ハイスクールD×D はじまりと絶園の魔法使い   作:七不思議

10 / 13
決意と交渉

 

空を見上げた。見上げた所に堕天使がいる。数は2人。神父は、もうすでにいなかった。堕天使は2人とも女性だ。男の堕天使が居ないことを疑問に思ったがそんな事を考えている暇はない。

 

「アナタ方に聞きたいことがあります」

 

僕は電柱の先に立っている堕天使に問う。電柱に立っている事に対してカラスと思ってしまったのは内緒だ。

 

「人間風情が堕天使様に何を聞きたいのか?」

 

「けどさ、カラワーナ。人間でもこの男結構良くない」

 

「……ふん。どうでも良い」

 

そう言い、そっぽ向くカラワーナ。

 

「えっと……それじゃあ聞きます。アーシアちゃんを使って何をしようとしてるのかな」

「…よく勘ずいたな。まあ、冥土の土産に聞かせてやろう」

 

堕天使が喋りだす。アーシアちゃんに宿る神器を抜き出してレイナールという堕天使に移植すること。そして神器を抜き出されたものは死ぬということ。

 

「まあ、此処まで聞かせたのだ。ミッテルトこの男を殺さなければな」

 

「えー殺しちゃうの?まあいいや。」

 

僕は供物を捧げる。やることが出来てしまった。

 

「『樹の中の樹、大樹の中の大樹、始まりにありし、はじまりの樹我の言葉において聞き届けよ』」

 

目の前で人が殺される可能性があることを聞いた。僕は昔と違い非情じゃない。故に助けよう。

 

「何をしたのかはわからんがここで死ね!」

「死んじゃえ!」

 

そう言って堕天使2人が光の槍を投げてくる。僕は当たる寸前に高速移動で後ろに下がる。コンクリートに当たり煙が上がる。煙が上がったせいか堕天使には僕の姿が確認できない。しかし、堕天使は直撃して死んだと思っているのか油断しすぎだ。その隙をつき、僕はカラワーナという堕天使の背後に移動する。

 

「ッ!?カラワーナ後ろ!!」

 

「なっ!?」

 

右肩に攻撃は当たる。

 

1発目

 

「…軽いな。そんな攻撃で私を倒せると思ったか?」

 

堕天使がそういう。しかし、もう一人の堕天使は

 

「ちょっ!?何コレ!?動けない!?」

 

はじまりの魔法の防御フィールドを応用した拘束具で堕天使の手と足を封じ動けなくしたのだ。

 

「なるほど、これが狙いだったのか」

 

カラワーナはミッテルトが行動不能にされたことを狙いと言っていた。

けれども、別にこれが狙いって訳じゃないんだけどね。

 

僕は更に高速移動で翻弄しながら攻撃をする。

 

次に左肩に

 

2発目

 

右肘。

 

3発目

 

左肘。

 

4発目

 

「速くてもそんな軽い攻撃で私を倒せると思うな!!」

 

僕は拳に防御フィールドを纏い、正面から突っ込む。カラワーナは、それに反応し光の槍を投げるモーションに入った。しかし

 

「ッ!?」

 

カラワーナは驚いていた。今まで僕が攻撃した部位が痛み始めたのだ。その痛みにより隙が出来る。その際、僕はカラワーナの鳩尾に拳を放つ。

 

「これで5発目だよ。五臨終!!」

 

5発目が入ると同時に今まで攻撃を当てた部位にも激痛が走る。その激痛は気を失う程の痛みを与える。因みにこの技は、母さんから教えて貰ったものだ。

 

「カハッ!!」

 

カラワーナは気を失う。残るはミッテルトだが……

 

「この!?外れろ!?なんで!?外れないんだ!!」

 

まだ、外せないでいた。僕はその光景を見て健気だなと思った。僕の視線に気付いたのかミッテルトはこちらを見る。

 

「なっ!?カラワーナやられたのか!?って何見てんだよ!人間の癖にそんな目で見るんじゃない!!」

 

顔を真っ赤にしてミッテルトはそう言う。僕は頬を掻きながら苦笑するしかなかった。

 

◇◇◇

 

「本当だな!?本当に本当なんだな!?」

 

ミッテルトは僕に向かってそう言う。

 

「本当だって、ちゃんと交渉しただろ。」

 

ミッテルトは少し頬を膨らます。

 

「……だって、あんな力あるなら私達を殺せるじゃんか。なのになんで見逃すんだよ」

 

「落ち着けミッテルト。コイツもこう言ってるのだ。大丈夫だろう」

 

「カラワーナは落ち着きすぎ!あんな力見せられたのに焦る素振りなんて……物凄く汗掻いてるね」

 

そう言ってミッテルトはカラワーナの方を向く。カラワーナは表面では焦りを隠しているが内面でかなり焦っているのだろう。

 

「まあ、『この計画から手を引く』って条件さえ呑んでくれれば手は出さないよ。まあ、呑んでくれなかったら───障害として消すけどね」

 

そう言って威圧しながら右手に絶園の魔法で造った球体を出す。

 

「わ、わかったからそれは出さないでくれ!!」

 

「………………」

 

焦るミッテルトに無言のカラワーナ。……少し愛花ちゃんの気持ちがわかったかも知れない。

 

「それじゃあ、アザゼル様──ああ、堕天使のトップことね。その人にこの計画のことを言いつければいいの。」

 

「うん。それでいいよ。それじゃあよろしくね」

 

僕は軽く微笑み2人を送り出した。その際に俯いていたけどそんなに絶園の魔法が怖かったのかな。

 

◇◇◇

 

部室に帰ると皆が待っていた。真っ先にアーシアちゃんからお礼を言われた。こんな優しい子が殺されかけていたなんて。

 

イッセーから感謝されたが僕が連れてきたわけではないので愛花ちゃんにお礼を言った方が良いと言ったが、もうすでに言っていたらしく後は、僕も残って助けたとか言っていた。

 

愛花ちゃんからは服の上から体の隅から隅まで調べられた。僕に傷がなくとても残念がっている気がして苦笑していた。

 

この後は、解散した。ちなみにアーシアちゃんはイッセーの家に今日は泊まるそうだ。その際、愛花が

 

「(イッセー先輩に)襲われたら直ぐに叫んでくださいね」

 

アーシアちゃんはよくわからないと言った顔をしていたがはいと返事をしていた。

 

僕は帰り道で今後の事を考えて家に帰った。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

閑話

 

2人が絶園の魔法をあんなに怖がっていたことについて話そう。

 

ミッテルトの拘束を外した瞬間に光の槍を放ってきた。その際に間違えて絶園の魔法を発動したのだ。発動した瞬間に光の槍を消し去った。そう光の槍だけを消し去ったならまだ良かったと思う。僕は光の槍だけではなく、イッセーが契約しに来た家も消したのだ。地面ごと。だから、そこに在ったはずの家はなく、底が見えない穴を作ってしまったのだ。それを偶然に目を覚ましたカラワーナも見ており、2人共あんなに怯えていたわけだ。

 

後に、この事で部長からお叱りを受けたことは言うまでもない。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。