魔法少女リリカルなのはGhost   作:musi

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第七話「謎は深まる」

綺人達から少し離れた場所、ここは先程まで綺人と要月が戦っていた場所だった。

だが先程までのうっそうとした森の面影はなく、周りには地面が剥き出しになり、生き物の声が一つもない無音であった。

 

ザッ

そんな無音の中に足音が響いた。

木々が生い茂っていた場所から昔の武士のような風貌に変わっていた要月が静かに現れた。

 

「どうやら逃げられてしまいましたか」 

 

要月は残念そうに呟く。

 

『主よ、本当に逃がして良かったのか?』

「逃がしたとはいったいなんのことでしょうか?シャドウ」

 

要月のデバイス、シャドウは要月に問う。

しかし、要月は微笑みながら話しをはぐらかす。

 

『…思い違いでした。忘れてください』

「そうですか、さて、先程からこちらを見ているようですが、どなたでしょうか?」

 

要月は自分が出てきた辺りの場所に気配を感じ、そこにいるであろう何者かに話しかける。

その言葉の後に森の奥から真っ黒のコートをきた男が現れた。

 

「流石はプロの殺し屋だな」

「おや?貴方でしたか、確か来ないはずでは?」

 

男は要月の知り合いなのか、軽い調子で話している。

 

「まあ、ガキ共が心配でな、プレシアの奴は性格が変わっちまってるからフェイトのお守りもしなきゃならないからな」

「お優しいのですね」

「あのプレシアの変わりようを見せられれば、優しくならざるおえないさ」

「そうですか」

「…追加注文だ。今から此処を通ろうとする奴が来る、お前はそいつを可能な限り止めろ」

「可能な限りですか?」

「そうだ、恐らくデバイスがあるだろうが簡易的なもんだろうから油断さえしなけりゃ、やられるなんて事態にはならんだろうが」

「それほどの者がこのような世界にいるとは、驚きました」

「まあ、あのヤローはこの世界の住人じゃあねぇからな」

「…その口振りですとお知り合いでしょうか?それならばその方の説明を少しでもしていただければ助かりますが?」

 

男はしまったというように頭を掻きながら面倒くさそうに要月に答えた。

 

「あー…そうだな、そいつの名前は一条 刀牙ってつってだな、なんつーかな、一言で説明すれば…化け物だ」

 

 

 

「綺人…貴方が此処にいるってことは貴方もジュエルシードを狙ってるんだね」

「ああ」

「そう、だね。此処にいるってことはそういうことになるよね」

「お前は、ジュエルシードをどうする気なんだ」

 

フェイトの顔にはこの前のような笑顔は無く、あるのは人形の様な無表情だけであった。

無表情のままフェイトは言葉を続ける。

 

「分からない」

「何だと?」

「ただ母さんがジュエルシードを望んでいる、だから私はジュエルシードを集めてるの」

「そうか、お前は物事を自身で考えて動ける人間だと思っていたのだが…ショックだ」

「…」

 

俺の落胆と嫌味が混じった言葉にフェイトはほんの一瞬だけ悲しそうな顔を見せたが、すぐに先程の無表情な顔へと戻った。

 

「いくらショックを受けても構いません。ですが一つだけ聞いてほしいお願いがあります」

「何だ」

「私達の邪魔をしないでください。私は貴方を傷つけたくないんです」

「俺もお前の意見は大いに受け入れたい」

「それじゃあ」

「だが断る」

「え」

「ジュエルシードは願いを叶えるという奇跡を起こすモノだが、同時に世界の脅威になる危険なモノでもある。だからお前の母親の望みが分からない以上は渡すことは出来ない」

「母さんは悪用したりしません」

「そうかもしれない。しかし生き物には欲がある、どれだけの善人でも欲があり、それが可能性をゼロとしない」

「…私も綺人のことを少し見損なったよ」

「すまん」

 

数秒の沈黙の後、フェイトは何も言わず杖のデバイスを構えた。

 

「バルディッシュ」

《了解》

 

フェイトがデバイスの名前を口にしたのと同時に杖の上部から光が現れ、光は二つの方向に広り、杖に刃を出現させた。

 

『まるで死神の鎌だな』

《全くだ、くるぞ》

 

フェイトは鎌を下に構えてこちらに一直線に向かってきた。その勢いで鎌で切りかかってくる。

それを俺は左に避ける。

勢いのままに切りかかってきた攻撃を避けられたフェイトは大きな隙をつくることとなった。

その隙を逃すまいと刀をフェイトに振り下ろす。

 

《下から魔力反応接近!!》

「!」

 

フェイトに振り下ろしかけた刀の進行方向を変換し、真下に刀を突き出す。

 

「雷針!」

 

突き出した刀の刃から雷が現れた。

雷は六つの刃となり真下から接近した敵、セラを飲み込むべく飛んでいく。

 

「邪魔だ」

 

だが、セラもそれを予測していたように、溜めていた魔力を砲撃として放ち、雷と相殺させた。

 

「今だ、フェイト!アルフ!」

「おうよっ!」

「はあっ!」

 

既に体勢を取り直していたフェイト

セラとの撃ち合いの最中に魔力を抑え接近していた敵、アルフ

追い討ちをかけようとするセラ

この状況を簡単に説明するとすれば、どうやら俺はフェイト達の策にはまったようだ。

 

「シールド!!」

《御意》

 

二人の攻撃が当たる直前にエメスにシールドを展開させ、ギリギリのところで攻撃を防げた。

 

「悪足掻きをすんじゃないよ!セラやっちまえ!」

「お前に言われなくても砕かせてもらう」

 

二人の攻撃を防いだシールドは後一撃でも喰らえば、間違いなく壊れるであろう。

そして次の瞬間にはそれが訪れる。

と言っても壊すのはフェイト達ではない。

 

「綺人くん、ごめんっ!」

 

なのはは俺を中心に狙いを定め、砲撃を放った。

 

「しまっ…」

 

フェイト達はなのはが仲間を巻き込む攻撃をするとは予想していなかったのだろう、だから彼らには避ける間も無かった。

この策は多数の敵を相手にする場合の連携技で、なのはの戦闘スタイルを見切った上で戦ってくることを想定した相手に使用する奇襲技である。

ただ、これを実戦で使うことになるとは考えてはいなかった。

だから試してみてから最大の誤算に気づいた。

 

「ぐおッっ…!」

 

なのはの攻撃に耐えきれずすぐに砕け、鈍い痛みが全身に広がる。

シールドを割られるのは覚悟の上、だが、割られた後のダメージが削がれていないのは予想していなかった。

これならば一度でも練習のようなものをして体験しておけば良かった。

そんなことを考えながら意識が飛ばぬよう気をしっかり保つ、ここからが追撃する俺の出番なのだから。

 

《四十五度下方、振り下ろせ!》

「ッ…了解」

 

砲撃の爆煙で周りが全く見えなくなっていたが、迷わずエメスの言葉通りの場所に刀を振るう。

 

ガゴンッ!

「がっ…!?なんで見え…?」

 

どうやら当たったらしい、今の声はアルフとかいう奇襲を仕掛けてきた奴だ、声が途中で途切れたということは気絶したか。

これで一人、もう一人ぐらいは減らさせてもらう。

 

《三十度上方、切り上げ》

「はッ!」

「ぐうっ!!」

「セラ!?」

 

位置からしてフェイトに当たると予想していたのだが…セラが庇ったのだろう。

しかし、まとまっているのは好都合だ。

 

「一気にいくぞ」

《うむ、ん…っッ!?九十度上方に魔力反応、距離300!》

「新手かッ!」

 

真上を向いた。

そこには爆煙を貫く光の弾丸が見えた。

 

(なッ!?AR起動!!)

 

弾丸、その威力で広がる煙、自分自身の動きが一気に遅くなる。

弾丸は今にも顔に当たりそうな程の距離で、俺はその弾丸の向かう方向に首を持っていきながら首を横にずらしていく。

 

(ぐっ…不味い)

 

そろそろ限界だった。

だが弾丸はまだ顔が当たる位置にあった。

 

(一か八か)

 

これを回避するにはどうやらこれしかないようだ。

俺は今、どの程度のシールドが使用可能か確かめる、未知の攻撃に対して耐えられるか分からないがなのはの砲撃を一発分ぐらいなら耐えられる程度には回復していた。

それを確認し覚悟を決める前に世界の速度が元に戻る。

その瞬間、俺は頭にのみシールドを展開する。

 

「ぐおおッ!?」

 

シールドに当たった弾丸の衝撃で回転しながら落下する、地上に叩きつけられそうになるが何とか安定させ落ちずに済んだ。

 

「綺人くん!」

「そいつに手を出すな!お前はフェイトの相手をしていろ!」

「う、うん」

 

なのはが俺を撃った男に攻撃を仕掛けようとしているのを止めた。

 

「まいったな」

《刀牙を抜けば、会った中では最強の相手じゃな》

「まったくだ、損傷は?」

《無し、ただ今のでシールドをチャージしなくてはならなくなった。それぐらいかの》

「時間は?」

《二分じゃ》

「二分か…」

 

シールドが使えないのは少々厄介だな。

 

「その能力を使う奴を見るのは二度めだ」

「なっ」

《な》

 

声は今まで誰もいなかった筈の真横から聞こえていた。

そうして声の方へと向く、だが見えたのは顔ではなくやけに銃身が長いリボルバーの銃口だった。

 

「あばよ」

「ッッ!!?」

 

放たれた二発の弾丸が頭に直撃し、頭に衝撃が響いた。

今度は小細工をする暇もなく撃ち抜かれたようで、俺はそのまま落下して行く。

 

(何とか体勢だけでも)

「綺人くんッっ!」

「ッ!?」

「墜ちろぉ!!」

 

セラの一撃をまともにもらい、勢い良く地面に叩きつけられ気絶した。

 

 

 

 

「綺人くんが…そんな」

 

今の一連の流れ私は呆然と見ていることしかできなかった。

綺人くんが考えた作戦はほぼ成功していた。

事実、一人を戦闘不能にし、一人に攻撃を喰らわせることが出来ていた。

だが、突然現れた、一人の男に全てを覆された。

男は今の私では到底かなわないであろう綺人くんを一瞬の内に倒してしまった。

それでも私は男に立ち向かおうとしていた。

 

《マスター、離脱を推奨します》

「レイジングハート」

「そうだな、そのデバイス言うとおり帰った方がいいぞ、お嬢ちゃん、なんならそこでダウンしている小僧も連れて帰っても良いぞ」

 

私の敵意を見抜いたのかレイジングハートと男が忠告してきた。

ここで私が戦う姿勢を見せなければ彼らは私と綺人くんのことをきっと見逃してくれるだろう。

でも友人を傷つけた相手の言葉に従って逃げれば、それは卑怯者なのでは?

そう思ったら、とるべき行動は決まった。

 

「イヤです!」

 

私はその言葉と同時に男に向かって攻撃を仕掛けた。

攻撃は男に一直線に向かっていき男に直撃した。

 

「そうかい」

 

男は無傷だった。

怪我どころか埃もつけていなかった。

 

「なら友達と一緒に地面に落ちろ」

 

男が銃口を向けた。

私はあの銃に何も反応出来ずに撃たれるのだろう、そう思った。

それは覚悟というよりも諦めだった。

あれだけの力の差を見せつけられれば人は諦めることしかできない。

 

「子供を苛めんのは良くないと思うけどなぁ、僕は」

 

でも私は幸運だった。

何故?

 

「…随分と速えじゃねぇか、刀牙よ」

「まぁねぇー」

 

それは綺人くんと似た騎士が現れたからだ。

 

 

 

 

セラに気絶させられてから目を覚ましたのは次の日の朝七時くらいだった。

起きた時間が時間の為、士郎大師匠やアリサ達には怪しまれずに済んだ(なのはが泣きながら抱きついて来たのは驚いたし驚かれもした)。

俺が気絶してから何があったのかを聞いたのは朝食を済ませた後だった。

 

あの後に刀牙が助けに入り、奴らを撃退したそうだ。

まあ、聞く限りでは撃退というより俺を撃った奴が刀牙とは腐れ縁らしく面倒になる前に退いたのだ。

男の名前はレオーラ・ヴァシュタロンという科学者だそうだ。

…本当に科学者か?アレ?

ていうかヴァシュタロンって名前からしてセラとは親子だろうか?

まあ、そんなことは今は置いておこう。だが科学者とは、

フェイトの母親はいったい何をしようとしているんだ?

どうやら今回の件はジュエルシードをただ回収して単純に終わるようなことではないようだ。

まったく…なのはをとんだ厄介事に首を突っ込ませてしまったな。

 

 

 

 

ん?何だって?

何故、ユーノがいなくなったかだって?

ああ、あれはただ…

 

要月との戦いの時に突然、飛んできた砲撃を防ぐためにあの場にまだいたユーノを盾にしただけだ。




お前ら久しぶりやな、musiや。

色々とやっとったらこない遅れたわ。
艦これやっとたんや、
戦闘描写に悩んどったんや、
オチは最初から決まっとったんや、

とまあ色んなんが重なった。
というか初めてちゃんとした戦闘したな
時間かけてこの文章は酷いな…
その辺は努力していこ思うわ

そんじゃあ、今回はこの辺でさいならや

あ、そうそう何時んなるか分からんが多分、転生者出るわ
タグは出した時に付けるつもりですわ
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