ドラえもん のび太の新魔界大冒険~絆の戦士と7人の魔法使い~ 通常形式版   作:憲彦

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前作にはないオリジナル回ですね。今回でΔデルタさんのディケイドなのび太君の登場はラストです。今思えば、脇役的な感じでちょいちょい出る感じにしたのに後悔しています。が、今更後悔した所で仕方無い!そう言う事で本編スタート!!


最強VS最凶

「ウオオオアアアアアア!!!」

 

「グッ!ハァァア!!」

 

 全てのビーストとザギを吸収して、新たな闇の巨人となった存在。目の前でザギが吸収されていく様子を見ていることしか出来なかったウルトラマンは、相手への憎しみと自身への怒りから、街の破壊とかを顧みずに怒り任せの攻撃をした。体から溢れ出るエネルギーの嵐が建物を破壊し、拳から放たれる衝撃波が地面を抉る。完全に前が見えなくなっている状況だ。

 

「怒ってる……のか?ウルトラマンが」

 

「ウルトラマンでも、コントロールすることの出来ない激しい怒り……」

 

 余りにも凄絶な戦いを目の当たりにして、見ていた者は動けなくなってしまう。戦いの影響で、地球が、宇宙が、世界その物が震えている。そんな感じさえする。怒りと言うものが爆発的なエネルギーを生み出し、それがウルトラマンさえも狂わせてる。怒りは誰をも狂わせる。だが、目の前の現状は、人間の語るそれとは比にならない。

 

「みんな!ここに居ちゃ危険だ!僕らも裏山へ避難しよう!」

 

 巻き込まれると判断したドラえもんが、素早くどこでもドアを取り出して裏山に繋げる。そして全員を潜らせて山頂付近の開けた場所から様子を伺っている。

 

「のび太さん……もう、私たちにできる事はないの?」

 

「美夜子……」

 

 チェスターは完全に故障。修理しなければ動ける筈がない。ディバイトランチャーでは単にウルトラマンとのび太を刺激するだけ。事態を悪化させる事は容易に想像が付くが、改善されると言うイメージが全く出てこない。

 

「ウワアアアアアア!!ハァア!!!」

 

「グオッ!?クッ…良いぞ。もっとだ。もっと怒れ!ハハハハハ!!」

 

「黙れぇぇぇ!!!ゼェヤァア!!」

 

「ハハハハハ。良いぞ!怒りに全てを任せろ!自分の守ろうとした大切なものを、全てその手でバラバラに砕いてしまえ!!」

 

「ウオオオオオ!!!」

 

 ウルトラマンの攻撃は益々勢いを増してくる。中にいるのび太も完全に怒りに飲み込まれている様だ。攻撃を緩めようとする動きが全く見られない。光線も全く威力をセーブしておらず、発射の衝撃で周りの物が消え失せていく。この影響で更に街は破壊され、化け物の言う通り自分自身の手で守ろうとした物を破壊しているのだ。

 

「……これは不味いな」

 

 全員が避難した街中で、1人だけはウルトラマンの戦いを冷静に見ている人影が1つ。のび太達を度々助けていたディケイドと名乗っていた人だ。ただ1人、この男だけは冷静な目で戦いを観察しているのだ。この様子だけでも、只者ではない事がよく分かる。

 

『FINAL ATTACK RIDOE DEDEDE DECADE』

 

「テェヤ!!」

 

「グワァ!?」

 

「ん?誰だ?」

 

 黄色いカードをベルトに入れると、完全に怒り狂ってるウルトラマン目掛けて攻撃を叩き込んだ。化け物はすぐに攻撃の出所に目を向けるが、そこには既に誰もいなかった。攻撃をしたディケイドはと言うと、

 

「ちょっとお邪魔するよ」

 

「ッ!?君は、あのときの。何で?」

 

「見てられなくてね。冷静になりなよ。ほら」

 

 ディケイドが指を指すと、ザギを吸収した化け物の動きがおかしくなっていた。何かを押さえ付けているような動きをしている。ウルトラマンの力を使って、相手の深層心理を覗いてみた。

 

『ワン。貴様、何故?!』

 

『まだ意識があったか。あぁその名前はもう捨てた。ダークルシフェル。それが新たな俺の名前だ』

 

『そんな事はどうでも良い!お前はあの時、ノアに殺された筈だ!なのに何故!この世界ではお前の存在は確認できなかった!何故存在しているんだ!?』

 

『あぁそうか。お前は別世界で俺が倒されたあと、そのまま消滅したと思ってたのか。だが残念だったな。俺はずっと生きてたのさ。お前の中でな』

 

『なんだと?』

 

『力の大部分を失ったノアの力を取り戻させるために俺を地球に送り込んこんだ。それよりも前にお前は地球人に乗り移っていた様だがな。その後、お前は幾つもの保険をかけて自分の体を取り戻すための計画を進めてた。だが、保険をかけるのはお前だけだと思ったか?』

 

『っ!?』

 

 ルシフェルの話を聞いて、ザギは背筋が凍るような感覚に襲われてしまった。ザギが以前いた世界では、戦うごとにウルトラマンが力を取り戻すことに気付いたザギは、ザ・ワンを送り込んで自分の体を取り戻すための計画をスタート。しかし気付かれてしまっては意味がない。その為いくつもの保険をかけて自分の正体を隠した。ファウストやメフィストにビーストの支配権を与えて自分が攻撃を受けたりして時を待っていた。

 

 だが、それはワンも同じだったのだ。自分が倒されたとき、いずれ自分が復活して全ての頂点に立つためにザギの体内に自分の一部を埋めておいた。ザギ本人が気付かないレベルの小さい細胞をだ。この世界に来る前の世界で闇の収集やビーストをウルトラマンに差し向けること、イズマエルと言うビーストの集合体を作ると言うこと。この世界でも似たような事をやるとをワンは確信していたのだ。

 

『気付かなかったのか?お前がこの世界に来てからの計画はどこか単調なものだと。闇の塊みたいな魔界星でレーテを作って、態々大量の闇を貯蔵して、メフィストやファウストを作って。あれは全部俺の計画さ。この姿を手に入れる為のな。まぁ、もっともこの世界限定だけどな。魔界星が破壊されて更に膨大な闇が集まるのも俺の計画の内さ』

 

『まさか……そんな…………』

 

『長かったぞ?この姿を手に入れるまでな。お前は前の世界で体を取り戻すまでに28年かかった。だが俺はそこから更に時間を置いた。完全にこの姿になるためにな。じゃ、話は終りだ。アイツらにも見られたからな』

 

 その言葉を最後に、深層心理を覗けなくなり、ルシフェルの意識が表に戻ってきた。

 

「ほら。君たちが助けようとした存在はまだ生きてる。早く助けてあげな」

 

「本当に何者なんだ?」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えなくていい。この世界での僕の役目は、君たちの手助けをすることだったみたいだね。じゃ、これで失礼するよ」

 

 そう言ってディケイドは灰色のオーロラの中に消えていった。その後、のび太はルシフェルに目を向ける。ルシフェルもノアを倒すために構えをとっている。

 

「妙な奴のせいで怒りを抑え込んだか。まぁ良い。ハァア!」

 

「グッ!ハァッ!」

 

「チィ!ォラア!!」

 

 拳を放つが、ノアに受け止められ逆に蹴り飛ばされた。だが距離を離されると同時に光弾を放つ。それに合わせるようにノアも光弾を放って相殺する。

 

「ハァア!!」

 

「グワアッ!!」

 

「さてと。お前も吸収して―ッ!?」

 

「ザギを返して貰うぞ。ハァア!!!」

 

「ウガッ!?」

 

 エナジーコアがある辺りに腕を突っ込んだ。だが腕は背中の方に突き抜けている訳ではない。ザギがいる、ルシフェルのエネルギーの根幹となる部分に腕を入れているのだ。

 

「グッ!このままお前を吸収してやる!!」

 

 飲み込まれそうになるが、踏ん張って吸収されないようにする。そして腕を動かして中からザギを探している。

 

「ンッ!グッ!…どこだ!どこにいる!?ザギィィィ!!」

 

「無駄だッ!?」

 

『の、ノア……』

 

「ッ!?見付けた!!デェヤアァァァ!!!」

 

「ウオッア!?」

 

『守ると決めた!助けると決めた!僕は絶対に、約束は破らない!!』

 

 ザギが意識を取り戻し、ノアの腕を掴んだ。掴まれたことを感じると、ノアは全力でザギを闇の中から引き摺り出した。エナジーコアを砕かれ、目から光が消えているが、ザギを助け出すことができたのだ。

 

「グッ!ウァ……!貴様ぁぁ!!」

 

 

 体を維持するにもギリギリの状態だが、ルシフェルはノア目掛けて光弾を放つ。完全に背後から攻撃した。だがそれはノアに当たらず、握り潰された。

 

「ハァァァァ……ハァ!」

 

「グワァ!?ウワァァァァァ!!!」

 

 炎をまとった拳、ノアインフェルノでルシフェルは成層圏まで殴り飛ばされてさはまった。そして時間を置かずにルシフェルに7色の光線を放つ。ルシフェルは体勢を立て直すことすらできずに光線を受けてしまい、体が粉々に破壊されてしまった。これでは再生も不可能だろう。

 

「……ザギ」

 

 動かないザギ。その横に立ち屈むと、右腕を空に向けて突き上げる。そして全身の力を放出する。すると時間が巻き戻っていき、太陽と月が何度も入れ替わる。すると、破壊された筈の街が元に戻り、ザギの体も元の状態に戻っていた。

 

「っん?ノア……」

 

 声を発するザギに、ノアはなにも言わずに首を縦に振った。これでこの世界の事件が全て終わったのだ。この様子に、裏山に避難していたドラえもん達が終ったことを察したのか、箒や絨毯に乗ってウルトラマンの元へと駆け付けていった。

 

「おーい!!のび太君!!」

 

「のび太さーん!!」

 

「のーび太ぁぁぁ!!!」

 

 それを見ると、ノアはエナジーコアに手を当てて、のび太を外に出した。

 

『ありがとう。お前達のお陰で、ザギを倒す以外の方法を取ることができた。本当に感謝している』

 

 ノアからの感謝の言葉に、一同照れ臭そうな動きをしている。だが、満更でもない様子だ。

 

『のび太、お前の体はまだ不安定な状態だ。俺の力を少し置いていった。その力はお前の好きに使って構わない。だが、人を守るために使って欲しい』

 

「うん。ありがとう。ウルトラマン。その約束は必ず守るよ」

 

 のび太の言葉に頷くと、ノアはザギを連れて宇宙へと飛んでいった。宇宙に出てすぐに月の横を通るのだが、ザギが少しノアを止めた。

 

「少し待ってろ」

 

「ん?」

 

 ザギが月に向かって手をかざすと、徐々に月に光が灯っていき、再び光輝いた。

 

「俺にだってこれくらいはできる」

 

「そうか」

 

 その言葉を最後に、2人は宇宙の彼方へと飛び去っていった。




のび太
「そう言えば、何でディケイドな僕をコラボで出すって決めたとき、コラボ用のストーリー作らずにそのまま本編に出したの?」

いや~ね、最初はオリジナルのコラボ用シナリオでも作って、そこで思いっきり絡ませようと思ったんだけど、よくよく考えたら作れない事に気付いてね。だから本編で絡ませたんだよ。

出来杉
「登場回数が少なかったり、ちょいちょいしか出なかったのは?」

あの世界でののび太の個人的なイメージだけど、よくあるヒーロー物の様に表に出て戦うって言うよりも、影に紛れて暗躍しながら世界を守るって言う感じに思えたからだよ。

本来のドラえもんの映画では、この小説の様にのび太とドラえもん、そしてその仲間達が協力して事件を解決させてるけど、仮面冒険記では事件や戦いこそは表だって起きてるけど、解決までの道のりは暗躍に近い感じがしたんだ。まぁ口で説明するより実際に読んで貰った方が早いんだけど。

そう言う感じの、今までのヒーロー物とは違う感じがあるから、何度読んでも面白く感じで好きな作品の1つになったんだよね。今も劇場版やってて新宇宙開拓史で話が進んで行ってるんだ。やっぱり何度読んでも面白くて先が読めなくてで、毎日更新を楽しみに待ってるよ。

ドラえもん
「こっちの世界ののび太君も、仮面冒険記の世界に行く予定はあるの?」

あるよ。コラボをお願いした時は、この世界ののび太が仮面冒険記の世界でディケイドのび太とコラボする話になったんだけど、俺が無理言ってこっちでディケイドのび太を出させて貰ったんだ。こっちの世界で面識があって、協力した事があるなら仮面冒険記の世界で喧嘩ルートを回避できるし。まず喧嘩をしたら100%こっちが負ける……一応、こっちでもオリジナルカード出したかったんだけど、無駄に設定を設けるよりも仮面冒険記の世界でしっかりと組まれた設定の上でカートが出る方が良いかと思ったから、こっちでは必要以上にコラボ時の設定を設けてないよ。それじゃあ次回予告!!

美夜子
「のび太さん、もう一度、一緒に空を飛んでくれないかな?」

のび太
「うん。構わないよ」

ドラえもん
「あれは、夢だったのかな?」

ジャイアン
「のび太!早くこい!お前が来ないと始まんないだろ!!」

ドラえもん
「やっぱり、こっちの世界にも影響が出たか」

出来杉
「次回 その後。世界が変わっても、僕たちの絆は変わらない」

次回もお楽しみに!感想や評価もよろしくお願いします!!

※ザギのいた前の世界は、ネクサス本編の世界の事です。
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