【完結】 ─計算の果てに何があるか─   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

今回はズェピアさん出ません、モウシワケナイ。





『駒王町』

オッス、俺は兵藤一誠。

駒王学園の生徒で、一般人よりちょっと変わった物を持ってる人間だ。

 

いつものように、元浜と松田と共に素晴らしい本を教室で開き、見て興奮した。

素晴らしい、やはりおっぱいは最高だぜ!

 

この後はオカルト研究部、通称オカ研に行って活動だし、頑張るぜ。

 

まさか、駒王学園の二代お姉さまである姫島 朱乃さんとリアス・グレモリーさんがいるなんて、夢にも思ってなかったけどな!

 

……でも、なんだろう?

何だか、歯車が噛み合わないような感じがして、頭がたまに痛む。

何でなのか……分からない……。

 

 

 

 

 

 

「あら、イッセー遅かったわね。」

 

「すいません、部長!

ちょっとボーっとしてました。」

 

「体調でも悪いのかしら?

あまり無理をしてはダメよ。」

 

少し遅刻してしまったが、部室にはいると、部長であるリアス先輩が遅れた訳を聞いて心配してくれた。

周りの部員の皆も心配してくれて、少し申し訳無い気持ちになった。

 

「大丈夫です、心配してくれてありがとうございます。」

 

「そう?ならいいけど……

じゃあ、活動を始めるわ。

今回は─────」

 

 

 

 

 

 

 

 

活動が終わって、帰る。

今日は寺辺りの心霊スポットで本当に出るのかとかいう調査をした。

 

「……うーん?」

 

何か、頭に引っ掛かる。

本当にこんな活動だけだったか?という疑問が、頭からこびりついて離れない。

いつもしてきた事の筈なのに、嘘のように思えてしまうのは何故だろうか?

 

歩きながら、考える。

何故、俺はこんなにも疑っている?

 

公園のところまで来たところで、足を止める。

 

「─?」

 

「……。」

 

公園の真ん中に、紫の制服を着て、長い紫の髪を三つ編みにした女性が何かを考えるかのように顎に手をやっている。

 

俺はその女性から目が離せなかった。

決して変態な目で見ていたわけではない。

何だか、ここで帰ったらダメな気がして。

 

「……─兵藤一誠ですね。」

 

「っ!?ど、どうして俺の名前を……!」

 

突如、こちらを見て俺の名前を口にした女性に俺は警戒心を強めた。

女性納得したようにこちらへ近寄る。

 

「当たっているようですね。

……貴方は、悪魔というのに聞き覚えは?」

 

「あ、悪魔?そんなの知らな─ぐっ!?」

 

悪魔という単語を聞いた瞬間頭が割れるように痛くなる。

聞き覚えがない筈なのに、聞き覚えがあるように感じる。

 

「やはり、情報操作されていましたか。

安心しなさい、すぐに認知できるようにしましょう。」

 

「な、何を、言って……!」

 

女性は痛みに悶える俺の首筋へと何かをチクリと刺す。

瞬間、俺の頭に情報が流れ込む。

 

『歓迎するわ──悪魔としてね。』

 

『やあ、君がリアスの新しい眷属かい?』

 

『宿敵である赤龍帝の君には期待してるよ。』

 

 

『キヒ、キヒハ、ハハ、ハハハハ!!』

 

鮮血の目が、狂気の笑いが頭に映り、そこでようやく情報は途切れる。

そして、自分が何なのかを思い出す。

 

「──そうだ、俺は……なんで……」

 

『思い出したか、相棒。』

 

「……ドライグ?お前も無事だったか!」

 

『ああ…と言っても、俺も先程まで意識が無かった。

あの女がお前に掛かっていた術か何かを解いたんだ。』

 

思い出した、何で忘れていたんだろう。

それに、俺はズェピアによって消された筈じゃあ……?

 

「…ありがとうございます。

……あの、貴女の名前は?」

 

「名前を聞くなら自分から……というのは私が貴方の名前を知っているからしなくていいですね。」

 

立ち上がった俺に女性は向き直り、真っ直ぐと俺を見捉える。

 

 

「─シオン・エルトナムといいます。

長いので、シオンとお呼びください。」

 

「シオンさん……って、エルトナム!?」

 

俺は距離を取って籠手を出して構える。

エルトナム……ズェピアと同じ……!

 

なら、娘さんか!?

いや、あの場には居なかった……なら、何者……?

 

シオンさんは構える俺に呆れた様子で溜め息を吐いてやれやれと首を横に振る。

 

「確かに、エルトナムという名はタタリの……いえ、この世界ならズェピア・エルトナムですね。

それと同じではあります。

ですが、私がズェピアと同じ名を持ってはいますが敵ならば貴方を戻すような事はしないと思いませんか?」

 

「ぅ……確かに…でも、シオンさんはあの場には居なかったじゃないか!

どうしてここに!それに、駒王町に俺が居るのもおかしいし、何か食い違いみたいなのも発生してた!」

 

「疑問をいくつも投げ掛けるのはやめてください。

順を追って説明します。

まず、この駒王町は厳密にいうと偽物です。

ズェピアの固有結界『タタリ』により造り出した虚像の町。

次に、食い違いが発生していたのはズェピアが『タタリ』を使って取り込んだ者の記憶を改竄…いえ、催眠に似てますね。それをしたからでしょう。

最後に、私がここにいるのは、私はもうこのタタリでしか姿をとれないからです。

だから、私もここの住民のようなものですね。」

 

「なっ……なら、何で「何で手助けするような事が出来るのかですか?」は、はい。」

 

「そうですね……私は多少特別だからです。

他のタタリで存在できている住民とは違い、私には彼らにないものがある。

だからこそ動けているわけです。」

 

「そ、そうなのか……」

 

まるでマシンガンのように口からどんどんと答えが出てくるシオンさんに俺は納得しかできなかった。

……にしても、エルトナムを名乗ってるんだから何かあるんじゃ……?

 

「名前については聞かないで。

どこで彼が見てるか分からないので。

……それに──」

 

「え……?」

 

それに、の後に何か言ったようだが聞き取れなかった。

……何だろうか?

 

「─いえ、何も。

では、行きましょう。」

 

「行くって、どこに……」

 

「貴方の仲間の催眠も解かなくては。」

 

「い、今からかよ!?」

 

シオンさんは冷たい目を俺に向ける。

 

「当たり前です。

何ですか?家に帰りたいと?

所詮、偽の両親しか待ってませんよ。」

 

「……それでも、俺の親だ。」

 

「…それでも、か。

分かりました、貴方の意思を尊重しましょう。

その代わり、私も貴方の家に居させてもらいます。

また催眠が掛かっては面倒ですから。」

 

「えぇ……。

わ、分かった。

そうだ、ついでに明日どうするか決めようぜ。」

 

「そうですね。

……しかし、意外ですね。」

 

家に帰ると決めたので、共に歩いて俺の家まで向かう。

向かう途中で、シオンさんの言葉に俺は疑問を持つ。

 

「何がだよ?」

 

「貴方は後先を考えない…いわゆる猪のような男だと思っていました。

後は、猿のような変態とも。」

 

「ぐっ……こういう時くらいはしっかりしねぇと、ずっとこのタタリって世界にいたら危ないんだろ?

今日は一度作戦のために家に行くとしても、それで最後にしようって位の考えは俺も出来るって。」

 

「…なるほど。

ちなみに、言い忘れていましたが、現実の方ではタタリが冥界を中心に侵食していっています。」

 

「はぁ!?どうして先に言ってくれなかったんだよ!」

 

「いえ、すみません。

素で忘れていました。」

 

俺は思わずガクッとする。

意外と抜けてるのかもしれない。

俺が言えたことではないが。

 

 

─────────────────────

 

 

その後、母さんと父さんにこっそり勉強を教わっていた大学生の知り合いと結構無理がある説得をしたら信じてくれた。

その時のシオンさんは『えぇ……』って顔をしていた。

 

そして、掃除した俺の部屋で今後の方針を決める。

 

「しかし……貴方の両親は人が善すぎる。

あれでは詐欺で騙されそうですね。

現実でもああなのですか?」

 

「現実でもああだな。」

 

「ちゃんと守ってあげなくてはなりませんよ。

家族は、大事なんですから。」

 

優しい目で言うシオンさんに、ドキッとしつつも俺はこの人にも家族が居たのかなと考える。

 

「さて、明日はまず貴方の王…リアス・グレモリーと魔王の一人であるサーゼクス・ルシファーの催眠の解除です。」

 

「まずはって事はその次は誰にするんだ?」

 

「催眠を解除した魔王を通じて他二名の魔王の催眠解除とその後は、貴方の仲間の催眠解除ですね。」

 

「おう、分かった。

そんで、その後は、ズェピアに挑むってことか?」

 

「……そうですね、しかし、その前に難関が……」

 

「ネロ・カオス……だっけか。」

 

ズェピアが信頼を置く男、ネロ・カオス。

どれ程強いのかもズェピア以上に未知数だ。

何せ、ズェピアの能力は少しは分かってるのに対してネロ・カオスの能力は不明だ。

 

部長の話では生き物を体から出すらしいが……。

 

「ええ、彼を倒さないことにはズェピアと戦うのは無理でしょう。」

 

「無視ってのも出来なさそうだしな。

オーフィスは?」

 

「オーフィスは私達を倒しには来ないでしょう。

ズェピアなら、そうすることを頼む。」

 

「やけに、ズェピアの事を知ってるんだな。」

 

「…まあ、エルトナムである以上は仕方ないことです。」

 

「そういうもんか。」

 

「そういうものです。

いいから、他にも確認することはあるんですよ!」

 

「は、はい……。」

 

強引に話を切られてしまった。

まあ、仕方ないことだろうが……。

 

その後は、俺の神器の能力や、仲間の能力を教えてほしいと頼まれ、教えた。

その後、一人で考え込んでしまったので、夕飯までテレビを見ていることにした。

 

母さんが扉を開けて、夕飯が出来たと伝えると考え事をやめて俺と共に下に行くが……

 

「あら、シオンさんはトマトが苦手なのね。」

 

「え、ええ…ちょっと……少し……かなり……結構苦手です。」

 

「そう……食べれなければ一誠に渡しちゃってね。」

 

「すみません、用意してもらったのに……」

 

「いいのよ、ウチの人も未だにゴーヤが食べれないんだから。」

 

「おい、ゴーヤが食えない大人は意外と居るだろう!」

 

…トマト、苦手なんだなぁ。

俺は問題なく食えるけど。

やっぱり、食感とか味が嫌だったりすんのかな。

 

夕飯を食べて風呂に入った後は母さんが用意してくれた部屋でシオンさんは寝た。

俺は少し考え事をした後寝ようとしたが、ドライグが呼び止めてきた。

 

『…相棒、仮に事が上手く進んでズェピアに挑めても、奴の神滅具を越える兵器にだけは警戒を怠るなよ。

何があるか分からないからな。』

 

「分かってる、ありがとなドライグ。」

 

『宿主の心配をしただけだ。』

 

ドライグはそれ以降話すことはないのか反応しなくなり、俺はそれを確認したあとすぐに寝た。




……メルブラキャラはもう出ないと思った人、挙手。

まあ、このシオン、中々の訳ありのようですが……


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