ドラえもん のび太の新魔界大冒険~絆の戦士と7人の魔法使い~ 通常形式版 作:憲彦
「のび太くんの様子はどう?」
「傷は回復したけど、まだ熱が下がらないわ……」
帰らずの原でガルベロスを倒し、その後襲ってきたメフィストを新たな力で撃退したのび太だったが、戦いの中で深いダメージを負い、いまだ目覚めなかった。出来杉の魔法で少し回復したとは言え、それは表面上の傷。体の深い部分にあるダメージや疲れは取り去れなかったのだ。今はテントを張って、中で美夜子がのび太の看病をしている。
「仕方無い……今夜はここでキャンプか……」
「でも、ここにはあのハイエナ擬きがいるんだぜ?」
「武器があるとは言え、流石に危険だよ」
「ちゃんと考えてあるから」
ドラえもんのキャンプと言う言葉に、ジャイアンとスネ夫が少し不安を覚えたて。確かにここに長くいるのは安全ではない。それにそろそろ日が暮れてしまう。そうなってしまえば益々危険だ。だが、ドラえもんはポケットを漁ってテープの様な道具を取り出した。
「空間ひん曲げテープ~!!」
「なにそれ?」
「これは、空間をひん曲げるための道具なんだ」
「どうやって使うんだ?」
「ある程度の長さに伸ばしてから切り離す。そして両端をくっ付けて輪っかを作る。それを周りにばらまくだけ。さ、水を汲みに行ってる出来杉と静香ちゃんを呼びながらまきに行くよ」
そう説明すると、ドラえもんはポケットから更に2つ取り出してジャイアンとスネ夫に渡す。後は近くの川に行った出来杉と静香を回収しながら辺りにばらまき始めた。
「これでどれくらい持つんだ?」
「ん~……まぁ今夜一晩くらいなら問題ないよ」
ジャイアンが疑問に思ったことを聞くと、不安そうではあるがドラえもんが答えた。確かにばらまいた量的に一晩は持つかもしれんが、数が多ければ突破されてしまう。テントに入って全員少し休むが、のび太が目を覚ますまでは気は抜けないだろう。
翌日。
「うん~……ハッ!?イテテテテ!」
日が出始めた頃に、のび太が目を覚ました。飛び跳ねる様に起きたので、傷に障ったのだろう。胸を押さえて踞ってしまった。だが、すぐに痛みも引いてきた。
「体は大丈夫かい?」
「出来杉……うん。だいぶ迷惑をかけたみたいだね」
「まさか。いつも君には助けられっぱなしだよ。これくらいで迷惑なんて、誰も思わないさ。……早く皆を起こそう。出発の準備だ」
「分かった」
のび太は服を着ると、出来杉と一緒に眠っている皆を起こす。その後は軽く朝食を腹に詰め込んで、テントをしまい飛んでいった。ガルベロスを倒したかお陰か、スムーズに通ることが出来た。出られない理由はガルベロス以外にもあると思ったが、運の良いことに今回は遭遇しなかったようだ。3時間程飛ぶと、野原の景色から森の景色へと変わった。
「どうやら、帰らずの原は抜けられたみたいね」
「じゃあ、ここから魔獣の森に入るの?」
「えぇ。余計な戦闘は避けたいから、一気に突き抜けましょう!」
ドラえもんと美夜子が確認する様に会話をしていた。美夜子としてはこのまま森を突き抜けたい様だが、ここで1つ問題が発生した。
「わっ!?」
スネ夫のタケコプターに異常が出てきたのだ。そしてそれだけではなく
「わぁ!?」
「ノワァァ!?」
静香とジャイアンのタケコプターにも立て続けに異常が発生したのだ。そろそろタケコプターが限界だったのだろう。
「一旦降りよう!これ以上は危険だ!」
全員着陸すると、ドラえもんがポケットからドライバーを出してタケコプターを調べてみた。
「どう?直りそう?」
「……ダメだ。変な環境で連続運転したから、モーターもバッテリーも逝かれちゃったよ……。とほほ……」
お手上げ。とのび太達に伝えた。タイム風呂敷は使えないかとのび太に言われたが、あれでは時間が戻りすぎてしまう。その為、パーツは新しくなるが組み立て作業をやらなくてはならなくなる。それ専用の工具もない為、ここでその手段は不可能だろう。
「じゃあ歩くっての!?」
「そう言うこと」
タケコプターとドライバーをポケットにしまうと、全員で大人しく凸凹道を歩き始めた。恐らく悪魔たちが普段使っている道なのだろう。狭い一本道だが、ドラゴンの足跡らしきものが残っている。
「美夜子さん。どのくらいでこの森を抜けるの?」
「魔界歴程には、そんなに広い森とは書かれてないけど……」
広い広くないの感覚は、人によって変わってくる。ナルニアデスにとっては大して広くない森でも、のび太にとってもそれは広くない。と言うわけではない。常人の感覚で行けば、ここは普通に広い森だ。しかも凸凹。普通の道を歩くよりも体力が持っていかれる。
その時だった。のび太達の頭上を、巨大な虫の様なビーストが飛んでいったのだ。そのビーストが飛ぶときに動かす羽の風圧で、少し飛ばされそうになる。ソイツは自分の巣らしき場所に降りると、口から大量の骨を吐き出し、爪で歯の間に挟まった物を取っていた。
「アイツ、この森の魔獣を食べてるのか!?」
「ッ!……ギャァァア!!」
大人しく観察していたのび太達だったが、ビーストに気付かれてしまったようだ。雄叫びを上げでのび太達に襲い掛かる。
「ハァァア!!」
のび太はエボルトラスターを引き抜き、ウルトラマンになると、真っ先にビーストを吹っ飛ばした。出来杉、ジャイアン、スネ夫もディバイトランチャーをそれぞれ構え、のび太を援護しようとした。
「ハァ!!テェヤ!!」
「ギャァァア!!」
「ハァ!デヤァ!」
動きが鈍重のため、アンファンスの状態でも軽く避けることが出来る。そして、のび太自身が強くなっているため、ダメージも着々と与えることが出来ている。
「ハァァ……デヤァ!!」
のび太はビーストを両腕で持ち上げると、全力で投げ飛ばした。更にダメージを与えるために、近付いていく。だが、
「ウワァ!?ウォォォォオ!!グワァ!?」
ビーストの尻尾に付いている顎に足を挟まれ、投げ飛ばされてしまった。更に倒れたのび太を、全体重で抑え込んだのだ。
「アイツ、尻尾にも顎が付いてるぞ!?」
「クソ!のび太から離れろ!!」
ディバイトランチャーを発車して攻撃を入れる。だが、
「何て硬さだ!?全然攻撃が効かない!?」
皮膚が硬すぎて、出来杉達の攻撃ではダメージを与えることは出来なかった。
「虚仮威し手投げ弾!!えぇい!!」
「ギャァァア!!」
ドラえもんが全力で虚仮威し手投げ弾をビーストの顔付近に投げると、突然の閃光と爆音に驚いてのび太から離れた。すぐにのび太は立ち上がったが、正気を取り戻したビーストの巨大な尻尾に吹っ飛ばされた。
「グワァァァ!!!」
再び倒れてしまった。そして、腕を伸ばして爪を突き刺そうとした。
「グッ!?……ウワァァァァ!!」
避けきる事が出来ず、のび太の太股に突き刺さる。ビーストが爪を引き抜くと、傷口から血のように光が吹き出した。
「グッ!ハッ!?」
「ギャァァア!!」
光その物はすぐに収まったが、この攻撃が効くと分かったのか、再び爪を突き刺そうとしてきた。だが、
「そこだ!!」
出来杉がディバイトランチャーを撃ち込んだのだ。すると、さっきは怯みもしなかった攻撃の筈だが、ダメージを受けたのだ。
「間接だ!間接を狙うんだ!!」
「「よし!!」」
「ギャァァア!!」
出来杉の指示通り、ジャイアンとスネ夫も間接を狙って攻撃を始めた。すると、やはりそこは大して硬くないのか、着実にダメージを与えていった。
「ハァ……デヤァ!!」
のび太は何とか立ち上り、ビーストを蹴飛ばして距離を取るとジュネッスブルーに変身。負傷した脚をスピードでフォローしながら攻撃を与えていく。勝ち目が無いと思ったのか、ビーストは羽を広げて逃げようとする。が、
「ハァァ……ディヤ!!」
「ギャァァア!!」
クロスレイ・シュトロームで羽が破壊されて落ちた。すると今度は土を掘って逃げようとする。
「セヤァ!ハァ!!」
セービングビュートをビーストの体に巻き付け、地面から引きずり出して投げ飛ばす。
「ハァァ…………セヤァ!」
ビーストが動けなくなったところに、アローレイ・シュトロームを撃ち込み粉砕した。だが、すぐに膝を付いてしまい、元の姿へと戻っていく。
「ハァ、ハァ、倒せた……」
大量の汗を流し、肩で息をしている。ゆっくりと立ち上がろうとするも、太股からは大量の血が流れ出ている。歩くことはおろか、立つことも出来ない。ドラえもん達が来るまで動けなかった。
「のび太くん!?大丈夫なの!?」
「ちょっとキツいかな?でも、これで先に進めるね」
「そんなことは良いから!早く傷を!!」
出来杉が傷を見ると、すぐに治癒魔法をかけて傷を塞ごうとした。傷口は徐々に塞がっていき、歩ける程度までには回復させることが出来た。まだ痛みが残るようなので、一応ドラえもんがお医者さんカバンを使って最終手当てをする。
のび太の治療が終わると、一刻も早くこの森を抜け出し、魔王の城に入るために進み始めた。
しばらく森を歩くと、ようやく抜けることが出来た。そして、目の前には魔王の城も確認することが出来る。
「城まで近づいたは良いけど……これじゃ入るのは無理だよ」
「なら、穴を掘って行こう!モグラ手袋~!!」
スネ夫が心配そうに言うと、ドラえもんがモグラ手袋を取り出して、穴を堀始めた。
「OK!皆ついてきて!!」
ドラえもんの言葉に、全員穴の中に入り進んでいく。ドラえもんは美夜子に誘導されながら、穴を掘り進めて行く。
「左に1.5°修正して」
「了解」
こんな調子で進んでいくのだが、当然ドラえもんの体力は尽きてしまう。
「もう無理……ジャイアンよろしく」
と言うわけで、モグラ手袋をジャイアンに渡してバトンタッチ。
「よし!全速力だ!!」
そう言いながら、とんでもないスピードで進みだした。途中、何度か巨大な貝の化石や恐竜の化石にぶつかって驚くことがあったが、何度か進むことが出来た。
「右に1°……いや左に3°……ストップ!」
ドラえもんの言葉に、ジャイアンは急停止。後ろにいた全員が前の人にぶつかって倒れた。
「急に止まらないでよ!」
「しー。ちょうどここが真下だ」
ポケットからスパイ衛星のモニターを取り出して、映像を映し出した。
「地球人は今だ見付かりません。恐らく、絨毯と一緒に燃え尽きたのかと……」
「少しは骨のある奴等だな」
デマオンが手を前に出すと、魔力の波を打ち出した。
パキッ!
その波に当てられたスパイ衛星は、粉々に砕かれてしまった。
「これは……」
「少しは私を楽しませてくれるようだ。フハハハハハ!アハハハハハハ!!!」
スパイ衛星の映像は、そこで途切れてしまった。が、倒すべき魔王の姿をとらえることが出来た。
「あれが、大魔王デマオン……」
のび太が呟くと、美夜子は魔界歴程を広げた。
「ヤツを倒す方法はただ1つ。心臓に銀のダーツを撃ち込むのよ。1人2本ずつ持って」
ダーツが描かれている部分を軽く叩くと、ダーツが浮き上がり、それぞれの前に2本ずつ止まった。
「そうだ。月光灯も渡しておこう。それと、盲点星~!効き目長持ち安心バージョン!!」
「なにその星?」
「これを着けると、相手の盲点に入るんだ」
「盲点?」
「ようは、見えなくなるってこと」
ドラえもんが実際に盲点星を着けると、本当に姿が消えたように見えなくなってしまった。それを見て、のび太達も盲点星を取って自分に着け、城への潜入を始めた。
さてと。そろそろコラボですね。一体どんな活躍をしてくれるのでしょうか?まぁ、あと2話目くらいですね。
それじゃあ後書きコーナー!今日紹介するヒミツ道具は!!
ドラえもん
「盲点星~!!」
出来杉
「盲点星は、着けると自分が相手の盲点に入る道具です。ですので、実際に姿が消えてる訳ではなく、単に目に見えないだけです。今回は効き目長持ち版なので、かなりの時間姿を消すことが出来ますね!」
そしてもう1つ!
のび太
「バグバズン!」
今日登場した昆虫型のビースト。強靭な皮膚と爪を持っており、その爪はウルトラマンをも貫くことが出来る。器用に歯の間に挟まった肉片やゴミなどを取り除く為に使うこともしばしばあるようです。
じゃあ次回予告!!
美夜子
「大魔王デマオン!地球侵略を諦めて、今すぐ引き返しなさい!!」
デマオン
「それは出来ん。地球は我々悪魔族が何千年も前から目を着けていた星。諦めるには実に惜しい」
???
「やはり。限界が近かったようだな」
静香
「何で……ここに、地球人がいるの……?!」
???
「その体で、一体どこまで持つかな?なぁ、ウルトラマン」
出来杉
「次回 大魔王。のび太くん。何があっても、諦めずに進んでくれ」
のび太/出来杉/ドラえもん
「次回もよろしくね!!!」
次回もお楽しみに!感想と評価、その他作品もよろしくお願いします!!
感想ください(切実に)笑