プロローグ
筋ジストロフィー治療実験
最終報告
本計画は
筋ジストロフィー治療実験である。
被験者の人格をデータ化し完全に肉体と切り離すことで人格データを作り出す。
肉体は培養したものでありクローンではない。
この実験が成功すれば筋ジストロフィーの治療及び不死化の可能性が見いだせる。
しかし、第一実験以外の第三十四実験、計三十三実験での失敗を確認。
人格データの作成過程で被験者の精神が崩壊することにより被験者が死亡する為である。
第一実験での成功理由を論理的学術的観点で証明することができない以上損害を最小に抑えるため、実験を凍結し研究チームは
樋口製薬・第七薬学センターの一室で
「はは、何よ。クローン計画なんてなくて、ちゃんと私のDNAマップは正当に使われてるじゃない。ドナー提供で髪質や体質が変わったって聞くし、きっと私と同じような体格の女の子が成功したのよね。これ。髪色が私そっくりになって、見間違えたんだわ。」
乾いた笑みを浮かべて、力なく地面に座り込む。
安堵した表情で、清々しい表情で。
自身のクローン計画を暴きにきた彼女は、クローン増産計画が凍結されたことと自身の提供したDNAマップが正当な方法で使われた事に安堵したのだった。
実験内容がクローンに別人格を移植するという事実に、彼女は気がついていない。
哀れなものだ。と私は思う。同時に幸せだ。とも。
「
「なんでもありません。貴方はあなたの仕事をしてください。私は終わりましたよ。」
「およそ46秒で完了します。とミサカは計算します。」
目の前にいる御坂美琴と瓜二つの彼女こそ、御坂美琴が探っていたクローン。
私と違って模造品の体に作られた人格を叩き込んだ量産型。
肉体の製造もたった14日で終わる短命中の短命。
彼女は死ぬためだけに作り出された人形だ。
そう。人形。
「一つ、聞きたいことがあります。」
「なんですか?こちらは作業中なのに。とミサカは心の中で悪態をつきます。」
「軍事用クローンの癖に随分感情豊かね。まぁ、貴方はクローンってどう思ってるわけ?」
「…そういえばあなたもクローンでしたね。確か、