翌日、学校に登校中に私服姿のイッセーとシスター服のアーシアちゃんの姿を見た。そんな姿を見て僕はサボりだなと思った。別にイッセーの勝手だからいいけど。すると、隣に居る愛花ちゃんが
「……あの先輩はサボりの上にデートですか。良いご身分ですね。吉野さん少し待っていて貰えますか?」
笑顔が怖い愛花ちゃんが隣で僕にそう言ってきた。不安ながらも僕は何をしてくるのか訊ねる。
「何をしてくるのかな?」
「ちょっと、人を消して来ます。いえ、違いますね。悪魔を消してきます。シスターに憑いた性欲の化身を」
朝っぱらから物騒なことを言ってくれる。流石に僕は止めるべきと判断する。
「愛花ちゃん、止めなよ。流石に消すのは駄目じゃないかな」
「なるほど、では今すぐに警察に通報した方が良いですね。シスターを連れ去った高校生がいますと」
そう言って、携帯を出し操作し始める。
「程々にしておきなよ」
通報はしないだろうと思い、軽く愛花ちゃんにそう言う。
「……あ、もしもし、警察ですか?目の前にサボりの高校生がシスターを連れ回そうとしてます。丁度、ショピングモールの方向へ向かった見たいです」
「……真面目に通報してるの?」
僕は不安になりながら愛花ちゃんに聞く。愛花ちゃんは親指を立てている。心の中でイッセーにゴメンと呟いた。
◇◇◇
授業中、僕は窓の外を見た。僕の席は窓際の前から二番目だ。外には一年生が体育をしていた。そこには、愛花ちゃんと子猫ちゃんの姿が見える。
「(あの二人結構仲良いんじゃないかな)」
外で見れる光景は二人が仲良く話している所だ。少しするとソフトボールを始めた。始まる際に、愛花ちゃんが僕の方を見ていた気がする。
「……庚、庚……返事をしろ!庚吉野!!」
「えっ!は、はい」
「私の授業中に余所見とは随分と余裕だな。余程つまらないのか?」
「い、いえ、そういう訳ではなくですね。ちょっと────」
僕が喋りかけた瞬間に窓ガラスが割れる音と同時に頭に強い衝撃が来た。余りにも衝撃が強く僕は、気を失った。倒れる際、外では子猫ちゃんがバッターボックスにいたのが見えた。
◇◇◇
「次は、体育ですか。子猫さんグラウンドに移動しましょう」
「……うん」
子猫さんは首を縦に振り応えた。私達は着替えが終わり、グラウンドに来た。準備運動を最初にする。次に二人組の柔軟だ。
「子猫さん一緒にやりましょう」
「OKです」
そう応え、柔軟を始める。
「こ、子猫さん力が強すぎです」
「……このぐらいですか?」
子猫さんの力が程良いぐらいになる。それとさっきから視線が感じるのですが、窓際にいる男子の視線ですかね。
「全く」
はぁ、と溜め息をつくと子猫さんが心配してきたのか
「どうかしたんですか」
「どうもこうも、さっきから視線が気になるんですよ」
そう言いながら子猫さんを押す。
「……変態が多いってことですね」
それを聞いて私は少し笑ってしまう。それを不思議に思った子猫さんに対して私はある場所を指差す
「だったらあれも、変態ですね」
吉野さんが居る場所を子猫さんに教える。
すると、ソフトボールが始まるのかほかの女子生徒が呼びに来た。私と子猫さんはそのまま、移動する。私は吉野さんの方をチラッと見ると目があったような気がした。
◇◇◇
「子猫さん行きますよ」
「臨むところです」
私───塔城子猫は、今ソフトボールをしてます。私はバッターで愛花さんがピッチャー。
愛花さんがボールを投げる。バシィンと音を鳴らしキャッチャーミットに収まる。
速い。私はそう思った。悪魔の私ですら速いと思うほどのスピード。愛花さんは本当に人間なのか怪しくなってきた。
2球目。私は見逃す。この2球で大分目が慣れる。次は打つ。そう意気込んで3球目。
「これで三振です」
愛花さんがそう言い投げるボールはさっきよりも遅い。チェンジアップを投げてきたのだ。私はタイミングをずらされたが
カキィーン!!
何とか打てた。しかし、打球が向かう方向は先程愛花さんが指差した場所。そう吉野先輩の居る場所だ。
そんなことを思っているうち窓ガラスが割れ、運悪く立っていた吉野先輩の後頭部に当たるのが見えた。吉野先輩が倒れる際の私の方を見ていた。
取り敢えず保健室に行こう。謝らないといけない。
◇◇◇
僕は目を覚ますと保健室のベッド上に寝ていた。妙に窓から入る光が赤色だったので時計を見てみると放課後になっていた。どうやらかなり眠っていたらしい。
「此処まで脆いとは思わなかった」
そう嘆く。自分でもこんな事になるのは予想もしなかった。
「取り敢えず職員室に行こうかな」
ベッドから降りようと動こうとする。すると、隣に柔らかい感触がした。
「……なんだろう?」
そう思い見てみるそこには、子猫ちゃんがいた。思考が停止するが直ぐに思考が戻る。恐らくボールを当てたことに謝りに来たが僕が寝ていたからずっと待っていたら次第に眠くなって無意識にベッドに潜り込んだのだろう。
「それにしても、気持ちよさそうに寝てるね。でも困ったな」
どう困ったかというと子猫ちゃんが服を握ったまま寝ているからだ。
「……ふにゃ~…すぅすぅ~」
起きそうで起きない。しかし、こんなに気持ちよさそうに寝ているのに起こすのはどうだろうか。
「今はこのまま寝させてあげたほうがいいかな」
寝顔を見て、僕は優しく頭を撫でた。