デート・ア・ライブ 士道ウィザード   作:みたらし団子が好き

18 / 26
今回はキリが良かったので少し短め。

デート・ア・ライブ19巻、8月18日に発売予定らしいですよ。
そのおかげで学業と執筆に集中できません。


アルテミシアについて

「……やっちまったなぁ」

 

寮を出て基地に向かいながら、聞いた者に疲れた様子を感じさせるような錆びた声で士道はそう呟いた。

彼は結局、あの後7時頃までアルテミシアの訓練に付き合ってしまったのだ。

そのおかげでアニメは見れず、寝る時間も減ると言う散々な事態に陥ってしまったのだ。

 

「というか休めって言ったそばから訓練に協力どころか指導までするとかどういう事なんだよ」

 

士道は帰った後、自分がした事を振り返って頭を抱えた。

そして今はもう次の日だ。

 

「アニメも見れなかったし、レコーダーがあればなぁ」

 

士道は溜息のオンパレードを発動させながら基地の中心を目指す。

 

「中佐?」

「……ん?」

 

士道が有り余る給料を使って録画機器の購入を検討してると、後ろから声が聞こえた。

それとともに視界の横から金髪の少女がピョコっと姿を現す。

 

「アシュクロフト少尉か」

「昨日ぶりですね」

「ああ、昨日は悪かったな。休めと言いつつアドバイスしまくっちまって」

「いえこちらこそ。勉強になりました」

 

アルテミシアは畏まった様子で頭を下げた。

 

「そっか。なら良かった」

 

士道は見えない口を緩ませた。

昨日は散々なことにはなってしまったが決して無駄なことでは無かったのだ。

そう思うと士道は気が幾分か楽になった。

 

「では今日もご指導、お願いします」

「ああ、これからよろ……え?お前知ってるのか!?」

 

アルテミシアはニコッと擬音が付きそうな笑顔を浮かべてそう言った。

 

「はい。ついさっき中佐から教えを受けろと、私を担当していた教官から言われました」

「そりゃ随分と突然に言われたな……まあ俺も似たようなもんだけど」

 

士道は脳裏でニヤつくサミュエル大佐を思い浮かべ、苦笑した。

 

「因みに訓練には地下区画を使えと言われました」

「ああ……あそこか」

 

地下区画と聞いて士道が思い出したのは、あの痛いほどにだだっ広い空間だ。

四か月ほど前、エレンとそこで激闘を繰り広げた事は、未だに士道の頭に強く貼りついている。

まああれだけインパクト(ロンゴミアント)が強い光景は恐らく死ぬまで忘れないだろう。

士道は強く、そう思った。

 

「大佐にも言われたし早速訓練……いや、まずは」

 

士道は眼前に存在する建物を見て目を険しくした。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「で?……これどういうことなんですか?」

 

士道は司令部最奥の長椅子に腰かけたサミュエル大佐に、書類を向けてそう言った。

 

「どういう事も何も、そこに書いてある通りだ」

「……アルテミシア・ベル・アシュクロフト。つい二か月前、史上最高クラスの顕現装置(リアライザ)適正を叩きだして入隊ってことですか?」

「そうだ。お前が今言った事に間違いはない」

「……………」

 

サミュエル大佐の答えに士道は怪訝な表情を見せる。

 

「訳が分かりませんね。なぜ彼女を俺に任せたんですか?」

 

アルテミシアはイリシャが言うように世界最大の原石だ。

それ即ち、今後次第ではエレンやイリシャと同等の魔術師(ウィザード)に、或いはそれらも凌駕できるかもしれない。

まさしく無限の可能性を秘めている魔術師(ウィザード)なのだ。

 

「そんな彼女を俺が教えていいものか、少し議論の余地があると思いますけどね」

「……いや、お前だからこそだ」

「それはどういう意味で?」

 

士道は顎に手を当て、首を傾げる。

 

「アシュクロフトはその身に圧倒的な才能を宿している。世界中探してもアシュクロフトに匹敵する才能を持つ人間は10人もいないだろう」

「そうでしょうね」

 

サミュエル大佐の言う通り、人類は地球に七十億以上いるがそれら全員を検査したとしてもアルテミシアと同等の人は10人いればいい方だろう。

これは捻じれも曲げようも無い事実だ。

 

「そしてシドウ、お前はまさにそのアシュクロフトに匹敵する魔術師(ウィザード)だろう?だからお前に任せる事にした」

 

勿論のことだが匹敵するとは才能のことだ。

現状では士道とアルテミシアとの実力はまさに天と地ほどの差があると言ってもいいだろう。

だが場合によってはその差は埋まるだろう。

そう、例えば世界最強クラスの魔術師(ウィザード)が教えるなど。

 

「まあ実を言うと、あまりにも才能が有りすぎて教官役職全員にたらい回しにされた結果、お前ぐらいしか教える奴がいないって言うのが一番の理由だ」

「ああ、そういうことですか」

「そういやお前はそういうことが無かったよな」

「俺の場合、基本はともかくとして、銃弾を切るとか二刀流とかの応用は全部独学ですからね」

 

士道が思い出したのはスター〇ォーズかっけぇと言う理念の元、生み出された銃弾切りだった。

 

「だろうな。そんな尖った妙技を使う魔術師(ウィザード)は世界中探してもお前ぐらいだぞ」

「ですよね。そもそも魔術師(ウィザード)は精霊を倒す為の存在ですし、俺みたいな人を殺す存在は稀ですからね」

「ああ…………じゃあアシュクロフトの事は任すぞ」

 

サミュエルは一瞬、苦々しい表情を浮かべるがそれを振り切る様に頭を振った。

 

「へいへい、分かりましたよ、っと」

「何なら魔術師(ウィザード)として鍛えるついでに自分好みに染め上げちまってもいいぞ?」

「くたばれクソ爺」

 

士道はイイ笑顔でそう言った。

二人はお互いに軽口?をたたき合うと士道は後ろを向いて出入り口から出て行った。

 

「話は終わったんですか?」

 

司令部が設営されている部屋の前の廊下に立っているアルテミシアは士道にそう聞いた。

アルテミシアについての話を大佐とするのにその場に本人がいるというのもなんだかな、と言う理由でアルテミシアは士道から廊下で待機するよう言われていたのだ。

 

「ああ、取り敢えずお前の訓練を俺が引き受けることは決定的になった」

「!……そうですか」

 

アルテミシアは一瞬驚いたがすぐさま再び表情を引き締めた。

だが声音は喜色に染まっており微妙に締まらなかった。

 

「言っとくけどちゃんと訓練する以上、手加減する気はないぞ。俺の役目はお前を一人前以上の魔術師(ウィザード)にすることだからな」

「それは百も承知です。寧ろ手心を加えてもらうとこっちが困ります」

「ふっ……いい返事だ。……じゃあ、行くか」

 

士道は早速訓練を行うべく地下スペースを目指して足を進めた。

今から始まるのだ。

アルテミシアを最強の魔術師(ウィザード)に育てる。

それが士道の役目であり、仕事なのだ。

士道はその責任を強く感じ、力強く床を踏みしめた。




スター〇ォーズエピソード8見て思ったのは最高指導者の護衛めちゃくちゃかっこいい、でした。
二刀流とかハルバードとかロマン過ぎて痺れる、憧れる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。