Fate/GrandOrder-孤高では無くなった獅子-(凍結中) 作:バッグクロージャー
さっさとスコールを闘わせたいのでどんどんストーリーを進めていきます。まずはお供するサーヴァント召喚まで。
一ついうと、スコールは原作の戦闘をまんまFGOでやらかしたらということになるので最強設定だと思います。詳しい設定は後のパートに書きます。
編集ログ
2018-1-5 誤字脱字修正。ご報告ありがとうございます!
(...見覚えのない天井だ)
スコールが目覚めると、真っ白で人心地の感じない、機械的な天井と目が合う。気だるさと記憶障害以外はこれといった傷はない。
スコールが起き上がると、コーヒーを入れていた男がこちらに気づく。
「やぁ、目が覚めたかい?」
「...あぁ」
「いやー、あのときは驚いたよ!まさかこんな人気の少なくて吹雪いている山の中を、それも軽装で練り歩く人がいたなんてね!」
「助けてくれたのは感謝する。だがここはどこだ?」
スコールが男に抱いた印象は、"おしゃべりさん"。色々余計な事を言ってくる男に、スコールは(面倒そうなやつだ...)と顔をしかめる。
「ああ、説明が遅れたね。ここはカルデア。未来を観測し、いずれ訪れるであろう厄災を未然に防ぐために建てられた施設さ」
「...」
「それで、僕はここの医療スタッフであるロマニ・アーキマン!みんなは僕のことをDr.ロマンと読んでいるよ。ロマン、良い言葉だ、いつ聞いても」
「それで、俺を助けてどうするつもりだ?」
おしゃべりな男、ロマニをピシャリと遮るスコール。こういった手合いは強引にでも話を変えなきゃいつまでも喋る、それがスコールの処世術の一つだ。
「どうするってひどいなぁ、別に人体実験をするつもりじゃ...」
「だったら一般人に教えるべきではない機密を簡単に話さない。あんたはさり気なく俺に真実を伝え、協力かそれとも脅迫をするんだろ?」
「あ、あはは...こっちの手口を見通されるとは、幾分か見くびっていたね」
ロマニは改めてスコールを見据える。先程までのヘラヘラした顔から一転、極めて真剣な面持ちでスコールに話をする。
「君には、迫りつつある人理崩壊から世界を救済するべく力を貸してほしいんだ」
(だから未来予知なんてできる代物を作ったのか)
「...」
「事後承諾で悪いけど、君の体を検査させてもらった。君にはマスターの素質が、人理を救済してくれる力がある!」
(なんなんだよ、急に態度を変えて...スカウトでもここまで馬鹿正直に話をしないぞ?)
「...条件はなんだ?」
「条件?」
「あんたには借りがある。だから話は聞いてやる。俺は傭兵だ、俺の力を借りたいのなら俺を雇ってから言え」
SEED。学生でありながら傭兵でもあるスコールは慈善活動のように命を張るようなことはしない。互いの条件を明確に提示し、winーwinでなければならないのだ。
「わかったよ。こちらが提示する条件は、君が人理を救済するため、数多の時代にある特異点を潰してほしい。その道中のサポートはこちらが十全に行うつもりだよ」
「...わかった。なら、そのための報酬は?」
「んー、生憎ここから出られないから...」
(待て、今この男なんていった?ここから出られない?冗談も大概にしろよ...)
「ここに戻ってきた際の食事、入浴。そしてふかふかのベッドで寝られること、かな?」
「あまりに条件が見合わなすぎる。それに、まだ俺に話してないこともあるんじゃないか?」
まだスコールは知らないことが多い。マスターとはいったいなんなのか、人理を救済するとは、そして今の進捗がどこまで進んでいるのか。
「ならそれもこちらが出せる条件にしよう。君がこれ以上関わる気が無いのならこちらも君に開示できる情報はこれっきりだ」
(くっ...裏手をとられた。ヘラヘラ笑ってたから侮っていたか...!)
「どうするかい?」
「...わかった、受けよう」
「そう言ってくれると思ったよ。じゃあ、今までの話をするね...」
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ロマニから聞いた話によると、マスターと呼ばれる魔術師は、歴史上の人物を召喚、サーヴァントとして使役する人物を指す。
そしてそれを用い、捻じ曲げられた歴史に介入し、もとの歴史に修正することが人理救済に繋がる。
現状は、芳しくない。本来戦うはずだったマスター48人の内47人は危篤。所長であったオルガマリーは始まりの特異点で存在の消滅が確認、医療スタッフだったロマニが総責任のもとカルデアを運用している。
そしてたった一人残ったマスターである藤丸立香という人物は、世界の存亡をかけて戦うと覚悟した、という話だ。
「とまぁ、こんなところだね。どうかい?」
「一通りは」
「それはよかった。君もあの子とそう歳は変わらないみたいだし、仲良く出来ると思う。早速で悪いけど、君にはマスターとしてサーヴァントをつけてもらう必要があるからその準備をしようか」
「...了解」
いまいち腑に落ちない態度をとるスコール。半ば強制的に人理を救済する羽目になったことによる苛立ちか、それともサーヴァントの召喚という、歴史の"記憶"を用いた召喚方式に対する不安かはスコール自身も上手く表せない。
そのままロマニに案内され、スコールは施設の中央に案内される。
「この部屋がカルデアの中心、未来を観測して過去を修正するための機関だ。」
(ということは、あの奥にある球体がカルデアスか...?)
部屋の奥にはとてつもなく巨大な球体がある。その手前には広めの空間があり、そこでスタッフがスコールが召喚するための魔法陣を準備していた。
「あそこにある召喚サークルを使って召喚するんだ。カルデアのバックアップがあるから従属させる時に発生する魔力も最低限でいい。調べたところ、君はマスターの素質があっても魔力なんてこれっぽっちしかないからさ」
(そうなのか?やはり、俺が使っている"まほう"ではなく、魔女が使う"魔法"がこの世界で通じているのか...)
授業や世界を巡った経緯から得た知識で推測をたてる。その知識がいったいどうやって知る事が出来たのかも分からず。
スコールは底知れない違和感を押さえつけ、無理やり思考を回転させる。
「じゃあ早速召喚をしてくれ。まだ復旧中とはいえ召喚をするのには充分だ」
「あぁ...」
(歴史の記憶を基に英霊を召喚する...
スコールはサークルの前に立つと、G.Fを呼び出す時と同じように額に手を当てる。
Dr.ロマニが始め、サーヴァントの召喚はマスターと縁や相性で選ばれることが多い、という事を話していたことを思い出す。
(出来れば面倒なやつが来なければいいが...)
スコールがそう思うのを余所に、召喚サークルは少しずつ光を強め、3つ重なった円に変わる。
そしてその円が1箇所に収縮し、強い光が辺りを包む。
現れた姿は小柄なシルエットをしていた。端正な顔つきにははまだ幼さを残し、耳はエルフを思わせるかのようにピンと尖っている。
浅めの紫色をした髪を一つにまとめてはいるがそれでも腰あたりまで届く長さをもち、それが体の動きに合わせ大きく動く。
「サーヴァント、キャスター。メディアです。あの、よろしくお願いします!」
紫の少女はスコールをまっすぐ見つめ、そう名乗った。
(まだ幼いじゃないか、これで戦えるのか?それにあの魔力、まさか魔女...)
スコールは表情を崩さずに今ある状況を整理する。縁や相性などと言ったがよりによって
(...いや、まだ魔女と名乗っていない。ただ単に魔力が高いだけの少女かもしれないなら)
「あの、マスターですよね?」
「...なんだ?」
「こんな姿で召喚はされましたが、これでも神代の魔女です。きっとお役に立てると思います!」
(自分から魔女と宣言するのか!?そして嫌な予感が当たるとは思ってなかったぞ!)
「...あ、ああ」
「これからよろしくお願いします、マスター!」
早くも現状に胃を痛めそうなスコールだった。
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「さ、ブリーフィングも済んだのならいよいよレイシフトだ。準備はいいかい、スコール君」
「いつでも行ける」
「はい!お任せ下さい、ドクター!」
お互いの紹介、そしてメディアがどんなことが出来るか等を一通り聞きブリーフィングを済ませる。この後はもう1人のマスターである藤丸立香と合流し、第1特異点へレイシフトを開始するらしい。
指定された時刻まで待機していると、橙がかったサイドテールの少女と紫のショートボブをした少女が入ってきた。
「ごめんドクター!遅くなっちゃいました!」
「先輩っそんなに引っ張らないで下さい!」
「大丈夫だよ立花ちゃん、まだ五分前だから」
少女らはロマニと挨拶を交わし、今回のレイシフトの内容を教える。その間スコールは話かけるメディアを余所に戦略を練っていた。
(人員はマスター二人。内一人は戦争も知らないようなやつだ。全く、面倒になったぞ...)
戦略というよりは一人愚痴を頭の中で零していた。
「それで立花ちゃん。彼が件のマスター候補だ」
「あ、やっぱり!そんな気はしてたんだ!」
そういうと少女はスコールに近づいてくる。容貌は先に見た通り、服装は白をベースとし無駄な抵抗を減らす為に拘束具を模した黒のベルトを付けている。
この服が基本の戦闘服なのだろう、とスコールは推測する。
「私、藤丸立香!あなたは?」
「...スコール・レオンハート」
「外国の人か...じゃあ、レオンって呼ぶね!」
「...それで構わない」
「やった、それじゃよろしくね、レオン!あっこっちはマシュ、私のサーヴァントだよ!」
「はい、マシュ・キリエライトです。よろしくお願いします、スコールさん」
自己紹介がてら呼び名まで決めた立花。そのことよりスコールは彼女の距離感を掴みかねていた。
(こいつ、フレンドリーにも程があるだろう。自己紹介だけでこんな距離詰めるか普通?)
立花とスコールの距離は一メートルもない。二十センチ近い身長差を気にもとめず上目でスコールを見つめる。初対面に対するこの距離の近さであるが故スコールは困惑する。
「さあ、自己紹介が済んだなら早くレイシフト準備を。時間は決して無限ではないからね」
「はい!」
「了解」
ロマニに誘導され、レイシフト用のコフィンに入る。そっと目を閉じ、意識を委ね、カウントダウンアナウンスが零をカウントするまで待つ。
レイシフト開始の合図と共に視界が暗転し、意識はワームホールを通っていく夢を見ているような幻覚を覚える。
ワームホールを進んでいくと強い光が先から溢れ出し、ついには視界を包んでいく。
意識が覚醒した瞬間、暖かい空気と涼やかな風がその身を包んでいた。周囲を見渡せば先程の機械的な光景とはかけ離れた、自然にあふれた光景がそこに広がっていた。
いかがでしたか?
初のレイシフトなので少し描写を長くしました。次の時はもちろん短縮します。
ひょんな事から魔女の騎士になってしまったスコール。立花もといぐだ子は誰とでも仲良く、というのが強みなので基本距離が近い感じです。
ご感想、誤字脱字報告等いただけると幸いです。