ドラえもん のび太の新魔界大冒険~絆の戦士と7人の魔法使い~ 通常形式版   作:憲彦

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これを書き始めた時、大体前回とは変わらないって言いましたが、多分大幅に変わるところがありますね。とある人気作家さんとのコラボもあるので。

本当は劇場版的なのでしたかった!……けど、構想を忘れてしまい作業が頓挫してしまいました。なのでここでコラボします。

すぐに紹介した方が良いのかも知れませんが、次回に見送ります。


希望

 のび太の変身した巨人は、走りながら赤い姿へと変える。両者空中に跳び上がり、己の拳と蹴りをぶつける。この時点では、物理的攻撃力は両者互角。削り削られと言うような感じだ。

 

「ゼヤァ!!」

 

「はぁ!!」

 

「ウワッ!」

 

 地面に着地した瞬間に、光の刃、パーティクルフェザーを放ち、ダメージを与えようとしたが、弾き返されて逆に自分がダメージを負ってしまった。

 

「何故自分に有利な空間であるメタフィールドを作り出さない?」

 

「ッ!?」

 

 ダークファウストに言われ、何かに動揺している。

 

「成る程……そう言うことか」

 

「ハァア!!」

 

 立ち上り、ファウストに向けて拳を放つも、軽々と受け止められてしまった。そして、その握力で完全に抑え込まれる。

 

「諦めるんだな。巨人の力を満足に使うことの出来ない貴様では、私に勝つことは出来ない」

 

「それでも、逃げる訳には行かないと言っただろ!!」

 

「ふん。ハァァ!!」

 

「グワァ!」

 

 のび太の言葉に鼻で笑うと、全力で蹴り飛ばした。更にそこに追撃ちをかけるように右腕を突き出し衝撃波を撃ち込む。

 

「グワァァァ!!」

 

「逃げる訳には行かないと言ったな。ならば、絶望の内に死ぬがいい。ハァァァァァァ!!!」

 

 ファウストは巨人を踏みつけながら、両腕を空に向けて突き上げる。すると、黒いエネルギーの様な物が発射され、ある程度の高さまで行くと周りにあるものを包み込むように広がっていく。

 

「な、なんだ!?これ!!」

 

「みんな!1ヶ所に固まって!早く!!」

 

 地面に立っていたドラえもん達は困惑していた。のび太が一方的にやられているだけではなく、徐々に変わってきているこの空間に。出来杉は何かが危険だと察知し、全員を1ヶ所に固めた。

 

 完全に闇に囲まれると、徐々に周りの様子が明らかになってくる。さっきまでいた雪山から、赤い岩と土がある空間。体に悪そうな光が不気味に辺りを照らし、ファウストの笑い声が響いている。

 

「ハハハハハ。ここが貴様の墓となる場所だ。だが、そう簡単に壊れてしまっては困る」

 

「グワッ!?」

 

 倒れている巨人の首を掴み、そのまま片腕で持ち上げた。そして、そのまま勢いを付けて地面に投げ付ける。

 

「ヤツのパワーが上がってる!?」

 

 出来杉がいち早く気付いた。あの攻撃を見て、この空間では敵の強さが上がることに。それが判明した上で、再び巨人に目を向ける。フラフラと立ち上がるが、胸に付いているクリスタル2つは、心臓の鼓動の様な音を出しながら点滅を始めている。

 

「中々しぶといな。なら、これでどうだ!!」

 

 腕に闇のエネルギーを集中させ、巨人に向かって放とうとした。だが、そのタイミングで邪魔が入った。

 

「ドカン!!」

 

「ん?邪魔をするな」

 

 顔に空気の塊が当たった。ドラえもんが放った空気砲の様だ。だが、全くダメージを与えておらず、ファウストを刺激しただけだった。貯めていたエネルギーを、巨人からドラえもん達に目標を移して放つ。巨大な球体となり、ドラえもん達に向かって飛んでいく。丁度頭上の辺りで小さい玉に分散して、一気に降り注いできた。

 

「ンア!?」

 

「ウワッ!?」

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

「クッ!」

 

 目を瞑り、体を小さくして反射的に身を守ろうとする。かなり大きな爆発音が響いた。だが、それはいつになってもドラえもん達には爆発の衝撃がこなかった。

 

「うぅ……ハァ、ハァ……グッ!」

 

「の、のび太くん!?」

 

 ゆっくりと目を開けると、そこには自分が盾となりドラえもん達を守るのび太がいた。

 

「チッ!死に損ないが!!」

 

「グワァア!!」

 

「これで終らせる!!」

 

「フッ!ディア!!」

 

「ッ!?グワァァァァ!!」

 

 ファウストは巨人を掴んで投げ飛ばすと、空中を漂っている時に正面に伸ばした腕から闇の光線を放ち、落ちるととどめを刺そうと腕を突き上げ、拳を叩き込もうとした。だが、相手が拳を打つよりも早く、のび太は腕を十字に組んで光線を撃ち出したのだ。

 

 全く予想しなかった場所からの攻撃を受け、後ろに吹っ飛ばされる。意識していなかった為、ダメージも大きかったのだろう。ファウストの作り出した、この怪しげな空間が崩壊してきた。

 

「アァァァ……」

 

 上半身を起こして、腕を支えに立ち上がろうとするも、力が全く入らずに倒れてしまう。そして、巨人の体から人間の体へと戻っていった。

 

「のび太くん!!」

 

 ドラえもん達が心配しながらのび太に駆け寄った。酷い傷ではあったが、意識はある。すぐに手当てを行えば大事には至らないだろう。

 

「まだまだ私を楽しませてくれる様だな……」

 

 ファウストもダメージの影響か、姿がメジューサの物へと戻っていく。だが、確かにダメージはあるが、余力があるように見える。実際のところ、まだ力は残っているのだろう。

 

「だが!我々にとって最大の障害となりうる可能性がある貴様らは、ここで消させて貰う!!」

 

 空へと飛ぶと、巨大な氷の塊をのび太達に落とし、生き埋めにした。のび太達が埋まるのを確認すると、ギムと共にどこかへと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オールシーズンバッチ……夏……」

 

 メジューサが消えてから数分後。突然氷が解け始めた。そして、隙間からドラえもんが現れる。どこでもドアをポケットから取り出すと、急いでのび太の部屋と繋ぎ、氷付けになっているのび太達を部屋に投げ込む。

 

「オールシーズンバッチ……夏……」

 

 バッチを付けて、夏にダイアルをあわせると、みるみる内に氷が解けてきた。それと同時に、自分達のいる範囲が一時的に夏になったことで、体温が一気に戻り意識も覚醒した。

 

「まさか、悪魔に騙されるなんて!!」

 

「魔界歴程も取られちゃったし……」

 

「これからどうすれば……」

 

 みんなが深刻そうにしている中、ジャイアンら魔界歴程が入っていた木箱を開ける。

 

「やれやれ……まさに、一本取られたってヤツだな」

 

 そして、不適な笑みを浮かべながら1本の巻物を取り出した。それは、色はさっきのとは違うが、確かに魔界歴程だった。

 

「「「「「ええぇぇぇぇ!!!?」」」」」

 

「それがよう、こっちとこっちで1本ずつ入ってたんだよ」

 

「2本入ってたってこと!?」

 

「そう言うこと!」

 

 ジャイアンは箱の中に魔界歴程が2本入っていた事を説明しながら、手に入れた青い魔界歴程を広げた。そこには、悪魔については書かれていなかったが、魔界星の事については事細かに記されていた。

 

「なんだぁ~。じゃあ半分は手に入ったってことじゃん!!」

 

 スネ夫は魔界歴程を見ながら嬉しそうに言った。ドラえもんや出来杉、静香も明るい表情になる。だが、のび太だけは違った。明るくなるどころか、暗くなっている。

 

「でも……せっかく半分手に入ったても、美夜子がどうなっちゃったのか……」

 

 あの時負けていなければ!と、右手の拳を畳にに打ち付けて悔しそうにしている。明らかに実力に違いがあった相手だ。だが、それでも生きて生還できた。誰1人欠けることなくだ。普通なら上出来に思える。が、のび太本人はそうではなかった様だ。

 

 この言葉に、全員舞い上がっていた気持ちが落ち着き、美夜子のことが頭の中を過ったのだ。メジューサの口振りからは無事で無いことしか分からない。それ以上の事は何も分からない。しかし、のび太達を不安にさせるには十分過ぎる言葉だった。

 

「チュッ!チュー!チュー!」

 

「ッ!?」

 

「「「「「ん?」」」」」

 

 何かが窓を叩く音と、その音を出している者の鳴き声と思われる音が響いた。その声のする方を見ると、ドラえもんは体を震えさせて冷や汗を滝の様に流している。

 

「なんだ?」

 

 スネ夫がそう言うと、窓の影から姿を現した。

 

「チュー!チュッチュッ!チュー!!」

 

「ぎゃあああああ!!!」

 

 それは、昨日からずっとのび太とドラえもんに付きまとっていたネズミだ。ネズミの姿が目に入ると、ドラえもんは悲鳴をあげながらどこでもドアの上に避難した。

 

「またネズミ?」

 

「また?」

 

「どう言う訳か、最近ずっといるんだよ」

 

「ネズミの呪いだぁぁぁ!!!」

 

 のび太がまたと言うと、出来杉以外の者が首を傾げる。静香が詳しく聞きたそうに声を出すと、この事を知っていた出来杉が簡単に説明をした。……別に因縁はあっても呪いは無いだろ。

 

「チュー!チュー!」

 

「変なネズミ」

 

「見て。首輪をしてるわ。誰かのペットだったのかしら?」

 

「あり得ない!あり得ないから早くどっかにやってよー!!!」

 

 暴風のなか、必死に窓を叩いているネズミに対して、変なネズミとは流石にどうかと思う。観察していると、静香が首輪をしていることに気付き、誰かのペットじゃないかと言うが、それをドラえもんが全力で否定した。別にネズミ科の動物をペットにしている人は沢山居るだろ。とある夢の国では、子供から大人まで、世代を問わずに大人気のキャラクターが存在するのだから。

 

「ワッ!!」

 

「チュッ!!?……チュ?」

 

 ジャイアンが窓に近付いて脅かすと、ビックリして窓から手が離れて屋根の真ん中辺りまで転がってしまった。だが、その時だった。雲が一時的に晴れ、月が出てきたのだ。ネズミがその光を浴びると、体が輝きだして姿が人の形へと変わっていく。光が収まると、そこには1人の少女が立っていた。

 

「「「「「み、美夜子さん!!?」」」」」

 

「あ……」

 

 力が抜けたように屋根の上に座り込んだ。窓を開けると、のび太がいち早く駆け付けて部屋の中へと入れる。

 

「なんで、ネズミの姿なんかに……?」

 

「教会が、悪魔に襲われたの……。パパが、なんとか私だけ逃がしてくれたんだけど……結局、悪魔に見付かって、姿を変えられてしまったの……」

 

 出来杉の問い掛けに、美夜子は涙を流しながら辛い様子で事の顛末を話してくれた。それを聞くと、のび太達も暗い表情になっていく。

 

「パパは、悪魔に連れ去られて……私、何も出来なかった……!!」

 

 泣きながら話す美夜子を見ると、のび太達は何かを決心した顔になり、顔を見合わせると力強く頷いた。

 

「美夜子さん、泣かないで。満月牧師を助けに行こう!」

 

「えっ……」

 

「私たち、一緒に魔界星へ行くわ!」

 

「悪魔族なんか、俺たちがまとめてブッ飛ばしてやるからよ!!」

 

 のび太と静香が一緒に魔界星に行くと言うと、ジャイアンは力強く悪魔族をブッ飛ばすと言った。マジでブッ飛ばしてたけどね。

 

「決めたんです。地球を悪魔たちなんかに取らせないって!」

 

「本当に?本当に一緒に行ってくれるの?」

 

「「「「「「うん!!」」」」」」

 

 驚いた表情で聞くと、みんなが返事をした。その声を聞くと、美夜子の顔に笑顔が戻る。

 

「あぁそうだ。魔界歴程と手に入れたんだ」

 

「えぇ!?」

 

 スネ夫が思い出した様に言うと、美夜子は驚きの声をあげた。その後に半分だけだけどと言いながら、美夜子に取ってきた魔界歴程を渡した。

 

「すごい!……みんな、ありがとう、ありがとう!」

 

 嬉しさの余り、みんなに飛び付こうとした美夜子だが、タイミング良く月が雲に覆われ、一瞬にしてネズミの姿に戻ってしまった。

 

「ぎゃあああああああああああ!!!!!!」

 

 急にネズミが目の前に現れたので、口角を変な所までひきつらせ、悲鳴をあげながら気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドラえもんが気絶してから数十分。のび太は気絶したドラえもんを起こすために体を揺すっている。

 

「ドラえもん!ドラえもん!!起きろよ~!!」

 

「ん~、あっ!ネズミイイイイイイイ!!!」

 

 揺すられて目を覚ましたドラえもんだが、いまだに恐怖で震えていた。そんなドラえもんを安心させるように、のび太は今やっていることをドラえもんに話した。

 

「大丈夫だよ。今ね、みんなで魔法をかけてるんだ」

 

 のび太が指を差す方向を見ると、確かにジャイアンおスネ夫、静香、出来杉の4人が美夜子に魔法をかけていた。

 

「変身の魔法は解けなくても、上から別の魔法をかければ、ちょっとでも姿を変えられると思ってね」

 

 そう説明している間にも、4人は美夜子に魔法をかけて姿を変えていた。余談だが、何故ここにのび太が参加していないのかと言うと、勢いで今までに無い魔法が発動してしまい、危険だからだ。

 

 …………今、一瞬恐竜時代にいたような爬虫類的な何かが見えた記憶を、脳から切り取りたい……。

 

「やだ!僕もう帰る!!」

 

 不安しか無いため未来に帰ろうとするドラえもんだが、のび太が必死に引き留めている。

 

「大丈夫だって!だんだんマシなものになってきてるから!!」

 

「どうせ!ネズミ擬きじゃないか!!」

 

「そうじゃないのも一杯あるから!!」

 

「あれも嫌なんだよ!!!」

 

 のび太が一応説得するも、スゴく逃げようとする。それをのび太は力ずくで抑えているのだ。

 

「「「「出来たぁ!!」」」」

 

 その時だった。ジャイアン達が嬉しそうに声をあげて、ドラえもんとのび太の方を振り向いた。

 

「「「「ジャアーン!」」」」

 

「ミャウ、ミャウミャウ!ミャア?」

 

「「…………」」

 

 かなり可愛い猫になっていた。それを見た2人は一瞬顔から表情が消えたが、ドラえもんはすぐに顔の筋肉が緩んだ。

 

「えへへぇ~……」

 

 スゴくデレデレしていた。お巡りさんコイツです。

 

 ニヤけながら何かを話している様だが、それはのび太達には全く分からない。

 

「良いから……早く翻訳こんにゃく出して……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翻訳こんにゃくを食べさせ、全員美夜子の絨毯に乗り込んだ。

 

「それじゃあみんな!準備は良い?」

 

「「「「おう!!」」」」

 

「「はい!!」」

 

「それじゃあ、しゅうっぱ~つ!!」

 

 美夜子の掛け声と共に、絨毯は高速で宇宙へと向かって発進していった。




ドラえもん
「いやぁ~。猫になった美夜子さん可愛かったn―」

スペシウム光線!!

ドラえもん
「ぎゃあああああ!!!」

全く。子供向け番組の主人公なんだから、もう少し自重しなよ。まぁそれはさて置き、今日紹介するヒミツ道具は!!

「オールシーズンバッチ~!!」

のび太
「オールシーズンバッチは、春、夏、秋、冬の自分の好きな季節に変えることが出来る道具です。ただし、効果はバッチを中心に半径3メートルまでです」

出来杉
「テレビや映画では、極希に活躍する道具だね。汎用性は高いと思うんだけどね~」

使いどころが難しいって言うのが、大きな理由かもね。汎用性は確かに高いけど、君達映画だと体がダレる気候の場所には行かないでしょ。アニメだと冬にも関わらず夏や秋のエピソードやったり、のび太に関しては1年を通して短パン。ジャイアンは長そで長ズボン、スネ夫と静香はシーズン通して衣装に大した変化は無いし、出来杉に関しては最近出てないでしょ。

ドラえもん
「わーわー!!メタい!メタいようp主!!これ以上はヤバイから次回予告!!」

美夜子
「魔界星まで少しかかるから、のんびりしていってね」

静香
「美夜子さんは、何で髪を切っちゃったの?」

スネ夫
「ドラえも~ん!天才ヘルメットと技術手袋、取り寄せバックと簡易的な四次元ポケット貸して!」

出来杉
「もう、彼だけに荷は背負わせない」

のび太
「……今はまだ、泣いても良いと思うよ」

美夜子
「ありがとう……」

出来杉
「次回 準備。目的は1つ。やりたいことはそれぞれ。だが、求める結果は同じになる!」

出来杉/のび太/ドラえもん
「次回もよろしくね!!!」

次回もお楽しみに!感想と評価、その他作品もよろしくお願いします!!
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