真っ赤だった。
僕の前にある何もかもが炎により真っ赤に燃えていた。
パソコンや資料でいっぱいの机も
汚れのない真っ白だった椅子も
花瓶に飾ってある花も
壁にかかっている物も
大事にされていたと思われる写真も
そして燃えているのは物だけではない、
人間すらも燃えていた。
だが連中がどうなろうと知るものか、
奴らは苦しみながら死んで当然のゴミ共だ。
《そろそろ此処から抜けなくてはお前も目の前の死体と同じようになるぞ》
燃えているゴミ共を眺めていると頭に低く威厳ある声が響き僕の名前を呼ぶ。
僕の名前は一条 刀牙(いちじょう とうが)。
《それともお前もこれと心中する気か?》
「そんな気は微塵もないよ、エメス」
頭に響いた声、エメスは僕を急かすように聞いてきた、僕はエメスに軽く返事を返してから歩き出した。
《そうか、我としては契約者のお前がいなくなれば自由なのだがな》
エメスは冗談を言うような口調で僕が死んでくれた方が良いと言ってきた。
「そう」
僕はエメスの冗談を軽く流すように返す に、しかし、それはエメスにとって面白くないことであったらしく、エメスは溜め息を吐いてから面白くなさそうに喋り続けた。
《我は何故、このような面白味の無い奴と契約してしまったのやら》
「面白味の無い奴か、ハハハ」
《何を笑っておるか》
「いや、的を得ていると思ってね」
俺はエメスの嫌みが面白く笑ってしまう。
《前言撤回だ、奇妙な奴め》
「アハハハ、それも中々面白いかな」
《全くお前は、ん?》
エメスが更に言った嫌みも面白く笑ってしまう、そんな僕にエメスは呆れたように言葉を返そうとしたが何かに気付き話を中断させた。
「どうした?」
《気をつけろ、どうやらまだ息のある者がいるようだ》
(コクッ)
どうやらエメスは生き残りの気配に気づいたらしく僕に注意を促してくれる、僕はその注意に無言で頷くと何もなかった筈の手に刃の一部が青い片手剣が現れる。
その片手剣を持ってから自身の足音を殺し、変わらぬ炎の風景の中にあるゴミ共や物に警戒をしながら歩き出した。
歩き出してから一分半程経った頃に広い部屋に出た。
やっと風景が変わった、そう思った直後にエメスが一言だけ声をかけた。
《この部屋だ》
エメスが言ったのはそれだけだったが、僕にはどういう事か理解できた。
この部屋に生き残りがいるぞ、そう言いたいのだ。
そして理解した僕は部屋を見渡した。
しかし、いくら注意深く見渡しても瓦礫しかなく、人を確認することができなかった。
「誰もいないぞ」
《そんな筈はない、必ずいる筈だ、瓦礫の下は見たのか?》
「確かに確認してはいないが、瓦礫の下にいるならほおっておいても構わないんじゃないかな」
《確認だけはしておけ、魔力の高い何かがこの部屋の何処かにいる筈だ》
「魔力の高い何か?聞いていないんだけど」
《我は言ったぞ?》
「言ってない」
《…いいからさっさと瓦礫の下を確認せい》
エメスの命令(逆ギレ)で俺は瓦礫を持っていた剣で切り裂き瓦礫の下を確認した。
「あっ」
《ん?》
瓦礫の下には三歳位の少年が倒れていた。
《やはりおったか。フム、フム、我の感覚に狂いは無かったようだな》
「だが魔力が高いとは思えないが?」
エメスが自身の感覚に満足そうにしているところに俺は水を差すように言った。
《うっ…だ、だが、魔力は見掛けのみで簡単に判断出来る者ではない。この小童はそういった類の者であるかもしれんし、確認だけでも、今もこやつから魔力が出て…いないだと?》
「魔力は普通の人並みにしか感じないけど?」
先程まで自信に満ちていたエメスの言葉が少年の魔力を確かめようとしたところで急に言葉が途切れる。
少年にはエメスの言うような強大な魔力は感じられず年齢相応の魔力しか感じられなかった。
《何故だ、先程まであれほどの魔力が…!》
「周りの人間の無念が強大な魔力に感じたのかもしれないぞ、それともお前もぼけ始めたかい?」
《ふざけるなッ!我は貴様ら人間とは違い…おい、お前は何をしている?》
子供を肩にかつごうとしている俺にエメスは不思議そうな声で問いかけてくる。
「?何って子供を肩にかつごうとしているだけだけど?」
《なっ!!今回の目的を忘れたのか?貴様は復讐するためにこの研究所にいる者全てを殺しにきたであろう!》
エメスは声を荒げて僕達の目的を説明する。
エメスに言われなくても理解していたし絶対に忘れる訳がない、何せこれは僕が生まれてからずっと待ち望んでいた復讐なのだから。
「エメス、君こそ何か忘れてないかい?」
《まさか!?昨日、言っていたあれは本気だったというのか!》
「ああ、本気さ、ここのゴミ共が性懲りもなく、まだあの実験を続けてれば実験体を救いたい」
《ならばその子供は…》
「さっきの君の勘に狂いはなかったよ、そして今もね」
《なっ、貴様!我をおちょくっていたなッ!!》
「ごめん、ごめん、エメスを出し抜く機会なんてそうそうないからね」
エメスが言っている小言をやんわりと受け流してから話を戻す。
「まあ、この子は間違いなく実験体に使われていた子だろう」
《何時からだ》
「君が気づいたのと同じくらいかな」
《ハァ、今は時間が惜しい。これくらいにしておいてやる、ほらその子供を連れてさっさと此処を出るぞ》
「連れて行っていいのかい?」
『貴様は我の契約者、契約した者は契約者に従うことが掟なのでな』
「そうか、ありがとう、エメス。」
《礼は後にしておけ》
その言葉に頷き僕は子供を背負って歩き出した。
僕というこの世に存在しない者
彼というこの世に存在しない者
僕達は亡霊(ゴースト)
自分自身のことを知らない
何も知らぬ亡霊
誰も知らぬ亡霊
求めるは一つ
真実だ
~六年後~
カーテンを閉め切った暗く静かな部屋で俺は枕に顔を埋めながら眠っていた。
Get up!Get up!(起きろ!起きろ!)
そんな命令的な声が部屋に鳴り響く。
忌々しい目覚まし時計だな。
何時も俺の安眠を妨げ起こそうとする。
正直、こんな音は俺の頭に響いて頭痛にさせる俺の敵だ。
こんな音はさっさと止めて安眠を取り戻そう。
そう考えてから俺は枕に顔を埋めたまま素早く目覚まし時計を探し出して止める。
カチッと言う音と共に嫌な音が鳴り止む。
これで少しの間は寝ていられるだろう。
ドタ!ドタ!ドタ!ドタ!
俺がもう一度眠りにつこうとした時、廊下から大きな足音が聞こえそいつが向かってきていることに気付く。
これじゃあ、少しも眠れないな。
そんな自分の不運を呪っている間に閉まっていた扉が開かれそいつが入ってきた。
「さっさと起きぬか!」
そう言って部屋に入ってきたそいつによりカーテンが開かれた。
カーテンが開かれたことにより突然入ってきた光が眩しく俺は身体を丸めて布団に潜る。
「ええい、布団に潜るな!全く貴様という奴は、それなら力づくでも起こすぞ」
そう言ってそいつは布団を俺から引き剥がした。
「おはようだな、綺人」
さっきは突然光が入ってきたため顔がよく見えなかったが目が光に慣れた今ははっきりと顔が確認できた。
見慣れた白髪で褐色の肌の女性が立っていた。
「ああ…おはよう、エメス」
「さっさと支度をせぬか、学校に遅刻してしまうぞ」
エメスはそう言ってから俺を持ち上げて立たせる。
俺はエメスと共にリビングへと向かう。
リビングには眼鏡をかけた男がいつも通りココアを飲んでいた。
此方に気付いた男が挨拶してきた。
「おはよう、綺人」
「ああ、刀牙」
刀牙に返事を返して俺は椅子に座った。
「綺人、何だ。今の素っ気ない返事は?一様は刀牙はお前の父なのだぞ。ちゃんと返事をしないか」
「充分だと思う」
「なっ、刀牙も刀牙だ!お前が綺人を甘やかすからこうなってしまったのだぞ!」
「まあまあ、エメス落ち着いてくれよ、綺人も悪気があってやってはいないだろうし、それはその位に接することが出来る仲ってことだよ、なあ、綺人?」
「…」
「綺人は本当に恥ずかしがり屋さんだねエメス…エメス?」
「我にはそのような返事をしてくれなかったぞ。ということは我はそれ以下の仲なのか?我だって、我だってえぇ~」
「エメス」
「!!ななな何じゃ!わわわ我は何も!!」
「全く、恥ずかしがり屋さんはエメスの方だね綺人、さあ、さっさと朝食を食べようか。
そう言えば綺人、最近は…
これがいつも通りの始まり。
俺の名前は一条 綺人(いちじょう きり)。
俺はこの二人の子ではない。
俺は昔、実験体だった。
生まれてから実験に使われていた。
だが、生まれてからずっと続けられていたが実験体の屈強な肉体があり俺には実験はさほど苦しいものではなかった。
そんな実験を続けているある日、突然、実験所が襲われた。
この実験所を襲ったのは刀牙とエメスだった。
実験所を襲った二人は実験所から俺を救い出し、今のように二人と暮らしている。
今のように平和に…
そうこの日まではまだ平和だった
この日に一人の少女を助け
この日に平和が崩壊を始め
この日から多くの人間に出会い
この日から戦いに身を投じる
これはこの世に存在しない者
亡霊の物語なのだ
さあ、さあ始まりやした。
何かがッ!!
出来ればね最後まで投稿したいね。
心が折れないうちに終わらせたいな
とりあえず自己紹介しておこうかな
このなんかよく分からないこの小説?のアホな投稿者のmusiです。
ま、現実の私はね、こんな性格とは正反対の隅っこにいるようなやつですかね、はい。
突然ですが、このような小説を最後まで読んでくださった心の広い方々、
本当にありがとうございます。
この小説は私の思いつきで構成されているため、確実に不定期更新となります。
良いひらめきが多ければ順調に投稿していくと思われます。
逆もありますが…
ですので今回、読んでくださった方々、おもしろいやないかあ!と思っていただいた一握りの方々、
大変申し訳ありませんが、
そういえばこんな小説あったなぁ、久しぶりに読むか!くらいの感じでいたほうが良いと思われます。
なんか長くなってしまいました。
とりあえず今回はこれくらいにして次回を期待して…
待つなよ
それではごきげんよう