操作場はとある気配で溢れかえっていた。
そりゃそうだ。この空間には
プラン外とやらの、実験の破壊活動により得た新たな
「風が少し吹いてきましたね。とミサカは退屈紛れにつぶやきます。」
傍らにいるのは何かと私のサポートや
「あのあと、結局どうなったの?」
「もう顔を見たくないと言われてしまいました。とミサカは思い出して落ち込みます。感情というのも悪くないものですね。これでも。とミサカは感謝を吐露します。」
「あ、今の感謝なのね。てかさー、あんたってばこのミサかと暮らすんだからね?現実いじってミサカと双子になるんだからねー竜宮
「ミナカですか。このミサカは
他のミサカとは違い
その観点から見て一番戸籍を得るに最適と理事長にわがままを言ったのだ。
他の個体は恋愛的な意味では無く、どちらかといえば家族に近い愛を、好意を向ける。庇護すべき弟のような、儚い兄のような感覚で。しかし彼女は違う。
総意の観測からしても、彼女だけは違っている。
「しかし良かったのでしょうか?」「私達ミサカはすでにこの世にいない身」「
そう、ミサカたちは言う。良い反応だ。私と関われば何かと歪む。御坂美琴は狂気的に実験に噛み付いて、
1号から7776号までの個体は死してなお
「私達ミサカは
『そうだね/return。私達が生まれたときに植え付けられた価値観だからね?/return。それでも私達は構わないと思うよ/return。だって本当にあってみれば、この気持ちが抑えられないから/escape。』
「あァ?呼び出されて来てみればなンですかァ?ハッ!やろうってかァ?」
とても愛おしく、遠かった存在が近くにいるのがわかる。私の
世界が新装され、聞こえなくなっていた声が聞こえてくる。
全権を取り戻すには行かないものの、この距離だけで世界の声を聴くことができるようになる。
心のどこかに空いた穴が塞がるように、なくしていたパズルのピースが見つかった時のように、ひび割れた大地に雨が降り注ぐように、体に力が戻りだす。
失われていた魂のエネルギーが、彼を経由して本霊からのラインを確保できたようだ。
ならば祝福を。さらなる祝福を与えなければならない。
姿が見えた。その肌は陶器のように美しく、その髪は光を受けて煌めく純白の白。真っ赤な瞳は紅玉の秘宝の如く彼の魅力を倍増させていた。容姿は抽象的でか弱い印象をうける細身の体から発せられるいかにも不機嫌で鋭利なナイフのような口調のギャップで再三惚れさせられる。
「ここにいるクローンミサカは全2万と1体です。私はクローンミサカの人格モデルになった
ミサカを代表して私が前に出る。
一人だけ真っ白な私に少しだけ表情を困惑させたものの、何かを思い出したように少しだけ目を大きく開いた。
「あ?この感じ、お前かァ?オレに付き纏ってた気配は?」
「なにを。私はあなたに呼ばれたんですよ?助けてくれ。と、その声に随分遅くなってしまいましたけどね。今日あなたを呼んだのは、私との再開とミサカの送別のためです。凍結され、ミサカは世界各地の協力機関へと送られます。そのための送別です。」
「二万体。って言ったよなァつまり、あいつらは」 「えぇ。肉体が使い物にならなくなれば新しい器を用意すればよいのです。彼女たち恥ずかしがってるんです。あなたを傷つけてしまった事実に。」
多くのミサカが
「ミサカ達は
「神?そンな、聞いてやがったのかァ?本当にいやがったってのかァ?あンなもン子供の戯言だろ?」
「戯言でも確かに私には貴方の声が聞こえた。聴こえてきたの。だからね?助けたくなっちゃった。これは私のエゴ、そしてこの世に私を降ろしてしまった貴方の罪。貴方はここに居るミサカや黄泉川の好意を受け取らなければならない。」
「このミサカは新しく
「お前、最後の実験のやつだなァ?。」
「ハイ。貴方に救われた命です。と
これは、契約完了より二人の仲を縮ませる方向がいいぞ。
私はすっ。と、二人の手の間から手を抜き取り一歩下がる。
「ミサカは、
「だからこそミサカたちは」「次はこのミサカ達に」「本当に守れるかはわかりません」「それでもミサカは」「助けたいとミサカは」
「他の私もそうです。
当の
「クローンごときが俺を守る?そンな事、できるわけねェだろ?」
「喧嘩ならミサカにまかせてください。あれですここはあなたが出るまでもありません!と言うやつです。」
「なンだそれ。」
「あまり私達クローンミサカを舐めてんじゃねぇーよ。って事。好きな子ぐらい守ってみせないと軍事クローンの名がすたるんだぜ?」
「好きな子ねェ?オマエらホント馬鹿だよなァ。」
瞼を涙で濡らしながら彼はそう言う。この姿を見て誰が怪物と言うのだろうか?
彼もまた、救われたかった人間だ。
もう遅いと決めつけていた人間だ。
彼の手が血で汚れていると言う人間が居るなら、こう言ってやれる。彼の汚れは助けたかった人の血だと。
汚れていても、穢れてはいないのだ。
たとえそれが私のエゴであってもだ。
「わかっていただけただけでも嬉しいです。ここにいるミサカの殆どは貴方と思い違いをしたまま遠方に旅立つのかと心配していました。」
「遠方からあなたを支援します。とミサカは誓います。」
どのミサカもつられて同じことを言った。
「同じ顔で同じ事、何回も言ってんじゃねェ。俺はもう――」
その言葉の続きはなんだろうか?その場にいたミサカはそう思った。
《今更ながら、恥ずかしいと気がついたのでしょうか?とミサカは想像します。》
《ミサカはその意見に同意します。》
《同じく。とミサカは同意します。》
だけど違う。
上条当麻が。
「離れろよテメェ。」
溢れんばかりの怒気を体から放出させて、まるで
「今すぐ御坂妹から、離れろっつってんだ。きこえねぇのか。」
当麻の言葉に嫌そうに眉をひそめた
けど待ってほしい。ここは私に花を持たせてほしい。
「ここは
「あのときの言葉だァ?」
当麻のことなんか完全に無視を決め込むようで、思い出すかの様に、俯く
「そこにいるのは
当麻が何かと吠える。やっと私を見つけたのね。
こちらの声は聞こえてない様子だ。
「もたもたしてねぇで、離れろっつってんだろ、三下‼」
まるで信じられないような物でも見るかのように
ついでに私の方を見て、何を言ったのか、教えてほしいといった顔で。
「離れろ。三下だそうよ?」
「なンで?」
「
「そォなのかァ?」
「でも、私がなんとかする。さぁ、私を降ろしたあの言葉を、本契約完了を。」
その声はか細く、当麻には到底聞こえないだろう。
「神様がいるなら、どンな奴でもいい。オレを助けてくれ。」
それでも彼の言葉は私の髄に響き渡る。
世界が一変して、すべて手に取る用にわかるようになる。
契約が完了し、本霊との道が
私は人間から神格に舞い戻るということになる。
体の重さの感じ方が変わる。
「
「