アナスタシア当たらないからアヴィ先生を80レベルにした。
QPが無くて辛いです。
では、どうぞ。
そこは地獄だった。
いや、地獄ではない。
彼からすれば当然の行動をしているだけで、他の者からすれば地獄と言っていい。
「う、あぁぁァぁァあギャッ」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!死にたくない、死にたくなあがっ」
「腕が!腕が喰われた!うわぁぁぁぁぁ!!?」
「■■■■■■──ッ!」
世界が創られたときよりある原初のルール。
弱肉強食がそこにはあった。
弱き者は死に絶え、強き者は生きる。
喰い喰われ、殺し殺されの世界がその場にだけあった。
陸海空の生き物の形をした獲物を喰らう化け物。
そして、化け物が現れる中心にソレは居た。
「味は粗悪ではあるが、魔力は多いな。
流石は魔法使いといった所か。
我が内に呑まれ、その魔力を私へと還元するが良い。
それが貴様らの最後の役目だ。」
逃げ場は無かった。
どれ程高く空に飛ぼうと、落とされ喰われる。
いくら早く動こうが獣は本能をもって仕留め喰らう。
転移をしようとしてもそれよりも速く喰われる。
絶望だけがそこにはあった。
この場に来た侵略者は後悔と共に死んでいく。
獣は止まらない。
どれ程喰らおうと足りぬとばかりに貪っていく。
勇気を出した者が中心にて立つ男に攻撃を仕掛ける。
炎、雷、氷……ありったけの魔力を使って攻撃をした。
だが。
「ふむ、終わりか?ならば死に絶えるが良い、人間。」
彼にそれは通じない。
風穴を空けようと、頭を吹っ飛ばそうとも通用しない。
マトモな方法で倒せる化け物ではないのだから。
「バ、バケモ──」
言い終えるより先に多くの獣が無謀者を押し倒し、腕を、足を、腹を、頭を喰らっていく。
悲鳴よりも先に喰われるよりも早かった。
「……俺が出る必要はあったのか?」
白龍皇の男、ヴァーリは黒いコートの男─ネロ・カオスに問い掛ける。
ヴァーリがそう言うのも悪くはない。
先程まで自分が蹂躙していたというのに、この男が出た瞬間に獣が蹂躙するのを見るだけの立場になった。
この景色を見て、気分が良いものではないのは確かだ。
彼はヴァーリを見やると、小さく笑う。
「ふっ、あるとも。」
「ほう、それは何だ?」
「不安要因の始末を私は友に頼まれた。
我が獣は、貴様をも見張っている。」
「……この状況で、常に俺にも警戒の目が向いてるのか。
通りで下手に動こうと思えない訳だ。」
禁手を使えば、目の前の男に『対抗』は出来るだろう。
だが、男が奥の手を隠してないとは言い切れない。
それどころか、男を相手取りながら百を優に越える獣を相手取れるか……
元より、強者と戦うのが目的で堕天使を裏切る気ではいたが、バレているとは思っていなかった。
いや、少しながら思ってはいた。
ズェピアではなく親代わりのアザゼルにだが。
気づけば、断末魔は聞こえなくなっていた。
辺りを見渡すと、血溜まりとこちらを見る獣たちだけが残っていた。
「腹の足しにはなった。
だが、貴様の動き次第では餌が増えるわけだが。」
「…お前とズェピア・エルトナムとは戦う気は今はない。
俺は赤龍帝と戦いたい。
それは許してほしい。」
「……ふむ。」
「─構わないよ、我が友人。
私達に危険がなければ、今はそれでいい。」
ヴァーリの後ろから声がする。
振り向くと、まるで最初からそこに居たかのように立っていた。
狂気を微かに感じさせながら。
──────────────────────
「おお……力が湧いてくる……コレが無限の龍神の蛇の力!
どうです!?恐ろしいでしょう!これ程の力を得た私は貴様らを殺す位造作もない!
あははははははは!」
オーフィスが細工した蛇をカテレアが取り込む。
うーん……どんな細工なんだろう?
もしかすれば、アイツを殺したら何かあるのか?
現状では力が少し上がった位だしなぁ。
それに、麻薬を服用したかのように気分が高揚しているようだ。
……でもなぁ、ちょっと、気に食わない。
何でかは知らないが、目の前の女に怒りに似た感情を感じる。
「さあ、誰が来ますか?一斉に来ても問題はないんですよ?」
何だろうかこれは?
今まで生きてきて感じたことがあったか……?
フリージアが襲われた時は純粋な怒りだ。
あれとは違うナニカ……
「(…ああ、そうか。)」
理解した。
その感情を理解できた。
それを理解した瞬間、俺は自己嫌悪に苛まれた。
馬鹿馬鹿しい、こんな事を思って何になる。
吹っ切れたと思ってたのに引き摺るなど道化じゃないか。
家族愛もここまで来ると犯罪だ。
誰でもないどこの誰とも知れぬ悪魔が、オーフィスの、
娘の作った蛇を使うことに俺は苛ついている。
そう、嫉妬に近い。
家族を独占でもしたいのか俺は。
違う、そうじゃない。
また居なくなると思っている、思ってしまっている。
フリージアが死んだから?
……いや、今はいい。
この状況の事を考えることで一度この思考の連鎖から外れる。
「…私が相手になろう。
サーゼクス達は侵入してきた者達の対処を。
一斉に来るだろうからね。」
「俺がやろうと思ったが、やる気はお前の方が高そうだ、譲るぜ。」
「ズェピア、君ならば問題はないと思うが、気を付けてくれ。」
「復讐に生きるものは何をするか分かりません。
お気をつけて。」
「分かっているとも。
多少今の私は荒れているが、まあ、負ける気はしないな。」
荒れている。
自分勝手な理由で荒れている。
だが、この苛立ちをぶつけても良いだろう。
だってこいつは、あの時の奴等と同じだ。
愛娘を襲った憎い者達と同じ奴だ。
だから、ぶつけても俺は悪くない。
長きに渡る怒りをぶつけるときが来てしまったようだな。
「負ける気がしないだと……馬鹿にしているのか!?
私はオーフィスの蛇を取り込み、更なる力を得た!
真なる魔王たる私に─」
「君は、それしか言えないのかね?
君はあれか、オウムかね?いや、オウムの方が賢いか。動物である分、差というものを理解している。
しかし、君にはそれよりも高度な脳がありながら下らぬ憎悪に囚われ、自らを縛る。
だからそうやって同じことしか言えない。
正直、見ていて滑稽の極みだよ。」
いつものように煽る。
よしよし、調子が出てきた。
それに、サーゼクス達は、侵入してきた連中に対処しにこの部屋を出たから、気にすることなく戦える。
「……いいでしょう…!そこまで死にたいのなら殺してあげる!」
「君では、私を殺せない。
君ではダメだ、私を殺すのは、彼でなくてはならない。
君の三流芝居に付き合うのは気が進まないが、仕方無い。
この舞台で死ねるのだから中々に運がいい役者だよ、君は。」
言ってることが悪役だなぁ俺。
カテレアは俺のテメェじゃ勝てねぇ宣言+伝家の宝刀監督式煽り術により怒りに染まってる。
「私を、愚弄するな!
私をそんな道化のように言うな!
私を、ワタシを……
ワタシを、可哀想ナ者を見ルよウな目で見るナぁァぁァぁァァァ!!」
む、何か変わった……?
魔力のような物が一気に跳ね上がっただと?
いや、だがしかし魔力だけだ。
驚異ではない。
だが様子がおかしい。
これが細工?…いや、あの子が俺の不利になるような事だけをするはずがない。
これは、恐らく蛇本来の強化だ。
そして、その力に溺れた…いや、精神が壊れたか?
「力、チカラが!これさエあれba!
誰モ、だレもォ!
ぐっ、ぅうゥぅう!」
苦しんでいる……というより、狂ったか。
その方が殺りやすいが、いいのかこれで。
原作でもこんなだった?
俺は知らないから何とも言えないんだけど。
まあいいや、仕留めよう。
まず小手調べとしたカテレアの真後ろに学生服の青年……七夜志貴を出現させてナイフで横一閃。
格ゲーでもよく使ったなぁ。
技名もいいよね。
バッドニュースとか諸々。
「ァあ!邪魔ヲすルなぁ!」
カテレアは思考の纏まらないながらも乱暴に避けて俺に対して大小様々な魔力弾を放ってくる。
その数は十。
少ないな、もっと撃ってくると思ったが。
もしかしたらガス欠しないためとか?
馬鹿かな?
「カット、カットカット!
ダンスは苦手なのかね?
私はもう少し激しい曲だと期待していたのだが?」
爪で切り裂いても全く痛くもない!
そう、ワラキアの夜ならね。
おっかしいなぁ、俺はそんなに強くないと思うんだが……言ったの俺だけど実力差があるのは本当なのね。
ワラキアロールプレイはね、それっぽく言わないと心が軋むんだ。
でも、あれだ。ギルガメッシュとかよりやりやすいと思うよ。
そう、狂気っぽく叫んだり、早口言ったり監督口調するだけで世を渡り歩けるからね。
しばらく遊んでいたが、周りの皆はそろそろ終わりそうだ。
うむ、ではやるか。
カテレアの方はだんだんと言語が安定してきた。
……うーん、わざと時間を掛けたのは間違いだったか?
「殺されろ!死ね!忌々しい吸血鬼!
貴様のせいで、冥界は本来よりも早く復興されてしまった!そのせいで我々が介入する隙が予想よりも無くなった!貴様さえ居なければ!」
「私に言われても困るな。
私も困っていた身なのでね。
……まあ、君との会話も飽きてきた。
そろそろご退場願おう。」
俺は先程のようにタタリを使い、何人もキャラを造り、攻撃させながら接近しマントで突き刺す。
前々から思ってたけどこのマント便利だよな。
突き刺したり、切り裂いたり、伸びたり、ラジバンダリ。
カテレアはキャラの対処は出来たが俺には対処出来ずに肩に突き刺さる。
「あがっあぁ!?」
「ハハハハ、痛そうだ苦しそうだ辛そうだ!」
俺はそのまま爪で腹を切り裂く。
悲鳴が響き渡る。
この悲鳴に動じなくなったのは元々俺が畜生の類いだからか長く生きたが故か、さて。
俺は距離を取って様子を見る。
これでまだ向かってくるなら殺すし、逃げるなら逃げてくれて構わない。
カテレアはフラフラと立ち上がり、手に魔力を込める。
「ま、だ……私はァ……!
─ッ!?ァアアあぁぁぁ!!」
「む……?」
急に苦しみ出した?
何も俺は仕込んでないが……
まさか、蛇が?
カテレアの魔力が急速に無くなっていくのが俺には分かる。
もしや、中から喰われてる?
オーフィス…お前、何てものを開発してんだ…!
カテレアは倒れ込み、首元を手で抑えて悶え苦しむ。
魔力が、生命力がどんどんと無くなっていく。
「ァ"ガ、苦し、ギィ……ァ……助…け……」
その言葉を最後に、カテレアは枯れ果てたかのように死んだ。
そして、口から蛇が出てきて、俺の方へと寄ってくる。
俺に寄生しようという事ではないようだ。
……一時的な強化をして、宿主が死にかければ生命力等を全て吸ってから殺すってことか。
毒薬か何かか?
帰ったらオーフィスに連絡をしよう。
これが細工なら、この後どうするか聞くべきだ。
……教授の方も終わったようだし、そっちに向かうか。
俺は少し靄がかかったかのように何とも言えない気持ちになりながら、転移した。
・
・
・
「─構わないよ、我が友人。
私達に危険がなければ、今はそれでいい。」
そして、今に至るって事だ。
会話が途中から聞こえたんで、言ってみたぜ。
「今は、か。良いだろう、ズェピアよ。
して、貴様も用は済んだのか?」
「この後は、白龍皇と赤龍帝の戦いだろう。
私が見ても面白くはなさそうなので帰るよ。
和平は成った、ならば私がいる意味もない。
……それに、確かめるべき事が増えた。」
「なるほど、ならば早急に消えるとしよう。
白龍皇よ、貴様の闘争の果てに何があるか、楽しみにするとしよう。」
「実力者たるお前達は見ないということか。」
「本来なら見たいのだがね、私にも急ぎの用事が出来た。
すまないが、君がより強くなってから君本人と踊ることでこのお詫びはするとしよう。」
「ほう、そちらから誘われるとはな。
……分かった、ソレまでに俺も更なる力を身に付けるとしよう。」
いい顔をする。
いつぞやの自分の力の無さを理解しない馬鹿とは違う。
その顔を、いつか俺と戦うときまで保って欲しいものだ。
「では、私達はこれで。
サーゼクス達には急用が出来たと言っておいてくれ。」
そう言って、俺は教授と共に転移した。
「ズェピア・エルトナム……いつかお前も倒せるほどに強くなって見せる。」
─────────────────────
家に到着し、オーフィスが帰ってきてないか確認する。
すると……
「おかえり、お疲れさま。」
帰ってきてたよ……しかも読書しながら。
可愛いけれど、それよりも先に確認だ。
俺は教授に二人だけで話させてほしいと伝える。
教授は了承し、消える。
「オーフィス、この蛇は……」
「カテレア、どうだった?」
「どう、とは?強くはなかったが……」
「やっぱり。」
…分かってて渡したのか。
それで細工をした蛇がカテレアを喰って、オーフィスの元へ戻ってくることも分かってて。
利用するつもりが利用されてたとは、哀れなりカテレア。
それに、オーフィスは若干笑っているのが分かる。
自分の元に戻ってきた蛇を見て、笑っている。
「これは、カテレアを喰った。カテレア自身の魔力と生命力、その他を吸収した。
…ズェピア、これはズェピアの為の蛇。」
「私の、だと?」
「そう、この蛇からカテレアの魔力諸々を取り込んで、強くなる。
こいつは我を利用しようとした。
だから我も利用した、ズェピアが強くなれるように利用してやった。
そしたら、まんまと騙されて使って、この様。
……ふふ、哀れな悪魔、ズェピアもそう思う?」
「……オーフィス、君は「ズェピア。」…?」
「我は、ズェピアが好き。大好き。
だから、死んでほしくないし、居なくならないでほしい。勿論、カオスも大切。
でも、ズェピアはもっと大切。
我の家族、我の理解者。
ズェピアの為なら、こいつみたいに他の『禍の団』の連中だって殺すし、蛇を使って吸収する。
ズェピアは、我の事嫌い?」
「──。」
─これは、俺の罪か。
愛というのにはいくつも種類がある。
だが、これは病的だ。
俺の為なら何だってやる、この娘なら絶対にやる。
世界だって壊そうとする。
そんな確信が、俺にはあった。
これは、今のうちにどうにかしなければならない。
俺の責任だ、いつからこうなったのかは分からないが……娘を正すのも、父親の役目だ。
「オーフィス、私はそんな事望んではいない。」
「知ってる。
ズェピアは優しいから、こんな方法での強化は好かない。」
「知っていて、何故?」
「さっきも言った。
死んでほしくないから。
ズェピアは家族、フリージアのように家族が死ぬのは嫌。
フリージアの願いは理解していたから我慢できた。
でも、他は別。
ズェピアだって限りある命の筈。
なら、死んでしまう。
それは嫌。」
「…だから蛇による強化で私が死なぬようにと?」
「そう、ダメ?」
ヤバイ、結構ヤバイぞ。
分かっててやってるってのは一番直しにくいんだ。
こういうのを直すのは骨が折れる。
というか、俺が直し方を知らない。
ヤンデレ混じってるよねこれ?
ハイライト仕事してないよ……?
娘のヤンデレとか誰得だよ。
オーフィスは本を閉じて、俺に近寄ってくる。
女神のような笑みだ、だが、その目はヤバイ。
蛇を俺に使う気満々だ。
「ずっと、ずっと我と居る。
グレートレッドを始末して、次元の狭間でもずっと。
家族が居ない生活は考えられない。
でも、この世界は煩くなった。」
「…オーフィス、私は確かに限りある命だ。
だが、全てが終わっても君と居れるように今まで全力を尽くしてきた。
だからそのような物を使わずともいいんだ。」
「駄目。ズェピアが無理してきたのは知ってる。
でも無理しなくても手っ取り早い方法がある。
それがこれ。悪魔共は馬鹿だからすぐ使う。
だからすぐに育った蛇も集まる。
…ズェピア、我なりの親孝行。」
常識教えた筈なのになぁ!
親孝行が他人殺しての延命とか怖すぎる。
俺だと勝てないし、教授も足止め位しか出来ないだろう。
あの娘は口じゃ止まらない。
どうすりゃいい?
「─オーフィス、そこまでにしろ。」
「…カオス、何?」
教授が現れ、オーフィスの腕を掴んで止める。
オーフィスも家族に乱暴は出来ないのか、見つめるだけ。
「何、ではない。
確かにフリージアが死んで身内への死の恐怖が強くなったのはある。私とてそうだ。
あの喪失感は二度と味わいたくもない。
だが、そのような永遠は認めるわけにはいかん。」
「…ズェピアもカオスもいつか死ぬ。
独りは嫌。
これがダメならどうすればいいの?」
「どのような者も何れは死ぬ。
真に不死な者など居はしない。
…そう、貴様も何れは死ぬのだ。
私達はその同胞達の死を乗り越えて『今』を立っている。」
「……我は無限。死ぬことは…」
「0ではあるまい。
龍殺しの性質を持つ武器、生物に殺される確率は大いにあるのだからな。
……それに、フリージアがこのような事を望むとは思えん。」
フリージア、その名前を出すとオーフィスの顔は苦しそうに歪む。
そして、観念したのか蛇を仕舞う。
「っ……分かった、今はやめておく。
でも、ズェピア。使いたくなったら、言って。
我は、いつでも待ってる。」
「……ああ。君にはとても心配を掛けたようだ。
お詫びに何か頼みを聞こう。
その蛇は無しで頼む。」
「……ん。
分かった、じゃあ、今度遊園地行く。
家族皆で行く。」
「分かった、そうしよう。
…友人、助かったよ。
君が居なければ……」
「私とてオーフィスとは同じ思いではあった。
だが、私は限りあるからこその生が嫌いにはなれん。
故にああした。…貴様が主ということもあるがな。」
…これは、ちょいとギスギスしてるなぁ。
オーフィスは、約束を取り付けてから黙ってるし。
「……うむ、私達はあの子に依存していたようだ。」
「……ん。」
「でなければ、先程の事態にはなっていまい。
私は少し外に居る。夕食には呼んでくれ。」
教授はそのまま外に出ていった。
……気まずいなぁ。
「オーフィス。」
「…なに?」
「ありがとう、心配してくれて。
私は、望みがある。
…死ぬかもしれない望みだ。
だが、死ぬつもりなど毛頭ないし、君を置いて逝ったりなどしない。
……だからどうか、私の我儘を聞いてはくれないか?」
「……死にそうになったら、これを使う。
それでいいなら、協力する。」
「ああ、それでいい。
……最初から、こうすればよかったのに、私達は不器用なようだ。」
本当、不器用だ。
こうして皮を被って生きている俺も、家族の死を怖がって強引になっていたオーフィスも、どちらも分かっていながら中間としている教授も。
オーフィスも分かってるのか少し申し訳なさそうに苦笑する。
「ん、似た者同士。」
「その通りだ。」
…不器用でも、家族でいれる。
大丈夫、君の好きな家族は少し崩壊しそうだったけど何とかなったよ。
君がこの場に居たら、説教食らってたろうなぁ…。
本当、難しい。
それでも夜は一緒に寝た。
抱き枕にされるのは未だに慣れない。
色々と家族間でもありますが、一旦解決。
こうしてみると、教授は必要な存在。
オーフィスもフリージアが死んで病んできてますし。
ズェピアもズェピアで、色々とあるし。
まあ、そんなもんです、家族って。
カテレアは犠牲になったのだ。
家族仲の修正、その犠牲にな……