デート・ア・ライブ 士道ウィザード   作:みたらし団子が好き

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今回は夕弦メインです。
早く投稿した代わりに、長さは前回前々回に比べて短いです。

ところで俺の書いてる文章ってちゃんと読んでる側に伝わってる?
どういう事が起きてるか意味理解できてる?
もしよろしければ感想お願いします。

タイトルがそのまんま?
……まあ……何て言うの……そういう時もあるじゃん?



超人と精霊の戦い

これは現在から数十分程前、戦闘機がまだ形を保っていた時の会話。

 

「大佐、聞こえますか?」

『……聞こえてるぞ。なんだ?』

「そろそろ俺にピッタリな機能とやらを教えてくださいよ」

 

士道が持ち掛けたのは、着用型接続装置(ワイヤリングスーツ)の機能の話だった。

 

『言っただろ。使ってからのお楽しみだと』

「でもこれ実戦なんですよ。試す暇があったんなら良かったんですけどね」

『……確かにな』

 

士道の言う通りである。

これは〈ベルセルク〉を討伐する実戦任務だ。

真面目な話、使ってからのお楽しみなんて言ってる場合ではない。

 

『わかった。話す。その機能はズバリ光学迷彩だ』

「光学迷彩?それは随意領域(テリトリー)を用いた、ということですか?」

『いや違う。この機能に顕現装置(リアライザ)は使ってない。純粋な科学によるものだ。最近、開発機関が作ったらしくてな。知っての通りウチ(SSS)には最新技術が優先して入って来る。それを着用型接続装置(ワイヤリングスーツ)に取り付けたって訳だ』

 

精霊の討伐というのは、世界各国の重要課題の一つだ。

それ故、対精霊部隊のSSSは技術面がかなり優遇されている。

 

『と言っても今回は空中戦だからな。多分出番はないだろうよ』

 

気配を断つのが得意な士道に光学迷彩はまさに鬼に金棒と言えるだろう。

だがそれは白兵戦においてしか効果を発揮しないものだった。

士道は何故今これを渡したのか大佐に問い詰めたくなったが自粛する。

 

「出番はないですか。……そうだといいんですけどね」

 

士道は、そうだといいと言いつつも少し残念そうに答える。

まあ新装備というのは非常に男心をくすぐる訳で、使いたくなるのも無理はないだろう。

だが使うべき場面はすぐそこまで迫っていた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

周囲が岩だらけの岩石地帯。

地面も土に石が多く混じっておりかなり硬い。

その場所の一角には今も燃えている残骸と3人の人影があった。

そして辺りの空は暗雲に満ちていた。

 

「滅殺。覚悟してください。我々八舞に手を出した事を後悔させてあげます」

「そうか。なら後悔させてみろ」

「主張。その余裕を消し飛ばしてあげます」

 

夕弦は左手を持ち上げた。

たったそれだけの動作で周囲に凄まじい強風が吹き荒れる。

人間なら立っている事すら困難だろう。

だが目の前に立ち塞がる漆黒の兵士はバリアでも張っているかのように動じない。

 

そして風は夕弦に集まっていき、濃密な風の層を作る。

敵は耶倶矢の天使を受け止める程の実力者だ。

故に夕弦は加減しなかった。

抵抗させること無く、岩石地帯ごと吹き飛ばして塵にする。

そうするべく風を動かそうとした矢先の事だった。

 

「……は?」

 

夕弦の全面に展開されていた風に巨大な穴が開けられたのだ。

ドパンという重々しい破裂音、まるで超強力な空気砲でも撃たれたかのような惨状。

だがこの惨状を引き起こしたのはたった一人の人間だった。

 

「風の防壁か。一撃で仕留めるつもりだったんだけどな」

 

夕弦の眼前に、全身を光学迷彩機能付きの黒い着用型接続装置(ワイヤリングスーツ)で覆った男が右手の拳を突き出した状態で立っている。

この男は夕弦が反応出来ない速度で迫り、人間とは思えない威力の拳で風に穴を開けたのだ。

それがどれだけ恐ろしい事か理解した夕弦の頬に一筋の汗が流れる。

 

「お前の風は弱い。……終わりだ」

 

夕弦に止めを刺すべくもう片方の手を出して首を掴み折ろうとする。

男が夕弦まであと数メートルの所まで迫る。

 

「ッ!否定!させません」

「!」

 

否定の言葉とともに男目掛けてペンデュラムが飛んでいく。

その攻撃に男は即座に反応した。

右手の籠手でペンデュラムを弾き、甲高い音と一緒に火花が散った。

 

「確認。今誰の風が弱いと?」

「……それが、お前の天使か」

 

決して劣らない。

この男が超人ならば、夕弦もまた人という種を超えた存在、精霊なのだから。

 

「空中戦の時は鬱陶しいとしか思わなかったんだが」

 

精霊の天使を籠手で防ぐという、これまた人外な事をやってのけた男は、ペンデュラムとの激突で傷ついた左手の籠手を一瞥する。

 

「憤慨。夕弦の風を弱いなどと言う世迷いはもう二度と言わせません」

 

夕弦は覚悟したように目を見開く。

そして左手を上げ、風を再び結集させる。

それが合図のように男の体が溶けるように消えていく。

光学迷彩機能を使ったのだ。

 

「……その自信と態度、一体何時まで持つことやら」

 

その姿が消える前に夕弦は上げた左手をバッと振り下ろした。

 

「必殺。これでも喰らいなさい」

 

振り下ろされた左手についているペンデュラムが渾身の速さで男に向かっていく。

厳密には男の足に喰らいつき、巻き付いて行動を阻害しようとする。

 

「くっ」

 

消えかかっている男が跳躍して、ペンデュラムを回避する。

音速の速さのペンデュラムを避けるだけでも称賛に値するがこれは手札の内の一つでしかない。

 

「予測。これぐらいは想定内です。しかしこれはどうでしょうか」

 

風の密度が更に濃くなる。

その全ての風が男に向かっていく。

 

「……ふっ」

 

街を一つを簡単にボロボロにする破壊力、その全てが人間一人に差し向けられる。

男はこの光景に物怖じするどころか笑った。

それどころか再び夕弦目掛けて突貫する。

 

「破壊。貴方の体を穴だらけにしてあげます」

「ほざけ」

 

男は首を捻り風の弾丸を避ける。

すると腰からレイザーブレイド〈デストロイヤー〉を取り出す。

構えると真っ赤な刀身が形成されていき、それで凝縮された風の弾丸を切った。

 

「遅い」

 

続いて迫って来る風の弾丸を素早い剣捌きで次々と切っていく。

時節、風とともに飛んでくる岩はもう片方の拳で殴りつけ、時には蹴って粉々に砕く。

 

「そして脆い」

 

次々、そのまた次々と無力化される風。

人間なら何も出来ずに屍を晒すであろう猛攻を難なく防ぎ続けている。

それは夕弦にとってはとても信じ難い光景だった。

 

「焦……燥。まさかこれほどとは」

 

夕弦の天使、〈颶風騎士(ラファエル)〉の風はとても速い。

八舞姉妹が数百キロと言う距離を数分で移動できる事がそれを如実に表している。

男は遅いと口にしたがそんなことはない。

風を遅いと言う男の方がおかしいのだ。

 

「驚愕。どれだけ並外れた反射神経をしているのですか……ですが不可能です」

 

ズシャ、と肉を切り裂く音がする。

その音の出所は男の肩だった。

その肩から血が流れ出る。

それを皮切りに足や胴体など、数か所からも血が噴き出す。

幾らあの男でも際限なく撃ち続けられる風の弾丸をずっとガードするのは無理があったようだ。

 

「終幕。これで終わりです」

 

負傷によって男の体勢が崩れた所を狙い、ペンデュラムが男に向かって飛来する。

ペンデュラム、【縛める者(エル・ナハシュ)】は夕弦の天使だ。

天使の破壊は不可能、素直に躱すか、もしくはさっきやったように籠手で弾くしかないだろう。

だがそうして隙を見せるが最後、男は夕弦の宣言通り風の弾丸で体が穴だらけになるだろう。

 

「勝利。さらばです」

「……そうだな。……俺じゃなければ、の話だけどな」

 

数瞬後、夕弦はその光景に再び驚愕することになる。

男はで飛来するペンデュラムに手を伸ばして、音速の速度のそれを両手で掴んだのだ。

 

「なっ!?」

 

夕弦は目を丸くし、驚愕の声を出す。

しかも男は掴んだペンデュラムを力の限り引っ張り始めた。

ペンデュラムは夕弦の左手の錠と繋がっており、その結果夕弦も引っ張られ始める。

男の人外じみた膂力で、大した抵抗もなく夕弦の体は引っ張られ、宙に舞った。

そして男が思いっきりペンデュラムを振り下ろすと夕弦は地面に強く叩き付けられる。

 

「かはっ!」

 

夕弦は苦痛の声を上げ、ひび割れた地面で痛みに悶える。

 

「苦…戦。あれは、ヤバいです」

 

夕弦はここにきて初めて恐怖を感じた。

あの男の尋常じゃない強さに、だ。

悲鳴を上げる体に鞭を打ち、夕弦は何とかして体を持ち上げ、顔を上げる。

 

「……あ」

 

顔を男の方に向けた夕弦は、目を見開いて声を失った。

そこには二本の投擲用のナイフが自身に迫りつつあった。

一本は胸に、もう一本は頭に。

夕弦はそれに反応出来ず、目を瞑った。




魔術師(ウィザード)だけど殴る。
魔術師(ウィザード)だけど蹴る。

今回は次回が気になる感じの終わらせ方をしてみた。




















まあ夕弦は死なないけどね。
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