊群、六色聖典が一つ。「陽光聖典」の構成メンバーだ。

魔法はいうに及ばず、肉弾戦にも長け、そして何より厚い信仰心。いずれにも優れたる戦闘のエリートのみで構成された、聖典の中でもとりわけ殲滅戦に特化した部隊。

 

そんな彼らが今回与えられた任務は、周辺国家最強の戦士ガゼフ・ストロノーフの抹殺。

他国での潜入活動や暗殺といった類のそれは、本来であれば他の聖典――例えば風花聖典、あるいは漆黒聖典などの領分。しかしながら、専門外ともいえる任務が彼らに回ってきたのには、上述した聖典が、それぞれに別の任務を抱えているが故の、謂わば消去法。

 

とはいえ、重要な任務には違いない。

 

人類の守り手として、陰に日向にその繁栄を支えてきたスレイン法国。

その大いなる足枷となりつつある、腐敗を続ける王国という病巣を取り除くべく。武の、力の象徴たるガゼフ・ストロノーフは、その為の犠牲。

 

しかし、相手は周辺国家最強の戦士。無策で挑めば、返り討ちとまではいかずとも相応の損害を被るは必至。

故に様々に段取りを組み、入念な下拵えの上で、法国の至宝を切り札として預ってまでの、暗に絶対完遂を厳命された作戦。

 

不慣れな任務に目標を取り逃し続け、その度の計画の再構築。

ガゼフの戦士団同様、彼らの忍耐もまた限界に近かった。しかし、それももうすぐ終わる。

信仰という名の克己心の勝利。人類の守り手たる我等が勝利。

結実の時――刈りの時間だ。

 

陽光聖典隊長、ニグン・グリッド・ルーインが指令を下す。

 

 

「開始」

 

 

それを合図に、全員が一糸乱れぬ動きで村を包囲する形を作り出す。

 

 

 

 

 

「戦士長様。どうぞ」

「あぁ、――いや、しかし・・・・・・」

 

ユリから差し出された器からは仄かに湯気が立ち上っていた。その中身は何の変哲もない、ただの白湯。しかし、わざわざ井戸から水を汲み上げ、魔法などに頼らず火を起すところから始めるとなると、お湯を沸かすのも一仕事。別段、貢献を果たしたわけでもない身でこれを受け取るのは、さすがに申し訳なさから遠慮が勝ってしまう。

 

「お疲れでございましょう?どうぞ、ご遠慮なく。皆様の分もございます」

 

そう言われては受け取らざるを得ないではないか。

部下たちにまでそれを強要する気はないし、しかし上司に倣って遠慮させてしまうのは本意ではない。

 

「すまない。では、ありがたく頂戴する」

 

器を受け取り、ガゼフは白湯を一口含む。そしてその美味さに思わず頬が緩んでしまう。周りでは部下たちも同じような表情を浮かべている。ろくに飲まず食わずの強行軍。余程気を張っていたのだろう、疲れきった身体に、ちょうど良い温度に温められた白湯が心地良く染み渡っていく。ただの白湯が、こんなにも美味いものだとは思ってもみなかった。活力が湧いてくるような気さえする。

 

「美味い。生き返るようだ」

「それは何よりです」

 

ふわりと笑い、そして、何か言いたげに――大体の予測はつくが――僅かに逡巡した後、口を開く。

 

「先程は、申し訳ありませんでした」

「もうしわけありませんでした!」

 

深々と頭を下げるユリ――と、傍らの少女――に、ガゼフは苦笑する。

“先程”――。王の要請に従い救援に駆けつけた、本来であれば味方であるはずのガゼフに対し、手を――厳密には、飛び膝蹴りだったが――出してしまったことに対する謝罪だろう。

しかしながら、既に誤解は解けている。この村を守ろうとしての早合点。ガゼフからすれば何ら責める道理でもないし、まして引き摺るようなことでもない。

それは何度も言い含めているのだが・・・

 

「どうか頭を上げて欲しい。そして先程も言ったとおり、気にしないでもらいたい。互いの思惑の行き違いであって、貴女は正しいことをされたのだから。むしろ、非は遅参した我々にこそある」

「そのようなことは」

「いや、謝罪すべきは我々の方なのだ。そして、改めて感謝する。この村を、この村の人々を救ってくれたことを」

 

今度はガゼフの方が、頭を下げる。

さっきまでと、まるであべこべだ。困ったような、心の底からホッとしたような、安堵の表情を浮かべるユリ。それはまるで、あどけない少女のようで・・・

 

(こんな顔もされるのだな)

 

ユリの傍らには、村の娘だろう、小さな女の子が付いて回っている。随分と懐かれているらしい。こうして見ると親子・・・・・・いや、年の離れた姉妹のようにも思える。己を遥かに越える戦闘能力に、この世ならざる美しさを兼ね備えた女性が見せる、極々人間的な一面。

個人的には、こちらの彼女の方が好ましい。

 

一礼し、空いた盆を手にその場を後にするユリ。

少女も真似をして深々とお辞儀をする。

遠ざかるユリの背中を、ガゼフはじっと目で追う。その様子を邪推したらしい部下の一人が、的外れの冷やかしを浴びせてくる。

 

「見過ぎですよ、戦士長!」

「戦士長も案外隅に置けませんなぁ。ああいったタイプがお好みで?」

「お前たちこそ、まんざらではなさそうじゃないか?」

「そりゃ、あんな美人さんにお酌をされて喜ばない男はいませんよ!戦士長だってそうでしょう?」

「・・・・・・たしかに、な」

 

もちろんガゼフがユリを見ていたのは、そういう理由からだけではない。見惚れていた部分は否定はしないが。

その眼差しに込められた感情は、懐疑。あるいは――・・・・・・

 

ガゼフは思い出す。先程、この村を襲った賊の遺体を確認した時のことを。

 

 

村の外れ。目立たない場所に並べられた帝国騎士の遺体。

凡そ20体ほどのそれが、野晒しになっている。せめても布の一枚でも掛けてやるのが死者に対する礼儀と思わなくはなかったが、村人たちの心情、それに村の窮状を思えば、今はボロの一枚とて貴重だろう。

 

「これで全てか、村長?」

「ハ、ハイ。・・・・・・そうです、戦士長様。これとは別に馬もおりましたが、そちらは別に繋いであります」

 

ほぼ損傷の無い遺体の列を前に、ガゼフは密かに戦慄する。

一部を除き、そのまま再利用可能なほど原形を留めた鎧が、何より雄弁に物語る事実。

ざっと検分した限り、どれもたった一撃で屠られている。

これだけの数を、恐らくは乱戦の最中、全身鎧の僅かな隙間を針の穴を通す正確さで、あるいは鎧もろともに、的確に急所を打ち抜く技術は、口で言うほど生半なものではない。

一体どれ程の力量差があれば為し得る芸当か。

 

特に目を引いたのは、胸部のプレートにくっきりと残る拳の痕。

 

(修行僧か。なるほど、納得がいく)

 

自身が強襲を受けた際、彼女は武器らしい武器を持っていなかった。その時点で想定はしていたが、しかしながら実態はそれを遥かに上回るものだ。

 

修行僧(モンク)――同じ戦士系ながら、生身を武器とする職。

とりわけ近接戦において無類の強さを発揮する、無手にして武器を持った戦士と互角に渡り合う彼らの、気を纏った拳は鋼の硬さを誇り、剣を弾き、鎧すらも穿つ。極限にまで鍛え抜かれたそれは、時にミスリルやオリハルコンといった希少金属に匹敵するという。

そこまでの実力を持つモンクをガゼフは寡聞にして知らないが、あのユリ・アルファと名乗ったメイド?が、その域にあることは確実だ。

 

今更ながら、よくもこの程度の損傷で済んだものだと、未だ僅かに熱が残る鼻梁を摩りつつ、一体そんな人物がこんな僻地で何をしていたのだろうかと、素朴な疑問が湧いて出る。

通りすがりだという話だが、実際この辺りの人間でないのは確かなのだろうが。

 

(ナザリックと言っていたか・・・・・・聞いた事の無い地名だ。それに墳墓・・・・・・あの格好で墓守もあるまいが、あるいはそういった名称の遺跡の管理を任されているとか)

 

この世界には、稀に巨大な力を持つマジックアイテムが存在する。

有名どころでは王国の五宝物や、ある老婆から授かった、ガゼフが現在身に付けている指輪も、そんな貴重なマジックアイテムの一つだ。

市場に出回るような多くは、王国の魔術師組合などで作られた物だが、伝説に語られるような、八欲王や竜王たちの残したとされる、それら二つとない超の付く逸品となると、現代の技術では再現不可能な代物ばかり。

大昔の遺跡などから出土するなど入手方法も限られるからこそ、冒険者たちは未発見の遺跡に憧れるし、盗掘の対象にもなり易い。必然、それら遺跡内には縦横に罠が張り巡らされ、強力なモンスターの巣窟となっているのが常だ。

 

大陸南方、砂漠の中央にあるとされる空中都市――件の八欲王の居城といわれるそこは、そんな侵入者を警戒してか強力な魔法の結界が張られ、何人も立ち入る事は出来ないという。

そういった、古代の遺跡の管理者、あるいは番人的な立場の人物なのかもしれない。

 

この辺りでは珍しい黒髪に黒い瞳も、南方では、そのような容姿が一般的と聞く。

斯く言うガゼフも――彼自身は純然たる王国の出身だが――南方の血の流れを汲んでいる。その辺りからの流れ者だろうか?

しかしそれにしては、あれは長旅を経てきた者の格好ではないし、何よりメイドということは仕える主人がいる筈だ。

伴われて来たものの、事情あってはぐれてしまったか――いや、いい大人が迷子もあるまい。別行動・・・・・・斥候?

何らかの密命を帯びての隠密行動という線かもしれない。

であれば、このような目立ちすぎる行動は論外にも思えるが・・・・・・

 

――もしくは、使えるべき主人を喪った。

 

そんな人物が遺跡を棄て、常世にさまよい出たという可能性はないか。

 

全ては想像に過ぎない。

確実なのは、彼女は周辺国家最強と謳われるガゼフを遥かに越える戦闘能力を持つということだ。

そして幸運な事には、少なくとも現状、敵対関係にはないということ。

 

何より、義侠に厚い、弱き者の窮状を見過ごせない強き者。心優しき、真の強者。

自らの思い描く理想の姿への羨望――

 

ユリへ向けられるそれは、表立っては決して口に出来ない、少年の如き憧れの眼差しだった。

 

(こんな状況、立場でなければ是非ともお手合わせ願いたいものだ)

 

同時に湧き上がる挑戦者としての欲求に、ガゼフは苦笑する。

こればかりは性分だろう。

しかし、いつか適うならば――・・・・・・

 

ささやかな願望。

そんなガゼフの物思いを、一時の安らぎを破る伝令が告げられたのは、その直後だった。

 

 

 

 

日が傾き、格子戸から差し込む西日が室内を朱に染める。

夜の帳が下りつつある空を眇めながら、あの襲撃が、まだ半日前の出来事であることに、エンリは改めて気が付く。

 

いつもであれば畑仕事を切り上げ、夕餉の仕度に取り掛かる頃合だろうか。

母と二人、肩を並べて調理場に立ち、料理を手伝う。

暖炉にくべた鍋には、母手製のスープがくつくつと煮立ち、食欲をそそる香りが室内を満たす。

僅かな穀物に野草を具材にした素朴なそれは、しかしエモット家では定番の、慣れ親しんだお袋の味。

 

調味料だって満足に使えるわけではないが、母の作るスープはスッキリと、それでいてしっかり味が乗っていて、いつも美味しかった。

コツがあるのか熟練のそれか、エンリも何度か再現を試みたことがあるが、上手く行った例はない。

それでも、たまに振舞うその出来損ないを、両親はとても喜んでくれたものだ。ネムには大不評だったが・・・・・・

 

スープがなみなみと注がれた器を運ぶ。

食卓には父と、お腹を空かせた妹。

 

「ねぇ、まだ~?お腹空いたよ~」

「ネムも少しは手伝ったらどうなの?」

「ハイハイ、お待ちどおさま」

「さぁ、戴こうか」

 

そんな他愛も無い、しかし二度と戻らぬ団欒に思いを馳せる。

昨日の出来事が、もうずっと遠い昔のことのようにさえ思える。

 

昨晩眠りに就く際には、想像さえしなかった日常の崩壊。

村人の大半が殺され、エンリ自身も生死の境をさまよった。

ユリ・アルファと名乗る女性に寸でのところで助けられ、一命を取り留めた。

そして、両親との死別。

 

余りにも唐突で、余りにも非現実的な状況の連続。

ともすれば悪い夢でも見ているかのような、しかしながら懐に抱く妹の温かい体温が、皮肉にも、それが否応もない現実であることを教えてくれる。

 

再びの襲撃の報を受け、老人や女子供、それに怪我人などの非戦闘要員が一箇所に、被害を免れた大きめ建物――倉庫として使われている――に集められていた。

動ける男衆の数人は建物の守りに、残りは戦士達と共に行動している。

 

避難場所として割り当てられたとはいえ、ここだって決して安全な場所とは言い切れない。

残った建物の中では最も堅牢な造りであるというだけで、如何ほどの時間稼ぎになるものだろう。

 

室内を見渡せば、皆一様に疲れ切った表情を浮かべている。

無理もない。圧倒的な暴力の前に、自分たちができることなど何もない。思い知らされた現実、直面した恐怖が極度の不信感となって、村人達の上に蟠っているようだ。

 

土壇場の機転、痛快な逆転劇、火事場の馬鹿力――そんなものは所詮、夢物語の作り話に過ぎないのだと。

現実とは何処までも非情なものだということを、いやというほど突きつけられたから。

 

襲撃者とて、極力無駄なく損失を最小限に、任務完遂の為に事前の計画を入念に立てた上で実行に移すのは当然。

万全の態勢で、完璧なタイミングで不意を撃つ、秩序立った完全武装の賊相手に、無防備な素人に何が出来るというのか。

反射的に数歩でも逃げられれば御の字。理解が追い付かないまま撫で斬りにされ、不様に倒れ伏しているのが関の山だ。

それを知るからこその諦観なのだろう。

 

もちろん、今度の襲撃は、朝のそれとは事情が異なる。

何の備えもないところを急襲された時とは違い、今はこうして事前の避難も済んでいる。

王国戦士長と直卒の戦士達が守ってくれてもいる。

それでも拭いきれるものではないのだ。

心の奥底に深く刻み込まれた恐怖は。

 

しかしながら、そんな絶望的ともいえる状況の最中にあって、一方で誰しもが落ち着きを湛えてもいた。

エンリだってそうだ。

 

エンリが、この状況下にあって思考に耽る余裕さえ持てている最大の理由。

そんな自分を客観的に観察する冷静さを保ちえている根拠。

それは、村人達を一方的に蹂躙した騎士達を瞬殺してのけた、通りがかりの美女メイド――ユリ・アルファの存在。

 

エンリは、室内の一角に据えられた長卓に並べられた食料を見る。

戦士達から村人全員に支給された――僅かな手持ちからの供出であろう携帯食に、そして先程の炊き出しの残りが並べられ、仄かな香りを漂わせる。

襲撃後、村の女性達が掻き集めた食材を使って作ったものだ。

とはいっても、その大半は、ユリの手によるものだが。

 

エンリは思い出す。

エンリの基準からすれば母の調理の手際も相当なものだったが、ユリのそれは、素人目にも次元が違った。

まるで流麗な舞踊でも見るような、食材が元からそこに収まることが定められていたとでも言うように盛り付けられ、あっという間に色彩豊かな献立に変貌していくのだ。

驚くべきことには、見た目のみならず味も一級品。

同じ食材でこうも味が変わるものかと、こんな状況あって、一瞬全てを忘れてしまうほどの美味しさ。

深い怒りと哀しみに覆われた中にあって、あの時ばかりは、誰もが笑顔になっていたっけ。

 

すっかり冷めているであろうその料理は、しかし未だ仄かに漂う芳香が食欲を刺激する。

その香りを吸い込むだけで満ちたり、活力が湧いてくるような、そして不思議な落ち着きを与えてくれるのだ。

美味しい料理というのは、それだけである種の癒しの効果があるものらしい。

 

しかし、いつでも食べられように並べられた料理だったが、手をつけようとする者は一人もいない。

お腹をくぅくぅ鳴らす妹も、決して食べたいとは言わない。

 

約束したのだ。

帰ってきたら皆で一緒に食べようと。

 

炊き出しの最中、ユリは味見をするついでに摘み食いをしているからと、食事の一切を遠慮していた。

それでもだ。いくらユリが超人めいた存在だとしても、人間である以上は腹は空く。

だから、これが終わったら一緒に――

 

すっかり懐いてしまった妹、ネムの我儘に、ユリは困ったような顔をして、そして頷いてくれた。

 

だからそれまでは我慢だ。

彼女であれば大丈夫。今度だって、きっと侵略者を退けて、何事もなかったような顔で戻って来てくれる。

少し気恥ずかしそうに、「お待ち遠さま」などと照れ笑いを浮かべながら。

 

長かった一日も、もうすぐ終わる。

 

遠く喊声が轟く。ひりつく感覚。

エンリは静かに目を閉じる。

戦士達の、男達の、ユリの、無事の帰還を祈って。

 

 

 

 

「なるほど・・・・・・確かにいるな」

 

 

村の外縁、空家の一つに身を潜め、外の様子を伺うガゼフ。傍らにユリ。後方には戦士達、及びラッチモンを含む村の男衆数名が控え、全員が出撃に備えつつ、その時を待つ。

 

見える範囲では三人。各員が等間隔を保ちながら、ゆっくりと村に向かって歩んでくる。

手に武器は無く、重厚な装備もしてない。しかし、それは容易く殺せるという意味ではない。魔法詠唱者(マジックキャスター)は重装備を嫌い、軽装備で身を整える者が多い。つまり彼らもその類だろう。

 

ガゼフ達を挑発するように、姿を隠すことなく堂々と接近して来ることから察するに、既に包囲は完了していると見るべきか。

 

(この間隔で村の周囲を取り囲んでいると仮定して、ざっと40人といったところか。対して、此方は20人。焦れて飛び出せば、倍の兵力差で包囲殲滅……いや――)

 

「その倍か・・・・・・まったく。魔法っていう奴はなんでもありか、畜生が」

 

思わず罵声が漏れ出た原因は、彼らの横に並ぶように浮かぶ光り輝く翼の生えた者。

それは天使と呼ばれる存在だ。

 

異界より召喚されるとされるモンスターであり、神に仕えていると信じる者も多い。特にスレイン法国では。

その真偽は不明であり、王国の神官は単なる召喚されるモンスターの一種にしか過ぎないと断言している。

そういった宗教論争が国家レベルでにらみ合う理由の一つではあるが、ガゼフにしてみればどちらでも良い問題だった。ガゼフにとって重要なのはモンスターの強さだ。

 

ガゼフの知る限り、天使やそれと同等とされる悪魔は、同程度の魔法で召喚されるモンスターと比べても若干強い。様々な特殊能力に加え、魔法もいくつか使うため、ガゼフの総合評価としては、厄介な敵というランクに収まる。

 

何より面倒なのは、召喚主である魔法詠唱者が後方に控えていることだろう。距離を詰めようにも、天使が無限沸き且つ使い捨て可能な壁となって行く手を阻むのだ。

こちらの攻撃は容易には届かず、あちらは壁の向こうから魔法のつるべ打ち。

もちろん魔力とて無限ではなかろうが、実質2対1では、根競べをするには分が悪い。

 

一人や二人を相手にするならば、まだしも勝算はあるかもしれない。

しかし40組となると、最早奇跡でも起こらない限り、なす術もなく磨り潰されて終わるだろう。

 

どれだけ頭を回転させても、この状況を打開する方法が見出せない。手が足りない。準備が無い。対策の打ちようが無い。ないないづくしだ。

ひとしきり考え尽くしても、出るのは大きな溜息ばかり。

ただ、一縷の望みがないわけでもないのだが・・・・・・

 

「どうされるおつもりなのですか?」

 

傍らのユリから声がかけられる。

 

「さて、どうしたものか。情けないことに、打開策が見つからないというのが本音でな。アルファ殿は?何か妙案があれば伺いたいのだが」

「その前に確認したいことがあります。一体、彼らは何者なのでしょう?戦士長様には心当たりが?」

「さて、天使を召喚する魔法詠唱者がこれだけ揃えられるところをみると、相手はおそらくスレイン法国の者」

 

僅かにユリの表情が動く。

それを見とめつつ、気付かぬ素振りでガゼフは続ける。

 

「それもこのような任務に従事することを考えれば、答えは特殊工作部隊群・・・・・・噂に聞く六色聖典。数にしても腕にしてもあちらの方が上だな」

 

厄介だと言わんばかりにガゼフは肩を竦める。

 

「貴族どもを動かし、武装を剥ぎ取ってまでとはご苦労なことだ。あの蛇のような男が宮廷にいた場合はもっと厄介なことになっただろうから、これぐらいで済んで幸運だったと判断すべきか。それにしても、まさかスレイン法国にまで狙われているとは思ってもいなかったぞ」

 

自嘲気味に腐すガゼフを横目に、なるほどとユリは納得する。

先の騎士達――同じくスレイン法国の所属である彼らの目的が、これでハッキリした。

このような僻村には過剰とも言えるほどの戦力の動員、全てはこの男をおびき寄せる為の陽動だったというわけだ。

これ程の手間をかけても彼を排除したい理由、その目論見については想像の域を出ないが、この男――ガゼフにはそれだけの価値があるということなのだろう。

 

改めて先の誤爆未遂?を思い出し、出るはずのない冷や汗が頬を伝う。

全面戦争の口火を切った、亡国の遠因を作ったなどという重荷を背負いたくはない。

もちろんユリにとって大事なのはナザリック地下大墳墓とそこに属する同僚達、何より至高の御方々への忠誠だ。人間の国がどうなろうと知ったことではない・・・・・・とまでは言わないが、争いごとに好き好んで首を突っ込む趣味はない。

しかし、その原因が自らの浅慮にあるとすれば話は別だ。

 

(とはいえ、これは先程の失態を帳消しにするチャンスじゃないかしら?それどころか、ここで敵を見事に掃討すれば、一国の英雄を救ったとなれば、お釣りが来る。無論、見返りは求めず、双方が貸し借りなしで憂いなし。落とし所としては完璧だわ!完璧な作戦ね!)

 

ニヤリ――ニタリだろうか――脳内に浮かんだ妙案に、暗黒ユリが密かにほくそ笑む。

そうと決まれば善は急げとばかり、さっさと行動に移るべく腰を浮かせかけたユリに、ガゼフが意を決したように切り出した。

 

「アルファ殿、良ければ雇われないか?報酬は臨まれる額を」

「え?いえ、それはお断り致します」

 

「・・・・・・そうか」

 

沈黙が辺りを包む。

ガゼフとしても出来れば口にしたくはなかった依頼。遅参の上に、更に助力に請うなど、恥の上塗りも甚だしい。

せめても村人の安全さえ確保できるのであればこのような行為には及ばなかったろう。

しかしながら、現状は余りにも芳しくない。万全とはいえない兵站、四面楚歌の状況、敵は強い。

これより臨むは確実な死地。もとより命を賭すことに躊躇いはないが、無駄死には御免だ。

ゆえに、恥を忍んで縋りついた一縷の望みが、にべもなく絶たれた失望は大きい。

 

部下たちは、あからさまに非難めいた視線をユリに向ける。

対して、同行してくれた村の男衆たちのそれは、複雑だ。

 

あくまでも彼らにとっての恩人はユリであり、ガゼフ以下戦士団ではない。

後からのこのこやって来た輩が、その上、厚かましくも助力を請うなど、どの口が言うのかと憤りさえ覚えたほどだ。

一方で、村を救うという目的を同じくする同志という立場からすれば、最大の貢献者であるユリが、当然ながら共に轡を並べて戦うつもりでいると思い込んでいた彼女が要請を拒んだことに、困惑を禁じ得なかった。

 

(彼女の助力があれば、形勢は一気にこちらの有利に傾いただろう。実際に槍を交えることのない状況で断言はできないが、如何なスレイン法国の特殊工作部隊相手であっても互角以上に渡り合えたはず。それだけに残念だ・・・・・・が、仕方ないか)

 

ユリ・アルファと名乗るメイドがそれ程の強者であることを、ガゼフは肌身で確信していた。

この場における最大最強の切り札であり、たった一枚で場の趨勢を覆してしまうほどの存在。

そんな彼女に協力を拒まれたことは無念ではあるが、もとよりこんなことを頼めた義理も立場でもないのだ。

 

「そうか・・・・・・ならばアルファ殿、お元気で。この村を救ってくれたこと、感謝する」

「え?」

 

ガゼフはガントレットを外すとすっと手を出し、ユリの手を握る。

 

「本当に、本当に感謝する。よくぞ無辜の民を暴虐の嵐から守ってくれた!」

「・・・・・・はい?」

 

全く予想だにしない流れに、ユリは呆然とする。

何これ?何目的の握手なの?

 

「そして・・・・・・我儘を言うようだが、重ねてもう一度だけ村の者達を守って欲しい。今この場に差し出せるものはないが、このストロノーフの願いを何とぞ・・・・・・何とぞ聞き入れて欲しい」

「いえ、あの・・・・・・」

 

これではまるで今生の別れ、いやさ戦士長以下を見殺しにでもするかのようなガゼフの物言い。

そこで、はたと気が付く周囲から突き刺さる非難めいた視線、視線、視線・・・・・・

 

「もし王都に来られることがあれば、お望みの物をお渡しすると約束しよう。ガゼフ・ストロノーフの名にかけて」

 

せめてと、手を離したガゼフが跪こうとするのを、ユリは慌てて止める。

 

「ちょっ!ちょお~っと、待つっすよ!一体、何の話をしてるんすか?報酬は受け取れませんという話ですよね!?」

「は?」

 

・・・・・・狼狽の余り、一瞬次女が降ってきた。

 

(本当に降ってきたなら、ついでに不可視化も使えたらいいのだけど)

 

しかし残念ながらユリにそんな能力は無い。

全員の奇異の視線を一身に浴びながら、一から誤解を釈明する。

 

「とにかく、そういう次第で協力はもちろんします。させて頂きます。というか、そのつもりがないのに、わざわざ前線まで出張っては来ません」

「そうか!それは有難い!貴女の協力を得られるならば、それは万の援軍にも匹敵しよう」

「お戯れを。ですが、どうぞ大船に乗ったつもりで。彼等を容易く屠る所をご覧にいれましょう」

 

「おぉ」と、周囲の兵たちから感嘆の声が上がる。

どうやら誤解は解けたらしい。当初想定していた方向に話を戻すことが出来たところで、後顧の憂いなし。

 

「では」

 

改めて、今度こそ敵を殲滅すべく行動を開始しようとした刹那、再び呼び止められる。

 

「ま、待たれよ!」

「何か?」

「何をするつもりで・・・つもりなのだ?」

「いえ、ですから敵を蹴散らして・・・・・・」

「それは分かっている。分からないのは、何故一人で行こうとするのかという点なのだが」

「ですが・・・・・・彼らの目的は、戦士長様ですよね?」

「その通りだ。アルファ殿に、貴女の方に心当たりがないのであれば、恐らくは間違いないだろう」

「であるならば、戦士長様の身を徒に危険にさらすわけにはいきません」

「それは尤もな意見だが、しかしだからといって、戦士長たる私が守られる側に甘んじるわけにもいかないだろう。我々も共に戦う――どうかされたか?」

 

「・・・何がでしょう?」

「・・・・・・物凄ぉ~~~く、嫌そうな顔をされたように見えたのだが」

「・・・・・・・・・・・・そんなことはないですよ?」

 

 

顔に出ていただろうか。

 

あの賊共――スレイン法国の特殊部隊といったか――の能力を推し量るに、戦士職であるユリに正確なところは判らないが、天使召喚・・・・・・最低でも第三位階相当の信仰系魔法を使える魔法詠唱者(マジックキャスター)。とてもではないが、彼らでは太刀打ちできないだろうと思われた。

 

そんな内心が。

 

(目は口ほどに物を言うとはよく謂ったものね。気をつけないと)

 

しれっとシラを切りつつ、ユリはガゼフ達をどう説得すべきか思案をめぐらせる。

戦士長の気持ちは分かる。しかしながら、彼以下戦士達の参戦は、足手纏いにしかならないというのが、ユリの正直な見立てだった。

彼らを庇うことで動きが制限されるくらいならば、何処かにじっと隠れていてくれた方が有り難い。

無論、単身で臨むにあたっての不安要素もまた同時に存在するわけだが。

 

「アルファ殿にお尋ねしたいのだが」

「え?あ、はい。何でしょう?」

「あのモンスター。恐らく天使だと思うのだが、あれが何かご存知だろうか?」

「えぇ、炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)――恐らくは第三位階の召喚魔法で召喚されるモンスターでしょう」

 

炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)

その名の通り、炎属性の魔法武器を振るい、また聖属性も併せ持つモンスター。

アンデッドであるユリにとって決して相性の良い相手とはいえないが、レベル差を覆すほどではない。後衛たる魔法詠唱者を含めて、普通に戦えば何ら問題なく処理できる相手。

 

ユリの抱く不安要素は二点。

 

一つは、当然ながら数的不利へのそれ。加えて、天使達の持つ飛行能力への警戒。

これらが一気呵成に、無差別に攻撃をしてきた場合、村を守り切れるだろうかという点。

 

地上戦であれば問題ない。多少時間はかかるだろうが、先程の騎士達同様、端から潰していくだけで片は付く。

しかしながら、相手が飛行能力を持つとなると勝手が変わってくる。ユリが徒に豪腕を振るったところで、当たらなければどうということはない。それどころか、こちらの射程範囲外から攻撃を集中された場合、最悪、ユリ自身が削り殺される可能性さえあるのだ。

塵も積もれば山となる。蟻の穴からというやつだ。

 

弱いモンスターを無制限に、大量に召喚することの、最も単純にして最も効果的な運用方法。物量は何にも勝る純然たる暴威だ。

 

無論、これらが魔法によって召喚された存在である以上、召喚主さえ潰せば対象たるモンスターも共に消滅する。

供給元さえ断てば良いのだから、何も空を飛ぶ天使達を箒片手に追い回さなければならない道理はない。

 

だが、理屈の上ではそうでも、自分の土俵である近接戦の、その距離まで近付く為の手段――飛行能力は言うに及ばず、姿を隠す、陰に潜んで接敵するといった隠密技術を、ユリは持たない。

彼女の特性はあくまでも盾役(タンク)としてのそれであり、迫り来る敵の攻撃を受け止める為のもの。逃げ回る相手を捕捉することについては、そこまで長けているわけではないからだ。

 

範囲攻撃手段もないではないが、あくまで「範囲攻撃としても使える」という程度のもの。密着状態で打つ場合と比べると威力は格段に劣る上に効果範囲も狭いなど、状況を一気に打開するには、些か頼りない。

 

一方で、彼らの行軍には確かな統制が見て取れる。これもまた、先の騎士達には無かったものだ。

無策で突貫したところで密集した相手であればまだしも、これだけ間隔を空けられると、一人二人を始末する間に対応する暇を与えてしまうだろう。

例えば、魔法を使った何らかの手段によって即座に距離を取られ、遠目からの攻撃に終始される未来が容易に想像できる。そうなれば短時間での殲滅は難しくなる。

 

そう、ユリの警戒するもう一点こそが、彼らを束ねる指揮官の存在だった。

 

徐々に狭まる包囲網の、遥か後方。炎の上位天使とは違う、明らかにそれよりも高位の存在であろう天使の姿が確認できる。ほぼ間違いなく、そこに指揮官もいるはずだ。

 

その指揮官がどこまでの位階の魔法を使えるのか。

彼らに毛が生えた程度なのか――そうであれば何ら問題はないのだが、しかし傍らの戦士長のような例もある。頭抜けて高いという可能性は否めない。

敵指揮官の戦闘能力が未知数であるが故に、そして信仰系という、ユリのようなアンデッドに特に効果を発揮する系統の魔法を行使する魔法詠唱者である点が、輪を掛けて警戒を促す要因だった。

 

しかし、だからこそ、矛盾するようだが拙速に行動すべきというのがユリの判断だ。

 

相手の手札を一枚削ることは、相手の選択肢を一つ削ることと同義。

40よりも30、30よりも20。半分削れば、取り得る対応策も半分に減る理屈。必然、こちらの対処も易くなる。

 

単純な算数だが、あながち的外れともいえない。

相手の算盤を崩し、混乱を生じさせることができれば、数字以上の効果さえ期待できる。

何より、こんなところで押し問答を繰り返す時間こそが無益といえよう。

 

誓って、ゴリ押し突貫のパワープレイ上等などと考えてはいない。

 

そう、考えていないのだ。

 

 

「はっきり申し上げまして――」

 

だからこそユリは、彼らにとって残酷な事実を告げる。

ストレート気味に。

 

「皆様では足手まといになりかねないと愚考する次第です。それよりは、村の防御に専念して頂く方が有り難いのですが」

 

一瞬、ガゼフ以下戦士達が微妙な顔をしたが、見ない振りだ。

 

「いちいち尤もだとは思う。思うが・・・・・・」

「戦士長様、時間は有限です。それとも、何か他に良いアイデアが?」

「いや、即座には思いつかない。残念ながら」

 

ガゼフは迷う。

ユリが強いことは重々承知の上。そして、改めて指摘されるまでもない、自分を含め、法国の特殊部隊相手には歯が立たないだろうことも。

さすがに、こうも明け透けに指摘されると内心忸怩たるものがないではないが・・・・・・。

 

しかしながら、40人を向こうに回して無双できると断言する彼女の言葉を、鵜呑みにしていいものか。

もちろん、彼女がガゼフの培ってきた常識を遥かに超越したレベルの戦士――モンクである可能性も否定はできない。ひょっとしたら可能なのではないかとさえ思ってしまう自分がいるのも事実だ。

しかし、それでも40対1という圧倒的な数の差を考えれば、不確定要素が多過ぎる。

余りにも博打が過ぎないだろうか。

 

現状、時間は向こうの味方であるというユリの考えには、ガゼフも同意するところだ。

敵の思惑は、こちらの炙り出し。では篭城戦を選択したとて、これ幸いとばかり、動かない標的に対し攻撃魔法の雨あられが降り注ぐ結果にしかならないだろう。

それこそ数分も経てば、包囲網が魔法の射程範囲まで狭まった瞬間、村全体が集中砲火に晒されるは自明。

そうなれば詰みだ。

 

結局のところ、先手を打たれる前に打って出るしかないのだ。ユリの言うように。

だが闇雲に飛び込むだけでは、それこそ相手の思う壺でしかない。肉を切らせて骨まで献上する行為を、一般的には自殺と呼ぶ。ガゼフは戦士だ。自殺志願者ではない。

だからこそ、先手という、こちらが能動的に取り得る唯一の機会を、最大限に活かす為の有効な手立てはないものか。

 

互いに互いを納得させられる言葉を持たぬまま、堂々巡りの時間だけが過ぎて行く中――いっそ戦士長様には一時強制退場(シンビン)願おうかなどと良からぬ思考がユリの脳裏を過ぎりかけた、その時だ。

 

 

「ちょっといいか?」

 

 

ユリとガゼフの膠着状態に、横あいから一石が投じられる。

その主は、二人の遣り取りを後ろで伺っていた村の野伏(レンジャー)――ラッチモンだった。




えらく間が空いてしまって申し訳ありません。しれっと続きを掲載してみましたが、お楽しみ頂けたでしょうか?
お久し振りです。肝油です。

コミックスに加えて、アニメの方も3期に突入。勢いいや増すばかりのオバロ関連事業。
一ファンにとっては嬉しい限りの、そんな勢いに任せてこちらも負けじとカルネ村編も佳境・・・なのか?
引っ張るような内容かよという向きもあるかと思われますが、よろしければ今しばらくのお付き合いを。

久方振りの更新にあたり、前の内容をすっかり忘れてしまって一から読み返してたんですが、そういえば原作最新刊で幾らか明らかになったユリの能力について。


気による回復はユリにも出来るらしいですねェ・・・・・・。


まぁあくまでIFということで、拙作においては、通り過ぎた分に関しては目を背ける方向で今後とも宜しくお願いします。

それにしてもユリは本当に融通が効かないというか、汎用性に乏しいキャラだなぁとゴリラル・・・もとい、ヤルダバオト×アインズ様戦での彼女の奮闘虚しさは、涙無くしては読めませんでしたよ。特化型の悲哀すな。
このまま出番も微妙な感じで終始しそうな・・・・・・いや、孤児院運営編で大活躍してくれるに決まってる!

それと本作中、お白湯を配るくだりで、まるでバフ効果でもあるかのような描写をしてますが、
あれはあくまでもグルメ物でいうところの「旨し!」表現であって、明確にバフがかかったというわけではありません。
とはいえ、精神的なものといいましょうか、例えば電車で赤ちゃんと目が合うと癒される的な、そんなようなものは誰しも経験があるかと思いますが、こういった日常のさりげないそれもまた、ある種のバフ効果といえるのではないでしょうか。

心の癒し効果。

美女のお尺・・・もとい、お酌。

イイと思います。(紛らわしくて申し訳ないです)

それではまた、次回。
肝油でした。

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