「ふぉ!この体でははじめての外!お兄ちゃん的には初めてなのよねー?」
「そうだな。」
「そンなにはしゃぐもンかァ?」
「まーまー、そう言うなってやつですたい。」
「俺もついてきて良かったのか?」
「
六人乗りの車には、運転手兼保護者として五条が。助手席には何故かついてきている土御門元春。そして真ん中に私と
私達は外に来た。
私と
五条が保証人をすべて引き受けてくれたので、ここで当麻の両親と一緒にバケーションするというわけではないし、行き先の海は、クラゲが大量発生してるそうで、砂場遊びぐらいだろう。
「というか、
「
「たしかに。」
「ミサカは現実改変能力者なのだよ。当然みんなの青春真っ盛りな下半身に配慮して性別を男に変えてるともさ!」
「うーむ、確かに今日の
「ちんちん生えてます。」
「確かになァ。」
「
「はァ?ちゃンとくっついてる。」
「ちょっと、中学生男子!
「俺も今回は任務ですにゃー。」
「闇の人間が三人かぁ。一人は完全エンジョイモードだし。」
『次、左折です。』
カーナビの音声が騒がしい車内に響く中、
私とお兄ちゃんと当麻で騒いでる中、
「何見てん?」
「止まる場所のパンフレットですゥ。海の宿イナバだとよォ。」
「名前は因幡の白ウサギからじゃない?」
「なンだ、それ?」
「古事記に載ってるうさぎと神の話。ウサギが海を渡るんだよ。」
パンフレットにはうさぎとサメのイラストが書かれている。
「そういえば、部屋ですけど寝室2つなんですよ。」
「当然、私とお兄ちゃんと、
」
「あ、ガチで男なんですね?今。」
「土御門は保護者役ってなんでだ?」
「何って、このメンツ見て……あぁそっか。今回
「……つまり土御門も魔術師なのか?てか、
「問題ないぜい上条ちゃん。
「
「え、待ってくれ。となると俺と
こいつ、今更なのか?という雰囲気に車内が包まれた。
「え?マジですか?」
「そうよ?言ったじゃない。対
・・
用意させたスイートルームは清潔感あるものだった。
荷物もすべて放り出して
何気なくお兄ちゃんがテレビをつけると、ワイドショーなどではなく緊急ニュース特番が放送されていた。
『えー、現場の小森です。昨日未明、都内の新府中刑務所から脱獄した死刑囚、火野神作の行方は現在も掴めていないようでして、周囲の中学校などでは休校にするなどと緊迫した空気が伝わってきます。目撃情報もまだ無いようでして、警察はもし発見しても無闇に近寄らず、すぐ通報する。人通りの多い道路を歩くようにしてほしいとの注意喚起が出ています。』
「脱獄犯だって。外の世界もなかなか物騒。」
『また、火野神作はその特異な殺人法「儀式殺人」によって、多くの愛好家や模倣犯を生み出しており、今回の脱獄にも彼らが関わっているとされ、警察では迅速に対応をするとの会見を行っています。』
「儀式殺人ねェ?オマエらからしたらどォなンだ?」
「うーん、魔術的観点から見ても何もおかしくないわ。ただ、捕まるようなヘマをするなら魔術師の可能性は薄いわね。たびたびワイドショーを沸かせてたけどプロなら死体なんて消せるもの。」
「確か二重人格とか言ってただろ?」
「解離性同一性障害ってやつかァ?ありゃあ確か責任能力やらが無いとされるだろォ?」
「うーん、なら完全に人格が移り変わってるんじゃなくて、一部分が混同してるんじゃない?
「必要ねェ。」
「そう。」
興味がないみたいだし違う番組を見ようにも、ほとんどのテレビ局はその話題だし、一部の放送局は通販番組の時間だった。
「でも怖いよ?そこのテラス開けたら窓に引っ付いてたとか、さ。」
「流石にねェだろ?」
「そうそう、ここ五階だよ?そんな人登ってくる?」
「登ろうと思えば登れるわよ。クライミングやってる人もいるし。てか、お兄ちゃんのそれフラグっていうんだよ?」
「そうそう起こるわけ無いだろ?だって――」
プツンと、その瞬間部屋の電気が切れた。
すぐにお兄ちゃんが窓を確認し、侵入者がいないかと確認する。
私は反対にリビングへのドアを少しだけ開けると、リビングには当麻が一人、尻もちをついていた。
当麻の視線の先には侵入者にして、脱獄犯、火野神作がそこに居た。
夜風が気持ちいいからと入ってきた当麻が開けていたテラスにつながるその大きな窓から火野神作が乗り出してきて当麻に襲いかかる。
目があった。狂ったその瞳と。
すぐに当麻に駆け寄り、
「ひっ……」
「どけ!」
邪魔くさい当麻を蹴ってどかせる。
「あ、」
今日の
レーザーや毒針など仕込んでない。
「エンゼルさまえんぜるさま。」
「なに?」
「俺は一体何をすれば?あんたに従えばすべてがうまく行くんじゃなかったのか!!答えやがれ!!!」
私の
一見、デタラメのように見えるが、KILLと言う文字が刻まれていく。
そして一直線に私に向かって刃物が飛んでくる。
それは私の肌に当たって弾かれる。
「ガァ?!」
「刃物ごときでこの私を傷つけられるとでも?」
弾かれた刃物を持つ腕に足をかけて無理やり押し倒すと、背中をこちらに向けて転がすように足で払い、すぐにその両手を掴み上げて払った足で背中を押しつぶすように体重をかける。
「カッ……ぎぃびぃ‼」
「何事ですか!ってギャー!!!」
「縄なわ!縄持ってきて早く縛り付けて!!」