ドラえもん のび太の新魔界大冒険~絆の戦士と7人の魔法使い~ 通常形式版 作:憲彦
「あと少しで南極を抜けられるわ!」
美夜子のこの言葉に、飛んでいた皆が安堵の表情を浮かべた。慣れてるとは言え、ずっと飛んでいるのはキツいのだろう。南極を抜け出すと、そのまま海へと続く海岸に着陸して、少しばかし休息をとった。その間、美夜子は魔界歴程を開き、地図の部分を確認している。
「魔王の城まで、後どれくらいあるの?」
のび太の質問を聞くと、魔界歴程を見ながら皆の方に振り返る。そして、魔界歴程に書かれていることを伝えた。
「魔界歴程では、後3つの危険な場所を通れば城に着くと書かれてるわ」
「あと3つ!?」
全員驚いている。まぁ、南極で死にかけたのに、抜け出て早々にあと3つもあると言われたのだ。当然だろう。
「次は何があるんですか?」
「次は、人魚の島があるわ……」
「「「「「「人魚の島?」」」」」」
出来杉が美夜子に質問すると、人魚の島と答えられたのだが、全員首をかしげている。聞き慣れないため当然ではある。
「そこに住む人魚たちは、海を渡ろうとする者達を自身の歌声で魅了して操り、海に住む狂暴な怪獣に食べさせるらしいわ」
美夜子こ説明に、皆顔を青くして引いていた。しかし、これでは人魚と言うよりは、ローレライの方が正しいかもしれない。
※ローレライ……美しい歌声で船人を誘惑し、破滅へ追い込む魔女のこと。
「避けては通れないんですか?」
「それがダメなのよ。人魚の歌声を聞くと、誰でもフワフワっとその音に着いていっちゃうの……」
全員の顔が曇った。恐らく、能力的にはかなり厄介だからだ。声を聞いてフワフワっと着いていってしまうのでは、対策のしようがないからな。だが、ドラえもんが不安そうな顔をしながら、ポケットから道具を1つ出した。
「仕方無い。じゃあ、耳バンでも貼っておくか……」
緑色の何かを取り出すと、全員に1セットずつ配った。
「これは?」
「この様に、耳に貼り付けるとなんにも聞こえなくなるんだ。……ただ、これ安物だから味方の声まで聞こえなくなっちゃうんだよな~」
実際に自分の耳にあたる部分に貼り付けながら説明をした。貼った人はそれぞれ本当に聞こえないかを確認いる。その時、まだ耳バンを着けていなかったのび太が、美夜子に1つ質問をした。
「ねぇ美夜子さん。海に住む狂暴な怪獣って、ビーストの事?」
「分からないわ……魔界歴程には怪獣としか書かれてないから。でも、用心はしとかないと」
海に住む狂暴な怪獣に付いては、情報が無いために美夜子でも分からない様だ。そんな会話をした後に、のび太と美夜子も耳バンを着けるのだが、まだ不安そうな顔をしている。ドラえもんが全員着けたのを確認すると、腕で合図をしながら出発した。
少し飛んで、と言っても、タケコプターは割りとスピードが速いため、結構な距離を飛んだ。その時だった。急に深い霧が出てきて、のび太達を包み込んだ。それと同時に、耳バンを貼って音を遮断している筈の耳に、歌が聞こえてきたのだ。
「「えっ!?」」
「はっ!?」
「何で歌が!?」
耳バンをしているにも関わらず、歌声が自分達の耳に入ってきた事に驚き、後ろを振り返った。するとそこには、そこそこの広さがある岩があり、その上で下半身が魚になっている人魚達が歌を歌っていたのだ。あれが人魚の島なのだろう。ナルニアデスはこれをどうやって突破したんだ?
「はっ!?皆!行っちゃダメだ!!止まれ!!!」
美夜子の言うように、皆フワフワとしながら人魚の声に着いていっている。のび太は先回りをして皆を止めようとするが、6人を1人抑えるには腕力的に無理があった。スピードは少し落ちたものの、どんどん島へと近づいてしまう。
「綺麗なうたごえ……」
「本当。ずっと聞いていたいよ……」
「ちょっ!皆しっかりして!!」
のび太は必死に抑えているが、皆正気を取り戻さず、歌に聞き入っていた。ただ1人を除いてな。
「何だい!何だい!こんな歌よりも!俺の歌の方がよっぽどスゴいぞ!!」
ジャイアンがそう言うと、ドラえもんのポケットを無理矢理あさって、とある道具を取り出した。
「カラオケマイクセット~!!」
「えっ……?」
マイクの音量設定をマックスにし、歌う準備をしている、ここに来る前にあべこべクリームを落としてちょうど良い量にしたにも関わらず、のび太は大量の汗を流していた。
それでは聞いてください。「ジャイアンにボエボエ」
「ブッ飛ばす!デンジャラス!!俺ジャイアン!!―」
ここから先、作者が聞き取れなかったので歌詞はありません。そもそも歌かこれ?
「「「「「っ!?ギャァァァ!!!」」」」」
「「「キャアアアア!!!」」」
「うわああああああ!!!」
ジャイアンが歌うと同時に、全員正気を取り戻した。だが耳バンは耐えられずに故障。全員大ダメージを受けることとなった。人魚達も、スゴい騒音に驚いて海底に潜ってしまい、2度と出てくることは無かった。歌が終わると、正気を取り戻した皆は、ヘロヘロになりながら人魚がいた島まで降りていった。
「あ~……」
「「死ぬかと思った……割りとガチで……」」
「なんか皆疲れてねーか?」
「武くんの歌のお陰で呪いが解けた後遺症じゃない?」
原因であるジャイアンが、皆を指差しながら指摘した。そんなジャイアンに、出来杉が適当な事を言って誤魔化す。
「成る程!流石は俺様の歌だな!!」
誤魔化せた様だ。しかも悪意0だ。ある意味悪魔以上に質が悪いかもしれない。そんな時だった。水面が揺れだし、巨大な怪獣が姿を現した。全身が鱗で覆われており、鋭い棘が生えている。そして、小さい腕と細長い尻尾を持っている怪獣だ。
「ギャァァ!ギャァァ!」
怪獣はのび太達を見ると、鳴き声をあげながら青い光線を口から吐き出した。それは島の手前の海に当たり、のび太達には直撃しなかった物の、すぐに2発目を撃とうとしている。
「フンッ!」
だが、のび太はエボルトラスターを引き抜いて、ウルトラマンになると、頭を押さえ込んで光線を出すのを止めた。
「ハァ!!」
「ギャァァ!ギャァァ!」
「ディヤ!!」
怪獣は尻尾を振り回し、ウルトラマンに攻撃しようとするも、尻尾を捕まれて逆に投げ飛ばされてしまった。
「なんかのび太くん。前よりも強くなってない?」
「そう言われれば、確かに……」
「地球に居たときよりも、攻撃1つ1つが強力になってる……」
戦いを見ていたドラえもん達が気付いたようだ。確かに、のび太の攻撃は地球に居たときよりも1つ1つが強力になっており、パンチ1つでも怪獣の体からは火花が散っている。戦いの中で徐々に力を付けてきたのだろうか?
「ギャァァ!」
「ハァ!ディヤ!!」
怪獣が光線を出すが、サークルシールドで防ぎ、怪獣の胴体に蹴りを入れた。怪獣が怯むと、すかさず赤い姿のジュネッスに変身する。
「ハァァァァ……ゼヤァア!!!」
エナジーコアの前で腕を組み、エネルギーを最大限まで溜める。そして両腕を開き、一気にエネルギーを放出した。それを受けた怪獣は、呻き声をあげながら倒れて爆散する。それを見ると、のび太はウルトラマンの状態から人に戻り、島の上に着地した。
「ふぅ……おっと!」
「大丈夫?のび太くん」
「大丈夫大丈夫!少し疲れただけだから」
心配するドラえもんに大丈夫だと伝えた。どうやら脚から力が抜けて倒れそうになったのだ。どうやら、少しずつ戦いの影響が体に出てきている。本人には自覚がなく気付いていない様だが。
「少し休んでいく?」
「いや。大丈夫。先を急ごう!」
美夜子も心配して提案したのだが、のび太はそう言って進もうとした。それを受け、皆もタケコプターを起動して先を急いでいく。
今日紹介するヒミツ道具は!
ドラえもん
「耳バン~!!」
のび太
「耳に貼り付けると何も聞こえなくなる道具だね。確か高いヤツだと自分が設定した音だけ聞こえなくするんだっけ?」
ドラえもん
「そうだよ。まぁ、高いって言っても200円300円しか高くならないんだけどね」
そして紹介する技は!
のび太
「コアインパルス!!」
出来杉
「とんでもない火力を持つ熱線で、相手を粒子状にするのではなく、爆発四散させる必殺技です!」
よし。じゃあ次回予告!
美夜子
「帰らずの原……悪魔でも迷い込んだら出られない危険な場所よ……」
スネ夫
「何だよ!?あの三首の怪獣は!?」
出来杉
「気を付けよ!アイツは幻覚を見せるみたいだ!!」
???
「ファウストに一撃入れただけのことはある。もっと俺を楽しませろ!!」
のび太
「僕は、こんなところで負けるわけには行かないんだ!!」
出来杉
「次回 青い稲妻と黒の死神。敵がどんなに強くても、僕たちは進み続ける!手を取り合い、大切な仲間たちと共に!!」
のび太/出来杉/ドラえもん
「次回もよろしくね!!!」
次回もお楽しみに!感想と評価、その他作品もよろしくお願いします!!
感想こそ我が励み。モチベーションが上がって作品を作る意欲が湧いてくるので、よろしくお願いします!!