オリキャラの設定を決めるのに右往左往すること約二週間、執筆するのに約三週間で一か月以上かかってしまいました。
面目ない。
それとUA1万超えました。
みんなアリガトー ワーイ♪♪\(^ω^\)( /^ω^)/♪♪ワーイ
あと関係ない話ですけどGODZILLA決戦起動増殖都市がめちゃ面白かったです。
メカゴジラ動かないんかい!と、つっこんでやりたくなりましたがゴジラの高加速荷電粒子ビーム(言いたかっただけ)が、かっこ良かったから全て許す。
新たな仕事
「はぁ~」
暖かいお湯が冷たい体に染み渡り、士道は自然と声を出した。
五河家にあるただの風呂ではあるが、未だに寒々しい3月の冷たさには抜群の効果を示した。
「はぁ~」
士道と向かい合って同じく風呂に入っている妹、琴里も同じく気持ちよさそうな声を出した。
今、士道は妹である琴里と一緒に風呂に入っていた。
混浴ではあるがそこは子供、しかも兄妹であるから許されることだろう。
勿論、士道は腰に、琴里は胸にタオルを巻いている。
「……ねぇねぇ、おにーちゃん」
「ん?どうした、琴里」
入浴して少し時間が経つと琴里が怪訝そうな視線を向けて士道に話しかけた。
「……体の傷、前より増えてない?」
「………………」
琴里が疑問に思うのも当然の事だろう。
前に入った時は腹に大きな痣と擦り傷だったのが、今は体中に切り傷があるのだ。
中でも目を引くのは、左脇腹にある槍にでも突かれたかのように思える大きな傷跡だ。
目算でも恐らく直径3cmはあるだろう。
「あー、いやちょっとやらかしちまって」
「また喧嘩したの?」
「ああ、うん」
勿論、これは虚言である。
実際は精霊、〈ベルセルク〉につけられた傷だ。
無論、精霊にやられたなんて言える訳がない為、琴里には喧嘩と嘘をついている。
だがそれで誤魔化すには限度がある傷の大きさなので、士道は傷跡を消そうと躍起になっているのだ。
「その……大丈夫なの?」
琴里が心底、心配そうな顔と不安そうな声音で士道に問う。
兄である以上、士道は琴里を安心させなければいけないだろう。
士道は出来るだけ声をやわらかくして答えた。
「大丈夫だよ。そう心配すんなって」
士道はそう言って琴里の頭を優しく撫でる。
「……うん。わかった」
頭を撫でた甲斐あってか、琴里は硬い表情を幾分か緩めた。
「じゃ、俺は先に上がるな」
「えっ!……今日も?」
もうほぼ毎日の事だが琴里は思わず溜息をついた。
士道は大体7時になると自分の部屋に籠ってしまうのだ。
そうしたら部屋に鍵を掛け、次の日になるまで出てこない。
士道は、人知れず世界を救ってるんだぜとか何とか言っていたが流石にそれを信じる程琴里は子供ではなかった。
「それじゃあ、また明日な。琴里」
そう言って琴里の頭をポンポンと撫でると、士道は浴室のドアを開け、脱衣所に入っていった。
「………………」
琴里は風呂によって赤くなった頬の色を更に濃くする。
小学3年生にしてブラコンと言う病を患ってしまった琴里は、士道の優しそうな声に何も言えなくなってしまった。
士道が部屋に籠って何をしているか、今の琴里に知る由はなかった。
◇◇◇
脱衣所で服を着た士道は、自分の部屋に入って鍵を閉めた。
鍵を閉めるのは自分がいない事がバレないようにするためだ。
士道は部屋のクローゼットを開け、奥からやたらとメカメカしている台座、転送装置を引っ張り出す。
そして台座の下の部分についているケーブルをコンセントに繋いだ。
すると台座から電子音が聞こえ、同じく台座の下部についているゲージが少しずつ溜まっていく。
数分程するとゲージのすべてが青く染まった。
それは転送に必要な電力が全て貯まった事を意味している。
士道はゲージを確認すると台座に立って下部のレバーを倒した。
すると電子音が大きくなり、士道の体は浮遊感のようなものに包まれた。
士道の体内時計によれば、約2分経過したところで真っ白だった視界が晴れていく。
その場所は士道のイギリスの拠点である寮の一室だった。
最初の頃は、転送の独特な感覚に酔っていたが今はそれも慣れたものだ。
「……さてと」
狭い部屋の壁に掛けてある時計は既に10時を過ぎているが、SSSの隊員は時間にルーズな人ばかりなので士道は遅れている事を特に気にしなかった。
一息つくと、士道はまず洗面所に向かった。
この生活リズムになってから早くも一年以上が経過した士道の毎日の日課はもう決まっている。
まず洗面所に行き、眠気を覚ます為に顔を洗う。
次に歯を磨き、最後に持ち物を確認して準備が完了する。
「今日は精霊来るかな?……まあ処理が面倒くさいから現界して欲しくないけど」
対精霊部隊の隊員としてはかなり不適切な言葉を溢しながら、士道は部屋のドアを開け、外に出た。
「っ!」
ドアを開けた途端に入ってきた冷気が士道の体を震わせる。
日本は最近少しずつながらも気温が上がってきたが、こちらはまだまだのようだった。
イギリスは日本よりも北に位置するから当たり前、と言えばそれまでだが。
取り敢えず寒さは我慢することにして、士道はズボンのポケットからデバイスを取り出すと、
ものの一瞬でカジュアルな服装が黒と蒼の装甲に変わり、腰の剣帯には鞘に収まった刀らしきものが着けられている。
しかし何と心が鎮まる光景だろうか。
爽やかな緑の街路樹に、緩やかな日差しが降り注ぐ。
どこかからフルートの音色でも聞こえてきそうな、そんな風景だった。
士道が散歩気分で歩きたくなるのも無理はない。
だが傍から見てみると、士道の近未来チックな戦闘服がその景観を破壊していた。
そしてその景観を破壊している張本人はその事に全く気がついていない。
そんなボケっとしている士道はどうでもいいとして、数分歩くと自然が消えて視界に金属のフェンスやコンテナ等が映り始めた。
その鉄格子の向かい側には作業員を始め、ちらほらと
そんなザ・平和な光景に一人、異物が混じっている事を士道は感じ取った。
あっちこっちに視線を飛ばしている士道の目の視界にあるものが映った。
士道が歩いている道の脇に等間隔に置かれてるベンチ、その内の一つに人が座っている。
その人物は特殊部隊が着ていそうなコンバットスーツを着ており、腰のホルスターにはハンドガン、太ももにはナイフ、肩にはサブマシンガンを掛けている。
まさに完全武装と言った装いだ。
そして最も目を引くであろう頭には、文明社会人であれば誰でも知っている某マスコットキャラクターの着ぐるみマスクが着けられていた。
スラッとした体格と胸部の膨らみを見て、士道はその人物が女性であることを看破した。
「………………」
士道はゴクリと生唾を飲む。
その人物の正体を理解したからだ。
コンバットスーツと着ぐるみマスクを着た人物なぞ、普段の士道なら感性が豊か?なコスプレイヤーとしか思わないだろうが、この時は普段ではなかった。
この女性、姿は隠しているようだがその身に宿す覇気までは隠せなかったようだ。
その覇気を見抜いた士道は、額に汗を浮かべながらも反応した素振りを見せずに女性が座っているベンチを通り過ぎることに成功した。
「……はぁ……はぁ」
士道はいつの間にか止めていた息を吐いた。
だが緊張が途切れたと同時に、後ろから敵意を感じた。
勢いよく後ろを向くとコンバットスーツの女性がハンドガンをこちらに向けていた。
そのことを認識してから間もなく炸裂音が響き、ハンドガンの銃口から弾丸が飛び出した。
士道は腰の鞘から居合の要領で素早く刀を抜き放ち、放たれた弾丸を真っ二つに両断した。
今ではすっかり板についた銃弾を切ると言う技を行った士道は、自身の視界の端に接近
する影を捉えた。
言わずもなが、コンバットスーツを着た女性だ。
女性はサブマシンガンやなんやらを身に着けてるとは思えないスピードで距離を詰め、士道がナイフを投げるなどの対応する暇も無く肉薄した。
「ッ!」
それに反応した士道は素早く刀を振り下ろす。
だが女性は放たれた神速の斬撃を両手で掴み、振り下ろしを止めたのだ。
掴んだ手の平から、ジュッと焦げるような音とともに少量の煙が立ち上がるが、女性はそれを意に返さず、そのまま流れるように士道の真正面に迫り、手から刀を叩き落とした。
「おっ!?」
士道の驚愕の声と一緒にいつの間に増えていた周囲のギャラリーから「おぉ…」と言う小さな感嘆の声が溢れた。
そして刀を失った士道にナイフを突き出す。
士道は突き出された腕を掴み、ナイフを止めると足を払った。
「!」
ここでようやく女性が反応を表した。
だがそれは想定外の攻撃に対する驚きのようなものではなかった。
女性は足を引くことで足払いを回避、士道の足は空を切る。
「ふふっ」
女性はマスクの中で笑う。
今度は此方の番だと言わんばかりに、女性は一回転して回し蹴りを側面から士道の頭に叩き込む。
「ちっ!」
士道は腕を構えて回し蹴りを受け、衝撃をいなした。
だがいなしても尚、有り余る衝撃に士道は数メートルほど後ろに後退した。
一回転が生み出した遠心力が内包されている回し蹴りの威力は士道の許容量を超えていたのだ。
左腕の痛みに眉を顰める士道に、女性は手刀や掌底を容赦なく打ち込んでいく。
士道は波状攻撃を捌いていくが次第に防戦一方になり、防御も儘ならなくなっていく。
そして何度目かの攻防で女性の右ストレートが士道の腹部を直撃した。
「ぐぁ!」
防御に失敗した士道は後方に大きく仰け反る。
そして士道が仰け反った体を戻した時には自身の眉間にサブマシンガンが向けられていた。
「……はい、降参」
士道は観念するように両手を上げて苦笑した。
「これで私の八勝ね」
女性は自慢げにそう言うと顔から着ぐるみマスクを取り、素顔があらわになる。
それはつい先ほどまで、凄まじい格闘術を行使していた人物とは思えないほどの美女だった。
輝くようなブロンド色の髪に、鮮やかな緑色の目を持つ美しい容姿をしている。
「ああ……正確には八勝一敗だけどな」
「そこまで細かく言わなくてもいいじゃない、シドウ」
「てかイリシャ、いい加減に朝の襲撃は止めてくれ。朝から戦うのはつらいんだよ」
「別にいいでしょ?鍛錬にもなるんだし」
士道の眠気を覚ますどころか意識を警戒状態にしてしまった彼女の名はイリシャ。
負けなしだった士道が初めて敗北を喫した相手であり、エレンと並んで最強の
イリシャがどれだけ強いかは先程の両者の発言からわかるだろう。
初めて戦った時、かなり拮抗したのが彼女の琴線に触れたのか、それ以来不定期で士道にこうやって襲撃を仕掛けてくるのだ。
「それより、これを見てちょうだい」
そう言うイリシャは被っていた着ぐるみマスクを見せつけてくる。
「……これがどうしたんだよ?」
イリシャが手に持っている着ぐるみマスクに、特におかしいところはない。
強いて言えばそこそこの値段はしそうだという印象を受けた。
「これね、アメリカにしか売ってないのよ」
「いや知らんがな」
果てしなくどうでもいい答えに変な口調になる士道。
会話を切って士道は叩き落とされた刀、〈デストロイヤー〉を拾い、それを鞘に納刀した。
「それ、〈デストロイヤー〉だったかしら?相変わらず変な名前ね」
「オッケー、お前はちょっと黙ってろ」
因みに〈デストロイヤー〉は〈ベルセルク〉との戦いで破壊された為、改修されて新たな姿に生まれ変わった。
片刃の刀身はまるで日本刀を思わせるが、その刀身はレイザーブレイドよろしく魔力で出来ており、士道の
刃と柄の間にある、本来は丸い鍔も現代風になっていて、刀と銘打ってはいるが構造に刀の要素などはまったくない。
「言うなれば〈デストロイヤーⅡ〉ってところか」
「Ⅱをつけても変な名前に変わりはないわよ」
「ちょっと、割とマジで黙ってて」
平然と毒を吐くイリシャに士道は憤慨する。
〈デストロイヤー〉と言う名前は別に士道が決めたわけではないので、言われもない悪口に士道はほとほと困っていた。
「ああ、それと隊長から貴方に伝言よ。司令部に来てくれって」
「そうかよ……てかそれを早く言え!」
「ふふっ、ごめんなさい。つい戦いに集中しちゃって、つい本当の目的を忘れるところだったわ」
「お前、間違いなく戦闘のついでに伝言とか思ってただろ。ってこうしちゃいられん」
そう言うと士道は司令部に向かって走り去って行った。
士道がその場からいなくなると周囲のギャラリーもワイワイ、ガヤガヤと話しながら去って行った。
世界トップクラスの
最も前述の勝敗の戦績により、士道に賭ける人は余りいなかったが。
「さてと、私は後片付けをしないとね」
イリシャは地面に落ちたハンドガンの薬莢を拾い、そして士道が〈デストロイヤー〉で両断して二つに分かれた弾丸を探しに行った。
それは
◇◇◇
「それで、何か?」
士道は司令部の一番奥にある隊長用の椅子に腰かけているサミュエル大佐に、呼ばれた理由を問うた。
「おっ!来たかシドウ!」
「……ん?」
士道はサミュエル大佐の機嫌がかなり良さそう事に気付いた。
そしてその訳を少し考えると思い当たることが一つだけあった。
「随分とご機嫌が良さそうですね。もしかしてエレンが不在な事と何か関係が?」
「ははは!解ったかシドウ、基地にDEM所属の奴がいないだけでどれだけ気が休まることか!」
士道の思った通り、サミュエル大佐はエレン、引いてはDEMがいないことを喜んでるらしい。
まあDEMはSSSに装備を優先して提供してるのをいい事にSSSの
因みにエレンは社長に呼ばれたらしく、今はこの基地にいない。
「エレンがDEMにSSSの情報を流す事を恐れてるんですか?彼女はとてもそんな事はしないと思いますが……」
「そんな確証がどこにある?」
「ないですけど、そんな事をするならもっと冷たい態度をとると思いますよ」
「………………」
「エレンは敵に対しては冷酷ですけど仲間には結構甘いですし」
士道は口籠ることもなくスラスラと言葉を述べた。
「よくそんな事を自信満々に言えるな。俺にはあの狂人の手下にしか見えないが……それだけ奴を信用してるという事か……」
「でもイリシャと喧嘩することはやめてほしいですね。何故か知りませんけどエレンはイリシャが嫌いらしいですから」
士道に理由は分かりかねているがエレンとイリシャは仲が悪い。
それも特大に。
最初はちょっとした口喧嘩だったが次第にエスカレートしていき、今では時折兵装を持ち出して戦うまでになったのだ。
最初は放っていたが戦闘となると話は別で、今では一触即発になるたびに士道が仲裁を行っている。
「……お前、理由は分からないのか?本当に?」
「ええ、俺には。同じブロンドヘアだから敵対心でもあるんじゃないですか?そんなふざけた理由とは思いたくありませんけど」
「……………………はぁ」
士道の言葉を聞くと大佐は手を頭に当てて溜息をついた。
それは頭を抱えてるのか、士道に呆れているのか、もしくはその両方か。
「な、なんですか?その反応は」
「シドウ……後ろから刺されないように、常に後ろを警戒しとけよ」
「?……はい」
士道は大佐が何を言っているのか良く分からなかったが真剣な剣幕に思わず頷いてしまった。
「長々しく話しちまったが本題に入るぞ。単刀直入に言う。シドウ、お前
「それって俺が訓練させる側ってことですか?」
「そうだ。シドウ、お前も知っての通りSSSは今圧倒的に人材が不足してるんだ」
現在SSSはかなりの人員不足に陥っている。
そもそもの話、
そんなただでさえ少ない適正者をDEMから取られているのだ。
しかもDEMの横暴を軍の上層部は知りながらも黙認している為、それに対しても対策のしようがない。
「だからウチは少数精鋭主義を推し進めようと思う」
「成程。それで教えるのが俺と言う訳ですか」
士道も今では世界最強の
少数精鋭の軍隊を作るのにこれほど適任な人物はそういないだろう。
「……因みに拒否権は?」
「ふむ……………………」
士道の言葉にサミュエル大佐は顎に手を当て、考えるような仕草をする。
そして少しの間、無言になると―――――
「無いな」
拒否の言葉を口にした。
「さいですか」
「別にイリシャでもいいんだが人に教えるのはお前の方が得意そうだからな」
士道は常日頃、エレンに正拳突きを教えている。
その為、人に教える事に関しては士道の方に分がある。
「それじゃあ、これにお前が教える
サミュエル大佐がA4サイズの封筒を士道に手渡す。
封は、紐をボタンに巻きつけて止められていた。
「早速ですか。仕事が早いですね」
「今のSSSの重要案件だからな。それと悪いが始まるのは明日だ。今日中に書類に目を通しといてくれ」
「……仕事が早いとやることも早いと」
余りにも早過ぎる話の進み様に関心半分、呆れ半分の士道。
SSSの仕事が唐突なのは何時もの事だが士道は溜息が出るのを止められなかった。
「話は終わりだ。訓練に戻れ」
「わかりました」
士道は渡された封筒を脇に挟み、一礼すると司令部を出た。
「……………………はぁ」
司令部を出て士道はもう一度、溜息をついた。
明日からやる事が増えると思うと、士道の気分はどんどん下降していった。
「って駄目だな。こんなんじゃ」
士道は体に力を入れて猫背気味な背筋を真っ直ぐに伸ばした。
SSS所属の
士道は気を張り詰めて、訓練区画に足を進めた。
時系列を把握する為に定期的に言っておきます。
今は原作から約6年前です。
と言う訳でオリキャラ二人目出してみました。
一人目のオリキャラであるサミュエル大佐が男性だったので次は女性にしようとした結果、最強クラスになってしまいました。
二人目のオリキャラのイリシャには後々、超重要な役目を担ってもらう予定です。
それと着ぐるみマスクはミ〇キーのことです。
あと地味に章のタイトルを変更しました。
八舞テンペストと八舞ストーム、ぶっちゃけ意味は同じです。