【完結】 ─計算の果てに何があるか─   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

今回はあの人が出ます。


混沌、顕現

やあ、皆の衆。

俺だ、ワラキーだ。

 

前回の後に俺は俺自身の強化と身の回りの強化をしようと励んだ。

 

最初に俺自身の強化についてだが単純に演算能力の強化だな。

後は片っ端から想像力をあげれそうな本を読んだ。

タタリの為の強化だね。

……もう一個あるけど秘密な。

今できるのはこれくらいだ。

 

んで、身の回りの強化についてだが今からやる予定だ。

 

ん?今回は何日掛けたのかって?

 

鋭いな諸君。

うむ、うむ。

今回はね。

 

三週間掛けたよ。

それまではぐれ悪魔の討伐だとか色々あったが最近は順調だ。

サーゼクスもより一層民の期待を裏切らないような魔王になると励んでいる。

最近はアイツとそれぞれの改善点を述べていって互いを高めあったりもしている。

セラフォルーは何故かそのシーンを見て奇妙な笑みを浮かべていたけど何だったのか……。

 

さぁて、皆さんお待ちかねだ。

 

魔獣創造とタタリを用いて『あの人』を作るよ!

 

まずは魔獣創造を使って凡そ666体の姿形全てが違う魔獣から因子を摘出。

 

そして、タタリで『あの人』の情報を使って再現を行う。

これはメルブラのタタリと同じ要領での再現だな。

 

だが、困ったことに噂を糧にしてないから中身は空っぽだ。

 

そこで、『あの人』の情報の通りに獣の因子を組み込む。

魔獣の因子だから強化個体だなこれ。

特性もろもろは改造版タタリのお陰で弱体化ではなく本体そのものの性能だ。

 

そして、最後に組み込むのは『魂』だ。

 

最難関だろうと思われるが、忘れたのかな?

俺は神器の摘出も行える。

つまりは、魂のみを抜き出す事も可能だ。

 

安心してほしいが、抜き出したのは特別悪どいはぐれ悪魔の魂だ。

これは悲劇的な奴ではなく自分から悪魔になって主を裏切った畜生だ。

 

そして、この魂にエーテライトをぶっ刺してはぐれ悪魔の情報を抜き取り、削除を行って綺麗な染まってない魂にする。

 

これを組み込むことにより完成する。

 

そうして出来上がった灰色の髪でロングコートを着た大柄な壮年の『同胞』に話し掛ける。

 

「……気分はどうかね?

 

死徒二十七祖第十位『混沌』殿。」

 

「─悪くない目覚めだ。

私を喚ぶということは混沌という世に交わるべきものではない異端が世界に組み込まれること。

それを理解しての喚び出しか、第十三位『タタリ』?」

 

お、おお……おおぉ!?じょ、譲治だ…完璧な譲治や!

こ、興奮してきた!

いや待て、抑えろ。

 

俺は彼に死徒二十七祖第十三位として対応しなくてはならない。

 

「キ、この世界にとって異端だとしても貴方は同胞だ。なればこそ、これから始まるであろう舞台に出演を願いたい。」

 

「…ふ、いいだろう。

だが私は混沌。ただ喰らうのみの獣である。

貴様の意に従うとしよう。」

 

「従う、とは。

よろしいのかね?

私は比較的新参者の死徒だ。

貴方のプライドが許さないと思っていたが?」

 

「確かに『私』ならばそうなっていただろう。

だが、この場に居るのは貴様という存在が造り出した新たなる私だ。

多少の相違はあろうよ。」

 

なるほど、言い得て妙だ。

 

確かに、彼はネロ・カオスという情報を元に創られた。

だが、そこに本物のネロ・カオスという意思は存在しないでここにいるのは魔獣創造とタタリによって創られた少し違ったネロ・カオスということだ。

 

だが、こうでいてくれた方が俺もやりやすい。

 

「ふむ、では協力感謝しよう偉大なりし先達よ。

私は貴方とこれからの道を歩めることを誇りに思う。」

 

「仮にも死徒二十七祖であるのならば、先達としてその考えは勧めんな。

本来ならば喰うか喰われるかの関係。

だが、一つの違いによって我らをこのようなプラスの関係へと変えたのだ。

故にこそ、よろしく頼もう。」

 

「……ハハ。」

 

「…クク。」

 

そう、そうだ、これだ。

こんなやり取りこそを俺は求めた!

 

嗚呼、最高だ。

俺は彼との共闘が出来るんだ!

ハハハ、本来ならばあるわけがない!

 

けれど、この世界が可能にした。

してしまった!

全く、この世界には飽きないな……。

 

「では、家族を紹介したい。ついてきてくれ。」

 

「家族?広すぎる屋敷と思ってはいたが…いや、何も言うまい。」

 

やっぱりそこはネロ・カオス。

疑問に思ってしまったようなので今までの俺の経緯を歩きながら説明した。

 

彼は合点がいったという様子で歩いている。

 

……あ、しまった。

 

「すまない、一つ頼みたいことが…。」

 

「む、なんだ?」

 

「…もう少し身なりを整えてくれると助かる。」

 

「…女か。」

 

「うむ、そういうことなのだ。」

 

首から下が黒く染まってるからかは知らないが、注意が遅れた。

危なかった、もう少し遅ければ露出狂の祖になるところだった。

 

俺はタタリを使って黒のジーンズを作りだし、彼に渡す。

彼は落ち着いた様子でそれを着用する。

 

……お、中々似合ってるな。

 

「感謝する。では、行くとしよう。」

 

「…女とはな、嫁か?」

 

「いや違う、娘だ。」

 

「娘?血を吸った訳ではあるまい。

貴様は暴飲だからな。…なるほど、察した。」

 

おい、なんだその顔は。

その微妙にニヤけた顔はなんだ。

 

「紹介した後にこの世界についてもう少し詳しく話すとしよう。

故に、その顔をやめてくれると私は嬉しいのだが?」

 

「いやすまない。

貴様がまさか人間を保護するとは思わなかった故な。」

 

だろうよ。

本来のワラキアの夜はそんな事しないしな。

ズェピア・エルトナムなら…まあ、あるかも?

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……ズェピア、この人誰?」

 

「不審者。」

 

「いやいや、彼は助っ人だよ。

私だけでは守りきれない時が多い。

そこで彼だ。

自己紹介を頼む、偉大なりし先達よ。」

 

「我が名はネロ・カオス。

人間の娘、貴様を護れと頼まれこうしてここに居る。」

 

多少不服そうではあるがフリージアに対して挨拶をする。

まあ、その内仲は良くなる……と思いたい。

 

「えっと、よろしくお願いします?」

 

「疑問形…?我、オーフィス。

よろしく。」

 

「…よろしく頼む。

人間、貴様の終わりまでだがな。」

 

「は、はい。

……うぅ、またちょっと変わったタイプだなぁ……。」

 

「まあ、こう言っているが安心してほしい。

彼の同意の元だ、しっかりと守ってくれるだろう。」

 

「うん……ごめんね、ズェピア。」

 

「気に病む事はない。

私は私がしたいからしているだけだからね。」

 

というか、謝られると反応に困る。

この子は自分のせいで苦労を掛けていると思ってるのだろうがそれは違う。

これは俺がしたかった事でもあり、恩返しなんだ。

 

今まで俺が俺でいれるのは二人の存在があったからだ。

 

きっと、少しでも選択を間違えていればこうならなかった。

 

だから、この選択は間違ってない。

俺はこれからも選び続ける。

周りと共に、延々と生を謳歌する限りは選択の連続だ。

間違いもあるだろう、批判もあるだろ。

 

それがどうしたというのか。

選び直しは出来ないのだ。

世界はゲームじゃない。

やり直しなんて、あってはならない。

 

そっと、選んだ結果、家族となった娘の頭に手を乗せる。

 

突然だったのでビクリとしたものの気になったのか俺を見上げてくる。

 

「どうしたの、ズェピア?」

 

「いいや、何でもない。

ただこの光景を見て、私は間違ってなかったと実感できるのだ。」

 

「えっと…?」

 

「気にしなくていい。気持ちの整理、というヤツだ。」

 

優しく、撫でる。

 

うん、まだ、ここにいる。

まだこの日常を過ごしてもいいんだ。

 

「……ズェピア、座る。」

 

「む?突然どうしたのかねオーフィス。」

 

「いいから、座る。」

 

「あ、ああ……了解した。……これでいいだろうか?」

 

「ん。」

 

突然椅子に座らされ、何をされるのかと思うと、肩を揉まれる感触がした。

 

「…オーフィス?」

 

「いいから、大人しくしてる。」

 

後ろから聞こえる、安心させるような優しい声。

今まで頑張ったと労るような、だが俺にはこれからも頑張ってという鼓舞にも聞こえた。

 

…涙腺、脆くなくてよかったな。

 

「……ああ、ありがとう。」

 

「あ、ズルい、私もやる!いいよね?」

 

「ん、少ししたらフリージアの番。」

 

「……ふむ、ところで、私もする流れか?」

 

「「それはない。」」

 

「そうか……。」

 

待ってくれ、このネロ・カオス、少しネタ方面にも振れてないか?

ノリがいいというか……いや、その方が助かるんだけどさ。

魔獣創造の影響か…?

 

ていうか、教授、そのニヤニヤをやめてくれ。

 

恥ずかしくて敵わん。

 

その後、交代したフリージアにもマッサージをされた。

うん、疲れが吹き飛んだどころか今なら第六法に勝てる気すらするぞっ!(気のせい)

 

尚、その間教授はずっとからかうような笑みを浮かべて紅茶を飲んでいた。

馬鹿な……紅茶の場所は教えてないはず…獣の嗅覚恐るべし。

 

まあ、これが終わったら他の奴にも紹介しようかな…。

 

 

 

 

 

・ ・ ・

 

 

 

 

 

「という訳で、同胞を紹介しにきた。」

 

「何がという訳なのか分からないし急すぎて何とも言えないんだけど……彼がその同胞なのかい?」

 

「うむ、自己紹介を頼む。」

 

「ネロ・カオス。呼称はどう呼ぼうが構わん。

タタr……ズェピアの頼みを受け、赤龍帝の娘を守る立場にいる。

よろしく頼む、魔王よ。」

 

「では、ネロと呼ばせてもらうよ。

私はサーゼクス・ルシファーだ。よろしく頼む。

……それで、ズェピア。彼は強いのかい?」

 

「私と同等かそれ以上の強さと考えてくれればいい。」

 

「またか……ハァ……」

 

それを聞いたサーゼクスは警戒よりも先に溜め息を吐く。

またか、とはなんだオイ。

後、二人の時の雰囲気になってるぞ。

魔王の時の雰囲気消えてるぞ。

 

「……うん、分かった、前の襲撃で守りを固めると言っていたのを許可したのは僕だしね。

ただ、今回は僕だけでなく他の魔王にも紹介してくれると助かる。…ファルビウムは僕から言っておくからいいよ。」

 

まあ、あの雰囲気の相手は疲れるから助かるけどいいのか?……あ、胃薬……俺は気にしないでおくことにした。

 

苦労人ポジを確立したサーゼクスの胃の明日はどっちだ!

 

「君のせいなのもあるからね?」

 

「いやぁ聞こえなかった、もう一度頼む、何と言ったのか?」

 

「…うん、何でもないよ。」

 

(魔王よ、強く生きろ……)

 

教授が憐れみの視線をサーゼクスに送ってる……

スッゴクカワイソである。

 

 

 

・ ・ ・

 

 

 

~セラフォルーの場合~

 

「へぇー……ネロ・カオスって名前なのね。

……うーん……」

 

「どうかしたのかね?」

 

「私の名前に心当たりがあるのか?」

 

「いや、ないんだけど……何だろ、やっぱりインパクトのある格好とか大事なのかな……?」

 

「やめろ、やめるんだセラフォルー。

私は今の君の方が好ましい。」

 

「え、そう?」

 

「うむ。変なキャラを作るより、ありのままで輝くべきだと私は思うよ。」

 

「そっかぁ……考えてみるわ。」

 

そう、魔王少女レヴィアたん☆なんていうイタイ事はしなくていいんだ……裏切るまで俺の胃がラストアークフィニッシュされるのだけは防がねばならない!

 

「…魔王とは、中々に緩いのだな。」

 

教授、それは言わないお約束なんやで……。

 

 

 

・ ・ ・

 

 

 

~アジュカの場合~

 

「新入りだと?これ以上俺やサーゼクスの胃を痛め付ける気か!?

死ね!この監督気取り吸血鬼!」

 

「監督気取りとは、いきなり失礼極まりない罵倒だ。

貴族の出の君が乱暴な口を利くものではないぞ?

ああすまない、貴族であっても矯正の効かないやんちゃ坊主だったかな?」

 

「「……よし、表に出ろ。」」

 

「子供か貴様らは。

ズェピア、落ち着け。

仮にも祖の一人である貴様がそれでどうする。

魔王である貴様もだ。

上に立つものとして余裕をもて。」

 

「しかしだな、私は個人としてこの男が役者然としないのがとても度しがたい。」

 

「何が役者然とだ。お前はさっさと館にこもってろ。」

 

アジュカ・ベルゼブブ、最も俺が好きになれない奴だ。

あちらも俺に対して良く思ってないようなので幸いだ。

喧嘩売られたらハッ倒してやる。

 

「…おい?」

 

「……チッ、紹介は済んだろう。帰れ、俺は忙しい。」

 

「そうさせてもらう。ここは埃臭くて敵わん。

無駄な研究に励みたまえ。」

 

俺は扉を乱暴に閉めて家に帰る。

 

しばらくしてから教授が俺に話しかけてきた。

 

「……ズェピア、奴もまた実力者だ。

計画の邪魔になるという事は?」

 

「ない。彼という存在一つでの影響は0と言ってもいい。」

 

「……そうか、ならば、私から言うことはあるまい。」

 

「そうかね。……ところで、夕食は何がいいかな?」

 

「夕食か。」

 

彼はそう言って少し顎に手を当て考える。

考えが纏まったのはそう長い時間はかからなかった。

 

「質のいい人間…と言いたいが、この体はそこまでの飢えはない。

任せるとしよう。

だが、サラダがあると私としてはいい。

この身は菜食主義でな。」

 

「ふむ、分かった。そうしよう。」

 

くつくつと笑う彼に俺は内心ご冗談をと思った。

メルブラの勝利台詞でもあるが、アンタのような菜食主義者が居てたまるか。

 

 

ちなみに、この後要望通り野菜多めで夕飯を出したが文句を言うこともなく寧ろ嬉しそうに食べていた。

まさか、本当に菜食主義者なのだろうか。

ちなみにフリージアはトマトが多く出ていたので死にそうな目で食べていた。

食えている分マシだよな、うん。




この世界でのネロ・カオスは本家とあまり差異はない実力を持っています。

教授って志貴が倒したからいいけど、普通は絶望的な敵ですよね。
666の命を一度に殺すって難しいですし…直死の魔眼はこの世界にはないですし、さて、どうなることやら。
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