魔法少女リリカルなのはGhost   作:musi

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第十話「謎の管理局員」

「何故、私の名前を…それに管理局がなんのために」

「おいおい普通、礼儀には礼儀を、自己紹介には自己紹介を、だろう?知っていたとしても言うべきだと思うんだが」

「…突然現れて拘束することが礼儀正しいなんて思えない」

 

礼儀を説いたつもりが礼儀を説かれた。

というか全くその通りだな。

 

「ん、それもそうだな、いや、悪かった。ところで君は俺が何をしに来たか聞きたいんだったかな?」

「その前に私の名前を何処で」

「悪いんだが、それは後にしてくれ」

 

突然、拘束魔法をかけたことを軽く謝りながら話を元に戻す。

 

「上司の言いつけでね、俺はこの辺りに落ちた危険で訳の分からんジュエルシードとかいう石を探しに来たんだが、ジュエルシードは丁度そこに浮いてる石のことなんだ」

「そうですか」

「その上司からもう一つ付け足されていて、そのジュエルシードを狙う奴がいたなら捕まえておいてくれと言われたんだが」

「だから私たちを捕まえるんですか」

「まあ、そうなるな。理解が早くて助かるよ」

 

こちらが言おうとしていたことを先に理解してくれた少女に、俺はにこやかに答えた。

 

 

 

 

 

「このままじゃ、フェイトちゃんが捕まっちゃうよぉ~!?」

 

フェイトとローグと名乗った男の人が話している場所から少し離れたビルの屋上で私は二人の会話を聞いていた。

 

「ど、どうしよう、レイジングハート!?」

《落ち着いてください、マスター》

「でもっ」

《冷静さを欠いた状態では全力は出しきれません。だから、まずは落ち着いてください》

「う、うん」

 

レイジングハートに諭され落ち着こうと頑張るがすぐに落ち着きを取り戻すことはできなかった。

 

「う~」

《無理そうですね。マスター、ここは様子見して機を待つべきです》 

「でもその間にフェイトちゃんが連れて行かれたら」

《その場合は力づくで取り戻しましょう。すぐに出てしまうと何か起こった時に今のマスターが対応出来るとは思えません》

「確かに何も出来ないで終わっちゃうかも」

 

とりあえずはレイジングハートの提案通りに様子を見ることにした。

様子見をするといってもあまり長い時間はないと思う。

しかし、それは決して不利な状況しか作らない訳ではなかった。

 

《仕掛けるべき瞬間の予想はつけやすいですね》

「うん、多分、あの男の人もあんまり時間はかけたくない筈だから。仕掛けるならすジュエルシードの封印を行う時かな」

《私もその瞬間こそがベストだと思います》

 

油断、というよりも封印に集中し他への注意が薄くなる、その瞬間なら最低でもフェイトちゃんは助けられる。

段取りを決め、その瞬間を待ち始めた時に突然、念話がはいった。

 

『なのは、そっちの様子はどう?』

『ユーノくん、あのね大変なことになっちゃってて、フェイトちゃんが管理局の人に捕まって連れて行かれそうなの!』

『そっちも!?』

『え』

 

ユーノくんの驚きに嫌な予感がした。

 

『それが綺人も捕まっちゃったみたいなんだ』

『えぇ!!』

 

すごく強くて頼りになる綺人くんが捕まるなんて思ってなかった。

だから綺人くんが捕まったことを聞いて動揺が抑えられなった。

 

『綺人くんが連れて行かれちゃうよぉ~!でもここから離れたらフェイトちゃんがぁ…』

『な、なのは!落ち着いて、綺人は僕が何とかしてみるから』

『本当!』

『僕には綺人のバインドを解くぐらいしか出来ないだろうけど、とりあえずは頑張ってみるよ』

『お願いユーノくん、必ず綺人くんを助けて』

『うぅ…プレッシャーがずっしりと、全力は尽くすよ。なのはの方も頑張ってね、無茶はダメだ、ちょっ、まず』

『どうしたの!ユーノくん!?ユーノくん!!』

 

ユーノくんとの念話が唐突に途切れる。

ユーノくんからはいくら語りかけても返事が返ってこなかったが、レイジングハートから声が返ってきた。

 

《マスター、こちらに向かって二つの反応が接近中》

(今度はなんなのぉ~!)

 

レイジングハートが言った場所を見た。

 

「ええぇ!!セラくん!?」

 

フェイトちゃん達と一緒にいたセラくんローグという人に殴りかかっていた。

 

 

少しだけ時間を遡る。

 

《くっ、こんな簡単に捕まるとは油断しておった》

「まったくだ」

「ちくしょお~!こいつを解けぇ!」

「少し静かにしてろ、アルフ」

 

先程まで俺達と戦いあっていたセラとアルフ、だが今は首をそろえて拘束されていた。

誰がこんなことをしたのか?

俺達か?それともセラ達か?いいや違う、それだと間抜けにも自分に拘束魔法をかけたことになる。

なら誰だ?答えは簡単だ。

第三者または乱入者はたまた男女である。

今現在にしてそれは最悪そのものだった。

 

「なんだ案外、簡単に捕まえられるもんだな」

「油断大敵」

「うるせぇ、拘束魔法を二重にかけてるから大丈夫だ。ったく、お前は心配しすぎなんだよ。それとこれは勝者の余裕だ」

「それを世の中では油断って言うんだよ」

「バカめ、俺に世の中の常識なんざ通用しねぇ」

《うわっ、マスター、すっげぇうっざっ》

「自分のデバイスにバカにされるとか、ある意味すげぇな」

《電堂さんにはいつも驚かされっぱなしですね》

「うはは、褒めてもなにもでないぞ」

「褒めてねぇから!!」

 

こんなバカに捕まるなんて最悪だ。

特に電堂とかいう男の方に拘束魔法を一瞬でかけられたことは一生に残る屈辱だ。

 

「一瞬で拘束されちまったことは気に病むなって、それは仕方がないことだ。なんせ相手は管理局の中でも超ウルトラ・スーパーエリートな俺様だったんだからなあ!気に病むなら、おめぇら運がなかったことを気に病むんだな!」

「静かに出来るわけないだろ!こうしてる間にもフェイトに何かあったら…あたしはあぁぁ~!」

「叫んだところで拘束は解かれないんだ、少しは冷静になって機を窺うべきだ」

「俺もセラの言うとおりだと思う」

「黙れ!変態!」

《貴様ァ!我がマスターを変態呼ばわりとは何様だ!》

 

誰も超ウルトラ・スーパーエリート様の言葉を聞いてはいなかった。

勿論、俺も無視している。

 

「ふっ、俺に恐れ入って直視できないとみえる」

《マスターって本当にバカだよね》

「常人どころか高度なAIにすら俺を理解するのは不可能なのだ!」

「そりゃそうだ。おめーのバカさ加減を理解するのは高度な連中にゃ、一生無理だろうよ。知りたくもないだろうけど、ところでさぁ」

 

電堂の隣にいた少女が此方に顔を向けてくる。

 

「そこの犬っころを抜いた、こいつらがイレギュラーなわけ?」

「あ、イレギュラー?」

「おいおい、忘れたのかよ。この世界に無理やり連れてこられた時に聞いたろ。無いはずのイレギュラーが紛れ込まされてるって」

 

無理やり連れてこられた?イレギュラー?紛れ込まされてる?

こいつらはいったい何の話しをしているんだ?

 

「うーん…ああ、そんなこと言ってたな」

「マジで忘れてやがった」 

「そうじゃねぇの」

「!って、何で分かんだよ!?」

「そんなの適当に決まってるだろ」

「ハアァ!?」

「そんな興味もわかないこと俺が知るか」

「聞くんじゃなかった…」

 

訳が分からない話が訳わからない感じに終わってしまった。

そろそろ本格的に脱出のことを考えるべきかもしれない。

 

《セラ》

《そろそろだと思っていた》

 

俺はセラに念話を送る。

 

《その様子だと何か考えがあるのか?》

《ああ、お前たちも逃がしてやる。だから今はジッとしていろ》

《あ、おい…切られた》

《ふむ、あちらに何か策があるようだな。態度は気にくわないが乗るしかあるまい》

 

何が起こるか分からないがエメスの言うとおり、それにかけたほうがいいようだ。

 

「?おい電堂、今そっちに何かいなかった」

「あ?気のせいじゃねえの、ぐはぁ!?」

 

電堂が何かに攻撃され気絶し地面に倒れ込む。

電堂が気絶したことで俺とセラ達にかけられていた拘束魔法が解かれる。

 

「なっ、魔力反応はなかった!それに狙撃でもないだって!」

「おおりゃあああ!!」

「ぐっ」

 

拘束が解けたアルフは少女へと勢いよく殴りかかるが鉄甲のようなものに防がれてしまう。

 

「犬一匹がいきがってんじゃねえぞ!」

「うるさい、がきんちょだね。潰してやりたいとこだけどあんたの相手はこいつだ!」

「えっ」

 

一瞬、何が起こったのか分からなかったが状況を整理しまとめ、簡潔な答えを出す。

何を思ったのかアルフが俺の頭を突然片手で掴んだと思うと少女めがけてぶん投げた。

俺は何故投げられた?

 

「さっきの恨みは返すよっ!」

 

ああ、そういうことか

そうやって色々とスローに物事を解釈していたからだろう。

すでに俺が少女を回避できる距離ではなかった。

 

「おっと」

 

だがアルフの思惑どおりに派手にぶつかることはなかった。

少女が俺を受け止めたからである。

とはいえ、どうやらセラの思惑どおりにはいったようで。

 

「ありゃりゃ、あれは追いつけそうにないな~」

「そうみたいだ」

 

セラ達はもうすでにフェイトの方へと向かったらしく姿がなく、かくゆう俺は

 

「放してくれませんか?」

「こんな可愛い女の子に抱きつかれるなんて男冥利に尽きると思うけど?」

「普段ならぜひこのままでいたいけど、状況が状況ですから」

「そっか忙しいんだ」

「はい」

「ま、放さないけど」

「…」

 

拘束されて一歩も動けなくなっていた。

やむ終えないか、このままではどっちにしろ捕まってしまうだろう。

 

「あの」

「うん、なーに?」

「提案があります」

 

 

 

 

「おいおい、いきなり殴ってくるなんて卑怯じゃないか?しかも三人で」

「…つ、強い」

 

甘かった。

セラの脳裏がその言葉で一杯になる。

セラは管理局のローグがどれほどの力を持つのかは知らなかったが勝算はあるつもりだった。

要月のレアスキル『影潜み』

これは名前の通りで影の中に自身のみが侵入できる世界を作り出し、その影の範囲を自由に移動できるというものである。

先程もこれによって電堂への攻撃が成功した。

今回もセラ達はこれによってローグに奇襲し倒そうと考えていたのだ。

しかし、結果は惨敗であった。

 

「いやぁ、本当にラッキーだったよ、ジュエルシードの回収をしに来ただけなんだが、まさか指名手配犯を捕まえられるとはな、尋道夜要月」

「くっ…」

 

敗因はローグが何かしらの能力を使ったことにあった。

それが分かったのは要月がローグの背後をとった時だった。

ローグに刀を振り下ろした瞬間、ローグはいつの間にか要月の背後にまわっていた、まるで時でも止まったかのように。

それ以外にも距離が突然つめられたり、いつの間にか攻撃をくらうなど奇怪な現象は続いていき、何も出来ぬまま負けていた。

 

「お前さん方とまともにやっていれば俺は負けていただろうが、生憎、俺にはそんな時間がなくてね。悪かったな義手の坊主」

「そいつは別にギッタンギッタンにしてくれて構わん」

「ん」

 

道路からカツン、カツンとテンポ良い音を出しながら黒いコートの男が歩いてくる。

 

「レオーラ!!?」

「よぉフェイト、無事…じゃなさそうだな」

「レオーラ?あんたはこいつらの保護者かなんかか?」

「そんなとこだ、そこのガキを今すぐに返してもらおうと思ってな」

「あー、それは難しいだろうな、なんせこんな夜中に街を出歩いてるとなれば警察もどきとしては説教やらなにやらしなきゃならないからな」

「説教なら保護者もどきの俺がするさ」

「こっちも仕事でね、そういう訳にはいかないのさ。なぁに心配なさんな、ちゃんと飯やらなにやらの面倒はみてやるよ」

「そうか、なら力づくでも返してもらうか」

「やっぱそうなるか」

 

魔力が込められたジュエルシードの前で最悪の戦いが始まった。




こんにちは。
前回の投稿から早1ヶ月と数日が経ってから次話投稿

正直すみません。
色々やることがあって「まあ後々でも大丈夫だろう」とか言って後回ししてたら、いつの間にかすごい時が経っていた!?
すみませんでした!
ていうか読んでくれている人が地味に増えていっててびっくりしました。
すごい嬉しいです。
ありがとうございます。

それで今回のお話なんですが
要月の能力『影潜み』云々のくだりなのですが…
当初は能力ではなくレアスキルと表示しようと思ったのですがウィキペディアでなのはのページを見ていたのですが三期目に確か未来を予言が出来る人がいたと思うんですが(三期目を途中までしか見てなく殆ど記憶してないmusi)
ウィキペディアだとその人の予言がレアスキルと記述されておらず、能力と記載されていたと思うんですよ、たしか…
それを見てから「あれ?これは何かレアスキルと能力では違いがあるのか?」と思い、今回は要月の『影潜み』は能力としますた。

それで皆さんにお聞きしたいのですが
『レアスキル』と『能力』の違いを教えていただけないでしょうか。
自分でも調べますが最悪、見つからなかった場合は理解しないまま話が進み、
厄介な事態になるのは非常に避けたいです。
そんな状態で書いてんじゃねぇよと思うでしょうが何卒お願いします。

12/25
レアスキルで統一します(調べたら普通に出ました)
能力『影潜み』→レアスキル『影潜み』に変更しました。
問題があったら教えてください

出来るなら次回で暴走しかけのジュエルシードをなんとかしたいですね。
それではごきげんよう
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