ドラえもん のび太の新魔界大冒険~絆の戦士と7人の魔法使い~ 通常形式版 作:憲彦
のび太が溝呂木と協力し、3つ星悪魔の変身したダークメフィストツヴァイと戦い始めたころ、悪魔族の殲滅に向かったドラえもん達はと言うと、
「スネ夫!ジャンジャン撃って良いんだな?!」
「勿論!でもちゃんと狙いは着けてくれよ!!」
「ヨッシャア!」
ジャイアンとスネ夫と言うチート2人のお陰で、数では押されているものの、劣勢と言う訳ではなかった。むしろ悪魔族を徐々に追い詰めていっている。
「チィ!星よ!雷となれ!!」
なんとしてもドラえもん達を止めようとするデマオンは、その辺にある星々に魔法をかけてドラえもん達を襲わせる。それに合わせるかのように、ドラゴンに乗った悪魔達も光線やドラゴンの炎でドラえもん達を攻撃する。絨毯の上では、出来杉と静香がスネ夫の作ったディバイトランチャーで迫ってくる星を砕き、ドラえもんとドラミ、美夜子の3人は悪魔やドラゴンを直接攻撃する。
「邪魔だ!!チンカラホイ!!!」
4発のミサイルを悪魔に向けて撃つと、魔法をかけて数を増やした。4の4乗だ。
「スゴいね!どこで覚えたの?その魔法!」
「野球の時に使ってたヤツの応用だ!」
野球の時に使ってたヤツとは、ピッチャーが投球したときにボールを増やすアレだ。どうやら幻覚や残像と言う訳ではなく、実体があり本体と同じものを増やす魔法の様だ。しかし、不利な状況でもなく、多くの敵を倒したと言っても、悪魔はまだまだ無数にいる。囲まれるのも時間の問題だろう。
「このままでは囲まれる!!?」
どうやら予想していた事態が発生したようだ。絨毯を操縦している満月牧師がいち速くそれに気づいた。だが、囲まれそうになったその時だ。
「シュワ!!」
ウルトラマンに変身したのび太が、光弾を放ちながらドラえもん達の元へ到着したのだ。
「のび太くん!?」
「無事だったか!!」
のび太の登場に、全員安堵の表情を浮かべた。
「ッ!?皆避けて!!」
だが、それはスネ夫の一言で恐怖に凍てついた表情に早変わりする。絨毯に向かって悪魔達の攻撃が飛んできたのだ。それを見たのび太は、絨毯と攻撃の間に入り込んで、悪魔達の攻撃をアームドネクサスで受け止める。
「ハァァァ……シュア!!」
受け止めた攻撃を浄化し、自分の攻撃として悪魔達に打ち返したのだ。その予想外で反則級の攻撃に対し、悪魔達はなす統べなく消されていった。
『早く!デマオンの心臓に向かうんだ!!』
「うん!分かった!!ジャイアン!スネ夫!」
「了解!ジャイアン!道作って!!」
「おう!ウルティメイトバニッシャー、シュート!!」
正に阿吽の呼吸。無駄な動きが一切無い行動で、あっという間に目的地である魔王の心臓までの一本道が完成した。その道が塞がる前に、フルスピードで突っ込んでいく。
「奴らはどこへ…………はっ!まさか!……奴らを行かせるな!!」
ドラえもん達の目的に気付き、手下を向かわせるが時すでに遅し。悪魔達の乗っているドラゴンでは、ドラえもん達のスピードに着いていくことが出来ない。
「これが……デマオンの心臓……」
「よせ!止めろぉぉぉ!!!」
ドラえもん達の目の前にある心臓は余りにも巨大だ。魔界星から見える月なだけの事はある。その大きさに、一堂圧倒され息を飲む。だが、モタモタしている暇はない。
「さぁ早く!銀のダーツを!!」
「出来杉さん!頼んだわよ!」
「うん!……エェイ!!」
「止めろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
美夜子の言葉に正気を取り戻し、出来杉が銀のダーツを手に取り振りかぶる。デマオンが遠くから止めろと言ってくるが、そんなものは耳に入らない。全力で肩を降り下ろし、銀のダーツを放った。
「ビックライト~!!」
「おまけだ!これも食らえ!!」
「シュワ!」
ドラミが銀のダーツをビックライトで巨大化。それに合わせてジャイアンがウルティメイトバニッシャー、そしてのび太がアローレイ・シュトロームを心臓に向かって放った。とんでもないオーバーキルだ。
「クアァァァァァァァ!!!!!」
デマオンの悲鳴が聞こえた。心臓は動きを止め、鮮やかだった赤が霞んだ色に変わっていく。そして形を崩しながら魔界星へと向かって落ちていった。それを呆然と見ていた悪魔族達は、心臓が星に衝突した時の衝撃に飲み込まれて消滅していく。ドラえもん達も巻き添えを食らいそうになったが、のび太がサークルシールドを展開して守ってくれた。完全に消え失せ、しばしの静寂の後、
「勝った……」
美夜子がそう呟いた。その声を聞き、続ける様にドラえもん達も喜びの声を上げた。
「やった……やったー!!!」
「これで地球は救われた!!!」
「僕たちの勝ちだぁぁぁぁ!!!」
「ヨッシャァァァァ!!!」
地球を救えたことに大きな喜びを覚え、全員で大声を上げて喜んだ。のび太もウルトラマンのままではあるが、どこか安心したような顔をしている。しかし、そこに不吉な笑い声が響き渡り、喜びの声は一気に止まった。
「フハハハハ…………時は満ちた。全ては我が手の平の上……」
その不気味な声に、全員辺りを見回して探す。そして見付けた。死んだデマオンの体を。声はそこから出ているようだ。
「まさか……まだ生きてるのか…………」
「そんな?!銀のダーツを撃ち込んだのに!?」
「そうだよ!約束が違う!!」
焦りと恐怖が全身を支配する。体に嫌な汗が伝う。息は荒くなり、心臓はバクバクと破裂しそうなくらいに音を鳴らしている。
「フハハハハ!!!復活の時だ!!!!」
ゆっくりと体を起し、待ち望んでいた時が来たと叫ぶと、魔界星があった場所に闇が集り、デマオンの体に注がれていった。やがてそれは闇の球体となり、デマオンを包み込んでいく。中ではデマオンの体が変化していくのを辛うじて確認することが出来る。そして、闇が晴れると、そこにいたのはデマオンではなく、黒い体に赤い目に身体中に血管の様な赤いラインが走っており、胸にはウルトラマンと同じくY字のエナジーコアがある姿になっていた。
「「「「「ッ!?」」」」」
『感謝するぞ地球人……あの星を破壊してくれたお陰で、予定よりも早く復活することが出来た』
『お前は……!?』
その場にいた全員の体が震える。精神が勝てないと判断したのではない。体が、本能が先に気づいたのだ。目の前にいる存在には、どう足掻いても勝てないと言うことに。それはウルトラマンになってあるのび太も同じだ。それほどまでに、目の前にいる存在が強大で強力で兇悪な力を持っていると言うことを、感覚と体で理解したのだ。ドラえもん達が黒い巨人に臆していると、巨人は大人しく地球に向けて手をかざす。
『地球に1体のビーストを送り込んだ。今のお前に倒せるか?ウルトラマン……』
『ッ!?』
その言葉に、のび太は脇目も振らずに地球に向かって全力で飛んでいった。その後を追うように、スネ夫は全員を戦闘機に乗せて地球へと向かっていく。
その頃地球は、と言うよりススキヶ腹は、台風による人的被害が出る前に最寄りの避難所へ逃げるようにと避難勧告が出ていた。沢山の人が大荷物を抱えながら避難所へ向かっていく。
「こんなときにどこに行ったのよ!あの3人は!!」
「落ち着きなよ。ドラえもんも居るんだ。きっと大丈夫だよ」
避難しながら、玉子とのび助の2人は居なくなったのび太達3人の心配をしていた。その他にも、静香や出来杉、ジャイアンにスネ夫の両親も自分達の子供を心配している。そんな中だ。空に穴のような物が広がり、中から1体の怪獣がでてきた。それを見た市民は、一瞬固まったが、怪獣が出す咆哮と身体中から放射する光線で町を破壊していく様子を目の当たりにして、悲鳴をあげながら逃げ惑った。完全にパニック状態だ。このままでは避難所に着く前に全滅しかねない。
「ちょっ!退きなさい!!」
「早く進みなさいよ!!」
「邪魔だ!!」
「退け退け!!」
こう言う緊急時ほど人間の本質が現れると言うが、それは本当のようで、目の前の恐怖に刈られて我先にと無理矢理進み始めるものが出てきた。子供や年寄りを蹴飛ばしたりはね除けたり、体の弱い人を置いて逃げていく。
「大丈夫ですか!?」
「これは大変だ!僕がおぶっていきます。さぁ早く背中へ!」
めのまえでそんなことが起きて、倒れてしまった老人を玉子とのび助が助けにはいる。近くにいた各々の子供達の親も、同様にそんな人たちを助けながら前へと進んでいく。だが、怪獣の放った光線が近くの建物に当たり、その破片がのび助たち目掛けて飛んできた。
「ッ!?」
反射的におぶっていた老人と玉子を守ろうと、体勢を変えて抱え込む様にする。だが、いつまで経っても自分に物が当たる感じはない。恐る恐る目を開けると、そこにはマゼンタ色の体をした顔がバーコードの様な物で覆われている誰かに助けられた。
「怪我はありませんか?」
「え、えぇ……」
「早く逃げてください。ここからなら避難所よりも裏山の方が早い。山頂まで行けば暫くは安全です。早くそこへ向かってください。他の人にも伝えて」
「は、はい……分かりました……」
『ATTACKRIDOE INVISIBLE』
伝えることを伝えると、カードをベルトに差し込んで消えてしまった。そして全員、裏山方向へと向かって避難をしていく。その直後、ウルトラマンが到着して怪獣を蹴り飛ばした。
(アイツは……)
(知ってるの?)
(イズマエル……全てのビーストの集合した姿。とでも言えばいいか……)
ウルトラマンの言うように、ビーストの体の各部位にはビーストの一部がくっついていた。のび太が見たことあるやつも居れば、無いのも存在する。のび太は逃げている人を確認すると、少しでも距離を離して時間を稼ごうと、イズマエルを押してその場から離そうとした。だが、パワーが自分とは段違いだ。押し負けて巨大な爪に吹っ飛ばされてしまった。だがそれでもすぐに立ち上がって飛び付いていく。その直後にドラえもん達も地球に到着。のび太の援護を始める。
「フッ!ハァア!!」
背後からドラえもん達が攻撃したお陰で、一瞬イズマエルが怯んだ。そして巨大な腕を抑え込み、胴体に蹴りを入れてダメージを与える。しかし、
「グワアァァァァ!!!」
腕から赤いガスの様なものを噴射し、それをのび太に吸い込ませて苦しめる。突然来た予想外の攻撃に怯み、攻撃を受けて倒れそうになるが、何とな体勢を立て直して蹴り飛ばす。だが今度は肩から放たれた電撃を受けて、ブッ飛ばされてしまった。すぐに立ち上りイズマエルを見据えるが、全身から放たれる電撃や光線を受けて倒れてしまう。踏みつけようとイズマエルが迫ってくるが、スネ夫の適格な援護のお陰で逃げることが出来た。少し距離を取ってパーティクルフェザーで牽制。一気に間合いを詰めて攻撃するも、全て防がれた上に攻撃を食らい倒れてしまった。起き上がろうと腕に力を入れるが、全く入らずに起き上がることが出来なかった。イズマエルはそれを見て、のび太に興味が無くなったのか、すぐに町の破壊に行動を変えてしまった。
「のび太……」
「のび太くん……」
「のび太さん……」
全く動かなくなったのび太をみて、上空にいたドラえもん達の戦意も削がれていった。なにもすることが出来なくなり、ただ見ているしか出来なくなった。
「ふぅ……ハァァア……下を向くな!!前を向け!!戦いはまだ!終ってないぞぉぉぉ!!!君達はまだ負けてない!!立ち上がれ!!ウルトラマン!!!」
全員が諦めようとしていたその時だ。近くの高い建物の屋上から、突然激励の声が飛んできた。それは魔界星でのび太達の手助けをしてくれたディケイドだ。
(そうだ。まだだ、まだ終われない……まだ終ってない!!まだ希望は無くなってない!まだ、光は消えてない!!!)
ディケイドの言葉を聞き、自らの言葉で自身を奮い立たせて再び立ち上がった。
「ハァァァ……シュァア!!」
いつでも動けるように構えを取り、イズマエルを見る。すると突然、スネ夫の声がのび太の頭に響いてきた。
「のび太聞こえるか?次にアイツが攻撃を出したら、思いっきり上に跳べ。僕たちが攻撃を入れる。その後にお前はトドメを刺せ!」
その言葉にゆっくりと頷く。そしてのび太は走りだし、イズマエルまでの距離を詰める。イズマエルはそれを見ると全身から光線を出して止めようとするが、当たる直前で上に跳んでかわした。そこにスネ夫たちが放った大量のミサイルがイズマエルを襲い、ダメージを与える。がら空きになった体に、のび太が狙いを付けてトドメを刺そうとする。
「ハァァァ……セアァァァァァア!!!」
アローレイ・シュトロームと似ているが少し違う。放たれた光の矢も、不死鳥の様な形状で飛んでいく。アローレイ・シュトロームの進化、オーバーアローレイ・シュトロームだ。それを受けると、イズマエルは倒れて爆発した。のび太は地上に着地した後に立ち上がろうとするが、すぐに膝を着いてしまった。疲労とダメージがそろそろ限界なのだろう。変身を解いて元の姿に戻ろうとした。だが、
『イズマエルだけで十分かと思ったが、意外と粘るな……次はオレガ相手だ。……ダークザギがな』
「ッ!?」
次回予告
ザギ
「これで、これでようやく俺は、俺自身になれた!!」
美夜子
「何とかしてウルトラマンを、のび太さんを蘇らせないと!!」
出来杉
「方法が見付かってないだけで、まだあるかもしれない!それを確かめるまで、僕らは諦めない!!」
ザギ
「何故だ?!何故俺はお前に勝てない!!?」
???
「居場所が、生きる意味が欲しいなら、俺がなってやる……だから、俺と一緒に来い。ザギ」
???
「終わりだ。全てな。ハハハハハハ!!!」
出来杉
「次回 絆-NEXUS-どんなものにも希望の光を灯す。それが僕たちのやるべきことだ!」
ドラえもん/のび太/出来杉
「次回もよろしくね!!!」
次回もお楽しみに!感想と評価、その他作品もよろしくお願いします!!