【完結】 ─計算の果てに何があるか─   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

キアラピックアップに若干ガッカリしてます。
いやまあ、分かってましたけど……

これは強化クエストに期待するかな……

青王の強化はよ。


ピクニックだが、俺は森で熊さんとあった記憶しかない。

やあ、皆の衆。

俺だ、ワラキーだ。

 

皆さんはピクニックというのを楽しんだ経験はあるだろうか?

学校の行事、家族または友人と等々の理由で行くであろうピクニックだ。

 

俺?俺はあまりないよ。

何せそんなに行った記憶がないからね。

 

そうだよ、友人は皆俺と同じインドア派だったんだよ!

 

だって、外で遊ぶより中でゲームしたり談義してた方が楽しかったんだもん!

 

…ま、ここまで言えば&前回を見てくれた汝らには全て

分かることだ。

そう、地上を散歩もといピクニックに来てます。

 

家族で!

 

家族で!(いい笑顔)

 

大事な事なので2回言いました。

あまりなかったフリージアのお願いを断るなんて儂に出来るだろうか?いやできない(反語)

 

「ズェピア、楽しそう?」

 

「オーフィス、これを楽しまないでどうするのかね。

娘の頼みだよ、サーゼクスを殴ってでも仕事をキャンセルしたとも。」

 

「……それは、ダメだと思う。」

 

「む、そうか……ならば、後で謝罪の気持ち10%で謝ろう。」

 

「100%にしなさいよ……」

 

家族に呆れられてるが、そんなの関係ないね。

俺には家族以上の宝は無いからね!

 

『ズェピア!?何をいってるんだ!困ると言ってるだろ!』

 

と言ってくる友人を自分達の問題だろ!自分で何とかしろ!と無茶振りをして俺は逃走した。

 

完璧な説得だ、まるで無駄(しか)なし!

 

 

 

…正直な話、この企画には感謝が絶えない。

何故なら、俺が元は一人の人間であったから。

こうして地上を誰かと歩くなんてなかった。

人なら当たり前の事なのに、地上を見て歩き、冥界に住み家族を得たのに今までそんな事したことがなかった。

前世では出来たことが、今世では出来ていなかったのだ。

 

だったら、休日のどこかで二人を連れて歩けばよかっただろって話なんだが、これまた俺は難儀な人間でね。

ぶっちゃけると怖かった。

また何かあったらと、また救うのが遅れたらと。

何度も誰にも打ち明けないで苦悩していた。

 

守ると誓って、はたして俺はそれが出来ているのか?

否、断じて否である。

前回のアレで守れたというのなら、俺はそれに甘んじているだけだといえるだろう。

例えこの体がワラキアの夜、死徒二十七祖だとしても。

この精神だけは人なのだ。

俺はどちらにも成りきれない中途半端な存在なんだ。

 

いっそ、化け物にでもなれたら、こう悩むことはないだろう。

だが、代わりにこの陽射しのように暖かい日々は過ごせなかったろう。

いっそ、人にでもなれたら、悩み続けてでも前を向いて歩けたろう。

だが、代わりに嵐のように劇的な日々を過ごせなかったろう。

 

どちらもを過ごしたいという我が儘。

願ってもなれなかった妄想。

 

それを手にした途端、この無様。

 

全く、俺はダメだなぁ。

この子達が居ないと、俺は本当にダメな男だ。

 

「─ありがとう、二人とも。」

 

「また感謝の言葉?昨日何度も言ってたじゃない。

さすがに聞き飽きたわ。」

 

「……ズェピア、しつこい。」

 

「いや、違うんだ。違くはないが、違うんだよ。」

 

自分でも、何を言ってるのだろうと思う。

突然、感謝を口にして、それは昨日何度も言った言葉で。

でもそれは昨日とは別の意味を込めていて。

 

言葉遊びをしたい訳じゃない。

意味を理解してと強要してる訳じゃない。

 

ただ、何物にも代えがたい時間を貰ったから。

 

前を踏み出せる自信を持てる何かを貰ったから。

 

だから、ありがとう。

 

俺はたった一言にそれを込めたのだ。

 

「今日は一段と、変なズェピアね。ね、オーフィス。」

 

「ん、ズェピアは毎回変。」

 

「君達中々酷いことを言うな……。」

 

「それだけ、色々してるじゃない。」

 

「それを言われると、何とも言えないのだがね。」

 

「じゃあ、これから変じゃないって思われることをしてね。」

 

「例えば?」

 

「んー…分からないかな。」

 

「何だねそれは。

自分で言っておいて分からないとは。」

 

「我も、分からない。」

 

時折、フリージアは難しい事を言う。

生きた年数も、経験も俺の方が多いと言うのに俺にはそれが分からなかった。

 

「私はズェピアじゃないから、私がこうすべきって言ってもそれが正解じゃないかもしれないから。

そういうのはズェピア本人が見付けてってこと。」

 

「それはまた難しい事を言う。」

 

「フリージアは、そういうのをしてる?」

 

「私にも分からないかな。

変かな、自分自身の事なのに分からないって。」

 

「そうでもない、私もたまに自分の事で疑問に思うところがある。

それと同じで君が君の事を分からないのは普通だと思うがね。」

 

オーフィスは俺の言葉にうんうんと頷く。

彼女も自分の感情が分からなかった時期があるからこそ分かるのだろう。

 

しかし、自分で変じゃないと思えることを、か。

 

今後の課題だな。

 

「まあ、この話は終わりにして、散歩を楽しもう。

どうかね?久し振りの地上の外は。」

 

「心地いいわ、冥界は太陽がなくて、少し暗いから。」

 

「我は、眠くなる。」

 

「ハハハ、まるで猫だなオーフィス。」

 

「む、我は龍。」

 

「分かっているとも。だが、自由でいて陽射しの下では眠くなるなど猫という表現が一番と思ってね。」

 

「むー……。」

 

拗ねてしまった。

後で好きな食べ物を作ってご機嫌とりをしないといけないな。

 

「帰ったら好きなものを作る。それで機嫌を直してはくれまいか?」

 

「…ん、許す。」

 

「単純だなぁ……。」

 

「それほど、純粋であるということだよ。」

 

帰ったら何を俺に作らせるか考えているオーフィスの頭を撫でながら微笑む。

 

人間、か。

そうだよな、限りある命だからこそ、決意を堅く出来るのかもしれない。

 

永く生きすぎると思考が腐るらしいし。

 

「しかし、それにしても少し肌寒い。」

 

「そう?私はあまり寒くはないけど…歳なんじゃない?」

 

「我、平気。」

 

「……そんなに老人に見えるかね?」

 

「ううん、普通に整った顔だと思うけど?

吸血鬼も老いることあるの?」

 

「私もそこまでは詳しくないから何とも言えないが…

吸血鬼が見た目的に成長するのは幅があるんじゃないだろうか。」

 

「じゃあ、子供みたいな顔つきから老人みたいな顔つきまであるのね。

不思議ね~……。」

 

「オーフィスは何にでもなれるがね。」

 

「我、この姿が一番楽。

でも、着せ替え人形は勘弁して。」

 

割と切実に言うオーフィスは、何だかいつぞやのセラフォルーのような哀愁に似た何かを感じた。

 

そう、オーフィスはフリージアによく『似合う』服を着させられている。

メイド服やら、ドレスやら。

買ってと頼まれたので買ったのだがこういう狙いとは思ってなかった俺は頬をひきつらせるしかなかった。

 

その時のオーフィスの目は今みたいにハイライトが仕事してなかった。

 

「う、善処します……。」

 

「善処じゃなくて、やめて。」

 

「はーい……。」

 

「ここまで拒絶するとは…オーフィス、死んだ魚のような目はやめなさい。

こちらが申し訳無さで悶え死ぬ。」

 

「ん、分かった。」

 

よし、これ以上の被害はない。

俺たちの、勝利だ……!

 

何の勝負なんですかねぇ……?

 

「ズェピア、昨日とは違って楽しそうな顔ね。」

 

「む、そうかね?私は君達と居ればいつでも楽しいが?」

 

「ううん、昨日は…少し辛そうだったから。

また私が何か迷惑をかけちゃったのかなって。」

 

「そんな事はない。寧ろ、助かってるよ。」

 

「助かる?」

 

「こうして、誰か親しい人、それも家族と話せるだけでも違うものだよ。

そんな存在が二人も居るんだ。

私は恵まれ過ぎている。」

 

「ん、なら、我とフリージアに何かお礼。」

 

お礼とな。

現金な奴め、でもパパあげちゃうぞ!

 

「ふむ、何がいいかね?」

 

「くれるんだ……ええと、ちょっと待って、悩む。」

 

「ん、我は…一緒に寝てほしい。」

 

「ほう、構わないよ。」

 

おお、もしや俺の事をようやく父と認識し始めたか?

クク、いいぞぉ、その調子だぁ…どんどん認識しろぉ!

 

オーフィスは右手で小さくガッツポーズを取っている。

かわいい。

 

「うーん……もうちょっと考えておくね。」

 

「うむ、存分に悩みたまえ。」

 

「そうするわ。」

 

「……さて、いい時間だな。」

 

俺達は地面にシートを敷いて昼食の準備をする。

ピクニックといえばサンドイッチですよ。

ふふん、こういう知識はあるんだなぁこれが。

 

「そろそろ昼食の時間だ。

ふむ、太陽の下で食す…実にいい。

そう思わないかね?」

 

「そうね、久し振りにいい気分で外に来れたし。」

 

「ん、早く、食べる。」

 

「慌てずともサンドイッチは逃げないよ。」

 

玉子サンド、ハムサンド等、前世では一般的なサンドイッチは一通り作ったからすぐに無くなるとは思えない。

 

だが食事最終兵器『喰らい尽くす無限の龍』ことオーフィスの胃袋は底無しといってもいい程だ。

さて、どうなることやら……。

 

こう考えてる間にもサンドイッチは無くなっていく。

無論、俺とフリージアも食べてはいるもののオーフィスはそれよりも早く食べている。

…やっぱり、顔と声は違うけどアルトリア種なのでは?

 

それか混沌の教授?

 

まあ、どちらでもいいか。

そんなことより嬉しそうにサンドイッチを頬張るうちの娘可愛い。

くそ、何故カメラがないっ!

ここにカメラがあれば軽く150枚は撮ってたというのにっ!!

 

「ズェピア、何だか険しい顔してるけどどうしたの?」

 

「この光景を脳にしか保存できないことを悔やんでいるだけだよ。」

 

「えぇ……?」

 

今にも血涙流しそうだがグッと堪える。

大丈夫、俺はまだ戦える!

 

こうして、俺達はピクニックを楽しむのだった。

山、登ったほうがいいかな…ピクニックだし(小学生感)

 

──────────────────────

 

 

 

 

この時、俺とオーフィスは忘れていた─

 

 

 

 

 

─龍のオーラという、厄介極まりないものを。

 

 




この小説は
ほのぼの(するとは言ってない)8割
シリアス(愉悦)2割
で出来ています。
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