ドラえもん のび太の新魔界大冒険~絆の戦士と7人の魔法使い~ 通常形式版   作:憲彦

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これで本編最終回ですね。……ノアとザギの日常茶番劇はどうするべきか……前作の台本形式のままで良いような気もするんですよね~。暇だったら書きます。


その後

 魔法世界最大の事件。魔界星の接近と光の巨人と闇の巨人の激しい戦い。その戦いが終結してから数週間後。

 

「うわぁ~あ……よく寝た」

 

 戦いが終わってからのび太達はすぐに科学の世界には帰らずに、魔法の世界に残って出来る範囲で復興活動の手伝いをしていた。だがそれも今日で終わり。3人が本来いた科学の世界に帰るのだ。その前に、満月牧師と美夜子の教会の修繕を手伝う。

 

「行ってきま~す!」

 

 服を着替えるとエボルトラスターを片手に持ち、全速力で教会まで飛んでいった。ドラえもんとドラミは既に出発しているようだ。と言うことはいつもの寝坊だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう皆!」

 

 元気よく教会の庭に降りて、皆に挨拶をするのだが、既に全員揃って少し作業を始めていた。

 

「遅いぞ!もう!」

 

「たま寝坊だろ」

 

 ドラえもんには小言を言われジャイアンには笑われ、全員も苦笑いを浮かべているが、のび太も作業を開始した。

 

「瓦礫を集めて」

 

「その上から、タイム風呂敷~!!」

 

 ドラえもんとドラミが何かの破片を集めて、その上からタイム風呂敷をかけて復元作業をしていた。

 

「なにしてるの?」

 

 静香が不思議そうに見ていると、徐々にタイム風呂敷の中が膨らんできて、瓦礫が元の形へと戻っていく。そしてドラえもんが勢いよく風呂敷を取ると、中にはギムに破壊された門番がいた。

 

「!?…!……?」

 

 言葉は話せないが、なんとなく仕草から言いたいことが分かる。自分に何が起こったのか把握しきれていないようだ。だが性能が良いためか、数分で状況を飲み込むことができた。

 

 そして教会の方では、

 

「のび太!出来杉!行くぞ!!」

 

「そぉれ!!」

 

 教会の屋根部分に上っているのび太と出来杉に、ジャイアンとスネ夫が煉瓦を送りつけていた。

 

「「おっとと!!……と」」

 

 結構な勢いで飛ばした様で、受け取るときに体勢を崩してしまった。だが、なんとか受け取れたようだ。

 

「ハハハ。随分とコントロールが上手くなったじゃないか」

 

「「イェイ!!」」

 

 煉瓦を飛ばすジャイアンとスネ夫の2人を見ていた満月牧師は、この数日で物体浮遊術のコントロールが格段に上がった2人を誉めていた。そして2人も、嬉しそうにしながらVサインを見せた。この光景は微笑ましいものだ。

 

「全く……勢い付けすぎだよ」

 

「そんなこと言っても、しっかり受け止めてるじゃん」

 

 屋根の上でのび太がそんなことを言っていたが、特に問題は無いようだ。出来杉の言うように上手く受け止めているからだ。

 

「そりゃ取れない訳じゃないからさ。あ、煉瓦を無くなった」

 

「僕もだ」

 

「ジャイアンスネ夫!煉瓦もっとちょうだい!」

 

「はいよー!」

 

「しっかり受け止めろよ!!」

 

「「少しは勢いを考えろ!!」」

 

 また勢いを付けて飛ばすつもりの2人に、のび太と出来杉が2人同時に勢いを考えろとツッコミを入れた。が、効率が良いので特に勢いを落とすことはしなかった。笑いながら上に飛ばしている。

 

「「はぁ……」」

 

 2人でため息を吐きながら、煉瓦を受け止めて修理に使っている。のび太は兎も角、出来杉も人間を外れてきている気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして作業は続き、時間的にはお昼になった。

 

「皆、作業をやめて休憩にしよう。ここまで修復すればもう大丈夫だ」

 

「「「「「「は~い!」」」」」」

 

 満月牧師の言葉に一同作業をやめて休憩に入った。そしてちょうど昼飯時と言うのもあり、ドラえもんが広い場所にグルメテーブルかけをひいた。それぞれ周りに座って、食べたいものを食べている。

 

「皆、味はどう?」

 

「「最高!」」

 

「とっても美味しいわ!」

 

「俺お代り!!」

 

 全員味には満足しているようだ。ジャイアンだけは大量にお代わりを頼み、次々と食べ物が胃袋へと吸い込まれていく。そして数十分後。ジャイアンも腹が満足したのか、食事の時間が終わった。

 

「腹も膨れたし、出来杉!魔法の練習しようぜ!」

 

「良いね」

 

「あ!僕もやる!」

 

 ジャイアン、出来杉、スネ夫の3人は、食後の運動に魔法の練習をするようだ。余っている煉瓦を使って、いくつ積み上げられるかと言うシンプルな物だ。だが、魔力のコントロールにはもってこい。満月牧師が直々に教えてくれた練習方法だ。

 

「僕は少し散歩に行ってくるよ」

 

 そう言ってのび太は森の中に入ってく。その少し後に、美夜子も少し歩いてくると言い残して森の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 森の中には湖があり、そこにのび太は寝転んでいた。この森は初めてビーストに襲われた森だが、その時の不気味な全く無く、落ち着いた綺麗な森に姿を戻していた。

 

「ここに居たんだ」

 

「美夜子さん」

 

 美夜子がのび太を見付けると、その隣に腰を下ろした。そして、ずっと疑問に思ってる事を聞いてみた。

 

「ドラちゃんもドラミちゃんものび太さんも不思議な魔法を使うわね。一体どこで覚えたの?」

 

「…あれは魔法じゃなくて科学なんだ。僕たちは魔法世界の人じゃなくて、元々は科学世界の人なんだ」

 

「そうなんだ。なんで魔法の世界に来たの?」

 

 答えるべきか一瞬戸惑った。だが、のび太は包み隠さず真実を美夜子に語った。その答えには余り驚いた様な素振りは見せず、すぐにもう1つの質問をした。

 

「魔法ならいろんな事が簡単にできると思ったんだ。でも、結局なにも変わらなかったよ。科学か魔法かってだけで、他はなんにも変わらなかったよ」

 

「そうなんだ」

 

「今日はこのあと科学の世界に帰るつもりだよ。だから、今日で魔法世界の皆とはお別れになる」

 

 立ち上り、皆の場所に帰ろうとするのび太だが、美夜子が少し呼び止めた。

 

「ねぇのび太さん。もう一度、一緒に空を飛んでくれないかな?」

 

「良いよ。それくらいならお安いご用さ」

 

 そう言って、エボルトラスターを鞘から引き抜いてウルトラマンに変身した。

 

「ありがとう!少し待ってて。今絨毯を持ってくるから!」

 

 嬉しそうに声を上げて絨毯を持ってこようとする美夜子だが、ウルトラマンに変身したのび太は膝を着いて、美夜子に手を差し出した。

 

「乗れってこと?」

 

 そう聞くと、のび太は静かに頷いた。それを見て、美夜子は恐る恐る手の平に乗る。のび太は美夜子が乗ったのを確認すると、ゆっくりと立ち上がる。

 

「シュワ!!」

 

 顔を上に向けると、ゆっくりと空に向かって上昇して行く。

 

「うわぁ!スゴい!!」

 

 絨毯でもなかなか飛ばない高さから見る景色、全身で風邪を受けながら空を飛ぶ。絨毯とは全く違う気持ちよさが体に染み渡った。そのまましばらく町を飛んで、元の場所へと戻っていった。

 

 美夜子を地面に戻して変身を解くと、のび太は美夜子にあるものを渡した。それは、ネクサスのエナジーコアと同じ形をしたY字型の赤い鉱石だ。

 

「これは?」

 

「お守り……かな?この世界では、もうビーストは出てこないと言い切れない。そもそも、アイツらは人の恐怖とかを餌に増えてくる。ちょっとセンスはないけど、お守りとして持っててよ。あと、こっちの世界の僕とドラえもんもよろしくね」

 

「うん。この世界は必ず守るわ。のび太さんも頑張ってね。世界は違うけど、いつも応援してるから」

 

「その約束。必ず守りきるよ」

 

 それを伝えると、のび太は空を飛んで先に帰ろうとしていたドラえもん達と合流して帰っていった。

 

「のび太さん!……ありがとう」

 

 聞こえているかは定かではないが、美夜子は飛んでいるのび太たちに向かって、その言葉を伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジリリリリリ!ジリリリリリ!ジリリリリリ!

 

 部屋に戻ると、早速もしもボックスを使って科学の世界に戻した。

 

「ドラミ、もしもボックスありがとう」

 

「どういたしまして。それじゃ、私は未来に帰るわ!さようなら!!」

 

 ドラミが未来に帰ると、のび太とドラえもんは家を出て空き地へと向かっていった。そこではいつも通りにジャイアンが土管の上に座って、スネ夫と静香に話をしていた。

 

「何事も無かったみたいだね」

 

「あれは、夢だったのかな?……さぁ行こう!おーい!」

 

 ドラえもんがジャイアン達にむかって走り出すと、のび太もその後を走ろうとしたが、ふと上から視線を感じて見上げてみた。

 

「あ、」

 

 ウルトラマンが自分達を見てくれている。そんな気がしたのだ。そんなことを思っていた時だ。前方から声をかけられた。

 

「やぁ。のび太くん」

 

「出来杉……」

 

「もしかして、ウルトラマンでも見付けた?」

 

「え!?何でその事を!?」

 

 2人がそんな会話をしていると、空き地からジャイアンが大声で2人の事を呼んだ。

 

「のび太!!出来杉!!早くこい!お前らが来ないと始まんないだろ!!」

 

 のび太は急いで空き地に入り込んで、皆にウルトラマンの事を知っているのかと聞いた。

 

「よく分かんないけど、朝起きたらいろんな記憶が頭の中に入ってきたんだ」

 

「魔法世界の事やウルトラマンの事が頭の中に入ってきたの」

 

「最初は夢かと思ったんだけどよ、俺たち全員が同じ夢を見るなんてあり得ないからな。だから集まって話をしようと思ったんだよ」

 

「やっぱり、こっちの世界に戻した影響が出たか……」

 

 3人の説明を聞いてドラえもんが呟いたが、のび太もドラえもんもどこか嬉しそうな顔をしている。

 

 これが、のび太と7人の魔法使いの絆の物語。ザギの心の闇を打ち消し、真の悪を打ち倒した光の戦士の物語。




のび太
「いや~。終わった終わった」

ドラえもん
「前作には無かったストーリー、違う分岐、少し派手になったバトル」

出来杉
「目覚ましい。とまでは行かなくても、そこそこ進歩した物を作れたね」

最初は単に台本形式から通常形式にするだけの予定だったけど、やっぱ直した方が良いと思う部分が多かったからね。結果本編を全力で弄ったり、今回のオリジナルストーリー、ディケイドのび太とのコラボ。結果としては満足してるよ。

のび太
「ここまで読んでくれた読者の皆さんと、コラボをしてれたΔデルタさんに感謝だね!」

本当に、ありがとうございました。この場でお礼を申し上げます。

出来杉
「これでようやく、この物語は終りだね」

うん。魔法世界の物語は、これで終りだね。

のび太/出来杉/ドラえもん
「「「魔法世界の物語は?」」」

魔法世界の物語は確かに終わった。ドラミのもしもボックスで世界を元に戻したとき、科学の世界は科学の世界で、魔法の世界は魔法の世界でそれぞれの未来を過ごすことになる。

のび太
「じゃあ終わりで良いんじゃないの?」

でも、ウルトラマンとしてののび太の物語は、まだ終わらないよ。ようやくプロットを練ることができたよ。のび太最後の戦いの。それがこれだ!






のび太
「ん?なんだこれ?」

たった1つの小さな切っ掛け。それが、新たな冒険の幕開けだった。

出来杉
「何かの、リング?」

南極から流れ出した氷山の中で見付けたリング。その持ち主を探して、一同は南極へ。そこで見付けたのは、

スネ夫
「古代の遺跡?」

ジャイアン
「大発見じゃねーか!」

のび太
「街が凍ってる……」

氷の中で眠っていた謎の古代都市。

のび太
「君は一体……」

???
「ブリザーガが来る!早くこっちへ!!」

古代都市が目覚める時、氷の使者は力を取り戻し、

静香
「スノーボールアース?」

???
「奴らを目覚めさせてはいかん!」

全てが凍る。

ドラえもん
「のび太君!!!!!」

のび太
「ドラえもん!みんなを、頼んだよぉぉ!!!」

出来杉
「君はまだ彼に戦えって言うのか!?」

スネ夫
「じゃあそれ以外に方法があるのか!?あるなら言ってみろ!!この星を救うには、ウルトラマンの力が絶対に必要なんだ!!」

出来杉
「それがのび太君にとって最善の方法かどうかは考えたのか!?やっと普通の人間に戻れるんだ。普通の、僕らとなにも変わらない小学5年生に……なのに!!なんで力を取り戻させる事を!!」

スネ夫
「じゃあこの星が終わっても良いってのか!?」

出来杉
「ウルトラマンの力に頼らず地球を救う!それが僕ら人間のやるべき事だろ!!」

ジャイアン
「落ち着け2人とも!」

静香
「出来杉さんもスネ夫さんも冷静になって!!」

試される仲間達の絆と決意。それはどの未来を呼び寄せるのか。

『すまない。結局、俺は君を辛い戦いに赴かせてしまった。お前の中に力を残した俺の責任だ』

のび太
「構わないよ。コイツを倒して地球の未来を救う。それが僕の、ラストミッションなんだ!!」

出来杉
「のび太くぅぅぅん!!!」

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険~絆の戦士、最後の戦い~

出来杉
「そんなウソだろ……」

ドラえもん
「あぁ……のび太君?!」

彼に訪れる結末を、見逃すな。





出来杉
「これ、またやるやる詐欺じゃないよね……」

言ったでしょ。プロットは練り終わったって。近い内に書こうと思うよ。ただいつになるかは分からない!

のび太
「結局いつものやるやる詐欺じゃん!?初投稿から1年経ってるのに相も変わらず!?」

ドラえもん
「ちゃんと書くんだよね?」

書くから。安心しなよ。いつになるかは分からないけど、これはしっかりと書いて、ウルトラマンなのび太の物語を締め括るつもりです。

今後もよろしくお願いします!感想や評価もよろしくお願いします!!

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