【完結】 ─計算の果てに何があるか─   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

学校始まって更新が遅れ気味になる可能性が大いにある!
不定期更新のタグ入れるべきですかね……入ってたかすら覚えてないけど。

ではどうぞ。




やあ、皆の衆。

俺だ、ワラキーだ。

久々にこの挨拶をしたな。

 

そして、唐突だが悩みが俺にはある。

 

そう、裏切りポイントの決め所である。

 

三勢力会談の時にやればよかっただろって?

オイオイ、あの場面じゃ駄目なんだよ。

何故かって?

 

弱いからだよ、主人公達が。

俺自身それほど強くないとは思うがそれでもコカビー風情に苦戦するようじゃ駄目なんだよね。

なので、もう少しだけ経過を見ようと思う。

禁手に至っても俺は機が熟したとは見ない。

 

そりゃ、能力の爆発的な向上は素晴らしいと思うよ?

でもそこまでだ。

いくら能力が強くなろうが本人が未熟なのには変わりなし。

皆、能力=強さと思いがちだが、NOUMINとかを忘れてはいけない。

あれは純粋に強い。

ああいった強さも手にしてからじゃなきゃ俺はやるにやれない。

慢心と言われたら違うと言いたいが、まあ、どうとでも思ってくれ。

 

敵対するとしてもやりがいを感じたいというか、何というか。

かませの考えな気がするが俺は気にしないぜ。

だってねぇ?元々の俺ならかませだし。

ワラキーの体使っておいてそれは今更過ぎるでしょ?

 

ただ、今更といえば何だけど、他の転生者とか転生モノ特有の多数の転生者が居るとかはないんだよな、安心した。

 

…まあ、話を戻そう。

で、俺も主人公達も強くならなきゃいけないのが現実で、でもそろそろ少し楽したいなってのもある。

……後半はどうでもいいとして、どうしたもんか。

 

最終的には俺が敵でなきゃ俺の望みは達成されないのよね。

んでもって、グレートレッドも殺さないにしても倒さなきゃいけない、ヘビーだぜ。

 

そも、皆さんは俺に『何でわざわざ高みを知りたいって理由で敵側になるの?』って思うことだろう。

 

お答えしよう!

 

そんなの俺がそうしたかっただけ。

理由なんてね、後から出てくるもんだよ。

最初はしたいからすると言う今は亡き好き勝手要素があった頃の俺の野望も、いつの間にやら『いつかオーフィスの願いを達成させなきゃいけない』ってのに変わってたもんです。変える気もないし。

 

そりゃ、裏切るのは心が苦しいですよ、元々仲がよかったんだからね。

でも、俺はやりたいって思っちゃったんだぜ。

ならやるしかないじゃん?

それに、俺的にはワラキアの夜は敵でなきゃ輝けない気がするんだよ。

ズェピア・エルトナムは確かに善人で人類を救おうとした立派な人なのかもしれない。

でも、俺が好きなのは彼だけではないんだ。

ワラキアの夜だから好きなんだよ。

 

ほらね、理由とかポンと出たでしょ?

その場での使命感とか、そういうのは下らない。

結局は皆自分勝手なんだから。

自分勝手にやって、それが結果を生んで、善か悪かは他人が勝手に決める。

それでいいんだよ、世界なんて。

本人の気持ちが大切なんだから。

 

さて、そんな事を思っていたら思い付いたぜ。

俺が悪役であり、主人公達も俺も強くなれて、そしてグレートレッドを倒す計画をな。

何て事はなかった。

答えはもう俺の中にあったわけだ。

 

舞台は思い付いた。

次は……何人かにはチケットは渡せないな。

お引き取り願おう。

 

ついでに、俺の悩みも解決するかなぁ。

解決したら、俺は俺でいれるのかは不安だが。

まあ、何でも簡単に終わったらつまらない。

賭けなんて何回もやって来た、掛かってこいってもんよ。

 

痛感したよ。

俺の今までの考えは甘かったということだな。

俺は少し調子に乗っていた。

原作よりも前にスタートしたから幾分か楽になるなんて思っていた自分がいたのは事実で、そしてその慢心を今後もしていこうとしていたのも事実だった。

 

……うん、やめにしよう。

少し、非道になるしかない。

俺は確かにあの子達の正義の味方でありたい。

だけど、それと同じくらいに──

 

 

 

──悪役でありたい。

 

だって、その方が楽しそうだろ?

 

 

 

─────────────────────

 

 

ウィッス、先程まで頑張って計画練ってたワラキーでっす。

 

あれからオーフィスの病み度はいくらか減少したようで、昔みたいに普通に甘えてくるぐらいにはなった。

教授に感謝したところ、

 

『私は何もしていない。

こうして戻ったのも、貴様の努力の賜物だろうよ。』

 

と言われたのでそういうことにしておいた。

俺の努力ねぇ……。

 

まあ、いいか。

さて、皆さん、聞いてくださいよ。

 

俺は今、冥界に居るのだ。

 

リアスちゃん達が他の若手悪魔達とレーティングゲーム……だったっけ?をやることになったと聞いて来たわけよ。

教授も居るけど、冥界の幻想種をまた見に行きそうになったから命令気味に止めてます。

 

そのせいか顔には出てないけどションボリとした雰囲気が出てる。

 

「…おい、訂正しておけ、グレモリーの令嬢の試合を観るのはついでだとな。」

 

「地の文をどうして読めるのかは聞かないでおくよ。」

 

不満気味にそう言った後、また黙り混んでしまった教授。

 

そうなんですよ、俺が来たのは別の理由なんですよ。

ちょっと欲しいものがあって、仕方無く。

ぶっちゃけるとリアスちゃん達の試合は興味はない。

まあ、観るけどさ。

突然付き合いが悪くなると変な心配掛けちゃうでしょ?

動きにくくなるのは勘弁したい。

 

「それで?その欲しい物を私は聞いていないが。

貴様ならば、大抵のものは手に入ろう。」

 

「買い被りすぎだよ、同胞。

私は冥界では中々の有名人なようだが、君が知るように私は凡弱な吸血鬼だよ。

……まあ、何が欲しいかと言うとだね──」

 

 

 

 

「─魂が欲しくてね。」

 

「……魂か。何故だ?私のように新たな祖を生み出すわけではあるまい。」

 

「流石にそこまではしない。

だがね、私はこの世界と戦う上で何度も脳内でシミュレートした。

足りない、圧倒的に足りないのだ。

力ではない、知力でもない、魂の質がね。」

 

「故に、他者から魂を抜き取り、己が魂を補強するということか。」

 

「あまり好ましくない手ではあるがね。」

 

そう、外側は吸血鬼の中でも上位の強さを持つ死徒ズェピアの体でも、中身の俺は違う。

中身ごと死徒になったのではなく、俺という人間が死徒の皮を被っているだけなのだ。

 

そして、俺は魂の質がそれほど強くはない。

一誠君よりないんじゃないか?って位強くはない。

 

結構困ってるんだよ。

俺が悪役であるためにも、そんな小さな問題も見逃せない。

 

だから、俺はワラキアの夜と同じように大量に飲む必要がある。

血ではなく、魂を。

幸い、魂を綺麗にするという何言ってんだな技術は持ってるんで何とかなる。

 

魂の質が上がりさえすれば色々な問題をクリア出来る。

手っ取り早く強くなるってのは分からんが、ゲームでいうと…あれだ、強さの上限が上がる。

 

まだ誰も知らない方法だろうけどね。

これだとどっかの吸魂鬼だよ。

 

それで、冥界に来たわけです。

そこかしこの悪魔を喰ってもまるで意味はないので、他の悩みを解決すると共にある特定の奴等を殺すことにした。

 

まあ、皆察しがいいんで誰やるかは理解してると思うんだけどね。

 

「しかし、貴様が何かを吸うという行為をするのは久しいのではないか?」

 

「穏便に過ごすのが今までの私だったからね。

冥界の不手際を処理したとき以外は然程戦いをしてはいないかな。勿論、血を吸ってもない。」

 

「ふっ、吸血鬼としては、下の下もいいところだ。」

 

「手厳しい、しかし、事実ゆえに私は反論もできない。

君は見ていて貰えると助かる。

もし私がおかしくなれば、殴ってでも止めてくれ。」

 

魂を補強なんて外道に近い行為だ。

そんなもんして、俺が歪む可能性は大いにある。

だから、止め役として教授を同伴させてる訳である。

幸い、あの武器は俺の手元にはないからね。

 

教授は心配はないだろうといった様子である。

俺への信頼度高いなぁ。

 

「一応戦闘の態勢は整えておこう。」

 

「そうかね。……さてそろそろ到着かな。」

 

今回のワラキアの夜の被害に遭うのは~?

 

 

「─昔の憂いを断つのには、丁度いい舞台だ。

三流役者の集まりには消えてもらわねばね。

 

旧魔王諸君。」

 

旧魔王領でした。

 

さぁ、大人しく我が糧となるがよい。

 

……ごめん、ガラにもなくクッサイ台詞吐きそうになった。

 

ま、ぼちぼちやるかね。

昔の屈辱を倍返しする時が来たってことで、諦めてくれ。

俺から逃れようと思うなよ。

逃れようとしたら怖いタタリを見る羽目になる。

逃れなくても怖いタタリを見る羽目になる。

 

つまり、デッドエンドという事ですな!

 




やるなら徹底的に。

どうせ害悪でしかないならその魂を明け渡すことで貢献してねっていう。

ところで、アポイベはまだですかね。

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