ハッピーエンドがいいかバッドエンドがいいか……悩むなぁ。
関係ないけど、fgoの岡田以蔵さんが大好きになったぜ。
ナーサリーの方が好きですが。
ではどうぞ。
劇場は狂い始めている。
歯車は逆へと廻り始めた。
世界はより混沌へと落ちる。
一人の男が愛ゆえに起こした行動は、一つの食い違いで化け物を生む。
それでも、『あのまま』ならば……
きっと、それを己の愛を、その獣に示すだろう。
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「っぐ……ぅ……」
一人で頭を片手で抑え、ふらつきながらも家を目指す。
突如として、起こったこの現象に、僕は戸惑いを隠せない。
割れるように痛いと同時に、何かが流れる。
痛みと津波のように流れ込む情報に、僕は蹲る。
これは……
『……いやいや、魔王様に話しかけられるとは思っていなかったものでして。確かに私は悪魔ではありません。私は吸血鬼です。』
「これ、は……?」
これは、彼との最初の……
次々と、『本来』の僕の記憶が流れてくる。
『サーゼクス、君が王だろう』
そうだ、君は、こんな情けない僕を王だと、友人だと言ってくれた。
理想を見付けるのは、僕だと。
僕たちを、何度も助けてくれた。
『ならば、その役目、引き受けよう。
ただし、君だけではない。
君達四大魔王が真に王としてやっていけるのか。
それを見定めさせてもらう。』
「……。」
君は、見定めると、僕に言った。
元より僕が頼んだ事だ。
でも、君は……
『─さぁ、始まるよサーゼクス。
君の『理想』を、私に示したまえ。』
「──……ああ、そうだ、僕は…。」
……君は、僕達の理想を確かめるために、何より家族の為に、道を違えた。
なのに、あの時──
─酷く、苦しそうに見えたのは僕だけなのだろうか。
君の、あの顔は何なんだ?
何をそんなに苦しんでいるんだ?
僕達が、君をそこまで追い込んでしまったのか?
…もし、そうなら……
「─それでも、君は友だ。」
たとえ身勝手と蔑まれても、僕は、僕達は君を助け出して見せる。
僕は立ち上がって、家へと急いだ。
もし僕でこうならば他の皆は……!
まずは、近い場所から。
リアスや他の皆も心配だ、もし襲撃でもされていたらひとたまりもない……。
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「これは…!?」
戻ってきたら、仮初めの家は少しボロついていた。
荒らされたにしては、損傷が少し大きい……特に玄関の扉は粉砕に近い形で壊されている。
まさか、リアスはもう……!
「リアス!無事か!」
僕はすぐに家へ入る。
すると、奥の方から声が聞こえた。
「お兄様!」
「リアス、よかった…!無事なんだね。」
リビングから顔を出したリアスに、僕は安堵する。
よかった……。
「リアス、この惨状は、ズェピアか、ネロ…どちらが?」
「お兄様、もしかして催眠が……」
「催眠?ああ……僕なら大丈夫だ。
それより……」
「え、ええ。
ネロ・カオスです。
襲われたけど、イッセーとシオンのお陰で何とか……」
「待ってくれ、シオンとは誰だい?」
「シオンは……」
そこから、僕は今までの顛末を聞いた。
シオン・エルトナムという少女がイッセー君とリアスの催眠を解除してくれたこと、ズェピアを殺すのではなく止めるために来たこと、ネロに襲われたがシオンのお陰かは不明だがしばらくの猶予ができたこと。
「……そうか、彼女は今どうしてるんだい?」
「疲れて寝ています。
イッセーも休んでいいと言ったんですけど、『起きてないと不安なんです』って……。」
「そうか…。
取りあえず、ここは危険だ、別の場所へ行かないと何時襲われるか分からない。」
「ですが、何処へ……」
「駒王学園のオカルト研究部はどうだろう。
必ず安全とはいえないが、僕らが一番集まるのはそこくらいだろう。
冥界までは再現してないみたいだしね。
……ところで、起きているにしてはイッセー君の反応がないね。」
「そういえば……少し見てきます。」
そう言ってリアスは二人を見に行った。
……僕は素で話してるのにリアスは敬語なのはなんだかなぁと空気を読まない事を考えながら待つ。
やがて戻ってきたリアスは苦笑して首を横に振る。
僕も思わず、苦笑してしまう。
「…そうか、なら、仕方無いね。
少しだけ、ここに居よう。」
「そうですね。
……ところで、どうしてお兄様だけ催眠が勝手に解けたんでしょう?」
「それは……多分、ズェピアから僕への挑戦だからかもしれない。
僕が僕でなければ、僕の理想は彼へと届かない。
……でも、僕だけじゃダメだ。」
「アジュカ様とセラフォルー様ですね。」
「ああ、これは僕たちの理想を示す戦いでもある。
ファルビウムの分まで頑張らなくてはならない。」
そうしてようやく、第一歩なのかもしれない。
君への本当の恩返しはこれしかないのかもしれない。
だが、僕たちの隣で、それを見届けてほしいと思ってしまうのはきっと僕の甘さなのだろう。
……それでも、僕は君を止める。
…それにしても、シオンという少女の話を聞く限りだと
僕の知る人物では一人しか浮かばない。
でも、それだとおかしい。
魂はこの世に長く留まれない筈なのに、どうやって今まで留まれたのかという疑問が生じる。
…なるべく早めに聞いた方がよさそうだ。
全てを明るみにしないと、この事件は終わりそうにない。
そんな予感が、僕にはあった。
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何かがぶつかり合う音が響く。
ぐちゃり、と獣が弾けとんだ。
それを使役する男は未だに不敵な笑みを崩さない。
対して、獣を拳一つで消し飛ばした少女は不機嫌そうに睨む。
その目から光は消え、闇が見える。
「どうして、邪魔をする?」
「貴様は動かぬという話であったはずだろう。
貴様が動けばそれこそ全てが呆気なく片が付く。」
「それの何が悪い?
我は、ズェピアの役に立ちたい。」
「そのような目には見えんな。」
「…!」
少女は男へと体を向けながら後ろの空へと手を伸ばし、掴む。
その手には、鴉が首を折られ、だらんと死んでいた。
「この程度の奇襲、我には通じない。
これ以上邪魔をするなら、カオスでも、容赦はしない。」
「貴様の『無限』ならば私を殺せると?」
「余裕。」
「ふっ、そうか。
ならば今ここで試してみるか?」
「……どうして、邪魔をする?
我は、ズェピアに振り向いてほしいだけ。
その為にあの悪魔どもを殺して全員の首をズェピアに見せて褒めて貰おうとしてるだけ。
それの何がいけない?」
「タタリめの頼みとはまるで真逆だな。
貴様のその行為は悲しみを連鎖的に生み出すのみだぞ。
感情に身を委ねるのは感心せんな。
今更、恋に気づかれない焦りが出たか?」
「……うるさい、うるさいうるさい!!」
乱暴に力を強めたせいで周囲がどんどんと崩れ去る。
感情の暴走。
それを表すように地面にクレーターが出来ていく。
その後、顔を俯かせて、少女は薄く笑う。
「……もう、いらない。
カオスも、フリージアも、皆いらない。
結局は『あの』ズェピアだけが…あの人間だけが我の理解者で、我の『恋』を受け止められる存在だった。
なのに、ズェピアはアレを忘れるだけならまだしも自分も忘れた!
我が恋したズェピアはもういない。
─でも、身体はあの時のまま。
ふ、ふふ…なら、我の愛を受け入れてくれるのはあの身体だけなの。
我に、残ってるのは、『ズェピア』だけなの。
邪魔を、しないで─!」
「恋は盲目とはいうが、これでは失明ものだな。
タタリも甘やかしが過ぎるというものだ。
……だが、ここまで力をセーブする気のない奴が相手ではな。
……三分が限度か、それまでに止めるしかあるまい。」
男…ネロ・カオスはそれでも自分は死なぬと信じて疑わない。
あの時のような失敗は繰り返さないと心に決めていても、彼にとっての絶対は自分の混沌だ。
故に、彼は臆することなく『無限』と戦う決心があっさりとついた。
だが、彼に油断はない。
─何故なら、策はもう練られた。
少女…オーフィスは突如懐疑そうにネロを見る。
「─さっきから何をしている?」
「さて、何だろうな。」
「…まあ、罠でも踏み抜いて殺すだけ。
我の邪魔をするなら、家族でも容赦はしない。」
「現代の言語でいう、ヤンデレ、というやつか。
厄介なものだ。
だが、龍を喰らうのも一興か─!」
かつて家族であった無限と混沌が、人知れずぶつかり合う。
夜の街は、まだ終わらない──。
いやぁ、恋は盲目っていい言葉ですよね。
にしても、無限の龍神を惚れさせるズェピア氏は罪深いなぁ(本人の現状を見てワインを飲みながら)
教授は無限に勝てるのか!?