お気に入りが40越えて感無量といった感じで書き上げました。
展開が早いかもですが、そこはお許しください。
後、ドライグ君がかませです。
……やあ、皆の衆。
俺だ、ワラキーだ。
…いや、守ると宣っておきながら守れていない大馬鹿者だ。
何故、テンションが低いのか?
ハハハ、まあ、説明するよ。
簡単だ、フリージアがいなくなった。
まさかと思って冥界中を探した。
居なかった、どこにも居なかった。
オーフィスも探してくれているが、未だ発見の報告はない。
何故だ、何故居なくなった?
生活に不満が?
いや、不満があれば逃げ出してもよかった筈だ。
彼女はそれが出来る人間だ。
…赤龍帝の役割を重視する気になったか?
違う、絶対に違う。
彼女は戦いを望まない人間だ。
……。
…………。
………………。
……ドライグか?
ドライグが、操っているという線は?
アルビオンと戦う為に操り人形にしている可能性は?
「─キ、キキ…」
可能性は、ある。
地上を旅していたときに怨念が人を操るという事例を何度も目撃した事がある。
それと同じ方法ならば?
─彼女はドライグに操られ、地上に行った可能性がある
─ドライグの目的は、アルビオン
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな。
あの子は戦いを望まなかった筈だ。
あの子はただ幸せに生活していたかった筈だ。
何故だ、何故そんな塵にも満たない運命に巻き込む?
「……オーフィス。」
俺はオーフィスへ通信を入れる。
すぐに返事が来る。
『ん、ズェピア?フリージア、見つけた?』
「地上にいる可能性の方が高い。今から私は向かうが君は?」
「行く。」
返事は通信からではなく、後ろからにした。
流石は無限の龍神。力だけでなく速さも末恐ろしい。
俺は『ある物』を懐へ仕舞ってからオーフィスと共に地上へ転移をする。
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─怖い。
目の前にいる龍が、私を睨む。
確か、私は……寝ていた筈だ。
気分が優れないからとズェピアに言って一人ベッドで寝ていた。
『おい、人間。何故戦いに身を投じない?』
赤い龍は私に疑問を投げ掛ける。
喋ろうにも、声がでない。
恐怖で震えてしまって、目の前の龍が私を殺そうとしているように見えて喋れない。
前までずっと会えたら文句を言ってやると思っていたのにいざ目の前に出るとなにも言葉を発することができない自分が、とても弱く感じた。
「ぁ、あ──」
『ふん、恐怖に支配されているのか。
やはり軟弱な人間だな。
まあ、いいだろう──』
何がいいのだろうか。
私が戦わなくてもいいということだろうか?
私が、平和に過ごしてもいいということだろうか?
しかし、目の前の龍はニヤリと笑いながら私を─
『代わりに、俺が貴様の体で戦ってやる。』
「え───」
─呑み込んだ。
ああ、熱い、熱い、熱い!
燃えたぎる炎の中に放り込まれたかのように私の精神を焼いてくる。
きっと私を殺して、体を乗っとる気なんだ。
─ああ……助けて…ズェピア。
全身を焼かれている私の意識はそこで途絶えた。
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オーフィスと共に空を飛びながらフリージアを探す。
もし白龍皇と出会ってしまえば殺されてしまう可能性が高い。
「……!ズェピア、ドライグの気配。」
「案内してくれ。」
オーフィスが先行して俺を案内してくれる。
……。
「オーフィス、白龍皇の気配は?」
「まだ遠く。でも、急いだ方がいい。」
「遠くか……くそ、何なら知らぬところで死んでしまっていればいいものを。」
今出せる最高速でフリージアの元へと急ぐ。
これで突如白龍皇にでも接触なんてことがあれば俺は対処しなくてはいけない。
困る、非常に困る。
フリージアを連れ戻せても彼女により強い恐怖が残ってしまうだろう。
それは回避しなくてはならない。
気配はしても大怪我をしてないとは限らない。
龍のオーラは厄介事を呼び寄せると聞く。
オーフィスが止まり、こちらを見ながら下へと指を指す。
「ズェピア、下にいる。アルビオン、まだ。」
「ああ、よかった……。」
下へ降りるとフリージアが静かに立っている。
「……ズェピア、ドライグの気配、濃い。」
「そうか…探したよフリージア。」
「……チッ、白いのより早くに見付かったか。」
普段より荒々しい口調でフリージアはこちらを見る。
「吸血鬼、貴様のせいでこの人間は白いのとの戦いが遅れた。」
「おや?君の宿命には宿主は付き合わないと言っていたが?元々、彼女の命は彼女のものだ。
平穏に生きようとするのを戦いに追いやるなど私にはとてもとても。」
俺は苛立ちながら口を開いたフリージア…ドライグに正論をぶつける。
何が宿命だ、お前の遊戯に付き合うこちらの身にもなれというものだ。
「そんなもの、俺らの戦いを邪魔したのが悪い。
お前らさえこちらを邪魔せずに勝手に滅んでいればこの娘もこうはならなかったろうよ。」
「それで人類も巻き添えを食らえば本末転倒だよドライグ。君のそれはただ舞台を終わらせたくない子供の我儘に過ぎない。
それに、君達は三勢力にやられずとも他の神話体系にやられていたろうさ。
それほど、君達は邪魔でしかなかった。
分かるだろう?君達が弱者を殺すように、世界も君達を殺しただけだ。
それが真実だよドライグ。」
「貴様……俺を弱者と同列に扱う気か!!」
「おや?他の種族に寄生してまで宿命の相手と殺し合いを続けたいなど我儘が過ぎると言っただけだが?
ああ、そうだったね、今の君はとても弱かったなこれは失敬。」
ドライグは煽りに耐えきれなかったのか俺に向かって殴りかかってきた。
オーフィスが止めようとしたが俺はそれを手で制止して
からこちらへ来る拳を壊れない程度に手に力を入れて受け止める。
これは俺が招いた結果でもある。
煽るだけ煽ってさっさとご退場願おう。
「かの二天龍も、所詮は依存しなければ生きれない存在に成り下がった。
それでは私を越えることは愚か白龍皇に呆れながら殺される事だろう。」
「チィ……!やはり宿主が雑魚ではどうにもならんか!」
「雑魚とは酷いな、心優しいと言ってくれないか?
君は少々、強さで物事を考えるようだ。
流石は龍だよ。
これからの時代で遅れていくその思考、私は褒め称えたいね。」
「貴様ァ……!!」
おお、怖い怖い。
怒りの表情で俺にラッシュを仕掛けてくる。
倍加したのか先程よりかは力が上がっている。
……まあ、生娘の体にしては、が付くが。
俺はそれを後ろに下がりながら体を反らしたりして避ける。
「……ふむ、もういいかな。」
俺はドライグの後ろへと転移して首筋へとエーテライトを刺す。
まずは体の自由を奪うとしよう。
「なっ、くそ、体が……貴様、何をした!」
「対処しただけだが?さて、君にはさっさとご退場願おう。そうだな、期間は……この子が死ぬまで。」
「まさか、く、動け、動け!」
口だけは動くので焦りながら何とかその状態から抜け出そうとしているが無駄無駄。
脳に信号を送り返せる位になってから出直してもらおう。
俺は脳へとある命令を送る。
するとドライグはピタリと止まってから糸の切れた人形のように首を垂れる。
よし、エーテライトはもう抜いていいかな。
「ズェピア、フリージア戻ってくる?」
「そうなるようにしたから、大丈夫だと思いたいがね。」
「……ん、ここは……」
「ズェピア、フリージア目を覚ました。」
「そのようだね。やあ、気分はどうかなフリージア。」
「ズェピア……?それにオーフィス…あれ、私、なんで?
さっきまで、あの龍に呑み込まれて、それで、燃やされて……!」
「落ち着きなさい。もう大丈夫だから。」
だんだんと思い出してきたのか体と声を震わせるフリージアを抱きしめ、落ち着かせる。
オーフィスも不安そうにしている。
……チッ、あの赤い蜥蜴が。
「ぁぁ…もう、平気?呑まれたりしない?」
「ああ、もうないとも。すまなかった、君の異常に気付けなかった私の責任だ。
許してくれ。」
「……ううん、ズェピアは悪くない、私が悪いの。
抗えなかった私が……オーフィスも心配かけてごめんね。」
「…ん、心配した。でも、もう安心。」
「うん……。」
「さ、帰ろうか。」
「うん…。」
立てるか不安だったが普通に立てたので、すぐに転移───
「……オーフィス、すまないが、フリージアを連れて先に行っててくれないかな。」
「……分かった。」
「え、ズェピアは──」
「ではまた後で。」
俺はフリージアの喋っている途中で二人を我が家へ転移させる。
何故俺も転移しなかったのかと言うと……
「おいおい、何で逃がしちまったんだよ。」
「いやすまないね。あの子は私の家族でね、危険な男に会わせるわけにはいかないだろ?」
この飛んできた男に会うために転移しなかった訳だ。
丁度いい、白龍皇にも話をつけようじゃないか。
「だが、アイツは赤龍帝だろう?なら、白龍皇の俺と戦うのが運命って奴だと思うがね。」
黒髪長身の男は俺に好戦的な笑みを向ける。
チッ、そういう類いの人間はもう少し後の奴で十分なんだがな。
「そのような運命、私は認めるつもりはないよ。
ところでだが、この際、もうあの子に関わるのはやめてくれないかな白龍皇。
私としてもあの子としても、もう二天龍関連は勘弁したいモノでね。」
「なら、俺を殺すことだな。
俺はようやくこれ程の力を得れたんだ。
それを使わないなんて勿体無いだろう?
俺は戦いたいんだよ、強さを競うとかじゃない。
ただ純粋に楽しみたいんだよ、戦いを!」
「その手の戦闘狂は私達にではなく他の神話に向けるべきだと思うがね。」
「そこは、アルビオンがうるさくてよ。
赤いのとの長きに渡る決着をってな。
正直俺にとってはどうでもいいんだが、使ってる力の大元の頼みだしな。
片付けてからやろうかと思ってたんだが……保護者の方が強そうだな?」
「いやいや、私は全く強くないとも。
君と戦うより読書をしている方が有意義だ。
そんなか弱い舞台監督気取りと戦いたいと?」
露骨すぎると思ったろうが、乗ってくれたら俺としては嬉しいね。
何故って……ほら、ウチの子を怯えさせるゴミ屑を消せるでしょ?
殺しに対する恐怖とか、そういうのはもうとっくに耐性付いてるんだよ。
家族を失うよりも怖いのか?んな訳ないでしょ?
向こうから関わらなくなるならそれでいいけどこいつは
またやってくるかもしれない。
なら、こいつは邪魔だ。
家族に害をなすなら、全部邪魔者だ。
「そういう奴ほど強いって相場は決まってるだろ。
なあ、アンタも本当は戦いたいんだろ?
だから露骨に誘ってきやがる。
構えろよ、保護者さん!
お前を殺したら次は赤龍帝だ!」
……堂々と宣言しちゃってまぁ。
まあ、確認は取ったからな。
逃げなかったアンタが悪い。
「そうか……非常に残念だ。
関わらないという選択肢はないということかね。
逃げないということかね。
ああ、仕方がない。
こんな所を劇場にするなど舞台監督として三流もいいところだが役者からの希望に応えるのもたまには一興というもの。
さぁ──」
辺りが暗くなる。
空が夜へと変わっていく。
本当はこんな事しなくてもいいんだが、冥土の土産というヤツだ。
少し、やる気を出して殺すとしよう。
そして、空が赤く染まり───
「─虚言の夜を始めよう!」
─舞台は幕を開ける。
はい、次回はついに戦闘です。
上手く書けるかは分かりませんが、頑張ります。
何故急に夜になったかというと特典の改造版タタリにあります。
まだ説明できませんが。
後、感想をくれると嬉しいです。
やる気が上がります……