デート・ア・ライブ 士道ウィザード   作:みたらし団子が好き

5 / 26
あっヤベ、間に合わん(学校登校する5分前)。

と言う訳で一週間以内に書けませんでした。 m(_ _)mすいません

それなりに長くしたんで許してください、何でもするわけではないですけど。



精霊討伐、し損ねた

―――ちくせう

 

士道は内心そう愚直った。

 

士道は今、精霊と戦った場所から離れ、建物に身を隠していた。

精霊に蹴られた傷は、防性随意領域(プロテクトテリトリー)を展開していたためそこまで酷いケガにはなっていない。

もし防性随意領域(プロテクトテリトリー)を展開し損ねていたら、骨が何本も折れていただろう。

もしくはそれ以上の重症になったかもしれない。

取り敢えず痣だけで済んだので良かったと思うべきだろう。

 

さてどうしようか。

もう一度不意打ちを狙ってみるか。

今度はもっと決定的な隙が欲しいな。

 

『おいシドウ!』

 

精霊を倒す事を考えていると無線から声が聞こえてくる。

 

「!隊長どうしたんですか?」

『どうしたじゃねえよ、さっきから呼びかけてんのに反応がなかったぞ!』

 

どうやら俺は考えに浸っていて無線の声に気付かなかったらしい。

 

「すいません、精霊の事について考え事をしてまして」

『……ほかの奴はどうなった?』

「俺以外は全員全滅か、もしくはどっか行ってると思いますよ」

『だろうな。こっちでも確認した』

 

やっぱりそうか。

俺が逃げた時は全員石像みたいに固まってたり、倒れてたりしてたからな。

 

「精霊は今どうしてますか。」

『……今は街中を歩いてる。戦闘なんてなかったって言わんばかりにな』

「そうですか」

 

となるとこれはチャンスじゃないか?

今ならもう一回仕掛ける事も出来る。

 

『シドウ、撤退しろ。……作戦は失敗だ』

「待ってくださいよ。今精霊をどう倒そうか考えてたんですから」

『おまえは、まだそんなことを考えてたのか。新人が居たとはいえ30人で戦って負けたんだ。おまえ一人で勝てるような奴じゃないぞ。ついさっき身に染みただろう?』

 

……確かに精霊は強い。

それも、想像以上に。

サミュエル大佐が言う通り勝てるような存在じゃない。

あの物理的ファンタジーは口じゃ説明出来ない。

だが勝機がない訳ではない。

 

「隊長、俺は無策で精霊に戦いを挑もうなんて考えてませんよ。俺は勝つ予定です。理由もちゃんとあります」

『……理由とは?』

「あの精霊の天使はおそらく戦闘向けじゃないと思います。使われたら間違いなく詰みますけど、使う前に無力化すればいい話です」

 

あの精霊の天使の能力が本に書いた事を現実にするものであれば使う隙を与えなければいい。

幸い本に書く動作が必要だから効果を発動させるには少し時間が要るはずだしな。

 

『使われる前に無力化……か。随分とピーキーな策だな』

「精霊を殺すのはそれぐらい難しいってことですよ。それにシスターは好き好んで人を殺す精霊じゃないですし死ぬって事はないんじゃないんですか?」

 

もしこれで勝てなかったらこれ以上何をしろと言ってやりたいものだ。

 

『……分かった、許可する』

「えっ!いいんですか」

『今更なにを言っているんだ。おまえが勝てるって言い出したんだろ』

「い、いやあ、ハハハ……ダメ元で交渉してたもんですから」

 

正直許可が出るとは思っていなかった

頭の固そうな大佐がこんな一か八かの戦いに賛成するとは思えなかった。

 

『許可は出す。たがこんだけ大口叩いたんだ。勝てよ』

「わかってますよ、では」

 

そう言うと俺は無線を切った。

 

さて精霊をどうやって倒そうか。

今、俺が持ってる武器はノーペインが二本と拳銃が一丁だ。

 

……ぶっちゃけ言って拳銃は力不足かもしれないな。

精霊を殺す為の部隊に支給されるだけあって威力はそこらの軍隊が持ってる物とは比べ物にならないほどの差がある。

けれど、それでも霊装の前では威力不足と言わざるを得ないな。

精々こけおどし程度にしかならない。

となると消去法で精霊に対抗する手段はノーペインってことになるな。

 

一回情報を整理しよう。

勝つための条件は大体こんな感じだろうか。

 

一つ、シスターに天使を発動させない。

二つ、拳銃は間違いなく決定打にはならないので、戦闘にはノーペインを使う。

 

特に天使を発動させないことは最も重要だ。

発動を許しただけで負けると思っていた方がいいだろう。

 

この二つの条件を守りつつシスターを戦闘不能に追い込まなければならない。

………………よし。

無数の敗北の中から勝利を掴み取るような戦いだけど、やるしかないか。

 

(今度こそは必ず勝つ)

 

士道は大佐から送られてきている位置情報を頼りに精霊に少しずつ接近していった。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

誰一人として居なくなった町の中。

議別名、シスターは街中を黙々と歩いて自身が消失するのを待っていた。

 

すると少しだけ音がした。

普通の人間なら聞き逃してしまうほどの微細な音だ。

だが精霊の人外じみた聴力はこの音に気付いてしまった。

 

その直後、ジェットエンジンのような轟音が響いた。

その轟音とともに真横の建物の屋上から士道が姿を現す。

士道は轟音の正体―――スラスターを最大出力で起動しほんの数瞬でシスターの近くに迫る。

そして士道は左足を突き出しシスターに飛び蹴りをする。

 

スラスターの生み出す圧倒的な速さが勢いとなって、士道の蹴りは途轍もない威力になっているだろう。

だがそれを事前に察知していたシスターは、その飛び蹴りを躱すことに成功した。

目標を失った士道の飛び蹴りはそのまま地面に突き刺さる。

 

「いやー危ない危ない、避けるのが少し遅かったら当たってたよ~」

 

シスターは相変わらず呑気に言葉を発する。

士道は自分の蹴りによって抉れた地面から出てくる。

そしてノーペインの刃を出すとシスターの首を狙って斬撃を放つ。

シスターはその攻撃を軽快に避けていく。

 

「あーもう、少しは会話を楽しむ気になんないのかな~?」

 

シスターは士道の攻撃を避けながら、そんな言葉を口にする。

 

「生憎、こっちには会話を楽しむ余裕がないんでな!」

 

士道は会話を無理やり終わらせると横、または背後に回って縦横無尽に攻撃を浴びせていく。

だがどれも跳んだり地面を蹴ったりして避けられてしまう。

 

「!……ちょこまかと」

 

士道は悪態をつき、天使を使わせまいとひたすらに攻撃を放ち続けた。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

戦いがふたたび始まりすでに十数分が経過した。

その間、士道は休むことなくシスターを攻撃し続けているが全ての攻撃を難なく避けられてしまう。

 

それもそのはず。

相手は精霊なのだ。

技術では勝っていたとしても、身体能力においては歯が立たない。

それはCR-ユニットを使っても同じことだ。

 

そしてこの戦いにも終わりが見え始めた。

士道のスタミナ切れだ。

いままでずっと休まず攻撃を続けていた代償が今払われようとしているのだ。

始めは動きが速かった士道もいまでは少しずつ速度が落ち始めている。

その隙を精霊は見逃さなかった。

 

「んーそろそろ避けるのも飽きてきたね」

 

シスターは士道の大振りの攻撃を避けるとさっきと同じように蹴りを入れてくる。

 

「あぶねっ……」

「ふーん、ならこれでどう?」

 

シスターは蹴りを避けた士道に間髪入れずに今度は腕を振るってくる。

 

「がッ」

 

士道はシスターの腕を避けられずに被弾、一気に吹き飛び端にある建物のコンクリート部分にぶつかってしまう。

 

「ハァ……くっそ」

 

これが精霊と人間の差だ。

士道がぶつかった建物は軽く皹が入っている。

軽い攻撃を当てられただけでこれなのだ。

シスターは立てない士道に歩いて近づいてくる

 

「はい残念でした、これを使えばあたしの勝ち」

 

シスター持っていた本を開き霊装についているペンを手に持つ。

おそらく天使を使うつもりだろう。

 

「いや~惜しかったね、最初の飛び蹴りは結構危なかったけど」

 

シスターは相変わらず呑気にそんな言葉を言ってくる。

 

「じゃーね、マスクを着けた魔術師(ウィザード)さん」

 

シスターの持っているペンが先が本に触れ、内容は分からないが何かが書かれる。

だがそれが達成されることはなかった。

 

シスターが天使を発動しようとした直前、彼女が見たのは拳銃の丸い銃口だった。

 

ドガァン

 

その音は銃弾というよりかは砲弾といったほうがいい。

それぐらい重厚な音だった。

 

士道は天使を発動される直前、拳銃をホルスターから抜いて撃った。

放たれた銃弾は天使を発動する直前で油断していたシスターの胸に当たる。

もちろん霊装によってダメージは皆無だろう。

 

だが衝撃までも完全に殺せる訳ではない。

撃たれたシスターは撃たれた事により少しのけぞってしまう。

それが致命的だった。

 

(チャンス!)

 

士道は立ち上がりノーペインから刃を出す。

そして力を振り絞りシスターにノーペインを振り下ろす。

その攻撃はこの戦いの中で最も速く鋭い一撃だった。

 

「うあッ」

 

士道の攻撃はシスターの足に命中し、深い傷をつける。

それによりシスターは地面にうつ伏せで倒れてしまう。

そしてペンはシスターの手から離れ地面を転がっていく。

 

「……うう」

 

シスターは地面に落ちた本とペンに手を伸ばそうとする。

まだ天使を使おうとしているらしい。

だが士道がそれを許すハズがなかった。

 

「きゃあッ」

 

士道はシスターの手の甲にノーペインを突き立て、地面に固定する。

 

「ふう……どうにか勝ったか」

 

士道は息をはくともう1本のノーペインを手に持ち刃を出す。

 

「……うう」

 

シスターはどうやらまだ諦めていないようで、手の甲に刺さったノーペインをもう片方の手で抜こうとする。

 

「無駄だ、足の筋を切った。君はもう歩けない」

「……こ、これって見逃したりしてくんない?」

「え?」

「君ってほかの魔術師(ウィザード)と違って私に殺意みたいなのは抱いてないみたいだし……見逃してくれないかなぁ~って」

 

どうやらシスターは士道がほかの魔術師(ウィザード)と士道が何かしら違うことに気付いたらしい。

まあ確かにほかの魔術師(ウィザード)とは絶対的に違うことがあるが。

 

「……見逃すわけないだろ」

「ッ……!」

「君をここまで追い詰めておいて取り逃がしたなんてことになったら、上司に怒られる」

「……へ?」

士道は至極真面目な顔で理由を話す。

シスターは理由が案外しょぼいもので驚いてしまう。

そして士道はノーペインをシスターの首筋に当てる。

 

「じゃあな、精霊」

 

士道がシスターの首を切ろうとした瞬間、無線からまた声が聞こえてくる。

 

『シドウッ!待てッ』

「うわっ!」

 

士道は大佐の声が大きかった為、少し驚いてしまう。

 

「な、なんですか隊長。今、シスターにトドメを刺そうと……」

『シドウ、落ち着いて聞け』

「?何ですか」

『上層部から捕獲命令が出た』

 

そこで士道は黙り込む。

今だに地面に寝そべっているシスターは、怪奇な表情を浮かべている。

 

『理由は分からん。だが陸軍のお偉いさんからの命令なんだ、ここは一つ我慢してくれ』

「あっはい、わかりました」

『……まあそりゃあ渋るよな……は?』

 

今度はサミュエル大佐の方が黙り込む。

そして少しすると口を開いた。

 

『い、いいのか?そんな軽く決めてしまって』

「別にいいですよ。そんなことより捕獲するなら早く回収班寄越してください。その間俺がシスターを見張らないといけないんですから」

『あ、ああ、直ぐに手配する』

 

そういうとサミュエルは無線を切った。

 

―――あいつ魔術師(ウィザード)にして良かったのか?

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

「えーっと、まあ喜べ」

「え?」

「取り敢えず殺されなくてすむらしいぞ」

「そ、そうなの?」

「……取り敢えずはな」

 

士道はノーペインの刃を消して、シスターの近くに座り込む。

 

「あー、疲れた」

 

今の士道はまさに疲労困憊と言った感じだった。

今CR-ユニットを解除したらもう動けそうになかった。

士道は座って一息つくとふとシスターの顔を見てみる。

色の髪とターコイズの瞳、皺一つない真っ白な肌に端正な顔立ち、いわゆる美少女と言う奴であった。

 

「こうしてよく見てみると可愛い顔してるな」

「……んえ?」

 

その言葉でシスターは頬を少し赤く染める。

 

「資料で見た通り精霊って美少女なんだな、ぶっちゃけその点に関しては半信半疑だったんだけど、スタイルも結構いいし」

「あ……う」

 

もはやノーペインで手の甲を刺された痛みなど忘れていた。

シスターは士道に向けていた顔を地面に向ける。

 

(ヤ……ヤバい!普段そんなこと言われたことなかったから顔がにやけちゃうぅ)

 

まあ言われたことがないと言うよりかは普段誰とも会わなかった、と言った方が正しいだろう。

 

(でも……少し嬉しい……)

 

そしてしばらく経つと音がしてきた。

シスターと士道はそれがヘリコプターのプロペラが出す独特な音だという事に気付く。

おそらく回収班が到着したのだろう。

 

(……私ってこれからどうなるんだろ)

 

捕まりこれから何をされるのかシスター、本条二亜はそれを考えずにはいられなかった。




今回初めてルビ機能使ってみました。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。