【完結】 ─計算の果てに何があるか─   作:ロザミア

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明けましておめでとうございます!
ロザミアです。

そして、今回はとっっっっても短いです!

ではどうぞ。


日記1

・はじめに

 

この日記を読んでいるということは君はさぞかし暇なのか他人の思いを見るのが大好きに違いない。

それとも、ただ読者に徹したいが為か。

まあ、これはただの日記。

そこら辺にある自分のその日に起こったこと思ったことを正直に綴るだけの日記だ。

 

それでも見たいなら、好きにするといい。

 

 

○月○日 紫色の曇り

 

今日から日記をつけることにした。

暇だからという理由ではなく、単に昔こんなことがあったという事を懐かしみながら読みたいという未来への想いによる行為だ。

 

今日はフリージアとオーフィスの服を買いに行くことにして、二人の意見を聞きに行った。

二人とも特にこれといって欲しい服がないので、適当に見繕ってと言うので仮に外に出ても問題のない服を選りすぐった。

というのも、彼女達を外に出しては何をされるか分かった物でないしサーゼクスからもフリージアの事は口酸っぱく言われてるのでこうして俺が買いに行くわけだ。

 

店員からは白い目で見られてたので適当に親戚に贈る服と言っておいたら納得してくれた。

 

二人に渡したらとても嬉しそうにしてくれた。

笑顔でありがとうと言われたらこちらもまた嬉しくなる。

 

その後、暇になったので秘密兵器の開発に時間を費やした。

幸い、フリージアがオーフィスの面倒を見ると言ってくれたので個人の時間が多く取れる。

勿論オーフィス達との時間が少なくなるのは耐えがたいが……これからの事に備えるためだ、仕方ない。

 

数値にして55%といったところか。

これさえ出来れば後はもう試したりとかするだけなんだが、いかんせん追加機能に問題が生じる。

 

一体どうすれば……。

 

 

■月∀日 今日も曇り

 

体が重い。

今日は寝ていたい気分だ。

しかし、オーフィスが今日は俺に読んで欲しいと言うので眠い自分を叩き起こして付き合うことに。

 

あの子達を想えば、俺はまだまだ頑張れる。

 

 

☆月・日 天気を書くのはもうだるい

 

忙しくなって日記を書く暇が無かったせいで日にちが空いてしまった。

簡単に書くが、冥界復興がようやく区切りが付きそうな段階までいった。

サーゼクスとセラフォルーは現場監督を任されていた俺に感謝を述べてくれたが逆に俺の方が感謝すべきなのですると二人ともいやいやこちらの方がと譲らなかった。

アジュカ・ベルゼブブはこちらに中指立てながら感謝してきた。どうやら、悪魔の駒の批判が苛立ったらしい。

ファルビウム・アスモデウスに関しては気だるげにしているとしか言えない。

 

家族には働き詰めで心配されたが、何て事はないと答える。

これくらい、現代でもやってきたことだ。

 

寧ろ加害者が生物で安心すらしている。

天災なら本当に何も出来ないからな。

 

後は、個人の開発の方も問題を解決して完成に近づきつつある。

やり過ぎたとだけ言っておく。

これは世界の敵になる気かと怒られても仕方がない。

 

これは神器ではない。

 

これは地獄を生み出す可能性を持った兵器だ。

 

 

◇月▽日

 

困った。

悪魔の駒が完成してしまった。

アジュカはサーゼクスと共にすぐに実証をすると言って自分の眷属になってくれそうな者を探しに行ってしまった。

セラフォルーはとても困り顔をしていたが、大丈夫だろうか。

ファルビウム?あれは知らん。

 

悪魔の駒が現在の悪魔社会に適した物だと判断されれば一部の家に配布されることだろう。

……困った。

実に困った。

 

もし、もしフリージアがそれに巻き込まれでもしたら……

 

俺は自分を保てるか分からない。

 

もしかすれば

 

本当にアトラス院のズェピアの道を辿りかけるかもしれない。

 

 

・月"日

 

サーゼクスとアジュカが帰ってきた。

実証は成功したらしい。

その後、サーゼクスは妻のグレイフィアも自分の眷属にしたいと言っていた。

何でも、グレイフィアから言い出したらしく、成功すれば自分も眷属にしてほしいと頼んだそうな。

 

俺も何故か駒を渡されたが、どうすればいいんだ?

眷属なんて持っても面倒だし……

 

フリージアに一度聞いてみたが、やはり人として死にたいと言っていた。

 

人間が突然長く生きれる体になれば、きっとおかしくなる。

俺は、そう思う。

事実、型月世界でも人から人外になった奴は正気がおかしくなったりする奴が多い。

だから、フリージアがなりたくないと言ったときは心の底から安心した。

 

そうだ、それでいい。

君は、君のまま、人のままに死になさいとそう思いながら。

 

それと、開発の方は完成間近と言わせてもらおう。

完成した暁にはオーフィス達に時間を割くとしよう。

 

ああ、楽しみだ。

 

願わくば、このままの平和で────。

 

 

★月☆日

 

今日はいつものように過ごした。

開発の方に勤しみつつも家族と笑い合うような生活を過ごした。

 

…だが、今日は時折、フリージアが浮かない顔をする。

一体どうしたのだろうか?

悩み事でもあるのかと聞くと、すぐに何でもないと言ってはぐらかされた。

 

困った。

そうはぐらかされるとこちらは何も出来なくなる。

 

オーフィスも心配してたし、何かある前に早めに相談してくれと言えば、笑みを浮かべて頷いた。

 

……何だろうか?

外にはバレない範囲で出しているし、本人も不満そうにはしていなかった。

 

……駄目だな、分からない。

だが、早く打ち明けて欲しい。

俺が出来ることならば、何でもしよう。

家族が悩む姿はこちらも辛いものだから。

 

 

月 日

 

 

今日、フリージアが姿を消した。

 

 


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