こちらでの投稿をしたのは何故か?
終わってないでしょ、番外編。
ではどうぞ
やあ、皆の衆。
俺だ、ワラキーだ。
え?このシリーズは完結したって言ってたろって?
おいおい、サブタイを見ろよ。
まあ、それはいいや。
唐突だが、最近の俺の悩みを聞いて欲しいんだ。
オイオイオイオイ、死ぬわ俺。
娘がさぁ、主人公と仲良くなって、リアスちゃん達とも仲良くなるのは構わないどころか歓迎だよ?
家も賑やかな時間が多くなったし。
でもね?娘が構ってくれないんですよ!
これには悲しみが到来、俺の気分が粉砕な訳よ。
どれくらいの悲しみかって?
そりゃお前、グレートレッドに単騎で挑む位の悲しみかな!
え?待って?俺の視点終わり?
ちょ待てよ、俺の悲しみの語りは終わってn
「ズェピア、フリージア、居ない。二人きり、つまり、そういうこと?」
「どういうことかね?」
「二人でベッドでゴールイ──」
「カット!!」
ごめん、場面移って!!
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おっす、俺はイッセー。
現在、俺はフリージアさんと公園のベンチに座りながら話している。
吸血鬼なのに、外は平気なのかと心配だったが、日傘等、陽が当たらないようにすれば問題はないらしい。
それにしても、美人なのもあってか日傘を持って座る姿は美しい。
「今日はごめんね、外で話そうなんて言って。」
「いいですよ、俺なんかでよければ。」
「ふふ、ありがと。」
そう笑うフリージアさんに、俺は自然と安堵する。
何にとかじゃなく、この人との会話は、日常を感じられるから。
「結局、フリージアさんは魔王様達と同期って事でいいんすかね。」
「それは歳の事についてかなぁ?」
勘違いされそうだったので慌てて俺は弁明する。
「い、いや!そうじゃなくて!当時のフリージアさんの周りが気になったっていうか。」
「…そういうことなら、まあ。
うん、じゃあ教えるね?」
「はい!」
何となく過去を話すのが楽しそうで、普段のお姉さんといった大人びた表情からは想像もつかない程に少女のように笑うフリージアさんに、俺はドキッとした。
ここ最近、何だかこういうのが多い気がする。
「私も人間だったのは知ってるよね?」
「はい、ズェピアさんが言ってました。」
あの時、ズェピアさんが言っていた。
そして、自分が吸血鬼にしたのだとも。
どうしてなのかは分からない。
「うん。それでね、人間で、村娘だった私は凄く平凡な暮らしをしていたんだ。
でもね、ある時その生活に変化が起こったの。」
「変化?」
「…神器。イッセー君が今宿している赤龍帝の籠手が発現したんだ。」
「え、村娘の時にだったんですか?」
「うん。いきなり、変な赤い籠手が出て、力が沸き上がるっていうか、熱くなるって感じがしてね?
その時、親とか、その時の友達にさ。」
『ば、化け物だ!』
『ウチの娘は悪魔憑きだったんだ!!』
『出てけ!悪魔は出てけ!!』
「……って、言われて。
終いには、『悪魔を娘に持った覚えはない!』って。
皆、私に石を投げたり、罵倒したりでね。
だから、怖くなって……逃げたの。
一人になって、寂しい一生で過ごすのかなって不安を抱えながら。」
「……なんだよそれ。」
怒りがわき上がる。
無意味だと分かっていても、俺は憤った。
神器が発現したからって、悪魔だ何だって、そんなのおかしいだろ。
そりゃ、周りとは違うかもしれないけど、それでも同じ人間だろ!
同じ家で暮らした娘をそんな風に捨てれるわけないのに、どうして出来るんだよ!
「怒ってるの?」
「そりゃ、そうだろ!フリージアさんは悪くないのに、そうやって迫害されるのはおかしいだろ!?」
「……そうかな。」
「そうかなっ、て……」
「私も、もし友達がそうなったら怖くて仕方無かったと思う。得体の知れない腕の友人が居たら、怖いよ。
今の裏の事情なら、そういう認識かもしれないけどさ。でも、昔って、そうだったから。悪魔とか、本当にああいった形で出るんだって皆信じてたんだと思う。」
「でも、フリージアさんは優しいのに。」
「えへへ、ありがと。
でもね、ある意味出ていく事が正しかった気がするんだ。ズェピアに会えたから。」
「ズェピアさんに?」
過去の事は何時しか笑い話になると母さんや親父から聞いたことがある。
聞く側からすれば笑えないが、フリージアさんは笑っているから、いいか……。
「ズェピアが、私を拾ってくれたの。
サーゼクスさんに無理を通してね。
そこから、オーフィスに出会った。」
「へぇ~……そんな経緯だったんすね……
でも、やっぱり、許せません。」
「ふふ、ありがと。そう言ってくれると、嬉しいかな。」
「……でも、オーフィスは何でズェピアさんと?」
「それは分からないけど、でもオーフィスはズェピアのこと好きだって言ってるしいいんじゃないかな?」
「……あの見た目でアタックし続けてたんですよね?」
「うん。」
「……うーん……」
俺はおっぱいが好きだから分からないが、ズェピアさんはそういう問題じゃなくて娘だから恋人とかの好きにはならないんじゃないかなぁ……?
「あはは、まあいいじゃん。」
「そっすね。」
オーフィス。
無限の龍神だとか言われている凄いドラゴンなのだが、とても家族想いな女の子だったな。
『フリージアを泣かせたら、お前の命とその行き先は無いと思え。』
……怖かったなぁ。
「…あれ?ネロさんとは?」
「先生のこと?先生はズェピアが一人で守りきれるか分からないからって協力を扇いだんだって。」
「そうだったんすか。」
ズェピアさんでも守りきれるか分からない。
そんな状況だったのかと思うとやはり昔は激動の時代そのものだったのかもしれない。
「でねでね……」
そこから、話を聞いて欲しい子供のようにフリージアさんは俺に昔のことを話してくれた。
ドライグに体を乗っ取られた事があることや何回か襲撃があったこと。
魔王様達は今よりも悩みが多かったこと。
ズェピアさんが、実は悩みを抱えてしまうタイプなこと。
そして……
「私が吸血鬼になったのはね、頼まれたからなの。」
「頼まれたって……ズェピアさんにですか?」
「うん。あの時は、凄く…触れたら壊れそうって感じだったかな。」
『どうか、逝かないでくれ。私たちと共に、生きてくれ。』
『フリージア、我……寂しい。』
『わ、私は……』
「…頼まれたの。ずっと、一緒に居てって。
先生は静かにそこに居たけど、オーフィスとズェピアは凄く辛そうで。
多分、皆、抱え込んじゃってたんだよ。
不安とか、色々。」
「……それで、了承したんすね。」
「うん……吸血鬼になって、ずっと生きて、ずっと何かを学んで、ずっと家族と過ごして……ねえ、イッセー君。」
「……?」
フリージアさんは、俺にその整った顔を向ける。
その表情は……先程言っていた、触れたら壊れてしまいそうな位、脆いような、そんな風に笑っていた。
「疲れ、ちゃうね。ずっと生きてるって。」
「っ、それ、は。」
「分かってる。私が選んだことだもん。こうなるかもっていうのも分かってた。
でもさ、でも……ずっと生きてるとね?忘れちゃうの……」
「忘れるって……想いでとか、ですか?」
「……昔のこと、幾つかもう覚えてないの。
私の、大事な記憶が、幾つか無いの!
ずっと、ずっと一緒だった家族の記憶が、欠けているの!」
それは叫びに近かった。
怖いと、辛いと俺に泣きそうになりながらも必死に告げるフリージアさんに、俺はどうしてやれば良いのだろうと悩む。
だって、俺は家族じゃない。
俺は友人でしか無いのだ。
この人に俺が何か体のいい言葉を投げ掛けて、それでいいのか?
でも、俺は。
「フリージアさん。」
「っ、イッセー君……」
俺は、気付けば抱き締めていた。
公園のベンチだということを忘れ、俺はただ安心させたいと思い、抱き締める。
見ていて、辛かったから。
「俺は、フリージアさんに会えて良かったです。
他の皆も、きっとそう思ってる。
それに、俺だって今若いけど昔のことを全部覚えてる訳じゃない。
でも、フリージアさんとこうして話して、オカ研の皆と一緒にフリージアさんの家で話したりするのは楽しかった!思い出ってのは、そうやって作られていくんじゃないですか?」
「でも、怖いよ……大好きな家族のことを忘れてしまうのって……。」
「確かに、俺も怖いです。
でも、ズェピアさんやオーフィス、ネロさんは今も居る!きっとこれからも一緒に暮らしてく。
だから、忘れた分だけ増やせばいい!
ズェピアさん達だけじゃない。俺たちだって居る!
だから、その……大丈夫だから!」
「……イッセー君……」
『……。』
最後に言葉が浮かばなかった。
情けない。
だけど、過去だけじゃないってのは伝えられたはずだ。
過去に囚われているのはよくないって、俺でも分かるから。
フリージアさんは肩に顔を埋めて泣き始める。
それでも、日傘はしっかりと持っていた。
・
・
・
「落ち着きました?」
「うん…ご、ごめんね、私のせいで、周りの目とか……」
「え?あ、ああ!大丈夫ですよ!変な目で見られるのは慣れてます!」
それも自身の犯した業の数々のせいだが。
しかし、泣き止んでから離れたフリージアさんを見て、今更ながら俺は何をしてるんだと思った。
「あの、こちらこそ慰め方って言うか、そういうの慣れてないもんで……」
「それはいいよ。むしろ、ありがたいって思ったし。
それに……イッセー君も逞しい男の子なんだなぁって分かったしね。」
…んー、何か釈然としないが、本人がいいならいいや。
以前の俺なら、胸が当たってる~とかで騒いでたろうに。
変わったなぁ……
『(相棒も、相棒の周りも変化しているのは自覚しているようだな。)』
「(そりゃ、自覚はしてるけどよ……。)」
「…今日はありがとね、じゃ!」
「え、あ、はい!また!」
「うん!」
……何か、顔が赤かったな。
俺は、どうしよう。
『相棒、まさかとは思うが。』
「流石に勝てる気がしない。」
『だろうな。』
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家まで走って帰ろうと思ったが、疲れるので歩くことにした。
もう暗くなってきているし、ゆっくりでもいっか。
駄目だなぁ、と一人呟く。
年下の男の子に慰められるなんて、お姉さん失格だよね。
「あそこまで、泣いちゃうなんてなぁ……」
我ながら、溜め込みやすい性格だと思う。
本当に辛いことを言えない自分に、嫌気が差すこと等、何度もあった。
久し振りに吐き出せた気がする。
家族以外にこうやって吐露した事がないのに。
それほど、近しい人と認めているのかな。
そう思うと、顔が赤くなる。
頼もしい人とはまだ思えないけど、もしかしたら。
「……えへへ。」
何となく、少女みたいに想像する。
でも、きっと無理だ。
リアスちゃんとか居るし、私よりも美人な人なんて多いし。
ていうか、何でそういう対象として見ているのか分からない。
別に特別な事とかあった訳じゃないのに。
「よく、分かんないや。」
でも、悪い気はしない。
思えば、彼が来てくれてから、話す人が増えた。
一緒に料理もした。
ゲームとかもしたし、ファッションについても話した。
悩んでることの相談にも乗ったし、楽しいことが増えた。
ズェピアたちと違う優しさを感じた。
……これからも、きっと。
未来に想いを馳せ、家まで急ぎ足で歩く。
今日は先生は帰ってこないし、二人の分のご飯作らなきゃ……
帰っている途中で、ぼーっと立っている男の人が見えた。
何だか虚ろな瞳だ。どうしたんだろう……
お節介かも知れないけど、心配だ。
「あの……こんなところで立って、どうかしましたか…?」
「─見ぃぃっけ♪」
「えっ───」
その言葉と共に、私は、首に痛みを感じ、意識がうっすらとしていく中で、悲鳴をあげたく成る程恐ろしい顔で嗤う男の顔を見た。
ああ、私が、外で話そうなんて、言ったばかりに……
怖い、怖い、怖い。
殺される、死にたくない。
生きていたい。
まだ私は、生きていたい。
ここまで生きて、空しさを少し抱えた人生にようやく光が見えたのに。
消えたくない、壊れたくない。
「─ァ。」
何かが、軋みをあげた。
怒涛の勢いだぁ……
このシリーズでは、ズェピアは大々的には動きません。
よって、動かねばならないのは、彼です。