お気に入りが60越えてて緊張と感謝のあまり投稿しました。
今回はちょっとした日常回です。
やあ、皆の衆。
俺だよ、家族団欒を全力で楽しんでいるワラキーだ。
最近少し寒くなってきた気がするんだが、冥界にも季節はあるのだろうか。
冬服を買い揃えるべきかな。
主にオーフィスとフリージアの。
俺?俺は寒くても死にはしないから平気平気。
現在、三人でババ抜きをしているんだが、これまた難航してる。
ババは持ってないんだが、残り二枚のところでストップしてるんだ。
キングのカードを取れればなぁ…。
「うぅ、また違うの来た……」
「……。」
「ハハハ、簡単に来ては面白くないだろう?」
ババが誰かは分かりきってるんだが……中々移動しない。
もうカード違うの入ってるんじゃと思うくらい進まない。
…色々と動きを見てなのだが、フリージアからまったくババが動かないのだ。
フリージアは先程から位置を変えまくってるのに俺が1つも引かない。
「ズェピアの番だよ。」
さて、俺の番か。
……左か、右か。
さて、どうしたものかな。
「悩んでるね、怖いのかなぁ?」
「そろそろ上がりたいのは私も同じでね。真剣に選ばせてもらおう。
……これだ。」
左のカードを取る。
…へぇ!なるほどなぁ!
「上がりだ。」
「えぇ!?」
「……!フリージア、サシでの、勝負!」
「ハハハ、存分に争いたまえ!ハハハ!」
「くぅ…1抜けしたからって調子に乗って……!
運が良いところを見せてやるんだから!」
「ん、負けない。ビリは罰ゲームがある…ズェピアの罰ゲーム、恐ろしい。」
「無限の龍神に恐れられる罰ゲームって一体…?」
「激辛麻婆豆腐だが?」
「よし、全力で勝つわ、覚悟しなさいオーフィス。」
……そんなに辛いかなぁ?
俺だけ死徒で痛みに耐性があって脳への負担を感じにくいから例外とか?
いや、分からんけど。
あれ美味いんだけどなぁ。
オーフィスが食べた瞬間汗がぶわっと出て若干表情崩しながら水を飲んでたけど……そんなか?
わかんねぇなぁ。
あー、ダージリンうめぇ。
決して俺は「こんな格言を知ってる?」なんて言わないし戦車に乗ったりしないからな?これ紅茶だからな?
あのアニメ面白かったけどさ。
「アーーッ!!?」
「…我の勝ち。」
「何で、何で右側取らないのよぉ…凄い突きだして置いたのに!」
「いや、それは露骨すぎないか?」
「フリージア、顔に出やすい。」
「え、うそっ」
「本当、この前、大富豪でもにやつき凄かった。」
「ああ、あの革命をフリージアが出したと思ったら私が革命返ししてオーフィスがこちらを二度見してきた時か。」
あれは酷かった。
たまたま揃ってた状態で革命されたらそりゃ返したくもなるよ。
ならない?
あれだ、ロイヤルストレートフラッシュ決めた気分になるよ、革命返し。
そうできるもんじゃないし。
ま、それは置いといて……さてさて、フリージアはどんな反応をするかなぁ?
「フリージア、罰ゲームの時間だよ。」
「ねぇ、その、食べなきゃダメ?激辛麻婆豆腐…。」
「ならばトマト25個を休まずに食べて貰うしか……」
「何やってるのよ、さっさと麻婆持ってきなさいよ!」
「清々しい程の拒否反応どうもありがとう。」
「フリージアはトマト、嫌い。我は好き。」
オーフィスは何でも食べるいい子なんだが、フリージアは唯一トマトが嫌いなんだよな。
この前もこっそり混ぜたのに気付いて逃げ出したし。
そう好き嫌いがあると後々困るぞ。
これから家庭を持つかもしれないんだから。
……ん?家庭を持つって事は彼氏を連れてくる?
彼氏を連れてくるってことは俺は父親として面会しなければならない?
面会しなければならないってことは……
「フリージア、お父さんは許さないからね。」
「何を!?」
「私の基準以上の能力がなければ付き合うことすら許さないからな!」
「オーフィス、ズェピアが急におかしくなったんだけど……」
「稀によくある。」
「それ言葉として成立してない……。」
「具体的には魔王二人以上の実力と家事全般出来るのと収入のいい仕事を持っていて尚且つ素晴らしい感性と性格を持ってないと認めない。」
「ハードル高すぎるよ!何でいきなり彼氏の基準語りだしたの!?」
「…脳内で暴走が起こっただけだよ。取り乱してすまない。何だったか、ああ、そうそう麻婆豆腐だったね。」
「そこは忘れてて欲しかったかな……」
ふぅ、やっちまった。
しかし、俺ってこんなに親バカだったかな?
うーむ、前世は家庭を持ってなかったからよく分からないけど、多分娘をもつ父親の気分はこんなだな。
……あれ、前にもこんな気分になってなかったか俺?
まあ、いいか。
そんなこんなで麻婆豆腐作るで。
勿論アツアツで食べてほしいしね!
どんな顔になるのか楽しみだぜ!
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皆、まず聞いてくれ。
結論から言おう、フリージアは辛さに負けた。
んで、倒れてベッドへと運んで寝かせてる。
「ズェピア、ドヤ顔しない。」
「おっと、すまない。フリージアは平気かね?」
「辛いのはやめてって魘されてる。」
「……今度から自重しよう。」
「もう遅い。」
くっ、やり過ぎたか…魘されるくらいってどんだけだよ。
…おっと、もういいかな。
「……さて、オーフィス。」
「なに?」
「君から見て、『コレ』はどう思う?」
「……!これは…」
俺は懐からある物を取り出してテーブルの上に置く。
それを見たオーフィスは目を見開いた。
お、珍しい反応。
まあ、仕方無いか。
これが効かない奴は宇宙に居るか居ないかだろう。
過大評価し過ぎか?
「ズェピア、これ、作った?」
「そうだとも。元の物をより強力にしたのがコレだ。
そうだな、試したことはないが、君にも効くんじゃないか?」
「……危険物。」
「私がそんな誰彼構わずこんな取り返しのつかない物を使うとでも?」
「ない。でも、盗まれたりでもしたら…」
「私以外では使えないようにしてる。
パスワードを付けるのは当たり前だろう?」
「なら、安心?」
そう首をかしげながら聞いてくるオーフィスに俺は頷く。
少し悩むような表情だが、所持自体は許してくれるらしい。
オーフィスが拒むなら遠慮なく壊したが許可してくれて良かった。
「いつか、君の願いを叶えるのに必要となるかもしれない。
保険として、対グレートレッド用の武器として。」
「そう。…ありがとう。」
「感謝される程ではないよ。錬金術師として造りたいものを造った。それが偶然後の展開に必要になりそうだった。それだけだよ。」
「……そう。」
「急ぐことはない。いつか終わる日々ではあるがそこにあるのには変わらない。
君はまだ、未来の事を気にしないで過ごしていいんだよ。
まだ、家族と楽しんでいいんだよ。」
「うん、そうする。」
……シリアスにしそうになるのが俺の悪い癖だな。
それとなく言おうとしてるのにちょいと引っ張られる。
おかしいな、俺はコレについて話したかっただけなんだけどなぁ。
ま、いっか。
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そういえば、皆に言ってなかった事があったぜ。
実は二人には内緒で探してる神器があるんだ。
というより、神滅具かな。
名前なんだったかな……そうそう、『魔獣創造』だっけ。
昔友人が言ってたなって思い出して探してる。
効果はその名の通り、魔獣を作り出すというもの。
んで、閃いたのよ。
魔獣創造が手に入ったら護衛造れてより事故が起こりにくくなるじゃん。
……更に閃いたのが、改造版タタリとの相性の良さだ。
これが出来れば擬似的にネロ・カオスとかの死徒も再現できるというヤツよ。
ん?あれだけ人間云々言ってたのにお前はやるのかって?
おいおい、俺は好き勝手やるって言ったと思うけども。
寧ろ、やらない手はない。
俺だって元人間、やりたいものはやりたいのよ。
まあ、見つかってないから何ともならんのだが…
んー、どうしたもんかな。
安全な神器の抜き出しのやり方でも考えとくかな。
皆も、思い付いたら即行動だぜ。
手遅れになるまえにやるんだぜ。
魔獣創造とタタリってちょっと似てません?
ほら、具現化の辺り。
ワラキーが何したいかについてですが…
用は、魔獣創造で命と型を作ってそれにデータを入れるわけです。
それで出来上がるのが、本物より少し劣るか同じくらいかのキャラですね。
ちゃんと人外キャラにしますよ、えぇ。